2σ Guide

入院と通院が両方ある場合の
慰謝料計算方法

自賠責基準の日数計算と、弁護士基準の算定表は考え方が異なります。入院日数、実通院日数、通院期間、症状固定、後遺障害まで分けて確認します。

4,300円 自賠責基準の傷害慰謝料日額
120万円 自賠責の傷害部分限度額
165万円 別表Ⅰ 入院2月・通院4月の例
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入院と通院が両方ある場合の 慰謝料計算方法

自賠責基準の日数計算と、弁護士基準の算定表は考え方が異なります。

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入院と通院が両方ある場合の 慰謝料計算方法
自賠責基準の日数計算と、弁護士基準の算定表は考え方が異なります。
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  • 入院と通院が両方ある場合の 慰謝料計算方法
  • 自賠責基準の日数計算と、弁護士基準の算定表は考え方が異なります。

POINT 1

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法の全体像
  • 同じ治療経過でも、自賠責基準と弁護士基準では見方が大きく異なります。
  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準・裁判基準

POINT 2

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法を理解する基本概念
  • 入通院慰謝料は、治療期間中の苦痛を定型的に評価する損害項目です。
  • 慰謝料は、交通事故で被害者が受けた精神的苦痛を金銭で評価する損害賠償項目です。
  • 身体侵害による非財産的損害も賠償対象となり、民法上の不法行為責任が基礎になります。
  • 痛み、不安、行動制限、仕事・家事・学業への支障、家族生活への影響、通院に時間を奪われる負担などが背景にあります。

POINT 3

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法 ― 自賠責基準
  • 1. 入院日数と実通院日数を確認:実治療日数 = 入院日数 + 実通院日数
  • 2. 実治療日数を2倍する:入院日数を除外して通院だけを2倍する計算は不正確です。
  • 3. 治療期間と比べる:対象日数 = 治療期間と実治療日数×2の少ない方
  • 4. 4,300円を掛ける:事故日によって適用基準が変わることがある点も確認します。

POINT 4

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法 ― 弁護士基準
  • 1. 入院期間を月数に換算:30日を1か月の目安にします。
  • 2. 通院期間を月数に換算:退院後から治癒または症状固定までの期間を整理します。
  • 3. 別表Ⅰまたは別表Ⅱを選ぶ:骨折・手術・他覚所見がある場合は別表Ⅰ、他覚所見のないむち打ち症や軽い打撲などは別表Ⅱが問題になります。
  • 4. 端数と通院実態を調整:通院頻度、治療内容、症状固定時期、個別事情を検討します。

POINT 5

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法の比較例
  • 同じ経過でも基準と表の選択で大きな差が出ます。
  • 弁護士基準の具体例
  • 自賠責基準と弁護士基準の概算比較

POINT 6

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法と通院頻度・症状固定
  • 1. 初診・救急対応:診断書、画像資料、事故直後の症状記録が、後の因果関係の土台になります。
  • 2. 手術・安静管理・リハビリ:入院日数、入院の必要性、治療内容、看護記録が慰謝料計算に影響します。
  • 3. 投薬・検査・リハビリの継続:通院期間だけでなく、実通院日数、症状の記録、治療の必要性を確認します。
  • 4. 後遺障害の検討:症状固定後に後遺障害が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料や 逸失利益が問題になります。

POINT 7

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法で確認する資料と示談案
  • 示談案は、基準、日数、表、既払金を分解して読みます。
  • 保険会社の提示額を見る順番
  • 必要資料の一覧
  • 医療資料

POINT 8

  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法で争点になりやすい場面
  • 入院が長く通院が短い
  • 自賠責基準では入院日数が実治療日数に含まれるため、対象日数が治療期間上限に達しやすくなります。
  • 入院は短く通院が長い
  • 骨折や靱帯損傷ではリハビリ通院が長く続くことがあります。

