追突事故の示談金は、車の修理費だけでも慰謝料だけでも判断できません。物損、人身損害、過失割合、既払金、後遺障害の可能性を分けて、総額の見通しを整理します。
追突事故の示談金は、車の修理費だけでも慰謝料だけでも判断できません。
怪我の有無、車両損害、治療期間、後遺障害で総額の見方が変わります。
追突事故で車の修理費と慰謝料を合わせた示談金の総額目安は、怪我がない物損のみの事故では修理費等の物損額が中心で、慰謝料は原則として発生しません。怪我がある場合は、修理費等の物損に、入通院慰謝料、治療費、通院交通費、休業損害などの人身損害が加わります。
次の重要ポイントは、追突事故の示談金を最初に分解する考え方を示します。総額の見通しを誤らないために重要なので、修理費、慰謝料、既払金、過失割合が別々に動く点を読み取ってください。
物損額 + 人身損害額 - 被害者側の過失分 - 既払金 ± 個別調整。修理費と慰謝料だけを足す場合も、全損時の車両時価や後遺障害慰謝料を別枠で確認します。
怪我がない場合は、車両修理費、全損時の車両時価額、買替諸費用、残存価値控除後の差額、レッカー費用、代車費用、評価損、積載物損害、営業車両の休車損害などが中心になります。物損事故について精神的損害は原則として認められないと説明されるため、合算額は「車両修理費等 + 慰謝料0円」と整理するのが基本です。
むち打ちや頚椎捻挫がある場合、自賠責保険・共済の傷害慰謝料は1日4,300円で、対象日数は傷害の状態や実治療日数などを考慮して治療期間内で決まります。実務上は「治療期間の日数」と「実通院日数×2」の少ない方を目安に、4,300円を掛けて試算します。
次の比較表は、車両損害と入通院慰謝料だけを足した概算を事故類型別に整理したものです。治療費、休業損害、通院交通費、文書料、後遺障害逸失利益などを除いた粗い見通しなので、列ごとの金額差から「車の損傷額」と「怪我による慰謝料」は別の軸で増減することを読み取ってください。
| 事故類型 | 車両損害の典型 | 慰謝料の典型 | 修理費等と慰謝料の概算 |
|---|---|---|---|
| 怪我なし・バンパー損傷程度 | 5万〜30万円前後 | 原則0円 | 5万〜30万円前後 |
| 怪我なし・リアゲート、バックパネル等まで損傷 | 20万〜80万円前後 | 原則0円 | 20万〜80万円前後 |
| むち打ち等で1か月通院、実通院5〜15日程度 | 10万〜40万円前後 | 自賠責で約4.3万〜12.9万円、軽傷の弁護士基準目安で約19万円 | 約14万〜59万円前後 |
| むち打ち等で3か月通院、実通院20〜45日程度 | 20万〜80万円前後 | 自賠責で約17.2万〜38.7万円、軽傷の弁護士基準目安で約53万円 | 約37万〜133万円前後 |
| むち打ち等で6か月通院、実通院40〜90日程度 | 30万〜120万円前後 | 自賠責で約34.4万〜77.4万円、軽傷の弁護士基準目安で約89万円 | 約64万〜209万円前後 |
| 骨折等で3か月通院、入院なし | 30万〜150万円前後 | 自賠責は通院日数次第、通常の弁護士基準目安で約73万円 | 約70万〜223万円前後 |
| 経済的全損 | 修理見積額ではなく時価額・買替諸費用・残存価値等で調整 | 怪我があれば別途算定 | 車の時価評価と通院状況で大きく変動 |
この表で重要なのは、車両修理費が高いから慰謝料も高いとは限らない点です。慰謝料は基本的に、人の怪我、治療期間、通院頻度、後遺障害の有無などで決まり、車の損傷額そのものとは別の軸で評価されます。
同じ事故でも、追突事故、示談金、修理費、慰謝料、自賠責保険は役割が異なります。
次の用語一覧は、追突事故の示談金を理解する前提となる基本概念をまとめたものです。保険会社の提示書では用語が混在しやすいため、どの言葉が物損、人身、保険制度のどこに関わるかを読み取ってください。
停止中または減速中の前方車に後続車が衝突する事案が典型です。急ブレーキ、進路変更、駐停車位置、灯火、道路状況によって被害者側の過失が問題になることがあります。
示談が成立すると、通常は追加請求をしない清算条項が入ります。症状固定前や後遺障害の見通しが不明な段階では、示談書の範囲確認が重要です。
板金、塗装、部品交換、骨格修正、センサー調整、ADAS関連のエーミング、見積料、分解点検費などが含まれることがあります。
自賠責保険・共済の補償対象は人身事故による損害です。車両等の物的損害は対象外で、車の修理代は任意保険の対物賠償や車両保険等で処理されます。
