2σ Guide

病院や自宅に公証人を呼んで
遺言書を作れるか

公正証書遺言の出張作成は、本人の意思と遺言能力を公証人が確認でき、証人・資料・場所の準備が整えば利用できます。費用、必要書類、病院での調整、緊急時の選択肢まで整理します。

2名 証人の立会い
1.5倍 病床執務加算の目安
20日以内 死亡危急時遺言の確認期限
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病院や自宅に公証人を呼んで 遺言書を作れるか

公正証書遺言の出張作成は、本人の意思と遺言能力を公証人が確認でき、証人・資料・場所の準備が整えば利用できます。

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病院や自宅に公証人を呼んで 遺言書を作れるか
公正証書遺言の出張作成は、本人の意思と遺言能力を公証人が確認でき、証人・資料・場所の準備が整えば利用できます。
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  • 病院や自宅に公証人を呼んで 遺言書を作れるか
  • 公正証書遺言の出張作成は、本人の意思と遺言能力を公証人が確認でき、証人・資料・場所の準備が整えば利用できます。

POINT 1

  • 病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れるかの全体像
  • 最初に、出張作成ができる場面と、できない場面の境界を押さえます。
  • 作れるかどうかの中心は、場所ではなく本人の意思確認です
  • 病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れるかという問いへの実務上の答えは、原則として作れます。
  • 正確には、公証人に病院、自宅、老人ホーム、介護施設などへ出張してもらい、公正証書遺言を作成する方法があります。

POINT 2

  • 病院や自宅で作る遺言書の基本と法的根拠
  • 公証人を呼んで作るのは、通常、公正証書遺言です。遺書や自筆証書遺言との違いも確認します。
  • 遺言書と遺書は違います
  • 公証人を呼んで作るのは公正証書遺言です
  • 公証人が作成する方式

POINT 3

  • 病院や自宅に公証人を呼ぶ典型場面と遺言能力
  • 認知症やせん妄の波
  • 日によって理解力に波がある場合は、本人が最も明瞭な時間帯を選び、医師の意見や診療録を確認します。
  • 薬剤や意識状態の影響
  • 鎮静薬、睡眠薬、麻薬性鎮痛薬、低酸素状態、脳梗塞後などは、当日の判断能力に影響することがあります。

POINT 4

  • 病院や自宅で公正証書遺言を作る証人2名と必要書類
  • 証人の欠格、家族の同席、資料準備を先に押さえると当日の失敗を避けやすくなります。
  • 証人2名が必要です
  • 家族の同席より真意確認の独立性が重要です
  • 必要書類の準備

POINT 5

  • 病院や自宅で公証人に遺言書を作ってもらう手順
  • 1. 本人の意思を確認:本人が遺言を作りたいか、誰に何を残したいか、過去の遺言を変えたいかを確認します。
  • 2. 公証役場へ連絡:本人の所在地、意思能力、会話能力、遺言内容の概要、証人手配、緊急度を伝えます。
  • 3. メモと資料を提出:家族関係、相続人、財産一覧、誰に何を渡すか、遺言執行者、付言事項、撤回関係を整理します。
  • 4. 遺言案を作成・修正:公証人が案を作成し、遺留分、登記、税務、受遺者の特定、財産記載などを必要に応じて確認します。
  • 5. 日時と場所を決める:公証人、証人2名、本人、病院・施設側の都合を合わせ、体調が安定しやすい時間帯を選びます。
  • 6. 当日に作成する:本人確認、利害関係人の退室、真意確認、読み聞かせまたは閲覧、電子サインや署名関連の処理を行います。

POINT 6

  • 病院や自宅に公証人を呼ぶ遺言書作成の費用
  • 基本手数料だけでなく、病床執務加算、日当、交通費、交付費用、証人費用を見ます。
  • 加算される費用
  • 2,000万円を配偶者1人に相続させる場合
  • 8,000万円を長女4,000万円・長男4,000万円に分ける場合

POINT 7

  • 病院・自宅での注意点とWeb会議・緊急時の遺言書
  • 1. 本人が遺言を作りたい意思を示している:本人の意思が出発点です。
  • 2. 公証人が直接またはWeb会議で真意を確認できる:本人確認と意思確認に支障がないかを公証役場へ相談します。
  • 3. 公正証書遺言を優先:出張作成またはWeb会議方式を調整します。
  • 4. 代替方式を慎重に検討:自筆証書遺言や死亡危急時遺言は要件と争いのリスクを確認します。

POINT 8

  • 病院や自宅で作る遺言書の内容設計と相続税・登記
  • 出張作成そのものより、何をどう残すかが相続紛争予防の核心です。
  • 財産を具体的に特定します
  • 受益者が先に亡くなる場合に備える
  • 相続開始後の実現役を指定する

まとめ

  • 病院や自宅に公証人を呼んで 遺言書を作れるか
  • 病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れるかの全体像:最初に、出張作成ができる場面と、できない場面の境界を押さえます。
  • 病院や自宅で作る遺言書の基本と法的根拠:公証人を呼んで作るのは、通常、公正証書遺言です。遺書や自筆証書遺言との違いも確認します。
  • 病院や自宅に公証人を呼ぶ典型場面と遺言能力:出張が必要になりやすい場面と、最も重要な本人の判断能力を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れるかの全体像

