相続で土地を受け継いだときに、国税庁の路線価図をどう探し、数字や記号をどう読み、相続税申告や遺産分割でどう使い分けるかを整理します。
相続で土地を受け継いだときに、国税庁の路線価図をどう探し、数字や記号をどう読み、相続税申告や遺産分割でどう使い分けるかを整理します。
相続税評価と遺産分割上の価格を分けて、土地評価の入口を整理します。
相続で土地を受け継ぐときは、まず土地をいくらで見るかを整理します。相続税申告では相続税評価額が必要になり、宅地では多くの場合、国税庁の財産評価基準書にある路線価図や評価倍率表を確認します。
次の重要ポイントは、路線価図がどの場面で役に立ち、どこから専門的な評価に進むべきかを示しています。相続税評価と遺産分割上の価格は目的が違うため、同じ土地でも使う資料が変わる点を読み取ることが重要です。
道路ごとの1平方メートル当たり価額、借地権割合、地区区分を確認できます。ただし、売却価格や遺産分割上の時価をそのまま示す資料ではありません。
次の一覧は、土地評価で混同しやすい3つの価格の使いどころを比べたものです。目的を取り違えると、税務申告、代償金、売却判断がずれるため、どの価格を何のために見るのかを先に分けて確認します。
相続税や贈与税の財産評価で使います。宅地では路線価方式または倍率方式を確認し、補正率や利用区分を反映します。
相続人間で土地をどう分けるか、代償金をどう考えるかに関わります。合意がなければ実勢価格や鑑定評価も問題になります。
市場での成約可能性、接道、境界、建物解体費、借地借家関係などを踏まえて検討します。路線価だけでは判断できません。
路線価等は、その年の1月1日を評価時点として定められ、地価公示価格等を基にした価格の80パーセント程度を目途に定められるとされています。したがって、相続開始年の年分を選ぶことが出発点になります。
申告、分割、登記、売却での使い分けを確認します。
路線価図は、相続税申告だけでなく、申告要否の概算、遺産分割協議、代償金、遺留分、売却、相続登記前の資料整理でも使われます。ただし、どの場面でも同じ結論を導く資料ではありません。
次の判断の流れは、路線価図をどの目的で使うのかを整理するためのものです。目的ごとに必要資料と専門家が変わるため、最初に用途を分けて読むと、後続の調査漏れを防ぎやすくなります。
相続開始日、所在地、地番、固定資産税情報をそろえます。
相続税申告、遺産分割、売却、登記前整理のどれに使うかを確認します。
評価単位、奥行、権利関係、小規模宅地等の特例が税額に影響します。
査定、鑑定、取引事例、固定資産税評価額なども併せて確認します。
税理士の視点では、路線価図は土地評価の入口です。実際の申告では、奥行価格補正、側方路線影響加算、二方路線影響加算、不整形地補正、間口狭小補正、奥行長大補正、がけ地、無道路地、私道、貸宅地、貸家建付地、地積規模の大きな宅地、小規模宅地等の特例などを検討します。
司法書士の視点では、路線価図を見る前に、登記事項証明書、固定資産税課税明細書、名寄帳、公図、地積測量図などで、土地の所在、地番、地目、地積、共有持分、敷地権割合を確認することが重要です。相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要になります。
固定資産税、登記、公図、契約、相続開始日を先にそろえます。
国税庁ホームページで路線価図を探す前に、住所だけでなく地番、地積、地目、利用状況を確認します。住居表示と登記上の地番が違う地域、複数筆や私道を含む土地、マンション敷地では、準備資料の有無で検索の精度が大きく変わります。
次の一覧は、検索前にそろえる資料と、その資料から読み取るべき情報を整理したものです。路線価図上の場所を誤らないために、所在地だけでなく、権利関係や利用状況まで一緒に確認することが重要です。
所在地、地番、地目、地積、固定資産税評価額を確認します。倍率方式では固定資産税評価額が計算の基礎になります。
評価額倍率方式所在、地番、地目、地積、所有者、共有持分、抵当権を確認します。自宅住所が住居表示で、登記上の地番と異なることがあります。
地番共有持分不整形地、旗竿地、私道負担、複数筆一体利用、境界不明などでは、路線価図だけで評価単位を判断しにくいことがあります。
境界接道貸宅地、借地権、貸家建付地、親族間の使用貸借では、契約の実態、地代、建物所有の有無、継続性が評価に影響します。
