法テラスは、日本司法支援センターの通称です。法律問題の相談先が分からない人に情報を届け、一定の条件を満たす人には無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度への入口を用意しています。
法テラスは、日本司法支援センターの通称です。
相談先、費用、制度の入口を整理し、法テラスが何をする機関なのかを確認します。
法テラスとは、日本司法支援センターの通称であり、法的トラブル解決のための総合案内所です。借金、離婚、相続、労働問題、住まい、金銭トラブル、消費者被害、交通事故、犯罪被害などについて、どこに相談すればよいか分からない人に、法制度や相談窓口の情報を提供します。
一定の収入・資産基準を満たす場合には、弁護士・司法書士との無料法律相談や、弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できる可能性があります。ただし、誰でも無条件に無料で依頼できる制度ではありません。資力基準、事件の見込み、制度趣旨への適合性などを確認する必要があります。
次の重要ポイントは、法テラスを単なる予約窓口ではなく「司法への入口」として理解するための整理です。中央の見出しは制度の性格、本文は利用者が読み取るべき実務上の意味を示しています。
サポートダイヤルによる情報提供、民事法律扶助、国選弁護等関連業務、犯罪被害者支援、司法過疎対策などを通じて、法律問題を抱えた人が必要な支援へ近づけるようにする公的性格の強い仕組みです。
最初に迷いやすい論点は、相談先、費用、緊急性、専門家の役割の4つです。下の一覧は、それぞれの迷いが法テラスのどの機能と関係するかを示しており、まずどこを確認すればよいかを読み取るために重要です。
サポートダイヤル、メール、チャットなどで、法制度や相談機関・団体の情報提供を受ける入口があります。
収入・資産基準などを満たす場合、無料法律相談や費用立替を利用できる可能性があります。
民事法律扶助、国選弁護、犯罪被害者支援などは対象や手続が異なるため、問題の種類に応じた確認が必要です。
このページの内容は一般的な制度説明です。時効、証拠、相手方の状況、裁判所の運用、収入・資産、家族構成、居住地、緊急性によって結論は変わります。個別の見通しや対応方針は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家や公的窓口に確認する必要があります。
名称、設立背景、司法アクセスという考え方を押さえます。
法テラスの正式名称は、日本司法支援センターです。2006年4月10日に設立され、同年10月2日から業務を開始しました。「法テラス」という名称には、法律によってトラブル解決への道を照らす意味と、相談者が安心して立ち寄れる場所でありたいという意味が込められています。
次の時系列は、制度の成立と業務開始を順番に確認するためのものです。年代の順に見ると、法テラスが個別相談だけでなく、司法制度改革や民事法律扶助、国選弁護制度、司法過疎対策とつながっていることが読み取れます。
法律上の権利があっても、情報、費用、地域、心理的な壁により制度を使えない人がいることが課題として意識されました。
総合法律支援法に基づき、司法アクセスを支える中核法人として設立されました。
情報提供、民事法律扶助、国選弁護等関連業務などを通じて、法律問題の入口を整える業務が始まりました。
司法アクセスとは、法律問題を解決する制度にたどり着けることです。法律があっても、制度を知らない、費用が不安、近くに専門家がいない、相談すること自体が怖いといった障壁があると、権利を実際に使うことは難しくなります。
下の一覧は、司法アクセスを妨げる代表的な障壁を整理したものです。各項目は、法テラスが万能に解消するものではありませんが、情報提供や費用支援、地域事務所、多言語情報提供、福祉機関との連携によって、どの壁を低くしようとしているかを読むために重要です。
どの制度を使えばよいか、弁護士・司法書士・自治体・警察などどこへ相談すればよいか分からない状態です。
相談料、着手金、報酬、裁判費用、交通費などへの不安から、問題を先延ばしにしてしまう状態です。
近くに弁護士・司法書士が少ない、裁判所や相談窓口が遠いなど、住む場所により選択肢が限られる状態です。
