2σ Guide

高齢者が投資詐欺に遭った場合の
家族の対応

追加送金を止め、証拠を守り、金融機関・警察・消費生活センター・金融庁・弁護士へつなぐための実務的な順序を整理します。

24時間 初動が重要
#9110・188 相談先の入口
千億円規模 SNS型投資詐欺
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高齢者が投資詐欺に遭った場合の 家族の対応

追加送金を止め、証拠を守り、金融機関・警察・消費生活センター・金融庁・弁護士へつなぐための実務的な順序を整理します。

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高齢者が投資詐欺に遭った場合の 家族の対応
追加送金を止め、証拠を守り、金融機関・警察・消費生活センター・金融庁・弁護士へつなぐための実務的な順序を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 高齢者が投資詐欺に遭った場合の 家族の対応
  • 追加送金を止め、証拠を守り、金融機関・警察・消費生活センター・金融庁・弁護士へつなぐための実務的な順序を整理します。

POINT 1

  • 高齢者の投資詐欺対応の全体像
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 家族の対応は「早く、静かに、証拠に基づいて」が基本です
  • 次の重要ポイントは、家族が最初に押さえるべき対応の優先順位を表します。
  • 感情的な説得よりも、何を止め、何を保存し、どこへ相談するかが重要なため、対応の順番を読み取ってください。

POINT 2

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 用語の定義 ― 投資詐欺、SNS型投資詐欺、二次被害
  • 1. 追加送金を止める:振込予約、ネットバンキング、暗号資産、電子マネー、カード情報を確認します。
  • 2. 証拠を保存する:ブロックやアプリ削除の前に、画面、履歴、ID、送金情報を保存します。
  • 3. 金融機関と警察へ連絡:口座凍結や被害回復分配金の可能性を確認します。
  • 4. 取引情報を保全:アドレス、トランザクションID、購入レシートを保存します。

POINT 3

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 最初の24時間 ― 家族が行うべき初動対応
  • 責めない
  • 責めたいのではなく、これ以上お金が出ていかないよう一緒に確認したいと伝えます。
  • 事実確認に寄せる
  • 本当に投資なら登録や書類を確認しても問題ないはずという形にします。

POINT 4

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 家族が本人にどう接するべきか
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 4.1 最初に責めない
  • 4.2 本人の尊厳と自己決定を守る
  • 4.3 家族間で役割分担する

POINT 5

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 送金方法別の対応
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 5.1 銀行振込
  • 5.2 暗号資産送金
  • 5.3 クレジットカード・デビットカード

POINT 6

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 法的な回復手段の全体像
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 6.1 刑事手続と民事手続は役割が違う
  • 6.2 振り込め詐欺救済法による被害回復分配金
  • 6.3 民事請求 ― 詐欺取消し、不法行為、不当利得

POINT 7

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 本人の判断能力が低下している場合
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 7.1 判断能力の確認
  • 7.2 成年後見、保佐、補助
  • 7.3 家族による財産管理の注意

POINT 8

  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 弁護士へ相談するタイミングと準備
  • 要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 8.1 弁護士相談を急ぐべき場合
  • 8.2 弁護士へ渡す資料
  • 8.3 弁護士に確認すべき質問

まとめ

  • 高齢者が投資詐欺に遭った場合の 家族の対応
  • 高齢者の投資詐欺対応の全体像:要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 用語の定義 ― 投資詐欺、SNS型投資詐欺、二次被害:要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 高齢者の投資詐欺対応 ― 最初の24時間 ― 家族が行うべき初動対応:要点、手順、注意点を一般情報として整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

高齢者の投資詐欺対応の全体像

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

次の重要ポイントは、家族が最初に押さえるべき対応の優先順位を表します。感情的な説得よりも、何を止め、何を保存し、どこへ相談するかが重要なため、対応の順番を読み取ってください。

家族の対応は「早く、静かに、証拠に基づいて」が基本です

追加送金を止め、証拠を保存し、金融機関・警察・188・金融庁・弁護士へ必要に応じてつなぐことで、被害拡大と証拠消失を抑えます。

高齢者が投資詐欺に遭った場合、家族の対応は「叱る」「説得する」「相手と直接交渉する」ことから始めるべきではありません。最初に行うべきことは、追加送金の停止、証拠の保全、振込先金融機関への連絡、警察・消費生活センター・金融庁等への相談、そして必要に応じた弁護士への早期相談です。

投資詐欺は、単なる「うまい話」ではなく、刑事事件、民事請求、金融規制、消費者保護、成年後見、家族関係、認知機能、相続・財産管理が交差する複合的な問題です。特に近年は、SNSのダイレクトメッセージ、LINEグループ、著名人のなりすまし広告、偽の投資アプリ、暗号資産送金、出金時の「税金」「保証金」名目の追加請求など、被害の発見と回復を困難にする手口が増えています。警察庁の暫定統計でも、令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺は認知件数、被害額とも大規模であり、SNS型投資詐欺だけでも被害額は千億円規模に達しています。

このページは、「高齢者が投資詐欺に遭った場合の家族の対応」を、実務上の時系列、相談先、法的選択肢、本人の意思能力への配慮、弁護士相談時の準備資料、再発防止策まで網羅的に整理したものです。

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Section 01

高齢者の投資詐欺対応 ― この記事の前提と重要な注意

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

次の一覧は、投資詐欺、SNS型投資詐欺、二次被害の違いを整理したものです。類型の違いは証拠の集め方と相談先に影響するため、本人の被害がどれに近いかを読み取ってください。

投資詐欺

虚偽の収益や架空投資

実体のない投資、出金不能なサイト、無登録業者、架空手数料請求などが問題になります。

SNS型

LINEや偽アプリへの誘導

著名人広告やSNSから入り、グループや偽サイトで利益を装い送金させます。

二次被害

返金代行・必ず回収

被害後の不安につけ込み、調査費や着手金をさらに払わせる被害です。

このページは、一般の読者が、弁護士へ相談する前後に何を整理すべきかを理解するための解説です。個別事件では、被害金の送金方法、相手方の特定可能性、契約書の有無、本人の判断能力、勧誘経路、金融機関・登録業者の関与、消滅時効・取消権の期間、証拠の状態などにより結論が大きく異なります。