最初に、出張作成ができる場面と、できない場面の境界を押さえます。

病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れるかという問いへの実務上の答えは、原則として作れます。正確には、公証人に病院、自宅、老人ホーム、介護施設などへ出張してもらい、公正証書遺言を作成する方法があります。

ただし、家族が呼べば当然に作れる制度ではありません。公正証書遺言は、遺言者本人の最終意思を公証人が確認して作成する厳格な法律行為です。本人に遺言能力があり、証人2名の立会い、本人確認、本人からの申述、内容確認、署名または署名できない場合の代替処理が必要になります。

次の一覧は、出張作成でよく問題になる論点をまとめたものです。最初に可否、本人要件、費用、検認の有無を並べて見ることで、どこから準備すべきかを読み取れます。

論点実務上の整理
病院に呼べるか可能です。病室、面談室、緩和ケア病棟、介護医療院などで作成する例があります。医療機関側の許可、感染対策、面会条件の確認が必要です。
自宅に呼べるか可能です。寝たきり、外出困難、高齢、療養中などで公証役場へ行けない場合に利用されます。
老人ホームや介護施設に呼べるか可能です。面会ルール、個室や面談室の確保、本人が落ち着いて話せる環境作りが重要です。
作る遺言書の種類通常は公正証書遺言です。公証人が関与する公文書としての遺言になります。
家族が代理で作れるかできません。遺言は本人だけが行える法律行為であり、本人の意思表示が必要です。
署名できない場合直ちに不可能ではありません。署名できない事情を公証人が記録する方法で対応できる場合があります。
話せない場合筆談、通訳人、意思疎通支援などで本人の真意を確認できるかが個別に問題になります。
認知症がある場合診断名だけで一律に不可ではありません。ただし、作成時点で遺言能力が必要です。
費用通常の公証人手数料に、病床執務加算、日当、交通費、交付費用、証人費用などが加わることがあります。
家庭裁判所の検認公正証書遺言は検認不要です。相続開始後の手続に進みやすくなります。

結論を短く整理すると、本人に遺言能力があり、公証人が本人の真意を確認でき、証人・資料・場所・費用の準備が整えば、病院や自宅で公正証書遺言を作成できる可能性があります。

この重要ポイントは、出張作成の成否を左右する条件を一文で確認するためのものです。制度の可否だけでなく、本人の状態と準備の両方を満たす必要がある点を読み取ってください。

作れるかどうかの中心は、場所ではなく本人の意思確認です

病院・自宅・施設という場所自体が障害になるわけではありません。公証人が職務区域内で本人と面談でき、本人が内容と効果を理解して意思表示できるかが核心です。

Section 01

病院や自宅で作る遺言書の基本と法的根拠

公証人を呼んで作るのは、通常、公正証書遺言です。遺書や自筆証書遺言との違いも確認します。

遺言書と遺書は違います

遺言書とは、民法が定める方式に従って作成され、遺言者の死亡によって法律上の効力を生じる文書です。自宅不動産を長男に相続させる、預貯金を妻に相続させる、相続人以外の人に遺贈する、遺言執行者を指定する、といった内容を定めます。

一方、遺書は家族への手紙、感謝、謝罪、葬儀の希望、人生の記録などを記した私的文書です。財産の分け方が書かれていても、民法上の方式を満たさなければ、法律上の遺言として効力を持たない可能性があります。

公証人を呼んで作るのは公正証書遺言です

公正証書遺言は、遺言者本人が公証人と証人2名の前で遺言内容を述べ、公証人がその内容を公正証書として作成する遺言です。公証人は法務大臣に任命され、法務局・地方法務局に所属して公証事務を担う公的な立場の専門家です。

次の比較一覧は、出張作成で検討される方式の違いを示します。どの方式が使えるかは本人の状態や場所で変わるため、手書きの可否、検認、保管、緊急性の違いを読み取ることが重要です。

公正証書

公証人が作成する方式

本人が内容を述べ、公証人が証書を作成します。全文を手書きする必要がなく、検認も不要です。病院・自宅・施設への出張作成を検討できます。

自筆証書

本人が自書する方式

本文、日付、氏名の自書と押印が中心です。病床で急ぐ場合の選択肢になり得ますが、方式不備、紛失、検認、能力争いに注意が必要です。

特別方式

死亡危急時の最終手段

死期が迫り普通方式が間に合わない場合に検討されます。証人3人以上や家庭裁判所の確認など、要件が厳格です。

民法上の基本要件

公正証書遺言では、証人2人以上の立会い、遺言者による遺言趣旨の口授、公証人による作成などが求められます。大切なのは、本人がすること、証人2名が立ち会うこと、公証人が本人の真意を確認すること、方式に従って公正証書として完成させることです。