まとめ

  • 入院と通院が両方ある場合の 慰謝料計算方法
  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法の全体像:同じ治療経過でも、自賠責基準と弁護士基準では見方が大きく異なります。
  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法を理解する基本概念:入通院慰謝料は、治療期間中の苦痛を定型的に評価する損害項目です。
  • 入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法 ― 自賠責基準:入院日数は実治療日数に含めて考えます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法の全体像

同じ治療経過でも、自賠責基準と弁護士基準では見方が大きく異なります。

交通事故でけがをして入院と通院の両方をした場合、慰謝料は「入院分」と「通院分」を単純に足す仕組みではありません。自賠責基準では入院日数を含む実治療日数と治療期間を比較し、弁護士基準では入院期間と通院期間を月数化して算定表の交差点を読みます。

要点自賠責基準は日数計算、弁護士基準は期間表による評価です。保険会社の提示額を見るときは、どの基準で、どの日数を、どの表に当てはめているかを分けて確認する必要があります。
JIBAISEKI

自賠責基準

1日4,300円に対象日数を掛けます。対象日数は治療期間と実治療日数の2倍を比べ、少ない方を基礎にします。

INSURER

任意保険基準

各保険会社の内部基準で、統一的に公表されていません。自賠責基準より高いことはありますが、弁護士基準より低い提示になりやすいとされています。

COURT

弁護士基準・裁判基準

入院月数と通院月数を表に当てはめます。けがの重さ、他覚所見、通院頻度、症状固定までの経過で調整されます。

基準基本構造重要な確認点
自賠責基準4,300円 × 対象日数入院日数を含む実治療日数、治療期間、傷害部分120万円の限度額
任意保険基準保険会社ごとの内部基準提示額の根拠、既払金、過失相殺前後の表示
弁護士基準・裁判基準入院月数と通院月数の交差点別表Ⅰ・別表Ⅱの選択、端数処理、通院頻度、後遺障害
Section 01

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法を理解する基本概念

入通院慰謝料は、治療期間中の苦痛を定型的に評価する損害項目です。

慰謝料は、交通事故で被害者が受けた精神的苦痛を金銭で評価する損害賠償項目です。身体侵害による非財産的損害も賠償対象となり、民法上の不法行為責任が基礎になります。

種類内容典型場面
入通院慰謝料・傷害慰謝料事故から治癒または症状固定までの治療期間中の苦痛入院、通院、手術、リハビリ、痛み、生活制限
後遺障害慰謝料症状固定後に後遺障害が残ったことによる苦痛後遺障害等級が認定された場合
死亡慰謝料死亡した本人および一定の遺族の精神的苦痛死亡事故

このページで扱うのは入通院慰謝料です。痛み、不安、行動制限、仕事・家事・学業への支障、家族生活への影響、通院に時間を奪われる負担などが背景にあります。ただし、金額は気持ちを自由に申告して決めるのではなく、入院期間、通院期間、実通院日数、傷害の程度、治療内容、医師の診断、画像所見、症状固定時期などをもとに算定されます。

骨折

手術、固定、疼痛管理、経過観察で入院し、抜糸、画像確認、可動域回復のために通院します。

手術後遺障害

頭部外傷

意識障害や出血確認で入院し、頭痛、めまい、高次脳機能評価、画像再検査で通院します。

画像経過観察

脊椎・脊髄損傷

神経症状や手術、安静管理で入院し、リハビリと神経症状の経過観察が続きます。

神経症状生活制限

多発外傷・顔面外傷

複数科での全身管理、感染管理、形成外科処置が必要になり、退院後も各科のフォローが続くことがあります。

複数科資料整理
Section 02

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法 ― 自賠責基準

入院日数は実治療日数に含めて考えます。

自賠責保険は、交通事故被害者に対する基本補償を確保する制度です。傷害による損害では、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などが支払対象になり、傷害部分の限度額は被害者1人につき120万円とされています。