対物賠償責任保険、対人賠償責任保険、人身傷害補償、車両保険、弁護士費用特約など、契約内容により支払われる範囲が変わります。
過失割合は、道路交通法上の優先関係、予見可能性、回避可能性、交通弱者保護などを踏まえて決まります。赤信号や渋滞で適法に停止していた車への追突では後続車側の過失が大きく評価されやすい一方、例外的な事情があると被害者側過失が争われます。
物的損害と人身損害は、法律上も保険制度上も分けて整理されます。
交通事故の損害賠償は、基本的には民法上の不法行為責任に基づきます。民法709条は故意または過失により他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者の損害賠償責任を定め、民法710条は財産以外の損害も賠償対象になることを定めています。自動車事故では、自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任も重要です。
次の比較表は、追突事故で発生する損害を物的損害と人身損害に分けたものです。保険の担当や示談書の範囲が分かれることがあるため、どの項目がどちらに属するかを読み取り、修理費と慰謝料を同じ基準で混ぜないことが重要です。
| 分類 | 主な損害 | 主な保険・制度 |
|---|---|---|
| 物的損害 | 車両修理費、全損時の時価額、代車費用、レッカー費用、評価損、積載物損害 | 任意保険の対物賠償、被害者側の車両保険等 |
| 人身損害 | 治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益 | 自賠責保険、任意保険の対人賠償、人身傷害補償等 |
交通事故証明書は、交通事故の事実を確認したことを証明する書類です。事故時に警察へ届け出ていないと、後日、交通事故証明書が取得できず、保険請求や示談交渉で不利になることがあります。道路交通法72条に基づく停止、負傷者救護、危険防止措置、警察官への報告も、事故直後の重要な対応とされています。
外から見える損傷より、内部損傷、時価額、評価損、付随費用の確認が重要です。
追突事故で車の後部が壊れた場合、外から見える損傷はバンパーだけでも、リアバンパービーム、バックパネル、トランクフロア、リアフェンダー、テールランプ、リアゲート、センサー、カメラ、レーダー、マフラー、骨格部位、ハイブリッド車やEVの高電圧関連部位まで損傷していることがあります。
現代車では、衝突被害軽減ブレーキ、駐車支援、後側方検知、カメラ、ソナーなどの安全装置が装備されているため、追突後の修理では板金塗装だけでなくセンサー調整やエーミングが必要になることがあります。保険会社のアジャスター、整備士、車体修理業者、ディーラー、損害調査担当者が、損傷範囲、事故との因果関係、部品交換の必要性、工賃、塗装範囲、修理方法の相当性を確認します。
次の判断の流れは、追突事故の修理費がそのまま賠償されるか、経済的全損として時価額等に制限されるかを示します。修理見積額だけで示談金を予測するとずれるため、分岐ごとに「修理費」と「時価額+買替諸費用-残存価値」のどちらが基準になりやすいかを読み取ってください。
分解点検、部品交換、工賃、塗装、エーミングなどを含めて相当性を見ます。
同種同等車の市場価格、年式、走行距離、装備、修復歴などを確認します。
事故と関係する必要かつ相当な修理費が問題になります。
原則として時価額+買替諸費用-残存価値等が基準になり得ます。
経済的全損では、物理的には修理できても、修理費が車両の事故時価額等を上回り、経済合理性の観点から修理費全額の賠償が認められにくい状態が問題になります。簡略化すると、修理費が時価額+買替諸費用を超えない場合は相当な修理費が賠償対象になり、超える場合は時価額+買替諸費用-残存価値等が基準になり得ます。
次の注意点一覧は、保険会社の車両時価額や評価損の主張に対して確認すべき資料をまとめています。全損提示や評価損の有無で示談金が大きく変わるため、どの資料が「同種同等車の価格」や「修理後の価値低下」を示すかを読み取ってください。
同一車種、同一グレード、同程度の年式・走行距離・装備・修復歴、同地域または全国市場での中古車販売価格を複数確認します。
ディーラー査定、中古車販売サイトの複数記録、レッドブック等の車両価格資料、整備記録、直近の高額整備履歴を整理します。
初度登録から年数が浅い車、走行距離が少ない車、高級車、輸入車、希少車、骨格部位に損傷がある車では修理後の価値低下が問題になりやすいです。