家族に知られたくない、相手が怖い、日本語での相談が難しい、高齢や障害により窓口へ行きにくい状態です。
主な業務を、情報提供・民事法律扶助・国選弁護等関連業務などに分けて見ます。
法テラスの根拠法は、総合法律支援法です。同法は、民事・刑事を問わず、全国で法による紛争解決に必要な情報やサービスを受けられる社会を目指す制度であり、その中核として日本司法支援センターを位置づけています。
次の表は、法テラスの主な業務を「目的」と「典型例」に分けて整理しています。左列で業務分野、中央列で制度が何を目指すか、右列で実際にどのような入口があるかを読み取ると、法テラスが単一の相談サービスではなく複数の制度の接続点であることが分かります。
| 分野 | 目的 | 典型例 |
|---|---|---|
| 情報提供 | 相談先・法制度にたどり着けるようにする | サポートダイヤル、メール、チャット、相談窓口案内 |
| 民事法律扶助 | 経済的に余裕がない人の民事・家事・行政事件へのアクセスを支える | 無料法律相談、弁護士・司法書士費用の立替 |
| 国選弁護等関連 | 刑事手続・少年事件で必要な弁護体制を整える | 国選弁護人候補の指名、報酬・費用の支払い |
| 犯罪被害者支援 | 犯罪被害者・家族が支援にアクセスできるようにする | 支援経験のある弁護士への取次ぎ、被害者参加関連制度 |
| 司法過疎対策 | 法律専門職が少ない地域の法律サービスを補う | スタッフ弁護士の配置、地域事務所 |
| 受託業務 | 国・自治体・非営利法人等からの委託により支援を行う | 日弁連委託援助など |
情報提供業務は、困りごとの内容に応じて、一般的な法制度や相談窓口を案内する業務です。たとえば借金で困っている人には債務整理や消費生活相談、離婚で困っている人には家庭裁判所の調停や弁護士相談、労働問題で困っている人には労働基準監督署、労働局、弁護士会、法テラスの無料法律相談など、状況に応じた窓口があり得ます。
情報提供は、原則として誰でも利用できます。収入・資産基準が問題となるのは、主に無料法律相談や費用立替などの民事法律扶助を使う場面です。この違いを混同すると、収入があるから問い合わせ自体も意味がないと誤解しやすくなります。
国選弁護等関連業務は、刑事事件や一定の少年事件に関する業務です。法テラスは、国選弁護人候補の指名、裁判所等への通知、国選弁護人への報酬・費用の支払いなどを行います。離婚、相続、借金、交通事故の損害賠償、未払賃金などの民事・家事・行政の問題では、国選弁護ではなく民事法律扶助など別の制度を確認します。
法テラスには、国の制度としての業務と、他機関から委託された支援が併存しています。そのため、同じ「法テラスの支援」に見えても、資力要件、対象事件、費用負担、申込方法が異なる場合があります。
無料法律相談と費用立替の違い、対象、審査の考え方を確認します。
法テラスを調べる人の多くは、実際には「お金がなくても弁護士に相談できるのか」を知りたいはずです。この点の中心にあるのが民事法律扶助です。無料法律相談は「法律相談援助」、費用立替は「代理援助」「書類作成援助」と説明されます。
下の一覧は、無料法律相談と費用立替を分けて見るためのものです。左から制度名、何を受けられるか、利用時に確認される主なポイントを並べているため、相談だけなのか、依頼費用の立替まで進むのかを読み分けることが重要です。
| 制度 | 内容 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 無料法律相談 | 弁護士または司法書士との法律相談を受ける制度です。相談時間は1回30分、同一問題につき3回まで無料とされています。 | 収入・資産基準、相談対象が民事・家事・行政に関する法律問題か、事前予約の可否などを確認します。 |
| 代理援助 | 弁護士・司法書士が代理人として交渉、調停、訴訟などを進める費用を立て替える制度です。 | 資力基準、勝訴の見込みがないとはいえないこと、制度趣旨への適合性を確認します。 |
| 書類作成援助 | 裁判所提出書類などの作成費用を立て替える制度です。 | 手続の種類、必要性、担当専門職の業務範囲、返済方法などを確認します。 |
「勝訴の見込みがないとはいえない」とは、必ず勝てるという意味ではありません。自己破産であれば免責の見込み、離婚であれば離婚成立の見込みなど、法的手続によって問題解決に向かう合理的可能性があるかを見る考え方です。