自賠責基準の入通院慰謝料 = 4,300円 × 対象日数

自賠責基準で対象日数を決める順番

入院日数と実通院日数を確認

実治療日数 = 入院日数 + 実通院日数

実治療日数を2倍する

入院日数を除外して通院だけを2倍する計算は不正確です。

治療期間と比べる

対象日数 = 治療期間と実治療日数×2の少ない方

4,300円を掛ける

事故日によって適用基準が変わることがある点も確認します。

入院30日、実通院20日の考え方

項目日数
入院日数30日
退院後の通院期間90日
実通院日数20日
治療期間120日

実治療日数は入院30日と実通院20日を合わせて50日です。実治療日数の2倍は100日、治療期間は120日なので、対象日数は100日です。慰謝料は4,300円×100日=430,000円となります。

自賠責基準の計算例

事案対象日数自賠責基準の慰謝料注意点
入院14日、通院期間90日、実通院20日68日292,400円通院期間は長くても実治療日数の2倍が上限になります。
入院60日、通院期間60日、実通院20日120日516,000円実治療日数×2は160日でも、治療期間120日が上限です。
入院60日、通院期間120日、実通院40日180日774,000円治療費や休業損害などを含む傷害部分120万円の枠に注意します。

治療期間の始期・終期

事故日、初診日、最終治療日、治癒見込み、中止、転医、継続の扱いを確認します。

施術とギプス固定

整骨院・接骨院・鍼灸では医師の診断や施術の必要性が問題になり、長管骨骨折などではギプス装着期間が実治療日数と同様に扱われることがあります。

限度額

自賠責の傷害部分は治療費、休業損害、通院交通費、文書料などを含めて120万円が限度です。

Section 03

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法 ― 弁護士基準

表の交差点を読み、けがの内容と通院実態で調整します。

弁護士基準または裁判基準は、過去の裁判例や裁判実務の傾向を踏まえた実務上の基準です。入院と通院が両方ある場合は、入院期間と通院期間を月数化し、入通院慰謝料算定表の交差点を読みます。

重要入院慰謝料と通院慰謝料を別々に足すのではありません。別表Ⅰで入院2か月・通院4か月なら交差点の165万円を読み、入院2か月のみの101万円と通院4か月のみの90万円を足して191万円にするわけではありません。

弁護士基準で計算する順番

入院期間を月数に換算

30日を1か月の目安にします。

通院期間を月数に換算

退院後から治癒または症状固定までの期間を整理します。

別表Ⅰまたは別表Ⅱを選ぶ

骨折・手術・他覚所見がある場合は別表Ⅰ、他覚所見のないむち打ち症や軽い打撲などは別表Ⅱが問題になります。

端数と通院実態を調整

通院頻度、治療内容、症状固定時期、個別事情を検討します。

典型的な対象
別表Ⅰ原則的な表。比較的重い傷害、他覚所見がある傷害、骨折、脱臼、手術を伴う傷害など骨折、靱帯損傷、手術例、多発外傷、後遺障害が問題になる傷害
別表Ⅱむち打ち症で他覚所見がない場合、軽い打撲、軽い挫創など画像上明確な異常がない頚椎捻挫、軽度打撲、軽度挫創

別表Ⅰ ― 原則的な入通院慰謝料算定表

単位は万円です。実際の事件では最新版の資料、地域の実務、裁判例、個別事情を確認します。

通院\入院0月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
0月053101145184217244266284297306314321328334340
1月2877122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239262282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

別表Ⅱ ― 他覚所見のないむち打ち症などの算定表

通院\入院0月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
0月0356692116135152165176186195204211218223228
1月195283106128145160171182190199206212219224229
2月366997118138153166177186194201207213220225230
3月5383109128146159172181190196202208214221226231
4月6795119136152165176185192197203209215222227232
5月79105127142158169180187193198204210216223228233
6月89113133148162173182188194199205211217224229
7月97119139152166175183189195200206212218225
8月103125143156168176184190196201207213219
9月109129147158169177185191197202208214
10月113133149159170178186192198203209
11月117135150160171179187193199204
12月119136151161172180188194200
13月120137152162173181189195
14月121138153163174182190
15月122139154164175183
読み方骨折で2か月入院し、その後4か月通院した場合、別表Ⅰの通院4月の行と入院2月の列が交差する165万円を読みます。他覚所見のない頚椎捻挫で1か月入院・3か月通院の例では、別表Ⅱの交差点は83万円です。
Section 04