公証人には職務区域があります

公証人の職務は原則として公証役場で行われますが、病院や自宅で遺言公正証書を作成するときなどは、公証役場以外で執務を行うことがあります。ただし、公証人は所属する法務局・地方法務局の管轄区域外では職務を行えません。

そのため、出張作成では遺言者が実際にいる場所を基準に、出張可能な公証役場を確認します。東京都内の病院なら東京都内、神奈川県内の自宅なら神奈川県内を職務区域とする公証人に相談するのが基本です。

Section 02

病院や自宅に公証人を呼ぶ典型場面と遺言能力

出張が必要になりやすい場面と、最も重要な本人の判断能力を整理します。

出張作成が必要になりやすい場面

がん、心不全、脳梗塞後、骨折後、手術前後、緩和ケア、終末期医療などで入院している場合、公証役場へ行くことが身体的に困難なことがあります。自宅療養、要介護状態、酸素療法、歩行困難、車椅子移動が難しい場合も、出張作成を検討する典型場面です。

老人ホーム、介護施設、サービス付き高齢者向け住宅に入居している場合も、施設の面会規則、個室利用、家族の同席制限、感染症発生時の外部者立入り制限を確認しながら進めます。

次の一覧は、出張作成を検討しやすい生活状況を並べたものです。場所ごとに準備の重点が違うため、本人が話せる環境と外部者の入室条件を読み取ってください。

01

入院中で外出できない

病室や面談室で面談できる状態なら検討できます。治療予定、感染対策、面会制限、主治医や看護師の判断が実務上重要です。

病院許可確認
02

自宅療養中・寝たきり

外出に介助や介護タクシーが必要で負担が大きい場合に利用されます。本人確認資料と財産資料を当日すぐ出せるようにします。

自宅独立性
03

施設入居中

施設の面会ルールや外部者立入り条件を確認します。本人が落ち着いて話せる個室や面談室を確保することが望まれます。

施設面談室
04

字が書けない・視力が低下している

公正証書遺言は全文を自書する必要がありません。手が震える、握力がない、長文を書けない場合に有効な選択肢です。

自書不要意思確認

遺言能力とは何か

遺言能力とは、遺言をする時点で、自分がどのような財産を持ち、誰に何を残し、その結果として相続関係がどう変わるかを理解して判断できる能力をいいます。民法上、15歳に達した者は遺言をすることができますが、遺言をする時点でその能力を有する必要があります。

年齢、入院、要介護度、認知症の診断名だけで機械的に決まるものではありません。高齢でも内容を理解して明確に意思表示できれば可能性があります。他方、せん妄、意識障害、重度認知症、強い鎮静、昏睡、意思疎通不能の状態では困難です。

次の注意要素は、後日、遺言能力や真意が争われやすい事情をまとめたものです。該当する項目が多いほど、医療記録、専門家の関与、公証人との早期調整が重要になると読み取ってください。

認知症やせん妄の波

日によって理解力に波がある場合は、本人が最も明瞭な時間帯を選び、医師の意見や診療録を確認します。

薬剤や意識状態の影響

鎮静薬、睡眠薬、麻薬性鎮痛薬、低酸素状態、脳梗塞後などは、当日の判断能力に影響することがあります。

家族間の強い対立

特定の相続人に偏った内容や、過去の遺言から大きく変わる内容は、作成経緯の透明性が特に重要です。

相続人以外への多額遺贈

介護者、内縁者、施設関係者、法人などへの遺贈は、本人の自由意思と理由を丁寧に整理する必要があります。

公証人が確認すること

公証人は、家族が用意した文案を清書する人ではありません。本人の氏名、生年月日、住所、家族関係、財産の概要、誰にどの財産を相続させるか、他の相続人への影響、強制の有無、自分の言葉で説明できるかを確認します。

録音・録画を考える場合は、本人、病院、公証人、証人、関係者の同意やプライバシーに十分配慮し、事前に公証人へ相談します。

Section 03

病院や自宅で公正証書遺言を作る証人2名と必要書類

証人の欠格、家族の同席、資料準備を先に押さえると当日の失敗を避けやすくなります。

証人2名が必要です

公正証書遺言には証人2名の立会いが必要です。証人は、遺言者本人が遺言内容を述べたこと、手続が適正に行われたことを立ち会って確認します。

次の一覧は、証人になれない代表例と、現実的な手配方法をまとめたものです。配偶者や子が証人になれると誤解されやすいため、欠格事由と代替手配を読み取ってください。

項目注意点実務上の対応
未成年者証人になれません。成人で利害関係のない人を選びます。
推定相続人・受遺者遺言で利益を受ける人や法定相続人は証人になれません。配偶者や子を安易に選ばず、公証役場や専門職に相談します。
推定相続人・受遺者の配偶者や直系血族長男に相続させる遺言では、長男の配偶者や子も問題になります。親族以外の利害関係がない人を検討します。
公証人の一定範囲の親族や関係者公証人の配偶者、一定範囲の親族、書記、使用人などは証人になれません。公証役場側に証人手配の可否を確認します。
病院職員・介護職員法律上絶対に不可能とは限りませんが、施設規則、守秘、業務負担、責任問題があります。実務上は公証役場、弁護士、司法書士、行政書士、利害関係のない知人を検討します。