したがって、このページの内容をそのまま個別事件の結論と扱わないでください。特に、次の場合は早急に弁護士、警察、金融機関、消費生活センターに相談する必要があります。

次の比較表は、高齢者の投資詐欺対応で確認すべき項目を整理したものです。列ごとの違いを比べることで、どの対応や確認事項を優先すべきかを読み取ってください。

状況緊急度家族が直ちに行うこと
まだ送金を続けている最重要本人の安全を確保し、送金を止め、金融機関へ連絡
振込直後である最重要振込先金融機関と警察へ連絡し、口座凍結可能性を確認
暗号資産を送金した取引所・ウォレット・送金先アドレス・トランザクションIDを保存
相手が「税金」「保証金」「解除料」を追加請求している追加支払を止め、やり取りを保存
本人が詐欺を認めず、家族と対立している叱責せず、第三者相談窓口へつなぐ
認知症や判断能力低下が疑われる医療・福祉・成年後見の検討、財産流出の予防
「返金代行」「必ず回収」と言う業者・広告に接触した二次被害を疑い、弁護士会等で確認

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Section 02

高齢者の投資詐欺対応 ― 用語の定義 ― 投資詐欺、SNS型投資詐欺、二次被害

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

次の判断の流れは、発覚直後に家族が確認する順番を表します。順番どおりに進めることで、追加送金の停止、証拠保全、金融機関連絡、警察相談を抜け漏れなく行えるため、分岐ごとの対応を読み取ってください。

発覚直後の行動順

追加送金を止める

振込予約、ネットバンキング、暗号資産、電子マネー、カード情報を確認します。

証拠を保存する

ブロックやアプリ削除の前に、画面、履歴、ID、送金情報を保存します。

振込直後
金融機関と警察へ連絡

口座凍結や被害回復分配金の可能性を確認します。

暗号資産等
取引情報を保全

アドレス、トランザクションID、購入レシートを保存します。

2.1 投資詐欺

このページでいう投資詐欺とは、株式、FX、暗号資産、不動産、ファンド、未公開株、社債、海外投資、AI投資、金・原油等の商品、投資助言、投資アプリ、投資セミナーなどを名目として、実体のない投資、虚偽の収益表示、出金不能なサイト、無登録業者、なりすまし、架空の手数料請求などにより金銭をだまし取る行為をいいます。

刑法上は詐欺罪が問題となり得ます。民事上は、民法上の詐欺取消し、不法行為に基づく損害賠償請求、不当利得返還請求、契約取消し・解除、消費者契約法上の取消し、特定商取引法上のクーリング・オフ、金融商品取引法上の適合性原則や説明義務違反などが問題となることがあります。

ただし、すべての投資損失が詐欺になるわけではありません。相場変動で損をしただけなのか、説明義務違反なのか、適合性に反する勧誘なのか、架空投資なのか、相手方が最初からだます意思を持っていたのかを、証拠に基づいて切り分ける必要があります。

2.2 SNS型投資詐欺

警察庁は、SNS等を通じて対面することなくやり取りを重ね、信用させ、投資金名目や利益の出金手数料名目等で金銭等をだまし取る詐欺を「SNS型投資詐欺」として整理しています。

典型的には、次のような流れをたどります。

  1. 著名人、投資家、アナリスト、投資会社、投資スクールを名乗る広告・投稿に接触する。
  2. SNSのダイレクトメッセージやLINEグループへ誘導される。
  3. 「先生」「アシスタント」「サクラの参加者」が利益を装って信用させる。
  4. 偽アプリや偽サイトの画面上で利益が出ているように見せる。
  5. 振込、暗号資産送金、電子マネー、現金手渡しなどを要求する。
  6. 出金を求めると「税金」「保証金」「マネーロンダリング審査」「凍結解除費用」などの追加支払を求める。
  7. 最後は連絡不能になる。

警察庁の注意喚起では、SNSのダイレクトメッセージからLINEに移行する、国の登録業者か不明である、「必ずもうかる」「あなただけ」と言われる、著名人の無料投資教室を名乗る、暗号資産や投資アプリが実在しない、振込先が個人名義または振込のたびに変わる、といった点が危険信号として示されています。

2.3 二次被害

二次被害とは、投資詐欺に遭った後、「被害金を取り戻せる」「暗号資産を追跡できる」「全額回収できる」「弁護士が対応する」といった広告・電話・SNS連絡により、さらに着手金、調査費、成功報酬名目の前払い金等を支払わされる被害をいいます。

弁護士会は、ロマンス詐欺・投資詐欺では、加害者特定や口座残高、暗号資産の追跡、海外居住者の問題などにより被害回復が難しい類型が多いこと、また弁護士本人による十分な説明がないまま高額な着手金を支払わせるような事案に注意が必要であることを公表しています。

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Section 03

高齢者の投資詐欺対応 ― 最初の24時間 ― 家族が行うべき初動対応

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

次の一覧は、本人を責めずに事実確認へつなげる声かけを整理したものです。本人の尊厳を守ることは証拠開示と追加送金停止につながるため、どの言葉が協力を得やすいかを読み取ってください。

責めない

責めたいのではなく、これ以上お金が出ていかないよう一緒に確認したいと伝えます。

事実確認に寄せる

本当に投資なら登録や書類を確認しても問題ないはずという形にします。

今日だけ止める

出金費用の支払だけを一時停止し、公的窓口に確認する提案にします。

高齢者が投資詐欺に遭った場合の家族の対応で最も重要なのは、初動です。初動が遅れると、口座から資金が引き出され、暗号資産が移転され、SNSアカウントが削除され、偽サイトが閉鎖され、証拠が失われます。

