2σ Guide

複数箇所に後遺障害がある場合の
等級の決まり方

首、腰、膝、顔、歯、目、耳、脳など複数箇所に症状が残ったとき、等級は足し算ではなく、系列、併合、相当、加重を順に整理して判断します。

35 後遺障害の系列
3段階 併合の繰上げ
14級 複数でも原則据置き
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複数箇所に後遺障害がある場合の 等級の決まり方

首、腰、膝、顔、歯、目、耳、脳など複数箇所に症状が残ったとき、等級は足し算ではなく、系列、併合、相当、加重を順に整理して判断します。

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複数箇所に後遺障害がある場合の 等級の決まり方
首、腰、膝、顔、歯、目、耳、脳など複数箇所に症状が残ったとき、等級は足し算ではなく、系列、併合、相当、加重を順に整理して判断します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 複数箇所に後遺障害がある場合の 等級の決まり方
  • 首、腰、膝、顔、歯、目、耳、脳など複数箇所に症状が残ったとき、等級は足し算ではなく、系列、併合、相当、加重を順に整理して判断します。

POINT 1

  • 複数箇所に後遺障害がある場合の等級の全体像
  • まず、足し算では決まらない理由と、最初に見るべき判断軸を押さえます。
  • 複数箇所の後遺障害は、個別等級、系列、例外、併合の順に見る
  • 結論として、後遺障害等級は単純な足し算ではありません。
  • 次の重要ポイントは、複数箇所の後遺障害等級を読むための骨格を示しています。

POINT 2

  • 複数箇所の後遺障害等級は系列と併合で考える
  • 1. 事故との関係を確認:事故態様、初診、画像、治療経過、既往歴を確認します。
  • 2. 個別障害ごとに候補等級を整理:神経症状、可動域制限、醜状、歯牙、眼、耳、脳、脊髄などを分けます。
  • 3. 同一系列や重複評価を確認:同じ機能の障害か、通常派生する症状か、既存障害の悪化かを見ます。
  • 4. 別系列の独立障害だけを併合:13級以上、8級以上、5級以上の組み合わせに応じて繰上げを検討します。

POINT 3

  • 複数箇所の後遺障害等級を併合する基本ルール
  • 13級以上、8級以上、5級以上の障害がいくつあるかで繰上げ幅が変わります。
  • ただし、一定の場合には等級を繰り上げます。
  • ここでいう「第13級以上」は1級から13級までを意味し、14級は含みません。
  • この表が重要なのは、複数箇所の後遺障害があっても、14級が含まれるかどうかで結論が大きく変わるためです。

POINT 4

  • 複数箇所の後遺障害等級で単純併合にならない場面
  • 同一系列内の複数障害
  • 同じ上肢や下肢の機能障害などは、身体の場所が複数でも、まず同一系列内で評価されることがあります。
  • 1つの障害を複数観点で見ている場合
  • 同じ骨折部位の変形、短縮、局部痛などが同一損傷の評価面にすぎない場合、重複評価は避けられます。

POINT 5

  • 複数箇所の後遺障害等級を判断する実務手順
  • 1. 事故との因果関係を確認する:衝突方向、速度、車両損傷、初診時所見、画像所見、治療経過、既往歴、医学的整合性を確認します。
  • 2. 症状固定時の障害を部位ごとに確定する:後遺障害診断書に、残存症状、他覚所見、検査結果、可動域、疼痛、しびれ、日常生活への支障を記載してもらいます。
  • 3. 個別等級を仮に当てはめる:神経症状、関節機能障害、欠損、醜状、歯牙、眼・耳、高次脳機能障害、脊髄・神経系統障害を分けて整理します。
  • 4. 同一系列や重複評価を除外する:同じ身体部位・機能か、1つの損傷を別角度から見ているだけか、通常派生する障害かを確認します。
  • 5. 併合対象だけを併合する:独立した別系列の後遺障害だけを取り出し、13級以上、8級以上、5級以上の条件に沿って繰上げを判断します。

POINT 6

  • 複数箇所の後遺障害等級で重要な医学的ポイント
  • 症状の数より、どの損傷からどの系列の障害が生じたかが重要です。
  • 別表第一の要介護後遺障害
  • 介護の必要性
  • 高次脳機能障害

POINT 7

  • 複数箇所の後遺障害等級を申請する手続き
  • 事前認定、被害者請求、異議申立てで資料の出し方が変わります。
  • 自賠責保険に請求があると、請求書類に基づいて事故状況や損害額の調査が行われ、結果が保険会社へ報告されます。
  • 慎重で客観的な判断を必要とする事案は、審査会で審査されることがあります。
  • 手続きの違いが重要なのは、資料収集の主導権や、認定後に追加資料を出す負担が変わるためです。

