請求の可否だけでなく、安全確保、証拠保全、相手方特定、損害立証、回収可能性を順に確認し、警察対応と民事請求を分けて考えます。
請求の可否だけでなく、安全確保、証拠保全、相手方特定、損害立証、回収可能性を順に確認し、警察対応と民事請求を分けて考えます。
請求できる可能性、認められる可能性、回収できる可能性を分けて考えます。
ストーカー被害で慰謝料や損害賠償を請求できる可能性はあります。ただし、実務上は、安全確保、証拠保全、相手方特定、損害の立証、回収可能性を順に検討する必要があります。最初に考えるべきことは、いくら請求できるかではなく、安全に請求できるかです。
ストーカー被害は、つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、連続した電話・メール・SNS、名誉毀損的投稿、性的羞恥心を害する行為、GPS機器や紛失防止タグによる位置情報取得などを含み得ます。刑事事件として警察が対応する場面とは別に、民事上は不法行為として慰謝料や財産的損害の賠償請求が問題になります。
次の比較表は、請求の検討を3段階に分けるものです。段階ごとに意味と実務上の確認点を読み取ると、請求の可能性だけでなく、証拠や回収の見通しまで整理できます。
| 段階 | 意味 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| 請求できるか | 相手に損害賠償を求める法的構成があるか | 不法行為、共同不法行為、使用者責任、国家賠償などを検討します。 |
| 認められるか | 責任を認めるだけの証拠があるか | 行為、違法性、損害、因果関係、金額を立証します。 |
| 回収できるか | 判決や示談後に実際に金銭を回収できるか | 相手の資力、勤務先、財産、強制執行可能性を考えます。 |
民事請求と刑事・行政手続は目的が異なります。次の一覧は、手続の目的、主体、結果、証拠の意味を比べるものです。どちらか一方だけでなく、危害防止と損害回復を別の軸で読むことが重要です。
| 項目 | 刑事・行政手続 | 民事請求 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 危害防止、処罰、警告、禁止命令 | 被害者の損害回復 |
| 主な主体 | 警察、検察、公安委員会、裁判所 | 被害者、代理人弁護士、民事裁判所 |
| 結果 | 警告、禁止命令、逮捕、起訴、有罪判決等 | 示談金、慰謝料、損害賠償、和解、判決等 |
| 証拠の意味 | 犯罪事実・危険性の判断 | 不法行為・損害・因果関係・金額の立証 |
規制法上の要件と民事上の不法行為は完全には一致しません。
ストーカー規制法は、個人の身体、自由、名誉への危害発生を防止し、生活の安全と平穏に資することを目的としています。つきまとい、尾行、待ち伏せ、見張り、押しかけ、住居等の付近をうろつく行為、監視していると告げる行為、面会や交際要求、連続電話、電子メール、SNS、名誉を傷つける行為、性的羞恥心を害する行為、GPS機器等を用いた位置情報取得などが問題になり得ます。
重要なのは、ストーカー規制法は恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことへの怨恨感情を充足する目的を要件としている点です。一方、民事上の慰謝料請求では、必ずしも規制法上の要件を完全に満たす必要はなく、執拗な監視、嫌がらせ、名誉毀損、プライバシー侵害、脅迫、住居侵入、個人情報の不正取得などとして不法行為が成立する余地があります。
次の一覧は、ストーカー被害として相談されやすい行為と、民事請求で見られる要素を並べたものです。左の行為名だけで判断せず、右の証拠と生活影響まで対応させて読むことが大切です。
拒絶後も連絡、待ち伏せ、押しかけが続く場合、故意性や悪質性を示す事情になります。
位置情報取得は、行動の自由、プライバシー、生活の安全への強い侵害として評価され得ます。
SNS投稿、性的画像、交際歴、勤務先情報などは複数の法的問題を含み得ます。
2025年12月30日から紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得等を規制対象に加える改正が施行され、2026年3月10日から情報提供のおそれがある者へ情報提供を行わないよう求める制度も導入されています。こうしたデジタル型ストーカーの事情は、慰謝料額や悪質性を考える際にも重要になり得ます。