借地権貸家建付地相続税評価で使う年分は、原則として被相続人が亡くなった日の属する年です。2025年中の相続では令和7年分の財産評価基準を使います。
年分1月1日国税庁の令和7年分路線価等は2025年7月1日に公開されています。申告書を作る年ではなく、相続開始日の属する年分を確認する点が重要です。
年分、地域、路線価図番号を順番に確認します。
国税庁ホームページでは、年分、都道府県、市区町村、町丁名または索引図の順にたどります。公式の路線価サイトは国税庁が運営するrosenka.nta.go.jpであり、検索結果に広告や民間解説が混じることもあるため、公式サイトであることを確認します。
次の時系列は、国税庁ホームページで路線価図または評価倍率表へ到達するまでの順番を示しています。どの段階で年分や地域を取り違えやすいかを読み取ると、対象地と違う図面を見てしまうリスクを下げられます。
検索エンジンではなく、国税庁の財産評価基準書 路線価図・評価倍率表に入っているかを確認します。
申告書作成年や現在年ではなく、相続開始日の属する年分を選ぶのが原則です。
路線価が定められている地域は路線価図、路線価がない地域は評価倍率表を確認します。
対象地が図面の端にある場合は、隣接図面番号や方位も確認します。
道路形状、交差点、町名、公共施設、河川、鉄道、方位を手がかりに、対象地に面する道路の数字と記号を読み取ります。
相続税申告や相続人への説明資料として使う場合は、年分、都道府県、市区町村、路線価図番号、所在と地番、接面道路の路線価、借地権割合、地区区分、倍率地域かどうか、確認日を記録します。
千円単位、借地権割合、地区区分、倍率地域を読み分けます。
路線価図は、道路に付された数字とアルファベットだけでなく、地区区分、倍率地域、個別評価、方位や隣接図番号も読みます。数字だけを見て面積を掛けると、単位誤認や補正漏れが起きやすくなります。
次の比較表は、路線価図で見る主な表示と、その意味をまとめたものです。表示の種類ごとに評価への影響が異なるため、数字、記号、地区区分、地域表示を別々に読み取ることが重要です。
| 表示 | 読み方 | 評価での注意点 |
|---|---|---|
| 300D | 300は300千円、つまり1平方メートル当たり300,000円です。Dは借地権割合の記号です。 | 300円や3,000円ではありません。Dを自用地評価に常に掛けるわけでもありません。 |
| AからG | Aは90パーセント、Bは80パーセント、Cは70パーセント、Dは60パーセント、Eは50パーセント、Fは40パーセント、Gは30パーセントです。 | 借地権、貸宅地、貸家建付地など権利関係がある場合に重要です。 |
| 地区区分 | ビル街地区、高度商業地区、普通住宅地区などの区分です。 | 奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率などに影響します。 |
| 倍率地域 | 路線価方式ではなく評価倍率表を使う地域です。 | 固定資産税評価額と地目別倍率を確認します。 |
| 個別評価 | 区画整理中の区域や大規模特殊地などで表示されることがあります。 | 通常の路線価計算だけでは評価できない可能性があるため、税務署や専門家への確認が必要です。 |
| 方位と隣接図番号 | 対象地が図面の端にある場合に、隣の図面や向きを確認する手がかりです。 | 誤った道路の路線価を採用すると、評価額が大きくずれます。 |
次の割合の比較は、路線価図に添えられたAからGの記号が示す借地権割合を整理したものです。借地権や貸宅地では割合差が金額に直結するため、記号の大小と自用地評価へ直接使うものではない点を読み取ることが重要です。
たとえば自用地としての価額が40,000,000円で、借地権割合がDの60パーセントなら、通常の借地権評価の考え方では24,000,000円を基礎に検討します。ただし、一般定期借地権、使用貸借、一時使用、権利金や地代の事情で評価方法は変わります。
単純式から正面路線、補正、特殊な土地まで確認します。
路線価方式の基本は、路線価に補正率と地積を掛ける考え方です。ただし、実際の評価では正面路線、角地、二方路線、不整形地、間口、奥行、無道路地、私道、大規模地などの要素を確認します。