POINT 8

  • 複数箇所の後遺障害等級と慰謝料・逸失利益の関係
  • 併合で等級が変わると、損害額の基礎も変わることがあります。
  • 弁護士相談が重要になる理由
  • 次の横棒グラフは、別表第二の等級ごとの労働能力喪失率を表しています。
  • 長い横棒ほど喪失率が高く、12級の14%、11級の20%、14級の5%などの差を読み取ってください。

まとめ

  • 複数箇所に後遺障害がある場合の 等級の決まり方
  • 複数箇所に後遺障害がある場合の等級の全体像:まず、足し算では決まらない理由と、最初に見るべき判断軸を押さえます。
  • 複数箇所の後遺障害等級は系列と併合で考える:身体の場所が複数でも、等級上の評価単位が別とは限りません。
  • 複数箇所の後遺障害等級を併合する基本ルール:13級以上、8級以上、5級以上の障害がいくつあるかで繰上げ幅が変わります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

複数箇所に後遺障害がある場合の等級の全体像

まず、足し算では決まらない理由と、最初に見るべき判断軸を押さえます。

交通事故で、首、腰、肩、膝、顔、歯、目、耳、脳、脊髄など複数箇所に後遺症が残ると、等級が足されるのか、一番重い等級だけになるのか、複数あるのに14級のままなのかが問題になります。

結論として、後遺障害等級は単純な足し算ではありません。まず個々の後遺障害について等級を確認し、それぞれが異なる系列の障害か、同一系列内の障害か、1つの障害を複数の観点から見ているだけか、既存障害を悪化させた加重か、等級表に直接載らない相当・準用の事案かを整理します。

次の重要ポイントは、複数箇所の後遺障害等級を読むための骨格を示しています。最初にここを確認することが重要なのは、併合で等級が上がる場面と、複数症状があっても上がらない場面を早い段階で切り分けられるためです。表示されている3つの項目から、等級計算より前に系列と例外の確認が必要だと読み取ってください。

複数箇所の後遺障害は、個別等級、系列、例外、併合の順に見る

14級が複数あるだけでは繰上げはなく、12級と14級でも原則として12級のままです。一方、12級と13級など13級以上の別系列障害が2つある場合は、重い等級を1級繰り上げる可能性があります。

このページでは、交通事故の被害者が弁護士相談を検討する段階で理解できるよう、法律、医療、保険実務、損害調査、生活再建の視点をつなげて説明します。個別事案では、事故態様、画像所見、診療経過、症状固定時の所見、既往症、職業、生活状況、申請資料によって結論が変わります。

注意このページは一般的な情報提供であり、個別事件の法律判断や医学的診断ではありません。認定結果や示談案に疑問がある場合は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家や主治医へ相談する必要があります。
Section 01

複数箇所の後遺障害等級は系列と併合で考える

身体の場所が複数でも、等級上の評価単位が別とは限りません。

後遺障害等級は、1級が最も重く、14級が比較的軽い等級です。数字が小さいほど重い点が日常感覚と逆なので、複数の等級を見るときは注意が必要です。

複数の後遺障害がある場合は、事故による後遺障害かを確認し、症状固定時点で残った各障害について個別に等級を検討し、各障害がどの系列に属するかを確認します。そのうえで、同一系列内で評価すべきものか、異なる系列として併合すべきものかを分け、必要に応じて相当、準用、加重、派生障害、組合せ等級を確認します。

次の判断の流れは、複数箇所の後遺障害等級を検討するときの順番を表します。この順番が重要なのは、先に併合計算だけをすると、同一系列や加重の見落としで結論を誤りやすいためです。上から下へ、個別等級の整理から最終等級と損害額の確認まで段階が進むことを読み取ってください。

複数後遺障害の基本的な判断の流れ

事故との関係を確認

事故態様、初診、画像、治療経過、既往歴を確認します。

個別障害ごとに候補等級を整理

神経症状、可動域制限、醜状、歯牙、眼、耳、脳、脊髄などを分けます。

同一系列や重複評価を確認

同じ機能の障害か、通常派生する症状か、既存障害の悪化かを見ます。

別系列の独立障害だけを併合

13級以上、8級以上、5級以上の組み合わせに応じて繰上げを検討します。

制度上の根拠

自賠責保険・共済は、交通事故被害者の救済を目的に、すべての自動車などに加入が義務付けられている制度です。後遺障害による損害は、障害の程度に応じて逸失利益および慰謝料等が支払われます。

後遺障害等級には、介護を要する後遺障害を扱う別表第一の第1級・第2級と、その他の後遺障害を扱う別表第二の第1級から第14級があります。等級認定は、原則として労災の障害等級認定基準に準じて行われるとされています。

重要用語

次の比較表は、複数箇所の後遺障害等級で混同しやすい用語を整理したものです。用語を取り違えると、併合の対象になるか、相当・準用や加重として見るかの判断がずれるため重要です。左列で用語、中央で意味、右列で等級判断における読み取り方を確認してください。