「民事法律扶助の趣旨に適すること」とは、制度の公共性・公平性に照らして援助すべき事件かという判断です。報復目的、自己宣伝、権利濫用的な訴訟などは、制度の趣旨に合わないものとして扱われる可能性があります。
家族人数、地域、家賃・住宅ローンなどで基準の見方が変わります。
無料法律相談や費用立替を検討する際、実務上の大きな関心は「自分が基準に当てはまるか」です。資力基準は家族人数、居住地、家賃・住宅ローン、医療費、教育費などによって変わります。
次の表は、東京都特別区・大阪市などの地域で示される収入・資産基準の例です。左から家族人数、月収の目安、保有資産の目安を並べており、人数が増えるほど収入基準と資産基準が変わることを読み取るために重要です。
| 家族人数 | 収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 200,200円 | 180万円以下 |
| 2人 | 276,100円 | 250万円以下 |
| 3人 | 299,200円 | 270万円以下 |
| 4人 | 328,900円 | 300万円以下 |
次の表は、上記以外の地域で示される基準例です。同じ家族人数でも地域により収入基準が異なるため、前の表と比べながら、自分の居住地に近い基準区分を確認することが大切です。
| 家族人数 | 収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 182,000円 | 180万円以下 |
| 2人 | 251,000円 | 250万円以下 |
| 3人 | 272,000円 | 270万円以下 |
| 4人 | 299,000円 | 300万円以下 |
収入基準は、同居家族が1名増えるごとに加算されます。東京や大阪などの地域では33,000円、それ以外の地域では30,000円が加算額として示されています。収入や資産が基準を少し超える場合でも、家賃・住宅ローン、医療費、教育費などの事情が考慮される場合があります。
次の表は、家賃・住宅ローンの控除限度額を人数別に整理したものです。通常の控除限度額と東京都特別区の場合を横に並べているため、住居費の負担が資力判断にどの程度影響し得るかを読むために重要です。
| 世帯人数 | 家賃・住宅ローンの控除限度額 | 東京都特別区の場合 |
|---|---|---|
| 1人 | 41,000円 | 53,000円 |
| 2人 | 53,000円 | 68,000円 |
| 3人 | 66,000円 | 85,000円 |
| 4人 | 71,000円 | 92,000円 |
離婚など配偶者が相手方となる事件では、本人の収入と資産のみで判断すると説明されています。誰の収入・資産を合算するかは事件の性質により変わるため、予約時や相談時に確認する必要があります。
生活保護受給中の場合、援助終結まで償還が猶予されることがあります。また、2026年4月1日から、生活保護受給中の方を対象に、民事法律扶助の償還免除申請をインターネットで行うサービスが全国で開始されています。対象外となる申請もあるため、該当する制度を確認することが大切です。
民事・家事・行政の相談と、刑事事件など別枠の制度を分けて整理します。
法テラスの無料法律相談で扱われやすいのは、民事・家事・行政に関する問題です。刑事事件については、民事法律扶助の無料法律相談とは別に、国選弁護、当番弁護士、私選弁護などの制度を考える必要があります。
下の表は、法テラスで相談対象になり得る典型分野を整理したものです。左列で分野、右列で具体例を確認すると、自分の問題が民事・家事・行政の入口に近いのか、別制度の確認が必要かを見分けやすくなります。
| 分野 | 具体例 |
|---|---|
| 借金・債務整理 | 任意整理、自己破産、個人再生、過払金、督促対応 |
| 離婚・家族 | 離婚、養育費、婚姻費用、面会交流、親権、財産分与、DV |
| 相続 | 遺産分割、遺言、相続放棄、遺留分、成年後見 |
| 労働 | 解雇、雇止め、未払賃金、残業代、ハラスメント |
| 住まい | 賃貸借、敷金、明渡し、近隣トラブル |
| 金銭トラブル | 貸金、売買、損害賠償、保証 |
| 消費者被害 | 悪質商法、契約取消、クーリング・オフ、霊感商法 |