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法の比較例

同じ経過でも基準と表の選択で大きな差が出ます。

弁護士基準の具体例

事案弁護士基準の読み方金額補足
下肢骨折で入院2か月、通院4か月別表Ⅰの通院4月 × 入院2月165万円同じ事案を自賠責基準で入院60日、通院期間120日、実通院40日とすると774,000円です。
入院1か月、通院3か月別表Ⅰ115万円骨折、脱臼、手術、明確な画像所見などがある場合に検討されます。
入院1か月、通院3か月別表Ⅱ83万円他覚所見のないむち打ち症や軽い打撲などで検討されます。差は32万円です。
入院45日、通院75日入院約1.5か月、通院約2.5か月周辺値を参照日割りまたは補間的な考え方を用いることがあります。

自賠責基準と弁護士基準の概算比較

事案自賠責基準の前提自賠責慰謝料弁護士基準の前提弁護士基準慰謝料
入院1か月・通院3か月入院30日、実通院20日、治療期間120日。対象日数100日43万円別表Ⅰの入院1月×通院3月115万円
入院2か月・通院4か月入院60日、実通院40日、治療期間180日。対象日数180日77.4万円別表Ⅰの入院2月×通院4月165万円
入院1か月・通院3か月の軽傷型入院30日、実通院20日、治療期間120日。対象日数100日43万円別表Ⅱの入院1月×通院3月83万円
入院3か月・通院3か月入院90日、実通院30日、治療期間180日。対象日数180日77.4万円別表Ⅰの入院3月×通院3月188万円
自賠責例
77.4万
弁護士基準
165万
入院2か月・通院4か月の概算比較です。実際の受取額は治療費、休業損害、過失割合、既払金、後遺障害で変わります。
Section 05

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法と通院頻度・症状固定

通院期間が長いだけでは足りず、医学的な必要性と記録が重要です。

弁護士基準では、基本的には通院期間を表に当てはめます。ただし、通院期間が長いのに実通院日数が極端に少ない場合、慰謝料算定上の通院期間が短く評価されることがあります。長期通院では、別表Ⅰで実通院日数の3.5倍程度、別表Ⅱで実通院日数の3倍程度を目安に検討されることがあります。

注意慰謝料を増やす目的で不必要な通院を増やすことは適切ではありません。医師の指示に沿い、診断、検査、治療方針、リハビリ計画、症状の経過、就労・生活制限、症状固定判断が一貫して記録されていることが重要です。
用語意味慰謝料計算との関係
治癒症状が消失し、治療を要しない状態その時点まで入通院慰謝料を計算します。
症状固定治療を続けても大きな改善が見込めない状態その時点まで入通院慰謝料を計算し、その後は後遺障害の問題に移ります。
中止医学的・実務的に治療が終了または中断扱いになる場合治療終了時期、因果関係、必要性が争われやすくなります。
転医医療機関を変更すること治療の連続性を説明できる資料が重要です。
事故発生

初診・救急対応

診断書、画像資料、事故直後の症状記録が、後の因果関係の土台になります。

入院

手術・安静管理・リハビリ

入院日数、入院の必要性、治療内容、看護記録が慰謝料計算に影響します。

通院

投薬・検査・リハビリの継続

通院期間だけでなく、実通院日数、症状の記録、治療の必要性を確認します。

症状固定

後遺障害の検討

症状固定後に後遺障害が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料や逸失利益が問題になります。

保険会社が治療費の一括対応を終了すると述べても、それは医学的な症状固定日そのものではありません。医師が治療継続を必要と判断する場合、健康保険に切り替えて通院を続け、後日、必要性・相当性のある治療費や慰謝料を請求する余地が問題になることがあります。ただし、事故との因果関係や治療の必要性が認められない場合は、賠償対象外とされるリスクがあります。