用語意味等級判断での読み取り方
後遺症治療後も残った症状一般を指す日常的な言葉です。痛みが残っていても、直ちに後遺障害等級が認定されるわけではありません。
後遺障害事故との因果関係、医学的所見、症状固定、労働能力や生活への支障、等級表との対応を踏まえて認定される実務上の概念です。等級表との対応と証拠資料が重要になります。
症状固定医学上一般に認められた医療を行っても、医療効果が期待しにくくなった時点です。後遺障害等級は原則として症状固定時点で判断されます。
系列身体の部位、機能、障害の性質を組み合わせた評価単位です。複数箇所でも別系列とは限らず、35の系列に沿って整理します。
併合異なる系列の後遺障害等級を2つ以上有する場合に、1つの最終等級として認定する考え方です。足し算ではなく、重い方の等級を一定範囲で繰り上げます。
相当・準用等級表に直接書かれていない障害を、既存の等級に相当するものとして評価する考え方です。同一系列内の複数障害や表にない障害で問題になります。
加重事故前からあった同一部位の障害が事故でさらに重くなった場合の考え方です。新しい別障害の併合ではなく、加重後と既存障害の差額評価が問題になります。

後遺障害等級は、慰謝料や逸失利益を算定するうえで重要ですが、最終的な示談額や判決額を機械的に決めるものではありません。過失割合、収入、労働能力喪失期間、介護の必要性、将来治療費、家屋改造費、職業への具体的影響なども検討されます。

Section 02

複数箇所の後遺障害等級を併合する基本ルール

13級以上、8級以上、5級以上の障害がいくつあるかで繰上げ幅が変わります。

後遺障害が2つ以上ある場合、原則として重い方の後遺障害の該当等級によります。ただし、一定の場合には等級を繰り上げます。ここでいう「第13級以上」は1級から13級までを意味し、14級は含みません。

次の比較表は、併合の繰上げ条件を3段階で整理したものです。この表が重要なのは、複数箇所の後遺障害があっても、14級が含まれるかどうかで結論が大きく変わるためです。左列で対象となる組み合わせ、右列で重い方の等級をどれだけ繰り上げるかを読み取ってください。

併合対象となる後遺障害の組み合わせ等級の決まり方
第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるとき重い方の後遺障害等級を3級繰り上げる
第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるとき重い方の後遺障害等級を2級繰り上げる
第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるとき重い方の後遺障害等級を1級繰り上げる

併合対象であることが確認できた場合、もっとも重い等級を基準にします。5級以上の障害が2つ以上なら3級、そうでなく8級以上の障害が2つ以上なら2級、そうでなく13級以上の障害が2つ以上なら1級を繰り上げます。ただし、1級を超える等級はないため、最上位は1級にとどまります。

次の具体例は、個別等級の組み合わせごとに最終等級の考え方を示しています。例を確認することが重要なのは、14級が複数ある場合や12級と14級の組み合わせで、期待と実務の結論がずれやすいためです。左列の個別等級が別系列の独立障害として認められた前提で、中央の理由と右列の最終等級を照らし合わせてください。

個別等級の例併合の考え方最終等級の例
14級 + 14級14級は13級以上に含まれないため繰上げなし併合14級
12級 + 14級13級以上の障害が2つ以上ではないため繰上げなし12級
12級 + 13級13級以上の障害が2つあるため、重い12級を1級繰上げ併合11級
9級 + 12級13級以上の障害が2つあるため、重い9級を1級繰上げ併合8級
8級 + 8級8級以上の障害が2つあるため、重い8級を2級繰上げ併合6級
7級 + 8級8級以上の障害が2つあるため、重い7級を2級繰上げ併合5級
5級 + 8級5級以上は1つだけでも、8級以上が2つあるため、重い5級を2級繰上げ併合3級
4級 + 5級5級以上の障害が2つあるため、重い4級を3級繰上げ併合1級

14級が複数ある場合は、実務上「併合14級」と呼ばれることがありますが、等級の繰上げはありません。また、12級の障害が1つと14級の障害が1つある場合も、14級は13級以上に含まれないため、最終的には12級となるのが基本です。

重要併合等級名と自賠責から実際に支払われ得る上限額は、常に単純対応するわけではありません。併合により繰り上げた場合でも、個別障害に対応する保険金額の合算額が繰上げ後の保険金額を下回るときは、合算額を採用する扱いが問題になります。
Section 03

複数箇所の後遺障害等級で単純併合にならない場面

実務上の争点は、計算よりも「本当に併合対象か」にあります。

複数の後遺障害が見える場合でも、すべてが別々に併合されるわけではありません。同一系列内の複数障害、1つの障害を複数観点で評価しているだけの場合、通常派生する障害、組合せ等級が既に定められている障害、事故前障害の加重などは、単純な別系列併合とは異なる整理になります。