3.1 追加送金を止める

まず、追加送金を止めます。本人が「これを払えば出金できる」「税金を払わないと口座が凍結される」「先生を裏切れない」と信じ込んでいる場合でも、追加支払は原則として危険です。金融庁も、SNS等で知り合った者に登録のない業者との取引を勧められ被害に遭う事例や、出金時に保証金・税金名目で金銭をだまし取られる被害について注意喚起し、そうした事業者には保証金や税金等を納めず、今後一切関わらないよう呼びかけています。

本人がATM、ネットバンキング、コンビニ、暗号資産取引所、送金アプリを使っている場合は、次のことを確認します。

  • いつ、いくら、どこへ送金したか。
  • 直近で送金予約や振込予約があるか。
  • ネットバンキングのワンタイムパスワードや暗証番号を第三者へ伝えていないか。
  • クレジットカード、キャッシュカード、本人確認書類の画像を送っていないか。
  • 暗号資産取引所のID・パスワード・二段階認証コードを教えていないか。

家族が本人の預金を勝手に移動させることは、本人の同意や代理権がない場合、別の法的問題を生じさせます。本人の意思能力がある場合は、本人に説明し、同意を得て金融機関へ連絡することが基本です。判断能力低下が疑われる場合は、成年後見、保佐、補助、任意後見、金融機関の代理人制度、地域包括支援センター等の支援を検討します。

3.2 証拠を消さない

詐欺師とのやり取りを怒ってブロックしたり、本人にスマホを触らせないようにしてアプリを消したりすることは、証拠を失う原因になります。ブロックや削除の前に、スクリーンショット、録画、PDF化、URL保存、送金記録保存を行います。

保存すべき証拠は次のとおりです。

次の比較表は、高齢者の投資詐欺対応で確認すべき項目を整理したものです。列ごとの違いを比べることで、どの対応や確認事項を優先すべきかを読み取ってください。

証拠保存方法
LINE・SNSの会話スクリーンショット、トーク履歴のエクスポート、相手ID・表示名・プロフィール画像の保存
投資サイト・アプリ画面URL、ログイン画面、残高画面、入出金履歴、利用規約、会社概要、口座情報の保存
広告・投稿広告URL、媒体名、クリック日時、広告主名、画像・動画の保存
振込記録振込明細、通帳、ネットバンキング履歴、受取人口座、金融機関名、支店名、口座番号、口座名義
暗号資産送金取引所名、送金先アドレス、トランザクションID、送金日時、数量、換算額
電子マネー購入レシート、カード番号、コード番号を送った画面
契約書類申込書、パンフレット、説明資料、重要事項説明書、領収書、名刺
電話記録着信履歴、発信履歴、録音、電話番号、留守電
本人の状態被害を知った日、本人の発言、理解状況、診断書・介護認定資料の有無

証拠は、スマートフォンだけでなく、家族のPC、外付け媒体、クラウドなど複数箇所に保管します。スクリーンショットには日時が残るようにし、ファイル名も「2026-04-27_LINE_相手名_送金指示」など整理しておくと、警察、消費生活センター、弁護士への相談が円滑になります。

3.3 振込先金融機関へ連絡する

銀行振込で被害に遭った場合、振込先口座の金融機関に連絡します。金融庁は、振り込め詐欺救済法に基づき、振込先の預金口座等に残っているお金から被害回復分配金の支払いを受けられる可能性があること、詐欺被害に遭った場合は警察と振込先金融機関に連絡することを案内しています。SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も、預金口座等への振込みによる被害であれば対象となり得ます。

ただし、犯人が口座からお金を引き出した後では、分配原資が残らず、十分な回収ができないことがあります。振込直後であればあるほど、連絡の価値は高いと考えてください。

連絡時に伝えるべき事項は次のとおりです。

  • 被害者本人の氏名、生年月日、連絡先。
  • 振込日時、金額、振込元金融機関、振込先金融機関、支店名、口座番号、口座名義。
  • 詐欺の概要。
  • 警察相談の有無、相談番号・受理番号がある場合はその番号。
  • 追加送金の予定があるかどうか。

3.4 警察へ相談する

警察への相談は、被害届、告訴、口座凍結、犯人検挙、証拠保全、他被害者との関連捜査などにつながる可能性があります。金融庁も、振り込め詐欺等の被害にあった場合、警察または警察相談専用電話「#9110」への連絡を案内しています。

緊急性が高い場合、たとえば本人が今まさにATMやコンビニで送金しようとしている、犯人が自宅に来る、脅迫されている、受け子が近くにいる場合は、通常の相談ではなく110番通報を検討します。

警察へ持参・提示するとよい資料は、送金記録、相手とのやり取り、相手の口座情報、投資サイト画面、広告、被害額一覧、本人の説明メモです。相談時は「投資で損をした」ではなく、「虚偽の投資話により、指定口座へ複数回送金させられ、出金を求めると税金・保証金名目で追加請求された」など、詐欺の要素を具体的に説明します。

3.5 消費生活センターへ相談する

消費者庁の消費者ホットライン188は、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口へつなぐ全国共通番号です。消費生活センターは、契約トラブル、悪質商法、消費者被害について、事実関係の整理、助言、あっせん、専門機関の紹介などを行います。

家族が本人の代わりに相談できるかは、相談内容や本人の同席・同意の有無により扱いが異なります。本人が話せる場合は、家族が同席して相談する方法が有効です。本人が詐欺を認めたがらない場合でも、家族だけで「どう声をかけるか」「どの証拠を集めるか」を相談できる場合があります。

3.6 金融庁の相談窓口へ相談する

金融庁は、SNSやマッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者から投資勧誘を受け、登録を受けていない業者とFXや暗号資産等の取引をした結果、損害を被った等の相談が多く寄せられているとして、「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」を開設しています。電話受付は平日10時から17時、電話番号は0570-050588、IP電話からは03-6206-6066です。

金融庁は個別取引のあっせん・仲介・調停を行う機関ではありませんが、論点整理、他機関の紹介、行政上の情報共有という意味で有用です。登録業者か無登録業者か、暗号資産交換業者の登録有無、金融商品取引業者の登録有無を確認する際にも、金融庁の公表情報を確認します。金融庁は、海外所在業者であっても日本居住者を相手に金融商品取引行為を業として行う場合、日本での登録が必要であり、登録業者の名を騙る無登録業者にも注意するよう公表しています。