| 交通事故 | 損害賠償、後遺障害、示談交渉 |
| 行政関係 | 一定の行政処分、福祉、年金、在留資格に関する周辺相談 |
法テラス自身が、すべての事件で相談者の代理人になるわけではありません。実際に代理人として交渉・訴訟・調停等を行うのは、法テラスと契約する弁護士・司法書士、またはスタッフ弁護士などです。法テラスは、制度の運営、費用立替、情報提供、契約専門職との接続、審査、報酬支払などを担います。
情報提供、予約、相談準備、審査、契約、返済までの順番を確認します。
法的トラブルかどうか分からない段階では、法テラス・サポートダイヤル、メール、チャットなどで、相談先や制度の情報を確認します。サポートダイヤルの電話番号は0570-078374、受付時間は平日9時から21時、土曜日9時から17時とされています。
次の判断の流れは、問い合わせから依頼後の返済までを順番に示したものです。上から下へ進むほど、情報提供から法律相談、審査、契約、事件処理へ移るため、どの段階で資料整理や費用確認が必要になるかを読み取ることが重要です。
相談先や制度の情報を確認し、無料法律相談や別窓口の必要性を整理します。
収入、資産、家族構成、相談内容などを確認し、予約枠を探します。
時系列、証拠、収入資料、望む解決、期限を整理します。
相談だけで足りるか、代理援助・書類作成援助の審査へ進むかを確認します。
決定書、契約書、返済案内を確認し、担当専門職が事件処理を進めます。
弁護士会、自治体、法律事務所、保険、労働局など別の入口を検討します。
30分の相談は短いため、事実確認だけで終わらないよう準備が重要です。相談したいことを一文でまとめたメモ、時系列表、契約書、請求書、領収書、督促状、裁判所から届いた書類、LINE、メール、SMS、録音、写真、診断書などを整理しておくと、制度の確認や今後の見通しを話しやすくなります。
次の一覧は、相談準備で集める資料を目的別に分けたものです。左の種類で資料の性格、右の例で具体物を確認し、相談時間内に事実、証拠、期限、費用状況を説明できる状態にすることが大切です。
| 資料の種類 | 具体例 | 相談での意味 |
|---|---|---|
| 事実整理 | 相談メモ、時系列表、相手方情報 | 何が起き、いつまでに対応が必要かを説明しやすくします。 |
| 証拠資料 | 契約書、請求書、通知書、メール、写真、録音、診断書 | 見通しや手続選択を検討する土台になります。 |
| 資力資料 | 給与明細、年金通知、生活保護受給証明、預金通帳、家賃契約書 | 無料法律相談や費用立替の基準確認に関係します。 |
| 希望条件 | 望む解決、譲れる条件、避けたいこと | 担当専門職と方針をすり合わせる材料になります。 |
法テラス自身と担当専門職の役割、直接相談との違いを整理します。
法テラスは弁護士そのものではありません。弁護士は、依頼者の代理人として交渉、訴訟、調停、刑事弁護、契約書作成、法律相談などを行います。一方、法テラスは、情報提供、無料法律相談制度、費用立替、国選弁護等関連業務などを運営します。
法テラスの制度を通じて相談・依頼する場合、法テラスと契約している弁護士・司法書士の事務所で相談することがあります。また、司法過疎地域などでは、法テラスに勤務するスタッフ弁護士が法律サービスを提供する場合もあります。契約弁護士等は、制度に関与しつつも、個別事件では専門職として独立して職務を行います。
次の表は、法テラス経由と直接弁護士相談を比較したものです。費用、対象、緊急対応、弁護士選択、向いている人の列を横に見ると、どちらが優れているかではなく、状況ごとに入口を選ぶ必要があることが読み取れます。
| 観点 | 法テラス経由 | 直接弁護士相談 |
|---|---|---|
| 費用 | 資力基準を満たせば無料相談・立替の可能性があります。 | 事務所ごとの相談料・着手金・報酬を確認します。 |
| 対象 | 民事法律扶助では資力・事件内容の要件があります。 | 事務所が受任可能なら広い分野を相談できる場合があります。 |
| 緊急対応 | 予約枠・審査に時間がかかる場合があります。 | 事務所次第で迅速対応できる場合があります。 |
| 弁護士選択 | 契約弁護士等の範囲・制度運用に左右されます。 | 自分で相談先を探して選べます。 |