次の強調表示は、単純化した自用地評価の式と計算例を示しています。式のどこに補正率が入るかを把握すると、路線価に面積を掛けるだけでは足りない理由を読み取れます。
路線価300,000円、地積180平方メートル、奥行価格補正率1.00で、その他の補正を考慮しない場合は、300,000円 × 1.00 × 180平方メートル = 54,000,000円です。
次の判断の流れは、複数道路に接する土地で正面路線を判定するときの基本順序です。どの道路を基準にするかで1平方メートル当たり価額が変わるため、路線価と奥行価格補正率を組み合わせて見る点が重要です。
正面、側方、裏面の候補を整理します。
地区が異なる場合は、それぞれの地区に応じた補正率で判定します。
同額の場合は、原則として路線に接する距離の長い方を確認します。
角地や二方路線地では、正面以外の道路の影響も評価に反映します。
次の比較表は、路線価方式で見落としやすい補正や特殊な土地の扱いを整理したものです。土地の形状、接道、利用状況によって評価額が上がる場合と下がる場合があるため、該当しそうな項目を拾い上げることが重要です。
| 論点 | 主な内容 | 確認する資料や注意点 |
|---|---|---|
| 側方路線影響加算・二方路線影響加算 | 角地や二方路線地では、正面路線以外の道路の影響を加算します。 | 接道状況、路線価、地区区分、奥行を確認します。 |
| 不整形地、間口狭小、奥行長大 | 旗竿地、三角地、台形地、細長い土地などでは利用効率が評価に影響します。 | 公図、測量図、現況写真、間口と奥行を確認します。 |
| 無道路地 | 道路に接していない宅地や接道義務を満たさない宅地では、一定の控除が問題になります。 | 通行権、接道義務、売却困難性も併せて確認します。 |
| 私道 | 不特定多数の通行に供される通り抜け道路と、特定の者が使う行き止まり道路で扱いが異なります。 | 共有私道、持分、位置指定道路、通路状敷地を確認します。 |
| 地積規模の大きな宅地 | 三大都市圏では500平方メートル以上、それ以外では1,000平方メートル以上が入口になります。 | 除外要件、規模格差補正率、都市計画、容積率を確認します。 |
路線価がない土地では固定資産税評価額と倍率表を確認します。
倍率方式は、路線価が定められていない地域で使う方法です。固定資産税評価額に評価倍率表の倍率を乗じるのが基本ですが、地目や区域、現況と台帳の違いによって単純計算では足りないことがあります。
次の比較表は、路線価方式と倍率方式の違いを整理したものです。どちらの方式かを取り違えると評価額全体がずれるため、路線価図上の表示と評価倍率表の地目別倍率を読み分けることが重要です。
| 方法 | 使う地域 | 計算の入口 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 路線価方式 | 道路ごとに路線価が定められている地域 | 路線価 × 補正率 × 地積 | 奥行、角地、不整形地、権利関係などの補正を確認します。 |
| 倍率方式 | 路線価が定められていない地域 | 固定資産税評価額 × 評価倍率 | 宅地、田、畑、山林、原野、雑種地など地目ごとに倍率が異なることがあります。 |
| 混在する土地 | 一筆または一体利用地が路線価地域と倍率地域にまたがる場合 | 評価単位、地積按分、利用状況を確認 | 地目や区域が混在すると、相続税評価、売却、分筆でも複雑になります。 |
固定資産税評価額が12,000,000円で評価倍率が1.1倍であれば、倍率方式による評価額は13,200,000円です。ただし、固定資産税評価額が付されていない土地、現況と課税地目が異なる土地、宅地転用可能な農地、雑種地、山林では追加確認が必要になります。
10か月期限、評価明細書、小規模宅地等、未分割を整理します。
相続税の申告と納税は、相続や遺贈で取得した財産などの価額の合計額が、遺産に係る基礎控除額を超える場合に必要です。申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が原則です。
次の時系列は、土地がある相続で、路線価図を確認してから申告判断に進むまでの流れを示しています。期限と評価作業は並行して進むため、土地評価が長引くほど申告準備に影響する点を読み取ることが重要です。
土地、建物、預貯金、債務、保険などを調査し、土地については年分の基準を確認します。