民法709条、710条、共同不法行為、使用者責任、国家賠償などを事案に応じて検討します。
ストーカー被害の損害賠償請求で中心になるのは、民法709条の不法行為責任です。相手方の行為、故意または過失、権利または法律上保護される利益の侵害、損害、因果関係、違法性を検討します。精神的苦痛については民法710条に基づく慰謝料が問題になります。
法的根拠は一つに限られません。次の比較表は、請求の根拠と典型場面を整理したものです。どの主体にどの責任を問うのかを読み取ると、加害者本人だけでなく第三者や公的機関の責任も検討しやすくなります。
| 根拠 | 典型場面 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 民法709条 | つきまとい、監視、脅迫、プライバシー侵害 | 行為の時系列、拒絶、証拠、損害資料 |
| 民法710条 | 精神的苦痛に対する慰謝料 | 診断書、通院記録、生活影響、相談記録 |
| 共同不法行為 | 友人や複数アカウントが監視・誹謗中傷に関与 | 情報提供、協力、投稿履歴、関係性 |
| 使用者責任・職場責任 | 職場関係者が個人情報を利用、会社が安全配慮を欠く | 職務関連性、相談記録、配置・情報管理の状況 |
| 国家賠償・自治体責任 | 公務員の対応により住所情報等が漏えい | 支援措置、情報管理、漏えい経路、被害発生 |
第三者責任は、単に知っていた、止めなかったというだけでは足りない場合が多く、情報提供、協力、黙認、管理義務違反などの具体的事実を証拠化する必要があります。職場関係では、業務上知り得た個人情報の利用、ハラスメント対応、安全配慮、相談後の情報管理が問題になります。
ストーカー被害で中心になるのは慰謝料ですが、請求対象はそれだけではありません。精神的苦痛、医療費、休業損害、転居費、避難費、防犯費用、物的損害、調査費用、弁護士費用相当額、遅延損害金などを、被害との因果関係と金額資料で整理します。
次の一覧は、損害項目ごとに、どの資料が必要になりやすいかを整理したものです。項目名、典型例、証拠を横に見比べると、請求書や相談資料で何が不足しているかを確認できます。
長期間の反復、拒絶後の継続、警察介入、GPS、SNS投稿、通院・転居などを総合します。
精神的苦痛不眠、動悸、抑うつ、適応障害、PTSD様症状などと被害の関係を資料化します。
診断書領収書欠勤、休職、退職、避難による勤務不能などを給与資料や勤務先資料で示します。
給与明細休職証明引越費用、新居初期費用、旧居違約金、一時避難先の宿泊費などを整理します。
見積書必要性防犯カメラ、補助錠、タクシー利用、修理費、交換費、復旧費を検討します。
領収書調査の必要性、相当性、金額の合理性、認められた損害額との関係が問題になります。
個別判断弁護士費用相当額は、裁判で認められた損害額の一部について問題になることがあります。実務上は認容額の1割程度が目安として扱われることがありますが、機械的なルールではありません。実際に支払った着手金や報酬金の全額が当然に相手へ請求できるわけではない点に注意します。
遅延損害金は、不法行為時から問題になるのが原則ですが、複数回の行為がある場合や、治療費・転居費用の発生時期が異なる場合には、起算点の整理が必要です。
反復性、拒絶後の継続、警告後の継続、生活圏への侵入、デジタル監視、生活被害を見ます。
慰謝料額は一律ではありません。同じストーカー被害でも、行為の回数、期間、悪質性、危険性、被害者の生活への影響、医療機関受診、警察介入、相手方の反省の有無などで評価が変わります。
次の重要要素の一覧は、慰謝料を高める方向に働きやすい事情を整理したものです。各項目について、行為の内容だけでなく、証拠と生活被害を結びつけて読むことが重要です。
1回の連絡と、拒絶後に数十回・数百回連絡する行為では評価が異なります。
連絡しないでほしい、会いたくない、職場に来ないでほしいと伝えた後の行為は重要です。
公的機関から注意を受けた後も続く場合、悪質性を示す事情になり得ます。
自宅、職場、学校、通勤路、家族宅への接近は日常生活を直接脅かします。