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Section 04

高齢者の投資詐欺対応 ― 家族が本人にどう接するべきか

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

4.1 最初に責めない

高齢者の投資詐欺被害では、「なぜ信じたのか」「何度も言ったのに」「そんな話があるわけがない」と責めたくなる場面があります。しかし、本人を責めると、本人は恥、恐怖、怒り、防衛反応から事実を隠し、追加送金を続け、家族より詐欺師を信じることがあります。

詐欺師は、本人に対して「家族に言うと反対される」「家族はあなたの資産形成を邪魔している」「秘密にした方がよい」「今だけ」「あなたを信じている」と働きかけることがあります。家族が強い言葉で本人を否定すると、詐欺師の作った心理的構図を補強してしまいます。

最初の声かけは、次のようにします。

  • 「責めたいのではなく、これ以上お金が出ていかないように一緒に確認したい」
  • 「本当に投資なら、書類や登録を確認しても問題ないはず」
  • 「出金のために追加でお金を払えという話は危険だから、今日だけは払わずに相談しよう」
  • 「警察や消費生活センターに、事実確認だけしてみよう」
  • 「弁護士へ相談するかどうかは、資料を見てから決めよう」

4.2 本人の尊厳と自己決定を守る

家族は、本人の財産を守る必要がありますが、同時に本人の尊厳と自己決定を守らなければなりません。判断能力がある高齢者は、自分の財産をどう使うかを決める権利があります。家族が不安だからといって、本人の通帳、印鑑、スマートフォン、キャッシュカードを一方的に取り上げることは、家族間紛争や虐待評価につながるおそれがあります。

一方で、認知症、軽度認知障害、精神疾患、せん妄、依存状態、強い不安、孤立などにより、本人が合理的な判断を維持できない場合は、医療、福祉、成年後見、地域包括支援センター、消費生活センター、警察、弁護士など複数の支援を組み合わせます。

裁判所は、成年後見制度について、認知症、知的障害、精神障害などにより物事を判断する能力が十分ではない方について、本人の権利を守る人を選ぶことで法律的に支援する制度であり、補助、保佐、後見、任意後見の類型があると説明しています。

4.3 家族間で役割分担する

家族が複数いる場合、情報収集、本人対応、金融機関連絡、警察相談、弁護士相談、生活支援を一人で抱え込まないことが重要です。役割分担の例は次のとおりです。

次の比較表は、高齢者の投資詐欺対応で確認すべき項目を整理したものです。列ごとの違いを比べることで、どの対応や確認事項を優先すべきかを読み取ってください。

役割担当内容
本人対応担当本人を責めずに話を聞く。感情的な対立を避ける
証拠整理担当LINE、振込明細、サイト画面、時系列表を整理
金融機関連絡担当振込先・振込元金融機関へ連絡し、口座凍結等を確認
公的相談担当警察、188、金融庁、地域包括支援センター等へ相談
法律相談担当弁護士相談予約、資料送付、費用確認
生活支援担当本人の生活費、医療、介護、孤立防止を支援

役割分担をしないと、本人への質問が重複し、家族間で責任追及が始まり、証拠管理が混乱します。時系列表と共有フォルダを作り、事実と推測を分けて記録します。

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Section 05

高齢者の投資詐欺対応 ― 送金方法別の対応

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

5.1 銀行振込

銀行振込は、振り込め詐欺救済法の対象となり得るため、最も時間との関係が重要です。振込先口座に残高がある場合、口座凍結や被害回復分配金の可能性があります。金融庁の案内どおり、警察と振込先金融機関へ連絡します。

ただし、口座名義人が詐欺師本人とは限りません。いわゆる口座売買、名義貸し、闇バイト、収納代行、マネーミュールなどが関与することがあります。民事請求では、口座名義人に対する不法行為責任、不当利得、使用者責任、共同不法行為などが検討されることもありますが、実際の回収可能性は財産状況と関与内容に左右されます。弁護士相談では、振込先口座ごとの金額、日時、名義人、同一口座への他の被害可能性を整理して持参します。

5.2 暗号資産送金

暗号資産送金は、銀行振込より回復が難しいことが多い類型です。金融庁は、暗号資産と関連付けて投資を持ち掛け、投資後に連絡が取れなくなるケースや、出金時に保証金・税金名目で追加請求される被害を注意喚起しています。また、暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要ですが、登録業者であることは信用性やリスクゼロを保証するものではありません。

保存すべき情報は、取引所名、アカウント情報、本人確認資料の送付有無、送金先アドレス、トランザクションID、送金日時、暗号資産の種類、数量、日本円換算額です。ブロックチェーン上の移転履歴が確認できる場合でも、送金先の最終的な人物特定や海外移転後の回収は容易ではありません。

「暗号資産を追跡して必ず取り戻す」とする調査会社や回収業者には慎重であるべきです。弁護士会も、暗号資産での送金の場合、加害者を特定するのが極めて困難で、調査会社に依頼すると費用がかかり、仮に特定できても海外居住者等により回収困難な場合が少なくないと注意喚起しています。

5.3 クレジットカード・デビットカード

クレジットカード決済の場合、カード会社に連絡し、不正利用、加盟店、決済代行会社、チャージバックの可能性を確認します。投資詐欺では、カード決済が直接投資商品に使われる場合だけでなく、情報商材、投資講座、会員費、海外サイト利用料、決済代行経由で使われることがあります。

カード番号、セキュリティコード、本人確認書類画像を送っている場合は、カード停止、再発行、利用明細確認が必要です。本人が「手続のため」と称してカード情報や本人確認書類を送っている場合、詐欺以外に不正利用やなりすましのリスクもあります。

5.4 電子マネー・ギフトカード

電子マネーやギフトカードは、一度コード番号を伝えると換金・転売されやすく、回復が難しい類型です。購入レシート、カード番号、コードを送信した画面、送信日時を保存し、発行会社へ連絡します。