固定資産税課税明細書、登記事項証明書、公図、測量図、賃貸借契約書をそろえます。
所在地、地目、地積、路線価、地区区分、奥行距離、補正率、権利割合、利用区分を整理します。
未分割でも申告期限は原則として延びないため、必要に応じて期限内申告とその後の手続きを検討します。
次の一覧は、相続税申告で土地評価に影響しやすい制度や書類をまとめたものです。土地の評価額は特例や未分割の状況で大きく変わる可能性があるため、単純な路線価計算だけで申告要否を判断しないことが重要です。
路線価方式による宅地や権利の評価では、所在地、地積、路線価、補正率、権利割合、利用区分などを整理します。
居住用や事業用の宅地等では、区分ごとに一定割合を減額する制度が問題になります。対象者、継続要件、添付書類、遺産分割状況を確認します。
遺産分割がまとまらない場合でも申告期限は原則として延びません。税務対応と紛争対応を並行して整理する必要があります。
相続税評価額と時価の違い、代償金、鑑定評価を分けます。
遺産分割では、相続税評価額と遺産分割上の評価額が同じとは限りません。相続人全員が納得すれば路線価評価を参考にできますが、争いがある場合には実勢価格、鑑定評価、固定資産税評価額、査定価格などが問題になります。
次の一覧は、遺産分割や遺留分で土地価格が争点になる典型場面を整理したものです。どの相続人にどの利害があるかを読み取ることで、路線価図だけで合意できる場面と追加資料が必要な場面を分けやすくなります。
不動産を取得する相続人は低い評価を主張し、代償金を受け取る相続人は高い評価を主張することがあります。
路線価評価、固定資産税評価、査定価格、鑑定評価のどれを採用するかで対立することがあります。
相続開始時の価額か、分割時の価額かが問題になることがあります。
老朽建物、接道不良、境界未確定、共有私道負担などが評価に反映されていないと争われることがあります。
遺留分侵害額請求では、対象財産の価額、評価時点、特別受益、債務、贈与、生命保険なども問題になります。
価格が争点になると、鑑定人や専門委員が関与し、取引事例比較法、収益還元法、原価法などが検討されることがあります。
路線価図は交渉のたたき台として有用ですが、裁判所で価格が争われる場合は、不動産鑑定士の鑑定評価が重視されることがあります。早い段階で税務目的と分割目的を分けて資料をそろえることが大切です。
敷地権割合、賃貸割合、借地権割合を確認します。
マンション、貸家、借地、貸宅地では、土地の価額だけでなく、敷地権割合、賃貸割合、借地権割合、契約実態などを確認します。路線価図の数字だけでは評価の全体像をつかみにくい領域です。
次の比較表は、権利関係や利用形態ごとの確認ポイントを整理したものです。どの資料を見れば評価の入口が分かるかを読み取ることで、単純な自用地評価との違いを把握しやすくなります。
| 対象 | 評価の考え方 | 確認する主な資料 |
|---|---|---|
| マンションの敷地利用権 | 敷地全体の価額に敷地権割合を乗じ、家屋部分は固定資産税評価額を確認します。令和6年1月1日以後の居住用区分所有財産では区分所有補正率が問題になる場合があります。 | 登記事項証明書、固定資産税評価証明書、管理規約、敷地権割合 |
| 貸家建付地 | アパート、賃貸マンション、貸家の敷地では、賃貸割合、借家権割合、借地権割合、継続賃貸の実態が評価に影響します。 | 賃貸借契約書、家賃入金履歴、募集資料、管理会社資料、空室期間の記録 |
| 借地権 | 建物は相続したが土地は地主のものというケースでは、借地権割合を自用地価額に乗じる評価が基礎になります。 | 借地契約書、建物登記、地代資料、更新や承諾に関する資料 |
| 貸宅地 | 被相続人が地主で土地を第三者に貸している場合、自用地価額から借地権価額を控除する考え方などを確認します。 | 賃貸借契約書、地代資料、借地人との合意書、底地売却の検討資料 |
相続税対策として賃貸物件を建てた土地では、評価減だけでなく、空室リスク、修繕費、借入金、遺産分割のしにくさ、管理負担も検討します。借地権の相続では、地主への通知、地代の承継、建物登記、譲渡承諾、建替承諾、更新料、名義書換料も論点になります。
年分、地番、単位、補正、倍率地域、売却価格との混同を避けます。