家族の同席より真意確認の独立性が重要です

公正証書遺言では、受益者となる相続人や家族が本人の意思に影響を与えていないかが問題になります。病院や自宅では家族が近くにいることが自然ですが、作成時には受益者となる家族や相続人が退室する運用が望まれます。

家族は、公証役場への最初の連絡、本人のメモや資料の提出、戸籍・登記事項証明書・固定資産評価証明書・預金資料の収集、病院や施設の許可取得、証人や専門家の日程調整を行えます。一方で、本人の意思に反する内容を作らせる、本人の代わりに決める、本人に回答を指示する、公証人の質問に代わって答える、といった行為は避ける必要があります。

必要書類の準備

次の一覧は、病院や自宅で作成する前に集める資料を用途ごとに整理したものです。公証人が内容を正確に作成できるよう、本人確認、相続関係、財産特定、医療状態を分けて読み取ってください。

資料の種類主な内容確認の目的
本人確認資料印鑑登録証明書、運転免許証、旅券、マイナンバーカード、実印または本人確認に必要な資料遺言者本人であることを確認します。印鑑登録証明書は発行後3か月以内を求められることがあります。
相続人関係資料戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、相続人関係説明図配偶者、子、親、兄弟姉妹、甥姪などの関係を正確に把握します。
受遺者資料相続人以外の受遺者の住所・氏名を特定できる資料、法人の登記事項証明書など相続人以外へ遺贈する場合に、受け取る人や法人を特定します。
不動産資料登記事項証明書、固定資産評価証明書、固定資産税課税明細書、公図、地積測量図、建物図面など不動産の表示を正確にし、相続開始後の登記で支障が出ないようにします。
金融資産資料預金通帳、残高メモ、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、証券口座情報、保険証券財産の範囲と渡す相手を整理します。生命保険は受取人指定が遺言と別に効く場合があります。
医療・介護資料診断書、認知機能検査結果、看護記録、診療録、服薬状況、当日の意識状態に関する記録判断能力が争われそうな場合に、作成時の意思疎通状態を説明する資料になります。

医療機関は診療情報や個人情報を厳格に扱います。家族が資料を取得できるか、本人の同意が必要かは、病院の規則に従って確認してください。

Section 04

病院や自宅で公証人に遺言書を作ってもらう手順

本人の意思確認から当日の作成まで、順番を間違えないことが大切です。

最初に本人の意思を確認します

最初に確認すべきことは、本人が遺言を作りたいと言っているかです。家族が相続争いを心配していても、本人が望んでいなければ作れません。誰に財産を渡したいのか、どの財産を誰に渡したいのか、遺言を作る理由、過去の遺言の有無、その撤回・変更の希望を本人の言葉で確認します。

公証役場へ連絡します

遺言者がいる病院、自宅、施設の所在地を確認し、その地域に出張可能な公証役場へ連絡します。電話では、公正証書遺言の作成相談であること、本人が現在いる場所、公証役場へ出向くことが困難であること、本人が会話や筆談などで意思表示できること、緊急度を伝えると進みやすくなります。

次の時系列は、出張作成を実際に進める順番を表します。各段階で誰が何を準備するかが違うため、資料提出、日程調整、当日の本人確認の流れを読み取ってください。

第1段階

本人の意思を確認

本人が遺言を作りたいか、誰に何を残したいか、過去の遺言を変えたいかを確認します。

第2段階

公証役場へ連絡

本人の所在地、意思能力、会話能力、遺言内容の概要、証人手配、緊急度を伝えます。

第3段階

メモと資料を提出

家族関係、相続人、財産一覧、誰に何を渡すか、遺言執行者、付言事項、撤回関係を整理します。

第4段階

遺言案を作成・修正

公証人が案を作成し、遺留分、登記、税務、受遺者の特定、財産記載などを必要に応じて確認します。

第5段階

日時と場所を決める

公証人、証人2名、本人、病院・施設側の都合を合わせ、体調が安定しやすい時間帯を選びます。

第6段階

当日に作成する

本人確認、利害関係人の退室、真意確認、読み聞かせまたは閲覧、電子サインや署名関連の処理を行います。

当日の作成手続

当日は、公証人と証人2名が現地に到着し、本人確認資料で遺言者を確認します。利害関係人が席を外し、公証人が本人へ質問して遺言能力と真意を確認します。そのうえで、本人が遺言内容を述べ、公証人が作成した内容を読み聞かせ、または閲覧させ、本人と証人が正確性を確認します。

2025年10月1日以降、公正証書作成手続のデジタル化が始まり、遺言公正証書の原本も電磁的記録で作成される場面があります。電子サイン等の運用は公証役場に確認してください。

Section 05

病院や自宅に公証人を呼ぶ遺言書作成の費用

基本手数料だけでなく、病床執務加算、日当、交通費、交付費用、証人費用を見ます。

公正証書遺言の作成費用は、公証人手数料令に基づきます。病院や自宅で作成する場合は、通常の手数料に加えて、病床執務加算、日当、交通費、正本・謄本に相当する交付費用、証人や専門家の費用が問題になります。