次の一覧は、単純併合になりにくい典型場面をまとめたものです。この一覧が重要なのは、複数箇所に症状があるという事実だけでは等級が上がるとは限らないためです。各項目の見出しで争点の種類を確認し、説明文からどのような資料整理が必要かを読み取ってください。

同一系列内の複数障害

同じ上肢や下肢の機能障害などは、身体の場所が複数でも、まず同一系列内で評価されることがあります。

1つの障害を複数観点で見ている場合

同じ骨折部位の変形、短縮、局部痛などが同一損傷の評価面にすぎない場合、重複評価は避けられます。

通常派生する障害

重い機能障害に痛みやしびれが通常伴う場合、機能障害と神経症状を常に別々に併合できるわけではありません。

組合せ等級がある場合

両眼失明、両上肢や両下肢の欠損などは、表上の組合せ等級で評価され、機械的併合とは異なります。

相当・準用の場面

等級表に直接書かれていない障害でも、障害の程度に応じて既存等級に準じて評価されることがあります。

加重の場面

事故前からある同一部位の障害が事故で悪化した場合、新しい障害の併合ではなく差額評価が問題になります。

たとえば、右膝と右足首は別の場所ですが、実務上は同じ下肢の機能障害として同一系列的に評価される場面があります。一方、右膝の可動域制限と顔面の線状痕は、通常は別系列として併合を検討しやすい組み合わせです。

次の比較表は、同一系列、派生障害、加重の違いを整理しています。違いを把握することが重要なのは、どれも「複数の症状がある」ように見えても、最終等級や自賠責保険金額の扱いが変わるためです。左列で分類、中央で典型例、右列で判断上の注意点を確認してください。

分類典型例判断上の注意点
同一系列同じ下肢内の膝と足首の機能障害まず同一系列内で評価し、必要に応じて準用や調整を検討します。
重複評価同じ骨折部位の変形と局部痛1つの身体障害を複数観点で見ているだけなら、上位等級で評価します。
派生障害重い機能障害に通常伴う痛みやしびれ通常派生する症状は、独立障害として併合されないことがあります。
組合せ等級両眼、両上肢、両下肢の欠損など等級表に組合せとして定めがあれば、その等級で評価します。
加重事故前から右膝障害があり、事故で右膝が悪化事故前後の状態を比較し、加重後の等級と既存障害の差額を見ます。

既往症や事故前障害がある場合、保険会社が既往症、素因、加重を理由に争うことがあります。診療録、過去画像、健康診断結果、事故前の日常生活や就労状況を整理し、事故前にはどの程度の支障があり、事故後に何が変わったのかを示すことが重要です。

Section 04

複数箇所の後遺障害等級を判断する実務手順

事故との関係、症状固定、個別等級、同一系列、併合対象の順に確認します。

複数箇所の後遺障害事案では、事故との因果関係、症状固定時点の障害、個別等級、同一系列や派生障害の除外、併合対象の抽出という順番で検討すると整理しやすくなります。

次の時系列は、等級判断の実務的な進み方を表しています。順番が重要なのは、後遺障害診断書の作成前に資料が不足していると、後から併合対象の見落としや異議申立ての負担が大きくなるためです。上から下へ、どの段階で何を確認するかを読み取ってください。

第1段階

事故との因果関係を確認する

衝突方向、速度、車両損傷、初診時所見、画像所見、治療経過、既往歴、医学的整合性を確認します。

第2段階

症状固定時の障害を部位ごとに確定する

後遺障害診断書に、残存症状、他覚所見、検査結果、可動域、疼痛、しびれ、日常生活への支障を記載してもらいます。

第3段階

個別等級を仮に当てはめる

神経症状、関節機能障害、欠損、醜状、歯牙、眼・耳、高次脳機能障害、脊髄・神経系統障害を分けて整理します。

第4段階

同一系列や重複評価を除外する

同じ身体部位・機能か、1つの損傷を別角度から見ているだけか、通常派生する障害かを確認します。

第5段階

併合対象だけを併合する

独立した別系列の後遺障害だけを取り出し、13級以上、8級以上、5級以上の条件に沿って繰上げを判断します。

事故との因果関係では、複数箇所のすべてが事故によるとは限らない点に注意が必要です。交通事故鑑定、車両損傷、ドライブレコーダー、実況見分調書、診療録、画像、リハビリ記録が互いに矛盾しないことが重要です。

次の確認表は、因果関係の判断で見られやすい資料を整理したものです。この表が重要なのは、症状が複数あるほど、事故による症状と事故前からの症状を分ける必要が高まるためです。左列で確認項目、右列で実務上の意味を読み取ってください。