次の比較表は、修理費そのもの以外に追突事故で問題になりやすい付随損害を整理しています。車を使えない期間や搬送の必要性が示談金に反映されることがあるため、条件と争点を分けて読み取ってください。
| 項目 | 認められやすい条件 | 争点 |
|---|---|---|
| レッカー費用 | 自走不能、走行安全性に疑義がある、事故現場から修理工場まで必要 | 搬送距離、料金の相当性 |
| 代車費用 | 通勤、通院、業務、生活上必要で、実際に代車を使用した | 期間、車種グレード、必要性 |
| 休車損害 | 営業車、タクシー、トラック、配送車等で稼働損失がある | 稼働率、代替車両の有無、売上資料 |
| 保管料 | 保管が必要で期間が相当 | 長期保管の必要性 |
| 買替諸費用 | 全損で買替えが相当 | 登録費用、車庫証明、廃車費用等の範囲 |
自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準で金額水準が異なります。
交通事故慰謝料には、実務上、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準・裁判基準があります。自賠責基準は基本補償として定型的に計算され、任意保険基準は各保険会社の内部基準で、弁護士基準・裁判基準は裁判実務で参照される資料をもとに検討されます。
次の比較表は、3つの慰謝料基準の性質と金額水準を整理したものです。保険会社の提示額がどの基準に近いかで交渉の出発点が変わるため、基準ごとの位置づけを読み取ってください。
| 基準 | 性質 | 金額水準 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険・共済の支払基準 | 最低限・定型的 |
| 任意保険基準 | 各保険会社の内部的基準 | 非公開。自賠責以上・弁護士基準未満になりやすい |
| 弁護士基準・裁判基準 | 裁判実務で参照される赤い本・青本等 | 多くの場合、最も高い水準 |
自賠責支払基準では、傷害による損害の支払対象として、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料が挙げられ、慰謝料は1日4,300円とされています。基本式は「4,300円×対象日数」で、対象日数は一般的な目安として「治療期間の日数」と「実通院日数×2」の少ない方で試算します。
次の比較表は、自賠責基準の入通院慰謝料を治療期間と実通院日数ごとに試算したものです。対象日数が増減すると慰謝料も連動するため、治療期間の長さだけでなく実通院日数がどう影響するかを読み取ってください。
| 治療期間 | 実通院日数 | 対象日数 | 自賠責慰謝料 |
|---|---|---|---|
| 30日 | 8日 | 16日 | 68,800円 |
| 60日 | 12日 | 24日 | 103,200円 |
| 90日 | 30日 | 60日 | 258,000円 |
| 180日 | 60日 | 120日 | 516,000円 |
自賠責の傷害部分には被害者1人につき120万円の限度額があり、この中に治療費、文書料、休業損害、慰謝料などが含まれます。治療費が高額になると、慰謝料や休業損害の支払い余地に影響することがあります。
次の比較表は、入院なし・通院のみの場合に公表解説例で示される弁護士基準の目安を、軽傷・むち打ち等と通常・骨折等に分けたものです。通院期間だけで機械的に決まるものではないため、列の差から怪我の内容と通院経過が金額に影響することを読み取ってください。
| 通院期間 | 軽傷・むち打ち等の目安 | 通常・骨折等の目安 |
|---|---|---|
| 1か月 | 19万円 | 28万円 |
| 2か月 | 36万円 | 52万円 |
| 3か月 | 53万円 | 73万円 |
| 4か月 | 67万円 | 90万円 |
| 5か月 | 79万円 | 105万円 |
| 6か月 | 89万円 | 116万円 |
治療を続けても症状が残り、医学上これ以上の改善が見込めない状態を症状固定といいます。症状固定後に後遺障害等級が認定されると、入通院慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料と逸失利益が問題になります。自賠責の後遺障害部分は、介護を要する障害では第1級4,000万円、第2級3,000万円、その他の後遺障害では第1級3,000万円から第14級75万円までの限度額が示されています。