次の表は、目的価額ごとの基本手数料の目安を整理したものです。実際の計算は、受け取る人ごとに財産価額を分けて算出するため、表の金額は公証役場で確認する前の見通しとして読み取ってください。

目的の価額手数料
50万円以下3,000円
50万円超100万円以下5,000円
100万円超200万円以下7,000円
200万円超500万円以下13,000円
500万円超1,000万円以下20,000円
1,000万円超3,000万円以下26,000円
3,000万円超5,000万円以下33,000円
5,000万円超1億円以下49,000円
1億円超3億円以下49,000円に、超過額5,000万円までごとに15,000円を加算
3億円超10億円以下109,000円に、超過額5,000万円までごとに13,000円を加算
10億円超291,000円に、超過額5,000万円までごとに9,000円を加算

加算される費用

次の一覧は、出張作成で基本手数料に上乗せされる可能性がある費用をまとめたものです。どの項目が公証役場への支払いで、どの項目が証人や専門家への別費用かを読み取ってください。

費用項目内容注意点
遺言加算目的価額の合計が1億円以下の場合、13,000円が加算されます。1通の遺言公正証書ごとに確認します。
病床執務加算病気などで公証役場へ出向けず出張する場合、遺言加算を除いた目的価額手数料が1.5倍になる場合があります。病院・自宅・施設での作成時に確認します。
日当1日20,000円、4時間まで10,000円と説明されています。所要時間で変わるため、事前確認が必要です。
交通費現地までの実費です。距離や交通手段により変わります。
交付費用電子データで発行する場合は各1通あたり2,500円、書面の場合は枚数に応じた手数料がかかるとされています。正本・謄本に相当する交付方法を確認します。
証人・専門家費用証人を専門職に依頼する費用、弁護士・司法書士・税理士・行政書士などへの報酬が別途発生することがあります。公証役場の費用とは分けて見積もります。

費用例

次の概算例は、受け取る人ごとの計算と病床執務加算の影響を理解するためのものです。実額は財産構成、受益者数、出張距離、所要時間、交付方法、証人手配で変わるため、数字の組み立て方を読み取ってください。

例1

2,000万円を配偶者1人に相続させる場合

基本手数料26,000円、病床執務加算がある場合は39,000円、遺言加算13,000円、4時間以内の日当10,000円が考えられます。交通費・交付費用を除き、概ね62,000円程度から検討されます。

例2

8,000万円を長女4,000万円・長男4,000万円に分ける場合

長女分33,000円、長男分33,000円で基本手数料合計66,000円、病床執務加算がある場合は99,000円、遺言加算13,000円、日当・交通費・交付費用が別途かかります。

受け取る人が複数いる場合、財産総額だけでなく、受け取る人ごとの価額で手数料が変わる点に注意してください。

Section 06

病院・自宅での注意点とWeb会議・緊急時の遺言書

現地調整、Web会議、自筆証書、死亡危急時遺言の優先順位を整理します。

病院で作る場合の注意点

病院内に公証人や証人が入るには、病院の管理上の許可が必要です。病棟看護師長、主治医、医療ソーシャルワーカー、地域連携室、入退院支援部門、事務部門などに相談し、面会可能時間、人数制限、面談室、感染対策、医療処置や検査との重複回避を確認します。

本人の体調が良い時間帯を選ぶことも重要です。午前中は比較的明瞭でも、午後に疲労やせん妄が出やすい場合があります。透析、検査、リハビリ、投薬、処置の時間帯は避けるべきです。

自宅で作る場合の注意点

自宅では、家族の影響を疑われない環境作りが大切です。受益者となる家族を退室させ、公証人と証人が本人と直接会話できる配置にし、介護者の発言は最小限にします。補聴器、眼鏡、筆談具などを用意し、テレビ、電話、来客などの妨げを避けます。

次の判断の流れは、通常の公正証書遺言、Web会議、自筆証書遺言、死亡危急時遺言の優先順位を表します。上から順に検討し、本人の意思確認が可能か、普通方式が間に合うかを読み取ってください。

緊急時の判断の流れ

本人が遺言を作りたい意思を示している

本人の意思が出発点です。家族の希望だけでは進められません。

公証人が直接またはWeb会議で真意を確認できる

本人確認と意思確認に支障がないかを公証役場へ相談します。

可能
公正証書遺言を優先

出張作成またはWeb会議方式を調整します。

困難
代替方式を慎重に検討

自筆証書遺言や死亡危急時遺言は要件と争いのリスクを確認します。

Web会議は必ず使える制度ではありません

2025年10月1日から、公正証書作成手続のデジタル化が始まり、Web会議を利用した公正証書作成が可能な場合があります。ただし、本人確認や遺言意思の確認に支障がなく、公証人が相当と認める場合に限られます。

次の比較表は、出張、Web会議、自筆証書、法務局保管制度、死亡危急時遺言の違いを示します。本人が外出できるか、手書きできるか、緊急度がどれほど高いかによって、現実的な選択肢が変わることを読み取ってください。