確認項目実務上の意味
事故態様衝突方向、速度、車両損傷、乗員姿勢、歩行者・自転車の転倒方向などを確認します。
初診時所見事故直後から訴えがあるか、診断名が記載されているかを見ます。
画像所見X線、CT、MRI、3D-CT、神経画像などで外傷性変化があるかを確認します。
治療経過症状が一貫しているか、通院中断がないかを見ます。
既往歴事故前から同じ部位に症状、変形、治療歴がないかを整理します。
医学的整合性事故機序と残存障害が医学的に説明できるかを確認します。

個別等級を当てはめる段階では、まだ最終等級を出しません。各障害について、等級表に直接該当するか、相当・準用として評価する余地があるか、同一系列内で整理する必要があるかを確認します。

次の比較表は、障害の種類ごとに主な確認事項をまとめたものです。確認事項を分けることが重要なのは、整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科・口腔外科、形成外科など、診療科ごとに必要資料が分断されやすいためです。左列で障害の種類、右列で確認すべき資料や所見を読み取ってください。

障害の種類主な確認事項
神経症状局部に頑固な神経症状を残すか、局部に神経症状を残すか、画像・神経学的所見との整合性を確認します。
関節機能障害可動域制限、患側・健側比較、測定方法、強直・著しい障害・単なる障害の区別を見ます。
欠損障害失われた部位、関節の位置、指・趾の本数、手指・足趾の定義を確認します。
醜状障害露出面か、線状痕・瘢痕の長さ、写真資料、形成外科所見を確認します。
歯牙障害補綴歯数、外傷による喪失か、治療経過を確認します。
眼・耳の障害視力、視野、調節、眼球運動、聴力検査、平衡機能を確認します。
高次脳機能障害頭部外傷、意識障害、画像所見、神経心理学的検査、日常生活状況報告を整理します。
脊髄・神経系統障害麻痺、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行能力、介護の必要性を確認します。
Section 05

複数箇所の後遺障害等級で重要な医学的ポイント

症状の数より、どの損傷からどの系列の障害が生じたかが重要です。

複数箇所の後遺障害では、症状が多いこと自体よりも、各症状が医学的にどの損傷から生じ、等級表上どの系列で評価されるかが重要です。診療科ごとの資料が分断されると、併合対象となる障害の全体像が伝わりにくくなります。

次の比較表は、分野ごとの重要資料と併合上の注意点を整理したものです。この表が重要なのは、どの診療科の資料をそろえるかによって、個別等級や併合対象の評価が変わり得るためです。左列で領域、中央で重要資料、右列で併合上の注意点を読み取ってください。

領域重要資料・確認事項併合上の注意点
整形外科骨折・脱臼・靱帯損傷の画像、関節可動域、筋力、神経学的所見、リハビリ記録同じ上肢・下肢内の複数障害は、まず同一系列内評価を検討します。
脳神経外科・神経内科頭部画像、意識障害、神経心理学的検査、家族・職場の行動変化報告、麻痺・歩行能力高次脳機能障害に伴う症状か、外傷による独立障害かを整理します。
眼科・耳鼻咽喉科視力、視野、調節、眼球運動、聴力、平衡機能、耳鳴り、めまいの検査同一眼・同一耳内の複数障害は、単純併合ではなく準用的評価が問題になることがあります。
形成外科・歯科口腔外科顔面瘢痕写真、線状痕・瘢痕の長さ、歯牙補綴数、顎・咬合の所見醜状障害や歯牙障害は、整形外科資料だけでは立証が不足しやすい分野です。
精神科・心理PTSD、不安、抑うつ、非器質性精神障害、事故前後の生活変化、治療経過器質性の高次脳機能障害と非器質性精神障害を区別して整理します。

別表第一の要介護後遺障害

自賠責保険の後遺障害等級には、介護を要する後遺障害を扱う別表第一と、その他の後遺障害を扱う別表第二があります。別表第一は第1級・第2級で、神経系統の機能または精神、胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常時または随時介護を要するものが中心です。国土交通省の等級表では、別表第一の第1級は4,000万円、第2級は3,000万円の保険金額として示されています。

次の要点一覧は、重度後遺障害で確認されやすい生活上の要素を整理しています。重要なのは、痛みや可動域制限の個別併合だけでなく、介護の必要性や日常生活の全体像として評価される場面があることです。各項目から、医療記録だけでなく家族や職場の報告も資料になることを読み取ってください。

CARE

介護の必要性

常時介護または随時介護を要する状態か、見守り、排泄管理、服薬管理、移動介助などを確認します。

BRAIN

高次脳機能障害

認知障害、人格変化、行動障害、半身の運動麻痺、起立・歩行の不安定などを総合して整理します。

LIFE

生活再建

復職、配置転換、障害年金、労災、介護サービス、住宅改修、就労支援、ナスバの介護料や短期入院・短期入所費用助成なども検討対象になります。

損害調査では、認定が困難なケースや異議申立てがあったケースなどについて、外部専門家が審議に参加する体制があります。脳外傷による高次脳機能障害や非器質性精神障害に該当する可能性がある事案では、専門部会での検討が問題になることがあります。