詐欺師が「税金」「手数料」「本人確認」「解除料」を電子マネーで支払わせる場合、それ自体が強い危険信号です。投資会社や金融機関が正規の税金や保証金をコンビニの電子マネーで請求することは通常ありません。

5.5 現金手渡し・宅配便

現金手渡しや宅配便で送った場合、警察への相談が特に重要です。受取人、防犯カメラ、配送伝票、受取場所、日時、電話番号、指示内容を整理します。配送業者への照会は本人確認や警察照会が必要になる場合があります。

今後さらに受け取りに来る予定がある場合は、家族だけで対応せず、警察へ連絡します。

5.6 借入れをして送金した場合

高齢者本人が、消費者金融、カードローン、親族・知人から借り入れて送金した場合、被害回復と債務整理を同時に検討する必要があります。詐欺被害者であっても、借入契約自体は債権者との関係で有効に成立していることが多く、放置すると遅延損害金や信用情報への影響が生じます。

弁護士相談では、被害回復請求だけでなく、任意整理、個人再生、破産、生活再建、年金口座管理、家計管理も含めて相談します。法テラスは、資力基準を満たす人について無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を案内しています。

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Section 06

高齢者の投資詐欺対応 ― 法的な回復手段の全体像

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

6.1 刑事手続と民事手続は役割が違う

警察に相談して被害届を出しても、警察が被害金を直接回収してくれるわけではありません。刑事手続の目的は、犯罪の捜査、犯人の検挙、刑事責任の追及です。民事上の返金請求、損害賠償請求、交渉、訴訟、仮差押えなどは、被害者側が別途検討する必要があります。

法テラスも、民事訴訟は私人間の権利関係に関する紛争を解決する手続、刑事訴訟は犯罪行為の有無や刑罰について判断する手続として区別しています。

したがって、家族は「警察に相談したから返金は任せればよい」と考えず、並行して金融機関、消費生活センター、弁護士へ相談します。

6.2 振り込め詐欺救済法による被害回復分配金

預金口座等への振込みが使われた詐欺では、振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の可能性があります。金融庁は、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も、預金口座等への振込みにより被害にあった場合は対象になると案内しています。

ただし、これは「全額返金制度」ではありません。対象口座に残っている資金が限度となり、複数被害者がいれば分配されます。犯人が引き出した後では分配原資がないこともあります。したがって、振込直後の連絡が重要です。

6.3 民事請求 ― 詐欺取消し、不法行為、不当利得

相手方が特定できる場合、民法上の詐欺取消し、不法行為に基づく損害賠償請求、不当利得返還請求などが検討されます。民法96条は詐欺または強迫による意思表示の取消しを定め、民法709条は不法行為による損害賠償責任の根拠となります。

もっとも、投資詐欺では、相手方の氏名、住所、法人実体、資産、口座名義人、実際の受益者が不明であることが多く、勝訴判決を得ても回収できるとは限りません。そのため、相手方を特定するための調査、口座名義人への請求、決済代行会社への照会、金融機関への対応、仮差押えなどを早期に検討する必要があります。

6.4 消費者契約法による取消し

事業者が消費者に対して不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知、不退去、退去妨害など一定の不当勧誘を行い、消費者が誤認または困惑して契約した場合、消費者契約法上の取消しが問題になります。政府広報も、不当な勧誘により締結した契約は後から取消しできる場合があると説明しています。

ただし、消費者契約法は「消費者」と「事業者」の間の契約が前提であり、相手が架空業者、海外所在、匿名SNSアカウント、詐欺グループの場合、実務上は相手方特定と回収可能性の問題が大きくなります。また、取消権には期間制限があります。早期に消費生活センターや弁護士へ相談してください。

6.5 特定商取引法によるクーリング・オフ

訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引などに該当する場合、特定商取引法上の書面交付義務、禁止行為、クーリング・オフが問題になることがあります。たとえば、電話勧誘で投資関連サービス、情報商材、投資講座、ツール販売、会員契約を結ばされた場合、特商法の適用を検討します。

ただし、金融商品取引法の対象となる金融商品や、単なる詐欺的送金、暗号資産送金、海外サイト取引などでは、特商法だけで解決できない場合があります。クーリング・オフ可能性は、契約類型、書面の内容、交付時期、商品・役務の種類によって変わります。

6.6 金融商品取引法、適合性原則、説明義務

相手が正規の金融商品取引業者であり、高齢者に複雑・高リスクな商品を勧誘した場合は、金融商品取引法上の適合性原則、説明義務、断定的判断の提供、虚偽表示、顧客本位の業務運営、社内規程違反などが問題となることがあります。金融商品取引法40条は、顧客の知識、経験、財産の状況、契約目的に照らして不適当な勧誘により投資者保護に欠けることのないよう業務を行うことを求めています。

この類型は、匿名SNS詐欺とは異なり、相手が登録業者であるため、交渉、苦情申立、金融ADR、FINMAC、訴訟などの実効性が相対的に高い場合があります。契約書、交付書面、録音、面談記録、リスク説明、本人の投資経験、資産状況、理解度、家族同席の有無が重要です。

6.7 金融ADR・FINMAC

金融機関とのトラブルで、当該金融機関との間で解決できない場合、金融ADR制度の利用を検討できます。金融庁は、金融ADR制度について、中立・公正な金融ADR機関への相談、苦情、紛争解決手続の申立てを通じて解決を目指す制度と説明しています。金融機関は利用者からの紛争解決申立てに応じる義務があり、提示された和解案を尊重することが求められます。

株、投資信託、FXなど金融商品取引に関するトラブルでは、証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)が相談・苦情を受け付け、あっせん制度も運営しています。

ただし、FINMACや金融ADRは、相手が正規の金融機関・登録業者である場合に活用しやすい制度です。SNS上の匿名詐欺師、無登録海外業者、架空サイトには、金融ADRが直接機能しない場合があります。