方法向いているケース主なリスク
公証人の出張作成病院・自宅・施設で本人と直接面談できる場合日程調整、費用、病院許可、証人確保
Web会議による作成移動困難などで、本人確認・真意確認に支障がない場合公証人が相当と認めない可能性、通信・機器問題
自筆証書遺言本人が全文、日付、氏名を書き、押印できる場合方式不備、紛失、検認、能力争い、長文困難
法務局の自筆証書遺言書保管制度本人が法務局に出向け、方式チェックと保管を望む場合内容の法律相談は受けられず、本人出頭が原則で、病床では使いにくい
死亡危急時遺言死期が迫り普通方式が間に合わない最終手段証人3人以上、20日以内の家庭裁判所確認、後日の争い

公証人が間に合わない場合

本人に遺言能力があり、会話や筆談ができる状態なら、まず公証役場へ緊急相談します。余命が短い、手術が迫っている、状態が日々悪化していることを率直に伝えます。公正証書遺言が間に合わない場合、自筆証書遺言や死亡危急時遺言を検討しますが、どちらも方式不備や後日の争いに注意が必要です。

死亡危急時遺言は、証人3人以上の立会い、証人の1人への口授、筆記、読み聞かせまたは閲覧、各証人の署名押印などが必要で、さらに遺言の日から20日以内に家庭裁判所の確認を得なければ効力を生じません。普通方式、特に公正証書遺言が可能なら、そちらを優先します。

Section 07

病院や自宅で作る遺言書の内容設計と相続税・登記

出張作成そのものより、何をどう残すかが相続紛争予防の核心です。

財産を具体的に特定します

不動産は登記事項証明書の表示に従って正確に特定します。預貯金は金融機関名、支店名、口座種別、口座番号を記載するか、包括的に記載するかを検討します。全財産を妻に相続させるといった包括的な遺言もありますが、子どもとの関係、遺留分、二次相続、相続税、将来の介護費用も考える必要があります。

次の一覧は、遺言内容を設計するときの主要項目を整理したものです。単に財産の分け方を書くのではなく、予備的指定、執行者、遺留分、付言事項を合わせて検討する必要があることを読み取ってください。

予備的指定

受益者が先に亡くなる場合に備える

妻が遺言者より先に、または同時に死亡した場合は長女に相続させる、というように次の受け取り先を定めます。

遺言執行者

相続開始後の実現役を指定する

預金払戻し、不動産登記、受遺者への財産引渡しを進める人です。争いが予想される場合は専門家の指定も検討します。

遺留分

最低限の取り分への配慮

兄弟姉妹以外の一定の相続人には遺留分があります。侵害する遺言も直ちに無効ではありませんが、金銭紛争になる可能性があります。

付言事項

理由と思いを補う

介護を担った子に多く残す理由、事業承継、配偶者の生活保障などを書くことで納得に資する場合があります。感情的な非難は避けます。

相続税申告と相続登記の期限

相続税が発生する場合、申告・納税期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が原則です。財産額が大きい、不公平感がある、配偶者居住権や小規模宅地等の特例を使う可能性がある、非上場株式がある場合は、税務上の検討が必要です。

不動産を相続する場合、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしない場合などは、正当な理由がなければ過料の対象となることがあります。遺言作成段階で不動産の表示、取得者、遺言執行者の権限、農地・共有・借地権・未登記建物の有無を確認しておくと、相続開始後の登記が進めやすくなります。

専門家ごとの役割

次の一覧は、病院や自宅で遺言書を作るときに関与し得る専門家の役割を示します。相談先を誤ると手続が止まりやすいため、紛争、登記、税務、病院調整の担当範囲を読み取ってください。

専門家・機関主な役割特に重要な場面
公証人本人の真意確認、方式確認、公正証書遺言の作成を担当します。出張作成の中心です。中立・公正な立場で、一方当事者の代理人ではありません。
弁護士遺留分、相続人間の対立、使い込み疑い、遺言無効リスク、後見、訴訟・調停・審判を扱います。争いがある、偏った内容にする、相続人以外へ多額遺贈する、判断能力が争われそうな場合です。
司法書士不動産登記、相続登記、戸籍収集、法定相続情報一覧図、裁判所提出書類作成などを扱います。不動産がある相続で、遺言作成段階から登記不能や記載ミスを防ぎたい場合です。
税理士相続税申告、税務相談、納税資金、特例、二次相続への影響を検討します。相続税が発生しそうな財産規模や、非上場株式・不動産が多い場合です。
行政書士紛争・税務・登記申請を除く範囲で、必要書類整理や遺言作成支援を行います。争いのない書類整理で有用です。代理交渉、税務判断、登記申請代理は別分野です。
医師・医療ソーシャルワーカー診療、意識状態、意思疎通、認知機能、病院内の面談調整に関わります。入院中、終末期、せん妄や薬剤影響がある場面です。
信託銀行・金融機関遺言信託として、遺言作成相談、保管、遺言執行まで扱うことがあります。財産が多い、金融資産中心、相続人が遠方、執行者を専門機関にしたい場合です。
Section 08