路線価図の見方で多い誤りは、年分、場所、単位、借地権割合、補正率、方式、利用単位、売却価格との混同に集中します。どれも評価額に直接影響するため、初期段階での確認が重要です。
次の注意点一覧は、実務で誤りやすい項目と、その結果起きるずれをまとめたものです。各項目が自分の土地に当てはまるかを読み取ると、後から評価をやり直すリスクを下げられます。
相続開始年ではなく申告書作成年や現在年の路線価図を使うと、土地価格が動いた地域では差が大きくなります。
自宅住所と登記上の地番が一致しない地域では、違う道路の路線価を採用するおそれがあります。
路線価図の250は250,000円です。250円ではありません。
自宅敷地として使う自用地では、アルファベットを常に掛けるものではありません。
奥行、角地、不整形、間口狭小、無道路地、私道などを反映できず、申告額として不十分になる場合があります。
倍率地域では評価倍率表と固定資産税評価額を確認します。
複数筆を一体利用している場合や、一筆内に自宅、貸家、私道、畑、駐車場がある場合は、区分の検討が必要です。
路線価は相続税や贈与税の評価基準であり、売却価格は市況、買主需要、接道、境界、法令制限などで変わります。
税務、法律、登記、境界、鑑定、売却の相談先を分けます。
土地評価は、税務、法務、登記、境界、鑑定、売却が重なりやすい分野です。路線価図で概算できる場合でも、相続税額や相続人間の合意に大きく影響する場面では、担当できる専門家を分けて相談することが重要です。
次の一覧は、相談先ごとの役割と相談が必要になりやすい場面をまとめたものです。誰に何を確認するかを読み取ることで、税務代理、法律代理、登記、鑑定、売却の論点を混同しにくくなります。
相続税申告が必要または不明、土地が複数ある、路線価地域と倍率地域が混在する、貸家や借地権がある、小規模宅地等の特例を使う、未分割申告になりそうな場合に検討します。
申告特例相続登記、何代も前の名義、共有持分、戸籍収集、法定相続情報一覧図、抵当権抹消、住所変更登記を確認したい場合に検討します。
登記3年以内路線価評価と実勢価格の差が大きい、遺産分割で価格が争点、代償金が高額、収益物件や大規模地、無道路地、底地、借地権がある場合に検討します。
時価鑑定境界不明、地積差、分筆、私道、通路、セットバック、越境、国庫帰属制度や売却前の境界確定が必要な場合に検討します。
境界分筆売却して現金で分ける、相続税納税資金を作る、空き家を売却する、共有不動産の市場売却を検討する場合に相談先となります。
売却査定自宅敷地、倍率地域の農地、貸家建付地の違いを見ます。
路線価図の使い方は、相続財産の種類や分け方によって変わります。自宅敷地、倍率地域の農地、貸家建付地では、同じ土地評価でも必要資料と検討順序が異なります。
次の事例比較は、路線価図や評価倍率表をどう使い、どの専門論点につなげるかを整理したものです。数字の概算だけで終わらず、遺産分割、農地法、賃貸状況などの追加確認を読み取ることが重要です。
路線価300,000円、地積180平方メートル、補正率1.00なら単純計算は54,000,000円です。ただし、代償金算定では近隣売却価格や鑑定評価も問題になります。
評価倍率表を確認し、固定資産税評価額、地目、農地区分、都市計画区域、市街化区域、市街化調整区域、農用地区域などを確認します。
自用地としての価額を求めた後、賃貸割合、借家権割合、借地権割合を確認します。一時的空室かどうかも評価に影響します。
貸家建付地のケースでは、賃貸借契約書、家賃入金履歴、募集資料、管理会社資料、空室期間の記録を集めます。農地では、農地法、転用可能性、納税猶予、耕作者、賃借権、土地改良区、境界も関係します。
検索前、操作時、評価時の確認事項を一続きで確認します。
路線価図の確認は、検索前、国税庁ホームページでの操作、評価検討の3段階に分けると漏れを減らせます。チェック項目を順に確認することで、場所の誤り、年分の誤り、補正漏れを早く発見できます。
次のチェック表は、相続で路線価図を使う際に確認する項目を段階ごとにまとめたものです。左から順に進め、途中で不明点が出た場合は資料を戻って確認することが重要です。
| 検索前 | 国税庁ホームページでの確認 | 評価検討 |
|---|---|---|
