自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準・裁判基準を、実通院日数、むち打ち、骨折、過失割合、示談前の確認資料までつなげて整理します。
自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準・裁判基準を、実通院日数、むち打ち、骨折、過失割合、示談前の確認資料までつなげて整理します。
入院なしで3ヶ月通院した場合でも、基準、実通院日数、傷害の重さ、証拠で金額が変わります。
交通事故で負傷し、入院なしで3ヶ月通院した場合の慰謝料は、主に自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準・裁判基準という3つの見方で整理されます。ここでいう慰謝料は、原則として入通院慰謝料、傷害慰謝料、通院慰謝料と呼ばれるものです。
| 基準 | 位置づけ | 通院3ヶ月の目安 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険・共済の支払基準。被害者救済の最低限の制度的基準です。 | 実通院30日なら25万8,000円、実通院45日以上なら上限例38万7,000円です。 |
| 任意保険基準 | 任意保険会社ごとの社内基準です。現在の具体的な表は通常公開されていません。 | 旧任意保険支払基準の参考値では37万8,000円程度です。ただし現在の提示額は事案により変動します。 |
| 弁護士基準・裁判基準 | 裁判例の集積をふまえた損害算定実務上の水準です。 | 他覚所見のないむち打ち等の軽傷で約53万円、骨折等の通常傷害で約73万円です。 |
標準モデルを置くことで、自分の事故との差分を点検しやすくします。
このページでは、事故日が2020年4月1日以降で、入院なし、通院のみ、治療期間を計算上90日とする標準モデルを置きます。実通院日数は30日を主な例とし、18日、24日、45日も比較します。
| 項目 | 標準モデル |
|---|---|
| 事故日 | 2020年4月1日以降の事故 |
| 治療形態 | 入院なし、通院のみ |
| 通院期間 | 3ヶ月。計算上は90日と仮定 |
| 実通院日数 | 主例は30日。補助例として18日、24日、45日も比較 |
| 後遺障害 | いったん後遺障害なしと仮定 |
| 過失割合 | 被害者側過失0%を基本例とし、過失相殺は別に整理 |
| 治療費・休業損害 | 慰謝料とは別項目として確認 |
実際の3ヶ月は、事故日、初診日、治療終了日、症状固定日、月の日数によって89日、90日、92日などに変わります。治療費、休業損害、通院交通費、文書料、後遺障害の有無、過失割合によって最終受取額も変わります。
同じ通院期間でも、どの基準で見るかによって評価額が大きく変わります。
傷害事故の支払限度額は被害者1人につき120万円です。慰謝料は1日につき4,300円とされ、対象日数は治療期間の範囲内で、実治療日数などを考慮します。
加害者側任意保険会社が示談提示で使う内部基準です。現在の詳細表は通常非公開であり、旧任意保険支払基準の37万8,000円程度は比較理解の参考値です。
裁判例の傾向、裁判実務、損害賠償額算定基準をふまえた水準です。通院3ヶ月では軽傷約53万円、通常傷害約73万円が目安になります。
| 傷害の類型 | 典型例 | 通院3ヶ月の目安 |
|---|---|---|
| 軽傷類型 | 他覚所見のないむち打ち、軽い打撲、軽い捻挫 | 約53万円 |
| 通常傷害類型 | 骨折、脱臼、画像所見のある神経症状、強い外傷 | 約73万円 |
他覚所見とは、医師が画像、検査、神経学的所見などで客観的に確認できる所見をいいます。本人が感じる痛みやしびれも重要ですが、裁判基準の分類では客観的所見の有無や傷害の重さが慰謝料額に影響します。
治療期間90日、実通院30日、後遺障害なし、過失0%を前提にします。
90日
30日 × 2 = 60日
60日
4,300円 × 60日 = 25万8,000円
現在の任意保険基準は非公開で、保険会社ごとに差があります。比較表では、旧任意保険支払基準の参考値として、通院3ヶ月を37万8,000円程度と置きます。この金額は、自賠責基準より高く、弁護士基準より低い中間的水準として理解されます。
弁護士基準・裁判基準では、3ヶ月という期間だけでなく、傷害の性質が重要です。同じ3ヶ月通院でも、他覚所見のないむち打ちでは約53万円、骨折などでは約73万円が目安になります。
| 比較項目 | 自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準・裁判基準 |
|---|---|---|---|
| 通院3ヶ月・実通院30日 | 25万8,000円 | 旧基準参考で37万8,000円程度 | 軽傷約53万円、通常傷害約73万円 |
| 通院3ヶ月・実通院45日以上 | 38万7,000円 | 旧基準参考で37万8,000円程度。ただし実提示は変動 | 軽傷約53万円、通常傷害約73万円 |
| 金額の性質 | 法令・告示に基づく自賠責の支払基準 | 保険会社の内部基準。現在は通常非公開 | 裁判例・裁判実務をふまえた損害算定水準 |
| 交渉での意味 | 不足分の比較対象 | 増額交渉の対象 | 請求・交渉・訴訟で主張する中心基準 |
治療期間を90日と仮定した場合の早見表です。
| 実通院日数 | 計算 | 自賠責基準の慰謝料 |
|---|---|---|