Section 06

複数箇所の後遺障害等級を申請する手続き

事前認定、被害者請求、異議申立てで資料の出し方が変わります。

自賠責保険に請求があると、請求書類に基づいて事故状況や損害額の調査が行われ、結果が保険会社へ報告されます。慎重で客観的な判断を必要とする事案は、審査会で審査されることがあります。

次の比較一覧は、複数後遺障害で問題になりやすい3つの手続きを整理しています。手続きの違いが重要なのは、資料収集の主導権や、認定後に追加資料を出す負担が変わるためです。各項目の説明から、どの段階で何を補うべきかを読み取ってください。

1

事前認定

任意保険会社が窓口となり、後遺障害等級の確認を行う手続です。資料収集の負担が軽くなる面がありますが、提出資料の内容を被害者側が十分に管理しにくい場合があります。

資料管理提出漏れ注意
2

被害者請求

被害者が加害者の自賠責保険会社に直接請求する方法です。被害者側で資料を選び、補足説明や意見書を付けて申請できる点が特徴です。

主導権資料準備
3

異議申立て

認定結果に不服がある場合の再請求です。前回と同じ資料を出すだけでは足りないことが多く、不足資料や医学的説明を補う必要があります。

再検討理由分析

複数箇所に後遺障害がある事案では、整形外科で関節可動域制限、脳神経外科で高次脳機能障害、耳鼻咽喉科でめまい・難聴、眼科で視力障害、歯科・口腔外科で歯牙障害、形成外科で醜状障害が問題になることがあります。CRPS、脊髄損傷、非器質性精神障害、既往症・加重が争点になる場合もあり、診療科ごとの資料を統合して申請資料を整えることが核心です。

異議申立てでは、非該当や低い等級となった理由を分析し、不足していた画像、検査、医師意見書、診療録、事故状況資料、日常生活状況報告書などを追加する必要があります。認定結果の理由を確認せずに同じ資料を再提出しても、結論が変わりにくい場合があります。

要点複数後遺障害では、事前認定か被害者請求かという手続選択だけでなく、どの障害をどの系列の資料で説明するかが重要です。示談前に、認定結果と提出資料の整合性を確認する必要があります。
Section 07

複数箇所の後遺障害等級と慰謝料・逸失利益の関係

併合で等級が変わると、損害額の基礎も変わることがあります。

自賠責支払基準上、後遺障害逸失利益は、年間収入額または年相当額に、該当等級の労働能力喪失率と、後遺障害確定時の年齢に応じた就労可能年数のライプニッツ係数を乗じて算出する構造です。

次の横棒グラフは、別表第二の等級ごとの労働能力喪失率を表しています。横棒の長さが重要なのは、併合で等級が1つ上がるだけでも逸失利益の基礎割合が変わり得るためです。長い横棒ほど喪失率が高く、12級の14%、11級の20%、14級の5%などの差を読み取ってください。

1級から3級
100%
4級
92%
5級
79%
6級
67%
7級
56%
8級
45%
9級
35%
10級
27%
11級
20%
12級
14%
13級
9%
14級
5%
自賠責支払基準上の目安です。裁判実務では職業、症状、減収、年齢、業務内容などにより争いが生じることがあります。

併合により等級が上がると、労働能力喪失率の基礎が変わり得ます。たとえば、12級と13級が併合11級になれば、自賠責支払基準上の労働能力喪失率の目安は12級の14%ではなく11級の20%になります。

次の比較表は、自賠責支払基準における後遺障害慰謝料等の例と、等級差の見方をまとめたものです。金額確認が重要なのは、保険会社の提示や裁判基準では金額が異なることがあり、提示額の妥当性を等級だけで判断できないためです。左列で等級、中央で自賠責支払基準上の慰謝料等の例、右列で実務上の読み取り方を確認してください。

等級自賠責支払基準上の慰謝料等の例実務上の読み取り方
11級併合で12級から上がると、労働能力喪失率の目安は20%になります。12級と13級の併合などで、逸失利益の基礎に影響します。
12級慰謝料等の額は94万円とされています。12級と14級では原則として繰上げがないため、個別等級の見直しが重要になることがあります。
13級慰謝料等の額は57万円とされています。12級などと別系列で併合対象になれば、1級繰上げの条件に関わります。
14級慰謝料等の額は32万円とされています。複数あっても繰上げはありませんが、生活・仕事への具体的影響は損害額で問題になります。

14級が複数あっても等級上は併合14級にとどまります。しかし、複数箇所に症状があることが、労働能力喪失期間、日常生活上の不便、慰謝料増額事情としてどの程度考慮されるかは、個別事案で検討余地があります。