| 相続開始日、固定資産税課税明細書、登記事項証明書、地番と住居表示の違いを確認します。 | 公式サイト、相続開始年の年分、都道府県、市区町村、路線価図または評価倍率表を確認します。 | 路線価を千円単位で読み、奥行価格補正、角地、二方路線、三方路線を検討します。 |
| 公図、地積測量図、土地の利用状況、借地、貸地、賃貸物件、私道、農地の有無を確認します。 | 町丁名索引または索引図で該当ページを開き、対象地と隣接図面を確認します。 | 不整形地、間口狭小、奥行長大、無道路地、私道、セットバック、地積規模の大きな宅地を検討します。 |
| 複数筆や共有持分、マンションの敷地権割合、賃貸借契約の有無を確認します。 | 路線価、借地権割合、地区区分、倍率地域、個別評価の表示を記録します。 | 借地権、貸宅地、貸家建付地、マンション評価、小規模宅地等の特例、遺産分割上の価格との違いを確認します。 |
一般的な制度説明として、個別判断になりやすい点を確認します。
一般的には、標準的な自用地で権利関係も単純な場合、路線価図と評価明細書で概算できることがあります。ただし、補正率、評価単位、利用区分、特例、添付書類、期限管理によって結論が変わる可能性があります。具体的な申告対応は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、路線価が設定されていない地域では評価倍率表を使う倍率方式になることがあります。一方、路線価地域内で特定の道路に路線価がない場合は、特定路線価の設定申出などが問題になる可能性があります。評価対象地の位置や地域によって判断が変わるため、税理士または税務署に確認する必要があります。
一般的には、路線価は相続税や贈与税の評価基準であり、売却価格そのものではないとされています。売却価格は接道、形状、建物、境界、需要、法令制限、買主事情などで変わる可能性があります。売却見通しは、不動産仲介業者や不動産鑑定士等に相談する必要があります。
一般的には、相続人全員が納得する場合には路線価評価を参考にすることがあります。ただし、不動産を取得する相続人と代償金を受け取る相続人で利害が対立する場合、実勢価格や鑑定評価を検討する必要が生じる可能性があります。具体的な分割方針は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、Dは借地権割合60パーセントを意味します。借地権や貸宅地の評価で使われますが、自分の土地を自宅敷地として使っているだけなら、自用地評価にそのまま掛けるものではないとされています。契約実態や利用状況によって評価は変わるため、税理士等に確認する必要があります。
一般的には、相続税の申告期限は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内で、未分割でも期限は原則として延びないとされています。未分割申告、特例の適用制限、その後の更正の請求などが問題になる可能性があります。具体的な対応は、税理士と弁護士等に相談する必要があります。
一般的には、相続登記の申請自体は戸籍、遺産分割協議書、固定資産評価証明書などが中心で、路線価図が常に必要になるわけではありません。ただし、不動産評価や遺産分割の検討資料として役立つことがあります。相続登記は義務化されているため、司法書士または法務局の案内を確認する必要があります。
正しい年分、正しい場所、正しい読み方から相続実務へつなげます。
路線価図の見方と国税庁ホームページでの検索方法を理解することは、相続における土地評価の第一歩です。年分、都道府県、市区町村、町丁名、路線価図ページをたどり、対象地に面する道路の路線価、借地権割合、地区区分を読み取ります。
次のまとめは、路線価図を確認した後に、どの実務へつなげるかを整理したものです。路線価図で終わるのではなく、税務、分割、登記、売却の全体像へつなげることが重要です。
路線価図は、専門家と正確に意思疎通するための共通言語です。相続税申告では税理士、紛争がある場合は弁護士、相続登記では司法書士、境界や分筆では土地家屋調査士、時価が争点なら不動産鑑定士、売却なら不動産仲介業者へ論点をつなげます。
相続実務では、評価対象地の特定、住居表示と地番の確認、土地の利用単位、奥行価格補正、角地加算、不整形地補正、倍率地域、借地権、貸宅地、貸家建付地、マンション敷地、私道、無道路地、地積規模の大きな宅地、小規模宅地等の特例を検討します。
制度確認に使われる公的資料を中心に整理しています。