| 向いている人 | 費用不安が大きい、相談先が分からない人に向きます。 | 複雑案件、企業案件、緊急案件、専門分野を指定したい場合に向きます。 |
司法書士が関与する場合もあります。司法書士は、不動産登記、商業登記、簡易裁判所における一定範囲の代理、債務整理の一部、書類作成などを扱う法律専門職です。事件の金額、手続の種類、訴訟の段階、交渉の必要性によって、適切な専門職は変わります。
一般的な民事相談以外の支援制度も確認します。
法テラスは、一般的な民事相談だけでなく、犯罪被害者支援、多言語情報提供、災害被災者への法律相談、高齢者・障害者・DV等の問題への支援にも関係します。法律問題は、医療、福祉、安全確保、生活再建と重なりやすいため、制度を横断して確認することが重要です。
次の一覧は、特別な事情がある場合の主な入口を並べたものです。各項目の見出しで支援の種類、本文で連絡先や対象の考え方を確認し、自分の状況が通常の無料法律相談だけで足りるのか、別の緊急窓口や支援制度も必要かを読み取ります。
犯罪被害者支援ダイヤルは0120-079714、受付時間は平日9時から21時、土曜日9時から17時とされています。犯罪被害者等法律援助などは、対象犯罪、被害発生日、資力要件、費用負担の確認が必要です。
被害者支援安全確保多言語情報提供サービスは0570-078-377、IP電話・プリペイド携帯からは050-3754-5430、受付時間は平日9時から17時です。英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、タイ語、インドネシア語に対応するとされています。
外国語情報提供政令で指定された大規模災害により被災した方を対象とする無料法律相談では、通常の資力基準がないとされています。住宅、ローン、賃貸借、保険、相続、労働、生活再建支援金などが問題になり得ます。
災害生活再建認知機能が十分でない高齢者・障害者、DV・ストーカー・児童虐待の被害者、霊感商法などの被害者支援にも関係します。福祉職、自治体、地域包括支援センター、配偶者暴力相談支援センター、警察、医療機関との連携が重要です。
福祉連携緊急性身の危険がある場合は、一般的には法律相談より先に警察、避難先、配偶者暴力相談支援センター、医療機関などへの連絡が優先される対応とされています。法テラスは法律面の入口であり、安全確保、医療、福祉、心理支援と並行して使う制度です。
使いやすい点と、別窓口を検討すべき場面を同時に確認します。
法テラスの大きなメリットは、相談先が分からない段階で使いやすいこと、経済的に困っている人が法律相談につながりやすいこと、弁護士・司法書士費用の立替を利用できる場合があること、全国的な制度であることです。
次の一覧は、メリットと注意点を対比して整理したものです。左から見出し、内容、読み取りたいポイントを確認することで、法テラスを使う価値が高い場面と、同時に別窓口を探すべき場面を分けて考えられます。
| 観点 | 内容 | 読み取りたいポイント |
|---|---|---|
| 相談先が分からない | 法律問題に該当するか分からない段階でも情報提供を利用できます。 | 最初の窓口選びに迷う場合に役立ちます。 |
| 費用不安がある | 基準を満たす場合、無料法律相談や費用立替につながる可能性があります。 | 相談を先延ばしにしないための入口になります。 |
| 全国的な制度 | 地方事務所や地域事務所等を通じ、地域差を埋める役割があります。 | 司法過疎地域でも入口を探せます。 |
| 無条件無料ではない | 無料相談や費用立替には資力基準、相談対象、審査があります。 | 利用できない場合の代替手段を用意します。 |
| 返済が必要な場合 | 立替制度は原則として返済が必要です。 | 毎月の返済額、猶予、免除の可能性を確認します。 |
| 時間がかかる場合 | 予約や審査に時間がかかることがあります。 | 時効、差押え、DV、逮捕などの緊急性がある場合は別窓口も併用します。 |
すべての分野に専門弁護士がいるとは限りません。医療過誤、知的財産、国際取引、複雑な企業法務、証券訴訟、行政事件、専門的労働事件、大規模不動産紛争などでは、高度な専門性が必要になることがあります。制度を利用できる場合でも、担当専門職の経験・対応範囲を確認する必要があります。