病院や自宅で作った遺言書が後日争われないための防御策

公正証書遺言でも絶対に争われないわけではありません。作成経緯の透明性が重要です。

争われやすい遺言の特徴

病院や自宅で作成された公正証書遺言は有力な方式ですが、絶対に争われないわけではありません。死亡直前、認知症・せん妄・意識障害、同居家族の主導、作成直前の急な変更、財産の大部分が特定の相続人に集中する内容、介護者や内縁者などへの多額遺贈、他の相続人に秘密にされた作成経緯などは、後日問題になりやすい事情です。

次の一覧は、無効主張や遺留分紛争を避けるための実務的な備えをまとめたものです。本人の意思を記録し、利害関係人の影響を減らし、医療・法務・税務の資料を残すことを読み取ってください。

本人の意思を早期に記録する

遺言内容を決める過程を、本人の言葉に近い形で残します。急な変更に見えないようにする効果があります。

公証人と本人の直接面談

可能なら事前面談を行い、公証人が本人の理解力と真意を確認できる機会を作ります。

医療記録を整える

診断書や診療録で、作成時の意識状態、見当識、会話能力、理解力が分かるようにします。

利害関係人を退室させる

受益者となる家族が同席し続けると、自由意思への疑いが生じやすくなります。

遺言内容を過度に複雑にしない

本人が理解しづらい複雑な条項は、能力争いの材料になり得ます。

撤回関係を明確にする

過去の遺言がある場合、新しい遺言で撤回関係をはっきりさせます。

実務チェックリスト

次のチェックリストは、公証役場への最初の電話前、病院・施設への確認、遺言内容の確認を一体で整理したものです。準備が欠けると日程が遅れやすいため、未確認項目を洗い出すために使います。

場面確認すること
最初の電話前本人が遺言を作りたいと言っている、会話・筆談・意思表示ができる、本人の所在地を確認した、出張可能な公証役場候補を調べた、相続人と財産の一覧を作った、証人2名の手配方法を検討した、緊急性を説明できる。
病院・施設公証人・証人2名・専門家の入室、面会可能日時、個室や面談室、体調が安定しやすい時間帯、感染症対策、主治医や看護師による意思疎通状態の確認、診断書や医療記録の取得可否、家族が退室できる環境を確認する。
遺言内容すべての財産の帰属、不動産表示、預貯金の特定、予備的指定、遺言執行者、遺留分、祭祀主宰者、付言事項、相続税・登記・事業承継、過去の遺言の撤回文言を確認する。
Section 09

病院や自宅に公証人を呼ぶ遺言書作成のFAQ

よくある疑問を一般情報として整理します。個別事情では結論が変わる可能性があります。

Q1. 家族が公証役場に電話してもよいですか。

一般的には、最初の連絡や資料提出を家族が行うことは実務上あります。ただし、遺言そのものは本人が行う必要があり、公証人は最終的に本人の意思を直接確認します。具体的な進め方は、公証役場へ状況を伝えて確認する必要があります。

Q2. 本人が寝たきりでも作れますか。

一般的には、寝たきりであっても、会話・筆談・うなずき等により公証人が本人の真意と遺言能力を確認できる場合は、作成できる可能性があります。ただし、負傷程度、意識状態、意思疎通の方法によって判断が変わります。具体的な対応は、公証役場や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 本人が署名できない場合、公正証書遺言は作れませんか。

一般的には、本人が署名できない場合でも、公証人がその事情を記録・付記する方法で対応できる場合があります。ただし、本人確認や意思確認ができることが前提です。具体的な運用は、公証役場へ確認する必要があります。

Q4. 本人が声を出せない場合はどうなりますか。

一般的には、筆談、意思伝達装置、通訳人等により本人の意思を明確に確認できる余地があります。ただし、公証人が本人の真意を確認できなければ作成は困難です。病状や意思疎通の方法によって結論が変わるため、早めに公証役場へ状況を説明する必要があります。

Q5. 認知症の親でも公証人を呼べば有効になりますか。

一般的には、公証人が関与しても、作成時点で遺言能力がなければ有効な遺言にはなりません。認知症の診断があるだけで一律に不可とは限りませんが、内容と効果を理解できる状態であることが必要です。医師の記録、会話状況、専門家の関与などを踏まえて個別に確認する必要があります。

Q6. 子どもや配偶者は証人になれますか。

一般的には、推定相続人、受遺者、これらの配偶者・直系血族は証人になれないため、子どもや配偶者は証人になれないことが多いです。ただし、家族関係や遺言内容によって確認すべき点が変わります。証人は利害関係のない人、または専門職に依頼する方法を公証役場へ相談する必要があります。

Q7. 病院が面会禁止の場合はどうすればよいですか。

一般的には、医療ソーシャルワーカーや病棟責任者に、公正証書遺言作成という法律上重要な手続であることを説明し、面談方法を相談します。それでも外部者立入りが難しい場合は、Web会議方式、自筆証書遺言、死亡危急時遺言などを検討することになります。ただし、本人の意思確認と遺言能力が前提であり、具体的対応は専門家へ相談する必要があります。