| 12日 | 4,300円 × 24日 | 10万3,200円 |
| 18日 | 4,300円 × 36日 | 15万4,800円 |
| 24日 | 4,300円 × 48日 | 20万6,400円 |
| 30日 | 4,300円 × 60日 | 25万8,000円 |
| 35日 | 4,300円 × 70日 | 30万1,000円 |
| 40日 | 4,300円 × 80日 | 34万4,000円 |
| 45日 | 4,300円 × 90日 | 38万7,000円 |
| 50日 | 4,300円 × 90日 | 38万7,000円 |
実通院日数が50日でも、治療期間が90日なら、実通院日数の2倍である100日ではなく、治療期間90日が上限になります。1回通院すれば8,600円が無制限に増えるわけではありません。
他覚所見のない軽傷類型か、骨折等の通常傷害類型かで目安が分かれます。
交通事故の3ヶ月通院で多い相談の一つが、いわゆるむち打ちです。正式な診断名としては、頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、頚部挫傷、腰椎捻挫などが用いられることがあります。
事故直後から症状が一貫しているか、初診が事故から近いかが確認されます。
整形外科医の診断、治療経過、画像検査、神経学的検査があるかが重要です。
通院頻度が医学的に自然か、症状と治療内容に合っているかが見られます。
3ヶ月で改善したのか、6ヶ月以上症状が残ったのかで検討事項が変わります。
| 基準 | 実通院30日 | 実通院45日以上 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 25万8,000円 | 38万7,000円 |
| 任意保険基準 | 37万8,000円程度を参考値。ただし実提示は変動 | 37万8,000円程度を参考値。ただし実提示は変動 |
| 弁護士基準・裁判基準 | 約53万円 | 約53万円 |
骨折、脱臼、靱帯損傷、画像所見のある神経症状などでは、他覚所見のないむち打ちよりも慰謝料額が高くなるのが通常です。通院3ヶ月、入院なし、後遺障害なしの通常傷害類型では、弁護士基準・裁判基準の目安は約73万円です。
| 基準 | 通院3ヶ月・実通院30日 | 通院3ヶ月・実通院45日以上 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 25万8,000円 | 38万7,000円 |
| 任意保険基準 | 37万8,000円程度を参考値。ただし実提示は変動 | 37万8,000円程度を参考値。ただし実提示は変動 |
| 弁護士基準・裁判基準 | 約73万円 | 約73万円 |
骨折等の事案では、慰謝料だけでなく、休業損害、通院交通費、装具費用、付添看護費、将来治療費、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料が問題になることがあります。
通院期間と実通院日数だけでなく、医療記録と治療の相当性が見られます。
事故後に首、腰、頭部、肩、膝、手首などに症状がある場合、早めに医療機関を受診することが重要です。初診が遅れると、事故と症状の因果関係を疑われることがあります。
初診むち打ち、捻挫、打撲などで整骨院を利用する場合でも、診断書、診療録、画像所見、診療報酬明細書は通常、医師の資料が中核になります。
医療記録整骨院併用X線、CT、MRIは得意分野が異なります。骨折、靱帯、神経圧迫、頭部外傷など、症状に応じた検査と医師の所見を整理します。
検査症状固定とは、治療を続けても大きな改善が見込めない状態です。保険会社が治療費を打ち切ると言った日が当然に症状固定日になるわけではありません。
症状固定示談前確認通院頻度が少ないと、自賠責基準で慰謝料が少なくなるだけでなく、保険会社から治療の必要性が低いと見られたり、症状と事故との因果関係を争われたりすることがあります。一方で、医学的に不要な通院、症状と合わない過剰通院、漫然治療は、治療費や慰謝料の相当性を争われる原因になります。
裁判基準・任意保険と自賠責では、過失の扱いが異なります。
被害者にも過失がある場合、民事賠償では過失相殺が行われます。たとえば、総損害額100万円、被害者過失20%なら、原則として20万円が控除され、80万円が賠償対象になります。
| 被害者の過失割合 | 自賠責・傷害部分の扱い |
|---|---|
| 7割未満 | 減額なし |
| 7割以上10割未満 | 原則2割減額 |
総額だけを見ると、慰謝料の不足や既払金控除を見落としやすくなります。
| 損害項目 | 内容 | 3ヶ月通院での確認点 |
|---|---|---|
| 治療費 | 診察、投薬、処置、リハビリ、画像検査等 | 健康保険利用の有無、一括対応、打ち切り時期 |
| 通院交通費 | 電車、バス、自家用車、タクシー等 | 領収書、通院交通費明細書、タクシーの必要性 |
| 休業損害 | 事故で働けなかった収入減、有給休暇使用 | 休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書、家事従事者の立証 |
| 入通院慰謝料 | 通院による精神的・肉体的苦痛 | 3基準の比較対象 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残った苦痛 | 3ヶ月で示談前に症状残存があれば要注意 |