6.8 民事保全・仮差押え

相手方や口座名義人が特定でき、財産散逸のおそれがある場合、訴訟前または訴訟中に仮差押えなど民事保全を検討することがあります。裁判所は、民事保全の一類型である仮差押えについて、金銭債権について将来の強制執行を保全するために債務者の財産を処分できないようにすることを目的とする手続と説明しています。

仮差押えは、証拠、相手方財産情報、担保金、迅速な申立てが必要であり、一般の家族が単独で行うには難しい手続です。実施可能性は弁護士に相談してください。

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Section 07

高齢者の投資詐欺対応 ― 本人の判断能力が低下している場合

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

7.1 判断能力の確認

投資詐欺被害では、本人が被害を理解しているか、追加送金の危険を認識できるか、相手の説明を批判的に検討できるかが重要です。認知症の診断がある場合だけでなく、軽度認知障害、うつ、不安、孤独、配偶者喪失、退職後の孤立、過度な承認欲求、経済不安が影響することがあります。

確認のポイントは次のとおりです。

  • 投資の仕組みを自分の言葉で説明できるか。
  • 相手方の会社名、所在地、登録番号を説明できるか。
  • なぜ利益が出るのか、なぜ元本保証されるのかを説明できるか。
  • 出金できない理由を理解しているか。
  • 「税金」「保証金」を相手に払うことの不自然さを理解しているか。
  • 家族や第三者の確認を拒む理由が詐欺師の指示によるものではないか。
  • 同じ説明を繰り返しても忘れる、または矛盾した説明をするか。

7.2 成年後見、保佐、補助

本人の判断能力が不十分な場合、成年後見制度を検討します。裁判所の説明では、補助は判断能力が不十分な方、保佐は判断能力が著しく不十分な方、後見は判断能力が欠けているのが通常の状態の方を対象とします。任意後見は、本人が十分な判断能力を有する時にあらかじめ任意後見契約を結び、判断能力が不十分になった後に援助を受ける制度です。

成年後見等は、詐欺被害の返金を直接実現する制度ではありません。しかし、本人の財産管理、契約取消し、今後の被害防止、施設契約、医療・介護支援、生活費管理、金融機関対応に関わる重要な制度です。

7.3 家族による財産管理の注意

家族が本人の財産を守る目的で関与する場合でも、本人の財産と家族の財産を混同してはいけません。出金、保管、立替、返金、生活費支出は記録し、領収書を残します。本人のためであっても、説明なく使うと、親族間トラブルや経済的虐待の疑いにつながることがあります。

高齢者虐待防止法上、養護者または高齢者の親族が高齢者の財産を不当に処分すること、その他高齢者から不当に財産上の利益を得ることは、経済的虐待に当たり得ます。

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Section 08

高齢者の投資詐欺対応 ― 弁護士へ相談するタイミングと準備

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

8.1 弁護士相談を急ぐべき場合

次の場合は、できるだけ早く弁護士へ相談してください。

  • 被害額が高額である。
  • 振込先口座が複数ある。
  • 相手方の氏名、法人、住所、口座名義人が一部判明している。
  • 正規の金融機関・証券会社・保険会社・投資助言業者が関与している。
  • クレジットカード、決済代行、収納代行が関与している。
  • 本人が借金をして送金した。
  • 家族間で財産管理や相続をめぐり対立がある。
  • 認知症や判断能力低下が疑われる。
  • 追加請求、脅迫、個人情報流出がある。
  • すでに「返金代行」業者や別の弁護士広告と契約しそうである。

8.2 弁護士へ渡す資料

初回相談では、限られた時間で事実を把握する必要があります。次の資料を準備します。

  1. 被害一覧表

日時、金額、送金方法、振込先、相手の指示、証拠の有無を一覧化します。

  1. 相手方情報

氏名、表示名、SNS ID、電話番号、メール、URL、会社名、所在地、登録番号、口座名義、暗号資産アドレスを整理します。

  1. 証拠一式

LINE、SNS、メール、振込明細、契約書、投資サイト画面、広告、電子マネー購入レシートなどを時系列でまとめます。

  1. 本人の状況

年齢、同居家族、認知症診断の有無、介護認定、持病、投資経験、資産状況、借入状況、生活費への影響を整理します。

  1. 相談履歴

警察、消費生活センター、金融機関、金融庁、カード会社、暗号資産取引所へ連絡した日時、担当部署、回答内容を記録します。

8.3 弁護士に確認すべき質問

投資詐欺では、弁護士に依頼すれば必ず回収できるわけではありません。相談時には次の質問を明確に確認します。

  • 相手方は特定できているか。
  • どの相手に、どの法的根拠で請求するのか。
  • 回収可能性は高い、中程度、低いのいずれか。
  • 口座凍結、仮差押え、訴訟、交渉、ADRのどれを使うのか。
  • 着手金、実費、報酬金、調査費、印紙・郵券、担保金はいくらか。
  • 回収できない場合でも発生する費用はいくらか。
  • 弁護士本人が面談し、方針説明し、契約書に明記するか。
  • 途中報告の頻度と方法はどうか。
  • 契約解除時の精算方法はどうか。
  • 二次被害を避けるため、弁護士登録情報を確認できるか。

8.4 危険な法律相談広告の見分け方

投資詐欺の被害者は、焦りと不安から「必ず返金」「全額回収」「LINEだけで契約」「着手金を今日払えばすぐ動く」といった広告に引き寄せられやすくなります。東京弁護士会は、国際ロマンス詐欺案件を扱う弁護士業務広告について、架空事例、24時間365日対応の過大表示、専門弁護士との誤認表示、確実に高額回収できるような表示、LINE相談といいつつ事務職員が対応している事例などへの注意を公表しています。

神奈川県弁護士会も、弁護士本人が面談や対応をせず、登録上の連絡先と異なる広告上の電話番号で事務職員が応対し、弁護士自身による回収見込み等の説明がないまま電子委任契約や着手金支払いを急かすような場合は、二次被害につながりやすいと注意喚起しています。