弁護士相談が重要になる理由

複数後遺障害事案では、併合の計算式自体よりも、どの症状が事故によるものか、どの症状が症状固定時に残存しているか、どの障害が同一系列か、どの障害が独立した併合対象か、既往症や事故前障害をどう扱うかが難しいことが多いです。

後遺障害等級が認定されると、保険会社から示談案が提示されることがあります。提示額が自賠責基準または任意保険会社内部基準に近い場合、裁判実務で認められ得る慰謝料や逸失利益より低いことがあります。示談後に異議申立てや追加請求が難しくなる場合もあるため、示談前の確認が重要です。

Section 08

複数箇所の後遺障害等級でよくある誤解と具体例

「複数あるから上がる」とは限らず、個別等級の見直しが重要な場面もあります。

複数箇所の後遺障害では、後遺障害が2つあれば必ず等級が上がる、身体の場所が違えば必ず別系列になる、認定票に書かれていない症状は示談で主張できない、医師が後遺症ありと言えば等級が認定される、といった誤解が生じがちです。

次のポイント一覧は、代表的な誤解を正しい理解に置き換えたものです。この整理が重要なのは、認定結果や示談案を確認するとき、どこを争点にすべきかを見極めやすくなるためです。各項目から、等級の繰上げだけでなく、資料や損害額の見直しも検討対象になることを読み取ってください。

MISUNDERSTANDING 01

後遺障害が2つあれば必ず等級が上がるわけではない

14級だけが複数なら併合14級にとどまり、12級と14級でも繰上げは起こらないのが基本です。

MISUNDERSTANDING 02

身体の場所が違えば必ず別系列になるわけではない

同じ上肢や下肢の機能障害として一体的に評価されることがあります。

MISUNDERSTANDING 03

認定票にない症状でも検討余地が残ることがある

損害額の交渉や訴訟で主張できる場合がありますが、等級に反映されない症状は評価が難しくなりやすいです。

MISUNDERSTANDING 04

医師の診断だけで等級が決まるわけではない

等級表との対応、他覚所見、事故との因果関係、症状固定時の程度、系列、併合関係が判断されます。

次の比較表は、代表的なケーススタディを整理しています。具体例を見ることが重要なのは、同じ「複数箇所」という言葉でも、14級複数、12級と14級、12級と12級、加重では結論がまったく異なるためです。左列で事案、中央で基本的な考え方、右列で確認すべき資料や争点を読み取ってください。

具体例等級の考え方実務上のポイント
むち打ち後の首と腰の痛みが残った場合それぞれ14級9号相当でも、14級が複数あるだけでは繰上げはなく、併合14級が基本です。首と腰の症状が事故後一貫していること、治療経過、仕事や日常生活への影響を示します。
右膝の可動域制限12級と顔面醜状12級がある場合別系列の独立障害なら、13級以上の障害が2つあるため、併合11級が基本です。可動域測定、顔面瘢痕の写真、形成外科所見をそろえる必要があります。
高次脳機能障害9級と上肢機能障害12級がある場合別系列で評価されるなら、重い9級を1級繰り上げて併合8級となる可能性があります。高次脳機能障害に伴う身体症状か、上肢外傷による独立障害かを整理します。
既に右膝に障害があり事故で右膝が悪化した場合新しい障害の併合ではなく、加重として処理される可能性があります。事故前の通院歴、画像、生活・就労状況、事故後の悪化を比較します。
12級と14級があるのに12級のままとされた場合14級は繰上げ要件に含まれないため、12級のままが基本です。14級とされた症状が本来13級以上に該当する可能性があるかを検討します。
Section 09

複数箇所の後遺障害等級で整理すべき証拠

症状ごとに必要資料が異なるため、医療、事故、生活、事故前状態を分けて集めます。

複数箇所の後遺障害では、症状ごとに必要資料が異なります。弁護士相談、被害者請求、異議申立ての前に、医療資料、事故資料、生活・仕事の資料、事故前状態の資料を整理しておくと、併合対象の見落としや加重の争点に対応しやすくなります。

次のチェックリストは、複数後遺障害で整理したい資料を分類したものです。分類して集めることが重要なのは、症状の存在だけでなく、事故との関係、症状固定時の程度、生活や仕事への影響、事故前との違いをまとめて示す必要があるためです。左列で分類、右列で主な資料を確認してください。

分類主な資料
医療資料後遺障害診断書、診療録、診断書、診療報酬明細書、画像、検査結果、リハビリ記録、関節可動域測定、神経心理学的検査、医師意見書
事故資料交通事故証明書、実況見分調書、ドライブレコーダー、防犯カメラ、車両損傷写真、修理見積、現場写真、救急搬送記録
生活・仕事休業損害証明書、源泉徴収票・確定申告書、業務内容資料、減収資料、家族の生活状況報告、介護記録、学校・職場の報告
事故前状態事故前の通院歴、画像、健康診断、勤務状況、スポーツ・日常活動資料、既存障害や障害年金・労災の有無