Section 06

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法で確認する資料と示談案

示談案は、基準、日数、表、既払金を分解して読みます。

保険会社の提示額を見る順番

確認項目見るべき内容
計算基準自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のどれに近いか
入院日数診療報酬明細書や退院証明書と一致しているか
通院期間退院後から症状固定・治癒までの期間が正しく反映されているか
実通院日数診断書、診療報酬明細書、施術証明書と整合するか
表の選択別表Ⅰ相当なのに別表Ⅱ相当や低額評価になっていないか
端数処理入院45日、通院75日などが不利に丸められていないか
後遺障害等級認定前に示談しようとしていないか
過失割合と既払金過失相殺前後の金額と、既に支払われた金額の控除が正しいか

必要資料の一覧

MEDICAL

医療資料

診断書、診療報酬明細書、退院証明書、入院診療計画書、画像資料、リハビリ記録、後遺障害診断書、施術証明書を整理します。

ACCIDENT

事故・保険資料

交通事故証明書、実況見分調書、ドライブレコーダー映像、車両損傷写真、保険会社の支払明細、示談案・免責証書を確認します。

LIFE

生活・収入資料

休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、確定申告書、家事従事状況の資料、介護・付添記録も損害全体の判断に関わります。

専門職ごとの視点

専門領域主な関与慰謝料計算への影響
警察・交通事故調査事故受付、実況見分、当事者聴取、証拠保全過失割合、事故態様、衝撃の程度、因果関係
救急・医療初期診断、入院管理、手術、リハビリ、症状固定判断入院の必要性、治療期間、傷害の重さ、後遺障害
看護・リハビリ入院中の生活制限、疼痛、ADL、機能回復苦痛の程度、回復経過、生活支障の具体化
保険・損害調査支払基準、治療費、休業損害、資料確認自賠責限度額、実治療日数、既払金、示談額
弁護士損害算定、基準選択、交渉、訴訟、後遺障害対応弁護士基準での請求、増額交渉、証拠整理
事故鑑定・工学速度、衝突角度、車両損傷、回避可能性受傷機転、過失割合、事故と症状の整合性
社労士・福祉職労災、傷病手当金、障害年金、復職支援休業損害、生活再建、制度併用、損益調整
Section 07

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法で争点になりやすい場面

長期入院、短期入院後の長期通院、再入院、既往症では説明資料が重要です。

入院が長く通院が短い

自賠責基準では入院日数が実治療日数に含まれるため、対象日数が治療期間上限に達しやすくなります。弁護士基準では入院期間の列が大きく影響します。

入院は短く通院が長い

骨折や靱帯損傷ではリハビリ通院が長く続くことがあります。定期的なリハビリ、可動域制限、疼痛、復職制限が記録されているかが重要です。

入退院を繰り返した

再手術、感染、合併症、リハビリ目的の転院などでは、各入院期間を合計し、通院期間と重複しないように整理します。

既往症がある

事故前から頚椎症、腰椎椎間板ヘルニア、変形性関節症、骨粗鬆症、精神疾患などがあると、因果関係や素因減額が争われることがあります。

再入院例第1回入院20日、通院60日、第2回入院10日、再退院後通院90日の場合、入院期間合計は30日、通院期間合計は150日です。ただし、再入院が事故と関係するか、治療の必要性があるかは診断書、手術記録、紹介状、退院サマリーで説明します。