安全性を高めるには、次の確認を行います。

  • 日本弁護士連合会の弁護士情報検索で、弁護士名、所属弁護士会、事務所住所、電話番号を確認する。
  • 弁護士本人と直接面談またはオンライン面談する。
  • 回収可能性について、良い面だけでなく困難な点を説明してもらう。
  • 契約書を読み、費用、業務範囲、途中解除、実費を確認する。
  • その場で契約せず、家族や別の相談窓口に確認する。
  • 「必ず」「高確率」「全額」「即日回収」などの断定的表現に注意する。

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Section 09

高齢者の投資詐欺対応 ― 公的相談窓口の使い分け

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

次の時系列は、発覚当日からそれ以降までの対応を整理したものです。期間が後ろに進むほど生活再建と再発防止の比重が増えるため、各時点で優先する行動を読み取ってください。

発覚当日

追加送金停止と証拠保存

本人を責めず、送金記録とやり取りを保存し、振込直後なら金融機関と警察へ連絡します。

1週間以内

相談先を並行して動かす

金融庁、カード会社、取引所、弁護士相談予約、地域包括支援センターへの相談を進めます。

1か月以内

回収可能性と生活再建を確認

分配金、ADR、債務整理、成年後見、再発防止ルールを検討します。

次の比較表は、高齢者の投資詐欺対応で確認すべき項目を整理したものです。列ごとの違いを比べることで、どの対応や確認事項を優先すべきかを読み取ってください。

相談先主な役割向いている場面
警察・#9110犯罪相談、被害届、捜査、口座凍結の端緒詐欺が疑われる、送金直後、脅迫、現金受渡し
消費者ホットライン188消費生活相談窓口への接続、助言、あっせん契約トラブル、悪質商法、本人や家族の初期相談
振込先金融機関口座凍結、被害回復分配金手続の端緒銀行振込による被害
金融庁・詐欺的な投資に関する相談ダイヤル論点整理、他機関紹介、行政情報共有無登録業者、SNS投資勧誘、暗号資産・FX等
金融ADR金融機関との紛争解決登録業者・金融機関とのトラブル
FINMAC株、投資信託、FX等の金融商品取引トラブル証券会社・金融商品取引業者との紛争
法テラス無料法律相談、費用立替資力基準を満たす場合の弁護士・司法書士相談
地域包括支援センター高齢者の生活・介護・権利擁護支援判断能力低下、独居、生活困窮、家族支援
家庭裁判所成年後見、保佐、補助判断能力低下により継続的財産管理が必要
弁護士法的請求、交渉、訴訟、仮差押え、後見申立て高額被害、相手方特定、返金請求、家族紛争

相談先は一つに絞る必要はありません。警察、金融機関、消費生活センター、弁護士は並行して動かすべき場合があります。

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Section 10

高齢者の投資詐欺対応 ― 家族の対応を時系列で整理する

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

10.1 発覚当日

  1. 本人を責めず、追加送金を止める。
  2. スマホ、PC、通帳、カード、契約書類を確認する。
  3. LINE、SNS、メール、サイト画面、送金記録を保存する。
  4. 振込直後なら振込先金融機関へ連絡する。
  5. 警察へ相談する。
  6. 消費者ホットライン188へ相談する。
  7. 被害一覧表を作る。

10.2 1週間以内

  1. 金融庁相談窓口、金融機関、カード会社、暗号資産取引所へ連絡する。
  2. 弁護士相談を予約する。
  3. 本人の投資経験、判断能力、生活費への影響を確認する。
  4. 追加請求が来た場合は支払わず、証拠保存する。
  5. 家族間で役割分担する。
  6. 必要に応じて地域包括支援センターへ相談する。

10.3 1か月以内

  1. 弁護士相談で回収可能性と費用対効果を確認する。
  2. 振り込め詐欺救済法の手続状況を確認する。
  3. 金融ADRやFINMACの適用可能性を確認する。
  4. 借入れがある場合は債務整理を検討する。
  5. 判断能力低下がある場合は成年後見等を検討する。
  6. 再発防止の家族ルールを作る。

10.4 それ以降

  1. 被害回復手続、刑事手続、民事手続の進捗を管理する。
  2. 本人の孤立を防ぎ、生活再建を支える。
  3. 家族の財産管理記録を残す。
  4. 相続・任意後見・家族信託・遺言など将来の財産管理設計を検討する。
  5. 二次被害広告に接触しないよう定期的に確認する。

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Section 11

高齢者の投資詐欺対応 ― 再発防止策

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

Q1. 家族だけで警察や消費生活センターに相談できますか。

一般的には、家族から相談できる場合があります。ただし、被害届、金融機関手続、弁護士委任などでは、本人の意思確認や委任が必要になることがあります。本人が相談を拒む場合でも、家族が対応方法を相談することには意味があります。

Q2. 本人が詐欺ではないと言い張る場合はどう考えますか。

一般的には、論破ではなく確認可能な事実に絞ることが有効とされています。会社登録、出金可否、188への事実確認、弁護士等による資料確認を提案し、本人の面子をつぶす言い方を避けることが重要です。

Q3. 振り込んだお金は戻る可能性がありますか。

一般的には、振込先口座に残高がある場合は被害回復分配金の可能性があります。登録業者が関与する事案では、交渉、ADR、訴訟の余地があります。ただし、匿名SNS詐欺、暗号資産送金、海外所在業者では、相手方特定と財産把握が難しく、結論は証拠関係で変わります。

Q4. すぐに弁護士へ依頼する必要がありますか。

一般的には、被害額が大きい、相手方情報がある、本人が借入れをした、判断能力低下がある、追加請求が続く場合は早期相談が重要とされています。ただし、依頼の要否は費用対効果、回収見込み、業務範囲で変わるため、具体的な方針は弁護士等に確認する必要があります。

Q5. 弁護士費用を払う余裕がない場合はどうなりますか。

一般的には、資力基準を満たす場合に法テラスの無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できる可能性があります。収入、資産、事件内容により扱いが変わるため、法テラスや弁護士等へ確認する必要があります。