サポートダイヤルは、制度・窓口の案内であり、弁護士・司法書士による個別事件の法的判断とは異なります。個別事件の見通し、勝敗、証拠評価、交渉方針は、法律相談で確認する必要があります。
利用を検討しやすい人と、別窓口も同時に探すべき人を分けます。
法テラスは、費用不安が大きい人、相談先が分からない人、地域的・社会的に専門家へアクセスしにくい人にとって有力な入口です。一方で、緊急性が高い場合や専門分野が明確な場合には、別の窓口も同時に検討する必要があります。
次の一覧は、法テラスの利用を検討しやすい人と、別窓口も急いで確認した方がよい人を対比しています。左側の分類で状況を見分け、本文でどの入口が重要になりやすいかを読み取るための整理です。
弁護士費用が心配、生活保護受給中、低収入、ひとり親、失業中など、費用負担が難しい事情がある場合です。
身の危険、逮捕・勾留、裁判所書類、時効、退去期限などがある場合は、警察、裁判所、弁護士会、法律事務所なども急いで確認します。
会社経営、M&A、知財、国際取引、医療過誤、複雑訴訟などでは、専門分野に対応できる弁護士への直接相談も検討します。
交通事故で弁護士費用特約がある場合は、保険会社や弁護士への直接相談が有効なことがあります。労働災害・未払賃金では労働基準監督署、労働局、弁護士、労働組合等の併用、消費者被害では消費生活センター、弁護士、法テラスの併用が考えられます。
時系列、相談メモ、費用資料、当日の確認事項を整理します。
法律相談で最も大切なのは、事実を整理して伝えることです。弁護士・司法書士は法律の専門家ですが、事実を知らなければ判断できません。特に法テラスの無料法律相談は1回30分が目安のため、相談前の整理が結果を左右します。
次の表は、時系列表の作り方を例示しています。日付、出来事、証拠の3列で並べると、いつ何が起き、どの資料で確認できるかが一目で分かるため、限られた相談時間でも重要な事実を伝えやすくなります。
| 日付 | 出来事 | 証拠 |
|---|---|---|
| 2026年1月10日 | 契約をした | 契約書、メール |
| 2026年2月5日 | 相手から請求が来た | 請求書 |
| 2026年3月1日 | 支払を求めた | LINE、内容証明案 |
| 2026年4月15日 | 裁判所から書類が届いた | 訴状、期日呼出状 |
よくある思い込みを整理し、制度の現実的な使い方につなげます。
法テラスは身近な制度である一方、「必ず無料で依頼できる」「収入基準を少し超えたら使えない」「民事事件でも国選弁護を使える」などの誤解が生じやすい制度です。誤解したまま動くと、相談先選びや期限対応が遅れるおそれがあります。
次の一覧は、典型的な誤解と実際の考え方を対にして示しています。各項目は、見出しで誤解の内容、本文で制度上の見方を示しているため、自分の理解がどこでずれていないかを確認するために重要です。
無料法律相談は一定要件のもとで利用できますが、依頼後の費用立替には審査があり、原則として返済が必要です。
家賃、住宅ローン、医療費、教育費などが考慮される場合があります。個別事情によって判断が変わる可能性があります。
サポートダイヤルは専門家の紹介ではなく、問い合わせ内容に応じた相談窓口情報の案内が中心です。
国選弁護制度は刑事事件、国選付添制度は少年事件に関する制度であり、民事事件では利用できません。
制度利用の有無と専門職の能力は別問題です。経験、方針、連絡方法、費用、見通しを相談時に確認することが大切です。
問い合わせ内容の秘密は厳守すると説明されています。ただし、事件を進める段階で相手方への通知が必要になる場合があります。
法テラスは、法律を知っている人だけの武器にしないための社会的装置といえます。民事法律扶助は経済的アクセス、国選弁護等関連業務は刑事手続における防御権、犯罪被害者支援は被害者の手続関与と回復、司法過疎対策は地域差、多言語情報提供は言語差を補正する役割を持ちます。
制度の一般的な理解を、個別判断にならない形で整理します。
一般的には、日本司法支援センターの通称で、法的トラブル解決のための総合案内所とされています。情報提供、無料法律相談、費用立替、国選弁護等関連業務、犯罪被害者支援、司法過疎対策などを扱います。ただし、個別の利用可否は相談内容や資力、地域、時期によって変わる可能性があります。
一般的には、総合法律支援法に基づき設立された法人であり、国が制度的に関与する司法アクセスの中核機関とされています。行政機関そのものではありませんが、公的性格の強い機関です。