Q8. 公証人は何日くらいで来てくれますか。

一般的には、公証役場、公証人の予定、証人手配、資料の整い方、緊急性により異なります。緊急の場合はその旨を明確に伝え、必要資料をできるだけ早く提出することが重要です。具体的な日程は公証役場が個別に判断します。

Q9. 公正証書遺言を作れば相続争いは完全になくなりますか。

一般的には、公正証書遺言は方式不備、紛失、改ざん、検認遅延のリスクを減らす有力な方法とされています。ただし、遺留分侵害額請求、遺言能力、詐欺・強迫、錯誤、解釈、財産漏れなどが問題になる可能性があります。具体的な紛争予防策は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q10. 自筆証書遺言書保管制度とどちらがよいですか。

一般的には、本人が元気で法務局に出向けるなら、自筆証書遺言書保管制度も選択肢になります。一方、病院や自宅から外出できない場合は、公証人の出張による公正証書遺言の方が現実的なことがあります。本人の状態、手書きの可否、緊急性、費用、紛争リスクによって結論が変わるため、個別に確認する必要があります。

Section 10

病院や自宅に公証人を呼ぶ遺言書の典型ケースと結論

よくある状況別に、どの準備を優先するかを確認します。

次の比較一覧は、典型ケースごとの検討方向をまとめたものです。本人の意思表示ができるか、判断能力に不安があるか、財産内容が複雑かによって、急ぐべき準備と相談先が変わることを読み取ってください。

典型ケース検討方向優先する準備
母が入院中で、会話はできるが字が書けない公正証書遺言の出張作成が有力です。字を書けなくても、内容を理解し意思を述べられるなら作成可能性があります。病院の許可、証人2名、本人確認資料、戸籍、財産資料を急いで整えます。
父が認知症で、日によって話が通じる慎重な対応が必要です。状態の良い時間帯、医師の意見、簡潔な遺言内容、公証人との事前相談が重要です。医療記録、専門家の関与、利害関係人の退室、作成経緯の透明性を確保します。
余命が短く、今日明日にも作りたい直ちに公証役場へ緊急連絡します。間に合わない場合の代替方式は、要件とリスクを確認しながら検討します。本人確認資料、戸籍、不動産資料、預金資料、証人候補、病院許可を同時に整えます。
長男に事業と不動産を集中させたい非上場株式、事業用資産、借入金、保証債務、遺留分、納税資金、事業承継税制、相続登記を総合的に検討します。弁護士、税理士、司法書士、公認会計士等の関与を検討します。
相続人以外の内縁の配偶者に財産を残したい遺言がなければ内縁の配偶者は原則として法定相続人ではありません。公正証書遺言で遺贈を定めることが重要です。相続人の遺留分、住居確保、税務、死後事務委任、任意後見なども併せて検討します。

実務的な結論

  1. 病院や自宅に公証人を呼んで遺言書を作れる可能性があります。ただし、通常は公正証書遺言です。
  2. 本人の意思と遺言能力が絶対条件です。家族の希望だけでは作れません。
  3. 証人2名が必要です。相続人や受遺者、その近親者は証人になれない場合が多いです。
  4. 公証人には職務区域があります。遺言者が実際にいる場所を基準に確認します。
  5. 病院・施設では管理上の許可が必要です。医療現場の安全、感染対策、個人情報保護に従います。
  6. 費用は通常より増えることがあります。病床執務加算、日当、交通費、交付費用、証人費用を確認します。
  7. 公正証書遺言は検認不要です。相続開始後の手続を進めやすくします。
  8. 緊急時ほど専門家を入れる必要性が高まります。遺言能力、遺留分、税務、登記、医療記録、証人手配を同時に進めるためです。
  9. Web会議方式も選択肢になり得ますが、公証人が相当と認め、本人確認・真意確認に支障がない場合に限られます。
  10. 早めに動くことが最大の紛争予防です。判断能力が低下してからでは間に合わないことがあります。

本人に明確な意思がある段階で、公証役場へ相談し、必要資料、証人、医療機関や施設との調整を進めることが重要です。

Reference

このページの参考資料

公的機関・公証実務に関する中立的な資料を中心に整理しています。

公証制度・遺言手続

  • 日本公証人連合会「公証役場一覧」
  • 日本公証人連合会「遺言」
  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手順」
  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の必要資料」
  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料」
  • 日本公証人連合会「手数料」
  • 日本公証人連合会「公証人の職務執行区域について」
  • 日本公証人連合会「公正証書作成手続のデジタル化」
  • 日本公証人連合会「Web会議を利用した公正証書の作成の流れについて」

法令・裁判所・行政資料

  • 法務省「公証制度について」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「公証人法」
  • e-Gov法令検索「公証人手数料令」
  • 裁判所「遺言書の検認」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
  • 政府広報オンライン「知っておきたい遺言書のこと。無効にならないための書き方、残し方」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」