Q6. 家族が本人の通帳やカードを預かってよいですか。

一般的には、本人に判断能力があり同意している場合は、目的、保管方法、返還方法、支出記録を明確にする必要があります。同意や代理権がない一方的な取り上げは避け、判断能力低下がある場合は成年後見等の制度を検討します。

Q7. 暗号資産の送金先を追跡すれば取り戻せますか。

一般的には、トランザクション履歴を確認できる場合はありますが、それだけで加害者の身元や財産を特定し、返金を実現できるとは限りません。高額な調査費を求める業者には慎重な確認が必要で、具体的な見通しは弁護士等へ確認する必要があります。

Q8. 本人が亡くなった後も請求できますか。

一般的には、損害賠償請求権などが相続財産として承継される可能性があります。ただし、相続人の範囲、相続放棄、証拠、時効、相手方特定により結論が変わります。相続と被害回復の双方を扱える専門家へ相談する必要があります。

Section 12

高齢者の投資詐欺対応のよくある質問

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

Q1. 家族だけで警察や消費生活センターに相談できますか。

相談自体は家族からでもできる場合があります。ただし、被害届、詳細な個人情報、金融機関手続、弁護士委任などは、本人の意思確認や委任が必要になることがあります。本人が相談を拒む場合でも、家族が「どう対応すべきか」を相談することには意味があります。

Q2. 本人が「詐欺ではない」と言い張る場合、どうすればよいですか。

論破しようとせず、確認可能な事実に絞ります。「会社の登録を一緒に確認しよう」「出金できるか少額で試そう」「188に事実確認だけ聞こう」「弁護士に資料を見てもらおう」と提案します。本人の面子をつぶす言い方は避けます。

Q3. 振り込んだお金は戻りますか。

戻る可能性はありますが、類型により大きく異なります。振込先口座に残高がある場合、振り込め詐欺救済法の分配可能性があります。正規の金融機関が関与する説明義務違反や適合性違反の事案では、交渉・ADR・訴訟の余地があります。一方、匿名SNS詐欺、暗号資産送金、海外所在業者、架空サイトでは、相手方特定と財産把握が難しく、回収困難なことがあります。

Q4. すぐに弁護士へ依頼すべきですか。

被害額が大きい、相手方情報がある、振込先口座が複数ある、登録業者が関与する、本人が借金した、判断能力低下がある、追加請求が続く場合は、早期相談を推奨します。ただし、依頼前には費用対効果、回収見込み、業務範囲を確認してください。「必ず回収」と言う広告には注意が必要です。

Q5. 弁護士費用を払う余裕がありません。

資力基準を満たす場合、法テラスの無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できる可能性があります。法テラスは、経済的に余裕のない人が法的トラブルにあった場合の無料法律相談や費用立替を案内しています。

Q6. 家族が本人の通帳やカードを預かってよいですか。

本人が判断能力を有し、同意している場合は、預かり方、使用目的、返還方法、記録を明確にします。本人の同意や代理権がないまま一方的に取り上げることは避けるべきです。判断能力低下がある場合は、成年後見、保佐、補助、任意後見、金融機関の代理人制度などを検討します。

Q7. 暗号資産の送金先を追跡すれば取り戻せますか。

トランザクション履歴の確認は可能な場合がありますが、それだけで加害者の身元や財産を特定し、返金を実現できるとは限りません。高額な調査費を求める業者には慎重に対応し、弁護士本人から回収可能性と費用の説明を受けてください。

Q8. 投資詐欺被害を家族が相続した場合、請求できますか。

本人が亡くなった場合、損害賠償請求権などが相続財産として承継されることがあります。ただし、相続人の範囲、相続放棄、証拠、時効、相手方特定が問題になります。相続と被害回復の双方を扱える専門家に相談してください。

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Section 13

高齢者の投資詐欺対応 ― 結論 ― 家族の対応は「早く、静かに、証拠に基づいて」

要点、手順、注意点を一般情報として整理します。

高齢者が投資詐欺に遭った場合の家族の対応は、感情的な説得ではなく、専門的な危機対応です。重要なのは、次の順序です。

  1. 追加送金を止める。
  2. 証拠を保存する。
  3. 振込先金融機関、警察、188、金融庁等へ相談する。
  4. 被害一覧表を作る。
  5. 弁護士へ相談し、回収可能性と費用対効果を確認する。
  6. 判断能力低下があれば成年後見等を検討する。
  7. 二次被害を防ぐ。
  8. 本人を孤立させず、再発防止の仕組みを作る。

投資詐欺は、本人の注意力だけで防げる問題ではありません。家族、金融機関、消費生活センター、警察、弁護士、地域包括支援センター、成年後見制度などを組み合わせて対応する必要があります。被害を責めるのではなく、被害を止め、証拠を守り、制度につなぎ、生活を立て直すことが、家族に求められる最も重要な役割です。

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Reference

この記事の参考資料

  • : 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」
  • : 警察庁・SOS47「SNS型投資詐欺」
  • : 金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」
  • : 消費者庁「消費者ホットライン」
  • : 金融庁「『詐欺的な投資に関する相談ダイヤル』の開設について」
  • : 金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」
  • : 金融庁「暗号資産に関する相談事例等及びアドバイス等」
  • : 金融庁「金融機関とのトラブルに関する相談・苦情窓口(金融ADR機関)一覧」
  • : 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)「フィンマックとは」
  • : 裁判所「成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ」
  • : 消費者庁「高齢者・障がい者の消費者トラブル」
  • : 法テラス「民事法律扶助業務」
  • : 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
  • : 神奈川県弁護士会「ロマンス詐欺・投資詐欺被害等のご依頼による二次被害にご注意下さい」
  • : 東京弁護士会「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点」
  • 東京弁護士会「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点2」
  • : e-Gov法令検索「民法」
  • : e-Gov法令検索「刑法」
  • : e-Gov法令検索「消費者契約法」
  • : 政府広報オンライン「契約トラブルから身を守るために、知っておきたい『消費者契約法』」
  • : e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」
  • : e-Gov法令検索「金融商品取引法」
  • : 裁判所「民事保全」
  • : e-Gov法令検索「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」