5つのモデルで、物損額と入通院慰謝料の足し方を確認します。
以下の試算は、説明のための単純化モデルです。実際には、治療費、休業損害、通院交通費、文書料、既払金、過失割合、健康保険利用、労災、人身傷害保険、車両保険、対物超過特約などを調整します。
次の比較表は、5つの追突事故モデルについて、修理費または物損額と慰謝料をどのように足すかを整理したものです。各行の計算式から、怪我なし、短期通院、長期通院、経済的全損、後遺障害ありで総額の見え方が変わることを読み取ってください。
| ケース | 前提 | 自賠責基準での合算 | 別基準・追加論点 |
|---|---|---|---|
| 怪我なし | バンパー修理15万円、怪我なし | 150,000円+0円=150,000円 | 精神的ショックは原則として物損の慰謝料になりにくく、代車費用、休車損害、評価損などで整理します。 |
| 1か月通院 | 修理費25万円、治療期間30日、実通院8日 | 対象日数16日、4,300円×16日=68,800円。250,000円+68,800円=318,800円 | 軽傷の弁護士基準目安を19万円とすると、250,000円+190,000円=440,000円です。 |
| 3か月通院 | 修理費45万円、治療期間90日、実通院30日 | 対象日数60日、4,300円×60日=258,000円。450,000円+258,000円=708,000円 | 軽傷の弁護士基準目安を53万円とすると、450,000円+530,000円=980,000円です。 |
| 経済的全損 | 修理見積90万円、時価55万円、買替諸費用5万円、残存価値2万円、2か月通院 | 物損額は550,000円+50,000円-20,000円=580,000円。通院16日なら慰謝料137,600円で、合計717,600円 | 軽傷の弁護士基準目安36万円を使うと、580,000円+360,000円=940,000円です。 |
| 6か月通院後の14級 | 修理費60万円、通院期間180日、実通院70日 | 対象日数140日、4,300円×140日=602,000円。600,000円+602,000円=1,202,000円 | 後遺障害14級が認定されると、自賠責14級限度額75万円や、弁護士基準で110万円程度が参照される後遺障害慰謝料、逸失利益が別途問題になります。 |
自賠責基準の対象日数は、たとえば1か月通院・実通院8日なら、30日と16日の少ない方である16日です。3か月通院・実通院30日なら、90日と60日の少ない方である60日です。後遺障害が問題になるケースでは、修理費+入通院慰謝料だけで総額を判断すると大きく見誤ることがあります。
過失割合、通院頻度、医療記録、修理範囲、評価損、既払金、時効、後遺障害を確認します。
次の注意点一覧は、追突事故の示談金を増減させる代表的な8要素をまとめたものです。金額提示の妥当性を検討するうえで重要なので、どの要素が物損、人身、手続、時効に関わるかを読み取ってください。
停止中の追突では被害者側過失0が問題なく認められることも多いですが、理由のない急ブレーキ、不適切な駐停車、車線変更直後の急減速、ブレーキランプ不点灯、夜間の無灯火、高速道路上の停止、多重事故、後退、割込み、合流直後の衝突では争われることがあります。
自賠責基準では実通院日数が少ないと対象日数が少なくなります。弁護士基準でも、通院頻度が極端に少ない場合は、通院期間全体を前提にした慰謝料が認められにくくなる可能性があります。
むち打ちでは、神経学的所見、レントゲン、MRIなどの精査、診断書、診療録、画像、後遺障害診断書が重要です。X線で骨折や脱臼が見つからない場合でも症状が残ることがあります。
古い傷、サビ、塗装劣化、過去事故、経年劣化、消耗品交換、事故前からの不具合は事故との関係が争われやすい項目です。
新車に近い車、骨格損傷のある車、高級車、輸入車では、修理後の査定価値低下を確認することが重要です。
任意保険会社が自賠責分を含めて治療費や慰謝料等をまとめて支払う制度が使われることがあります。病院へ支払済みの治療費、受領済みの休業損害、支払済みの修理費、追加支払額を分けて確認します。
自賠責の被害者請求は原則として事故日から3年、死亡では死亡日から3年、後遺障害では症状固定日から3年です。民法上の損害賠償請求権は、2020年4月1日以後、人身損害は5年、物損は3年が基本と説明されています。