示談前の最終確認

確認内容
入院日数、通院期間、実通院日数を正確に把握した
自賠責基準で対象日数を計算した
傷害部分120万円の限度額に達しているか確認した
弁護士基準の別表Ⅰ・別表Ⅱのどちらが妥当か検討した
端数処理が不利になっていないか確認した
通院頻度が低い場合の修正リスクを把握した
症状固定前に示談しようとしていないか確認した
休業損害、通院交通費、入院雑費、付添費も確認した
過失割合と既払金を反映した最終受取額を確認した
弁護士費用特約の有無を確認した
FAQ

入院と通院が両方ある場合の慰謝料計算方法のよくある質問

個別事情で結論が変わるため、回答は一般的な考え方として整理します。

Q1 入院と通院が両方ある場合、入院慰謝料と通院慰謝料を足せばよいですか。

一般的には、単純な足し算ではないとされています。自賠責基準では入院日数と実通院日数を合わせた実治療日数を基礎に対象日数を計算し、弁護士基準では入院期間と通院期間を表に当てはめます。ただし、事故態様、負傷程度、治療経過、資料の有無で評価は変わる可能性があります。具体的な見通しは弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2 自賠責基準の実治療日数には入院日数も含まれますか。

一般的には、入院日数も実治療日数に含めて考えるとされています。入院30日、実通院20日の場合、実治療日数は50日です。ただし、入院の必要性や事故との因果関係が争われることがあるため、医療記録を整理する必要があります。

Q3 通院期間が長ければ、必ず弁護士基準の表どおりになりますか。

一般的には、必ず表どおりになるわけではありません。実通院日数が極端に少ない、治療内容が乏しい、症状の記録が不十分、事故との因果関係が疑われる場合には、慰謝料算定上の通院期間が短く評価される可能性があります。

Q4 入院したのに保険会社の慰謝料提示が低いのはなぜですか。

一般的には、保険会社が自賠責基準または任意保険基準を前提に提示している可能性があります。入院を伴う事案では弁護士基準との差が大きくなることがありますが、過失割合、既払金、傷害内容、後遺障害の有無によって結論は変わります。

Q5 後遺障害が残りそうな場合、入通院慰謝料はどうなりますか。

一般的には、入通院慰謝料は事故から症状固定までの治療期間中の慰謝料です。症状固定後に後遺障害が認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益が別途問題になります。後遺障害申請前の示談は慎重な検討が必要です。

Q6 整骨院や接骨院への通院は慰謝料計算に入りますか。

一般的には、医師の診断、施術の必要性、施術内容、通院頻度、症状との整合性、施術証明書の内容などによって扱いが変わります。医療機関での診察を受けず施術だけが長期化している場合は争点になりやすいため、資料を整理して専門家へ相談する必要があります。

Q7 事故日が令和2年4月1日より前の場合も1日4,300円ですか。

一般的には、適用される支払基準は事故日で異なることがあります。令和2年4月改定前の傷害慰謝料は1日4,200円として扱われていました。古い事故や長期化した事案では、事故日と適用基準を確認する必要があります。

Q8 入院中の精神的苦痛が大きかった場合、表より増額できますか。

一般的には、重篤な傷害、長期の強い疼痛、複数回手術、感染や合併症、将来不安、事故態様の悪質性などにより増額主張が検討されることがあります。ただし、慰謝料は定型化された基準を出発点にするため、具体的な証拠と事情整理が必要です。

まとめ

入院と通院が両方ある場合は、自賠責基準では4,300円に対象日数を掛け、弁護士基準では入院期間と通院期間を別表Ⅰまたは別表Ⅱの交差点で読みます。示談案では、基準、日数、表、端数、後遺障害、既払金を分けて確認することが重要です。

Reference

参考資料

公的資料・中立的資料

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • 国土交通省「自動車損害賠償保障事業が行う損害の塡補の基準実施要領」
  • 損害保険料率算出機構「自賠責保険支払基準改定の推移」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」

法律実務解説

  • 法律実務解説(入通院慰謝料表の読み方に関する解説)
  • 法律実務解説(自賠責基準と裁判基準の違いに関する解説)