既往症があるからといって、必ず不利になるわけではありません。事故前には支障なく生活・就労できていたこと、事故後に明確に悪化したことを示せる資料が重要です。

次の重要ポイントは、複数後遺障害事案の結論を5つに整理したものです。最後に確認することが重要なのは、等級名だけで示談額を判断せず、認定理由や資料不足まで点検する必要があるためです。各項目から、等級の数字、併合対象、同一系列、損害額を分けて見ることを読み取ってください。

等級名だけで終わらせず、認定理由と損害額への反映まで確認する

14級複数は原則として上がらず、12級と14級も原則として12級です。一方、12級と13級など13級以上の障害が2つあれば1級繰上げの可能性があります。同じ身体部位や通常派生する症状は単純併合されないことがあり、慰謝料、逸失利益、労働能力喪失期間、生活・仕事への影響を総合的に見る必要があります。

FAQ

複数箇所の後遺障害等級に関するFAQ

よくある疑問を、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 14級が2つ、または3つ認定された場合、等級は13級になりますか。

一般的には、14級は13級以上に含まれないため、14級が複数あっても繰上げはなく、併合14級にとどまるとされています。ただし、各症状の個別等級や資料の内容によって検討事項は変わります。具体的な対応は、認定理由と資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 12級と14級がある場合、併合11級になりますか。

一般的には、14級は繰上げ要件に含まれないため、12級と14級では12級にとどまるのが基本とされています。ただし、14級とされた症状が本来13級以上に該当する可能性があるかは、画像、検査、診療経過などで結論が変わる可能性があります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 12級と13級がある場合はどうなりますか。

一般的には、併合対象となる別系列の障害であれば、13級以上の障害が2つあるため、重い12級を1級繰り上げて併合11級となる考え方があります。ただし、同一系列や派生障害に当たるかどうかで結論が変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q4. 同じ腕に肩、肘、手首の障害が残った場合、全部併合されますか。

一般的には、同じ上肢の機能障害として同一系列内で評価される可能性があります。まず同一系列内で等級を整理し、そのうえで別系列の障害があるかを検討します。ただし、損傷部位、機能障害の内容、検査結果によって判断が変わる可能性があります。

Q5. 痛みと可動域制限は別々に併合できますか。

一般的には、痛みが機能障害に通常伴う症状として評価される場合、重複して併合されない可能性があります。一方で、独立した神経障害として医学的に評価できる場合は、個別の検討対象になることがあります。事故態様、画像、神経学的所見、診療経過によって結論が変わります。

Q6. 事故前から腰痛があった場合、後遺障害は認められませんか。

一般的には、事故前から症状があったことだけで直ちに否定されるものではなく、事故前の状態、事故後の悪化、画像所見、治療経過、症状の一貫性が重要とされています。同一部位の既存障害が悪化した場合は、加重として処理されることがあります。具体的な評価は資料により変わります。

Q7. 後遺障害診断書に一部の症状が書かれていません。後から追加できますか。

一般的には、症状固定時点で存在した症状であることを示せる場合、診療録、リハビリ記録、医師の補足意見、追加検査などが検討されることがあります。ただし、時期や資料の内容によって扱いが変わる可能性があります。示談前に、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q8. 自賠責で認定された併合等級は裁判でもそのまま使われますか。

一般的には、自賠責の等級認定は裁判でも重要な参考資料とされています。ただし、裁判所が機械的に同じ判断をするとは限らず、医学的証拠、生活・就労への影響、過失割合、損害額全体が検討されます。具体的な見通しは、証拠関係によって変わります。

Q9. 労災の障害等級と自賠責の後遺障害等級は同じですか。

一般的には、自賠責の等級認定は労災の障害等級認定基準に準じるとされていますが、制度目的や運用は完全に同一ではありません。業務中・通勤中の事故では、労災、自賠責、任意保険、障害年金を総合的に検討する必要があります。

Q10. 併合等級が認定されたら、弁護士に相談しなくてもよいですか。

一般的には、併合等級が認定されても、慰謝料、逸失利益、労働能力喪失期間、過失割合、将来費用、保険会社提示額の妥当性は別問題とされています。特に併合11級以上、労働能力への影響が大きい事案、若年者、重度後遺障害では、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

参考資料

制度、等級表、支払基準、調査実務に関する中立的な資料を整理しています。

公的資料・制度資料

  • 国土交通省「後遺障害等級表」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 国土交通省「障害が残ったときは?」
  • 厚生労働省「障害等級認定基準について〔労働者災害補償保険法〕」

自賠責保険・損害調査に関する資料

  • 損害保険料率算出機構「自賠責保険支払基準」
  • 損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」