むち打ちや頚椎捻挫でも、痛み、しびれ、神経症状が長く残る場合があります。症状固定前に広い清算条項で示談すると、後遺障害慰謝料や逸失利益が問題にできなくなる危険があります。
過失割合が10%でも認められると、物損・人損の多くが10%減額されます。たとえば総損害100万円で被害者過失10%なら、相手方から受け取れる基本額は90万円です。一方で、慰謝料を増やすために不要な通院を増やすことは適切ではなく、必要な治療を医師の指示に従って継続することが重要です。
物損については、事故直後の写真、相手車両の損傷写真、現場写真、ドライブレコーダー映像、修理見積書、分解後写真、整備士の説明書、事故前の車両写真、過去の点検記録を保全します。人身については、初診時から症状固定までの症状の一貫性が重視されます。
現場対応、医療、修理、保険、法務、生活再建の順に論点を整理します。
次の時系列は、追突事故後に示談金を組み立てる際に関わる視点を順番に整理したものです。早い段階の記録不足が後の金額交渉に影響するため、各段階で残すべき資料と確認すべき論点を読み取ってください。
安全確保、負傷者救護、二次事故防止、警察への届出を優先します。交通事故証明書は後日の補償手続で重要です。
痛み、しびれ、めまい、頭痛、吐き気、意識障害、視力異常、耳鳴り、手足の脱力などを具体的に医師へ伝え、診療録に残します。
分解後にバックパネル、フロア、骨格部位、センサー類の損傷が見つかることがあります。損傷範囲と修理方法の説明を確認します。
事故態様、車両損傷、治療経過、通院日数、休業日数、家事労働への支障、既払金、物損示談と人身示談の範囲を明確にします。
過失割合、修理費、全損時価額、評価損、代車費用、休車損害、慰謝料基準、休業損害資料、後遺障害申請、清算条項、時効管理を検討します。
休業損害、労災、傷病手当金、有給休暇、復職時期、職場配慮が問題になります。業務中・通勤中の事故では労災保険が関係します。
現場で相手から「大丈夫だから警察を呼ばなくていい」と言われても、後で痛みが出ることがあります。事故直後は金額交渉ではなく、安全確保、届出、医療機関受診、証拠保全を優先する対応が一般に重要とされています。
事故・証拠、車両損害、人身損害、示談書の4分類で漏れを防ぎます。
次の確認一覧は、示談書に署名する前に見落としやすい項目を4分類で整理したものです。どれか一つでも抜けると修理費や慰謝料の見通しが変わるため、自分の資料がどの分類で不足しているかを読み取ってください。
警察への届出、交通事故証明書、ドライブレコーダー映像、現場写真、相手車両の損傷写真、目撃者情報、保険会社の担当者名・連絡先を確認します。
修理見積書、分解後の追加見積り、修理範囲と事故との因果関係、代車費用の必要性と期間、レッカー費用・保管料の領収書、全損時の時価額根拠、同種同等車の中古車価格、評価損の可能性を確認します。
医師の診断書、通院日数、通院交通費、休業損害証明書、家事従事者の休業損害、症状固定の時期、後遺障害診断書の要否、自賠責の被害者請求を確認します。
物損だけの示談か人身も含む示談か、清算条項の範囲、既払金の内訳、治療費・休業損害・慰謝料の区分、後遺障害の可能性、時効、弁護士費用特約の有無を確認します。
物損だけ先に示談すること自体は実務上ありますが、示談書に人身損害を含めて一切請求しないと読める文言がないか確認が必要です。物損示談を先行させるなら、人身損害を留保する趣旨が明確になっているかを確認します。
一括の金額ではなく、物損と人身の内訳、基準、全損評価、示談範囲を確認します。
保険会社から「示談金〇〇万円」とだけ言われた場合、内訳の提示を求めます。物損では修理費、代車費用、レッカー費用、評価損、過失相殺、既払金を確認し、人身では治療費、通院交通費、文書料、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益、過失相殺、既払金を分けて確認します。
次の判断の流れは、保険会社の提示額を受け取った後に確認する順番を示します。総額だけで納得すると漏れを見つけにくいため、上から順に内訳、基準、全損評価、示談範囲を読み取ってください。
物損と人身、既払金控除前後、治療費の直接払いを分けます。
1日4,300円前提なら自賠責基準に近い可能性があります。
修理見積100万円でも、車両時価額60万円なら全損評価が問題になります。
見積書、時価資料、診断書、通院記録、休業資料、清算条項を確認します。