| 逸失利益 | 後遺障害や死亡により将来収入が減る損害 | 後遺障害等級、労働能力喪失率、基礎収入 |
自賠責の傷害120万円枠は、治療費、文書料、休業損害、慰謝料などを含む枠です。治療費が80万円、休業損害が40万円で合計120万円に達すると、自賠責枠だけでは慰謝料分が残らないことがあります。その場合は、加害者側の任意保険の対人賠償責任保険が問題になります。
保険会社の提示額は、総額ではなく内訳と計算根拠を確認します。
治療費、休業損害、交通費、既払金と混ざっていないかを見ます。
通院3ヶ月・実通院30日なら25万8,000円が一つの目安です。
軽傷約53万円、通常傷害約73万円との差を確認します。
後遺障害、休業損害、過失割合、既払金控除を確認します。
示談書や免責証書に署名すると、原則としてその事故の損害賠償問題は終了します。後から弁護士基準ならもっと高かったと気づいても、撤回は容易ではありません。後遺障害の可能性、休業損害の未計上、過失割合の争いがある場合は、署名前の確認が重要です。
基準を主張する前に、治療・損害・事故状況の資料をそろえます。
証拠が薄いと、慰謝料の基準以前に、治療期間、通院必要性、事故との因果関係、過失割合で争いが生じます。
同じ3ヶ月でも、金額が同じになるわけではありません。
実通院日数、傷害の種類、後遺障害、過失割合、治療費、休業損害で変わります。
自賠責基準では、対象日数は治療期間の範囲内で、実治療日数等を考慮します。
提示額は保険会社側の基準や見解に基づく提案で、弁護士基準・裁判基準と異なることがあります。
訴訟で強く意味を持つ基準ですが、弁護士交渉や紛争処理の場でも意識されます。
示談書の内容によっては、後から請求できなくなることがあります。症状が残っている場合は示談前の検討が必要です。
むち打ち、骨折、通院回数が少ない場合で金額差を確認します。
自賠責基準は4,300円 × 48日 = 20万6,400円です。旧任意保険基準参考値は37万8,000円程度、弁護士基準は軽傷類型で約53万円です。
自賠責基準は4,300円 × 90日 = 38万7,000円です。弁護士基準は軽傷類型で約53万円です。
自賠責基準は25万8,000円、旧任意保険基準参考値は37万8,000円程度、弁護士基準は通常傷害類型で約73万円です。
自賠責基準は4,300円 × 12日 = 5万1,600円です。通院頻度が少ない理由、症状、医師の指示、仕事の都合、治療内容を説明できる資料が重要になります。
示談提示を受けた後は、金額表だけでなく資料と争点を整理します。
一般的な考え方を整理します。個別の見通しは資料により変わります。
一般的には、自賠責基準は実通院30日なら25万8,000円、実通院45日以上なら38万7,000円です。任意保険基準は非公開ですが、旧任意保険支払基準の参考値では37万8,000円程度です。弁護士基準・裁判基準では、他覚所見のないむち打ち等で約53万円、骨折等で約73万円が目安です。ただし、事故態様、負傷程度、通院頻度、証拠関係、過失割合で結論は変わります。
一般的には、実通院30日なら自賠責慰謝料だけで25万8,000円が一つの目安です。ただし、治療費、既払金、休業損害、過失割合、自賠責120万円枠の使われ方で評価は変わります。提示額の内訳を資料で確認する必要があります。
一般的には、自賠責基準では実通院日数が少ないと慰謝料が下がります。弁護士基準でも、通院頻度が著しく低いと治療期間どおりに評価されない可能性があります。ただし、仕事、家庭、医師の指示、症状の性質など合理的理由があれば、説明資料を整える必要があります。
一般的には、柔道整復等の費用は必要かつ妥当な範囲で問題になります。ただし、事故との因果関係、施術の必要性・相当性、医師の診断との整合性により判断が変わる可能性があります。整骨院だけでなく、整形外科での診察・記録を継続することが重要です。
一般的には、保険会社の支払停止と医学的な治療終了は同じではありません。症状が続く場合は、主治医に治療継続の必要性、症状固定の時期、後遺障害の可能性を確認する必要があります。健康保険を使って通院を続ける選択肢が問題になることもあります。
一般的には、73万円は通常傷害類型の通院3ヶ月の目安です。他覚所見のないむち打ち等では約53万円が目安であり、通院頻度、治療内容、事故態様、過失割合、証拠により変わります。具体的な見通しは資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、症状が残っている場合、示談前に慎重な検討が必要です。後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益が別に問題になります。示談後に追加請求できるかは示談内容に左右されるため、具体的には資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
示談前に、内訳、後遺障害、休業損害、過失割合、既払金を確認します。
交通事故で通院3ヶ月の慰謝料を3基準で比較すると、自賠責基準は実通院日数に大きく左右され、任意保険基準は現在非公開で保険会社提示の中心になりやすく、弁護士基準・裁判基準は軽傷約53万円、通常傷害約73万円が目安になります。
もっとも、適正額は金額表だけでは決まりません。医師の診断、通院頻度、治療経過、画像所見、休業損害、過失割合、既払金、後遺障害の有無がすべて関係します。示談提示を受けた場合は、総額ではなく内訳を見て、自賠責基準と弁護士基準の両方で再計算する必要があります。