一般的には、通常のサポートダイヤルではオペレーターが法制度や相談窓口を案内するとされています。個別の法律判断は、無料法律相談などで弁護士・司法書士に確認する必要があります。
一般的には、誰でも無条件に使える制度ではなく、収入・資産が一定基準以下の方を対象とするとされています。ただし、家族構成、地域、住居費、医療費、教育費などで判断が変わる可能性があります。
一般的には、1回30分、同一問題につき3回まで無料とされています。ただし、予約方法、相談場所、担当窓口の運用によって確認事項が変わる可能性があります。
一般的には、相談は無料になる場合がありますが、依頼後の弁護士・司法書士費用は法テラスが立て替え、原則として分割返済する仕組みとされています。生活保護受給中など一定の場合に猶予・免除が問題となることがあります。
一般的には、家賃、住宅ローン、医療費、教育費などが考慮される場合があります。基準を少し超えているように見えても、個別事情によって判断が変わる可能性があるため、具体的には窓口で確認する必要があります。
一般的には、収入・資産は本人と配偶者の合計で見るとされていますが、離婚など配偶者が相手方となる事件では本人の収入・資産のみで判断すると説明されています。具体的な扱いは事件内容と資料により確認が必要です。
一般的には、借金、任意整理、自己破産、個人再生などは民事法律扶助の相談対象になり得るとされています。ただし、資力基準、事件内容、制度趣旨への適合性などによって利用可否が変わる可能性があります。
一般的には、民事法律扶助の無料法律相談では刑事事件に関する相談は対象外とされています。刑事事件では、国選弁護、当番弁護士、私選弁護など別制度を確認する必要があります。
一般的には、制度や地域、相談場所、契約弁護士の状況によって異なります。契約弁護士の事務所で法テラス利用を前提に相談する方法もありますが、すべての弁護士を自由に選べる制度ではありません。
一般的には、民事法律扶助では弁護士だけでなく司法書士による相談、書類作成、一定範囲の代理が関係する場合があります。ただし、事件内容、金額、手続の種類により業務範囲が変わるため確認が必要です。
一般的には、利用できる可能性があります。生活保護受給中の場合、償還猶予や免除申請が問題となることがあります。2026年4月からは、生活保護受給中の方を対象とする償還免除申請のオンラインサービスも開始されています。
一般的には、多言語情報提供サービスがあり、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、タイ語、インドネシア語に対応するとされています。ただし、個別事件の代理や通訳付き法律相談が常にその場で完結するとは限りません。
一般的には、同じではありません。弁護士会は弁護士の団体であり、法テラスは総合法律支援法に基づく日本司法支援センターです。ただし、国選弁護、犯罪被害者支援、日弁連委託援助などで連携する場面があります。
一般的には、費用不安が大きく収入・資産基準に該当しそうな場合は法テラスの検討価値があります。一方、緊急性が高い、専門分野が明確、企業案件、複雑訴訟、時効が迫る場合は、直接弁護士への相談も同時に検討する必要があります。
強みと限界を理解し、早めに適切な窓口へつながることが重要です。
法テラスとは、単に「無料で弁護士に相談できる場所」ではありません。法的トラブルを抱えた人が、必要な情報、相談窓口、弁護士・司法書士、費用支援、刑事弁護制度、犯罪被害者支援、災害支援、多言語情報提供へ接続するための、公的な司法アクセス基盤です。
強みは、費用不安のある人、相談先が分からない人、地域的・社会的に専門家へアクセスしにくい人を制度につなぐ点にあります。限界は、無条件無料ではないこと、立替金は原則返済が必要であること、相談時間や審査に制約があること、刑事事件・専門案件・緊急案件では別の窓口も必要になることです。
請求書、訴状、督促状、DV、ストーカー、犯罪被害、解雇、借金、相続放棄、賃貸借、交通事故など、期限や証拠が重要な問題では、迷っている時間そのものが不利益になることがあります。法テラスは、その最初の一歩を踏み出すための制度として理解すると使いやすくなります。
制度の確認に用いた公的・中立的な資料名を整理しています。