物損だけか、人身も含むか、後遺障害を留保できているかを見ます。
修理見積が100万円でも、車両時価額が60万円なら、経済的全損として60万円前後の提示になることがあります。逆に、保険会社の時価額提示が不当に低い場合は、同種同等車の市場価格で反論できる場合があります。慰謝料提示が1日4,300円を前提にしている場合、自賠責基準の可能性が高く、裁判・弁護士基準とは異なる点を確認します。
無料相談、紛争処理、ADR、弁護士費用特約の使い分けを整理します。
次の相談先一覧は、追突事故の示談金に疑問がある場合に検討される主な窓口を整理したものです。相談先によって扱う範囲や制度の目的が違うため、示談交渉、保険金支払、損害保険会社とのトラブル、費用負担のどこに関係するかを読み取ってください。
交通事故の相談、示談あっせん、審査を扱います。相談から示談あっせんまで無料で利用できる制度が案内されています。
自賠責保険金の支払に関する紛争について、公正中立で専門的知見を有する第三者機関として調停を行う制度です。
損害保険や交通事故に関する相談、損害保険会社とのトラブルに関する苦情受付や紛争解決支援を行います。
自分や家族の自動車保険に付帯されている場合、支払限度額の範囲で弁護士相談料・弁護士費用がまかなわれることがあります。
相手保険会社の提示額が自賠責基準に近い、3か月以上通院している、痛みやしびれが残っている、後遺障害申請を検討している、修理費が時価額を超えると言われた、評価損を検討したい、過失割合に争いがある、休業損害が認められない、物損示談と人身示談の範囲が不明、時効が近いといった場面では、資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
よくある疑問を一般的な制度説明として整理します。
一般的には、車だけが壊れた物損事故では慰謝料は認められにくく、車両修理費、代車費用、評価損、レッカー費用などの財産的損害として整理されます。ただし、事故態様や損害内容によって検討事項は変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責保険・共済の補償対象は人身事故による損害で、車両等の物的損害は対象外とされています。車の修理代は、相手方の対物賠償責任保険や自分の車両保険などが問題になります。ただし、保険契約や事故状況で処理は変わるため、具体的には保険会社や専門家に確認する必要があります。
一般的には、経済的全損の場合、修理費全額ではなく、車両時価額、買替諸費用、残存価値等を基準にした金額が賠償対象になる可能性があります。ただし、保険会社の時価額提示が正しいとは限らず、同種同等車の中古車価格などで検討できる場合があります。具体的な反論可能性は資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責基準では4,300円に対象日数を掛けて試算します。実通院8日であれば、対象日数はおおむね16日となり、68,800円が目安になります。弁護士基準では軽傷用の目安として19万円程度が参照されることがありますが、通院頻度、症状経過、証拠関係で調整される可能性があります。具体的な金額判断は専門家へ相談する必要があります。
一般的には、慰謝料が自賠責基準だけで計算されていないか、休業損害が漏れていないか、通院交通費が計上されているか、治療費の既払金が正しく控除されているかを確認します。物損では、修理費、時価額、代車費用、評価損が検討済みかが重要です。具体的な評価は提示書、診療資料、修理資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、物損だけを先に示談する処理は実務上あります。ただし、示談書の文言が人身損害を含む清算条項になっていると、後で治療費や慰謝料が問題にしにくくなる危険があります。事故態様、治療経過、後遺障害の可能性で判断が変わるため、具体的には示談書を確認したうえで弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、相手保険会社の提示額が自賠責基準に近い、3か月以上通院している、痛みやしびれが残っている、後遺障害申請を検討している、修理費が時価額を超えると言われた、評価損を検討したい、過失割合に争いがある、時効が近いといった場面では、専門家への相談が検討されます。具体的な対応方針は資料を整理したうえで相談する必要があります。
公的機関、専門機関、法令、交通事故実務資料を中心に整理しています。