GPS、タグ、アプリ、クラウド共有などは避難先の秘匿を難しくします。
性的画像、交際歴、勤務先、家族情報の拡散は人格的利益を強く侵害します。
生活被害としては、外出できない、会社や学校を休んだ、退職・転校・転居した、家族と別居せざるを得なくなった、医療機関を受診した、睡眠薬や抗不安薬を処方された、SNSアカウントを削除した、電話番号を変更した、防犯設備を導入した、といった事情が挙げられます。
裁判例の金額をそのまま当てはめず、事案の構造を比較します。
住所情報漏えいとストーカー被害に関連する裁判例として、横浜地方裁判所横須賀支部平成30年1月15日判決があります。この事案では、支援措置対象者の住所情報について厳格な取扱いが求められることを前提に、住所情報の漏えいがプライバシー侵害として違法とされ、慰謝料100万円と弁護士費用10万円、合計110万円の支払いが命じられました。
次の比較一覧は、この裁判例を読む際の注意点を整理したものです。金額だけを見るのではなく、誰への請求か、どの情報が漏えいしたか、安全との関係がどれほど強いかを読み取る必要があります。
| 観点 | 確認すること | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 請求相手 | 加害者本人か、自治体・勤務先・第三者か | 責任の根拠が異なるため単純比較しません。 |
| 情報の性質 | 住所、避難先、勤務先、支援措置など安全に直結する情報か | 秘匿性と危険性が重要です。 |
| 損害内容 | 慰謝料のみか、財産的損害も含むか | 請求額と認められた項目を分けます。 |
| 手続の種類 | 示談か判決か、刑事事件化しているか | 手続や証拠の程度により見方が変わります。 |
インターネット上では、ストーカー被害の慰謝料額として数十万円から数百万円まで幅のある情報が見つかることがあります。しかし、加害者本人への請求か第三者への請求か、暴行・傷害・脅迫・性的画像拡散を伴うか、通院・休職・転居があるか、警告・禁止命令の有無などにより結論は変わります。
消さない、改ざんしない、時系列で残す、危険な証拠収集をしないことが基本です。
ストーカー被害では、恐怖や混乱の中で証拠を整理することは容易ではありません。しかし、警察対応、弁護士相談、民事請求では証拠が極めて重要です。証拠を得るために相手を尾行したり、会いに行ったり、挑発してメッセージを引き出したりすることは危険です。
次の時系列表は、最初に作るべき資料の形です。行は時間の順序、列は相手の行為、自分の対応、証拠、被害を対応させるためのものです。空欄がある箇所ほど、追加で確認すべき情報が見えます。
| 日時 | 場所・媒体 | 相手の行為 | 自分の対応 | 証拠 | 被害・影響 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026/4/1 22:10 | LINE | 「会わないなら職場に行く」と送信 | 返信せず | スクショ1 | 眠れなかった |
| 2026/4/2 8:30 | 自宅前 | 相手が玄関付近にいた | 110番相談 | 写真2、相談記録 | 出勤できず |
| 2026/4/5 | 心療内科 | 不眠・動悸で受診 | 診断書取得 | 診断書3 | 薬を処方 |
メッセージ、SNS、メールでは、本文だけでなく、日時、相手アカウント、プロフィール、URLを含めます。可能であれば画面記録、トーク履歴のバックアップ、プロフィール画面も保存し、不審なリンクは開かないようにします。
待ち伏せ、押しかけ、うろつきでは、防犯カメラ映像、ドライブレコーダー映像、管理会社や警備会社の記録、近隣住民・同僚・警備員の証言、110番通報記録、警察相談記録が有用です。撮影のために近づくなど、相手を刺激する行動は避けます。
GPS・紛失防止タグ・アプリでは、車、バッグ、自転車、衣類、子どもの持ち物、スマートフォン設定、クラウド共有設定、家族共有アプリ、車載システムなどを確認することがあります。機器を見つけた場合は、発見状況を記録し、警察や専門家に相談します。
相談記録の残し方も重要です。次の一覧は、相談先ごとに残す情報を示します。相談した事実は、安全確保だけでなく、被害の継続性や深刻性を示す資料になります。
日時、相談先、担当者名、相談内容、助言内容、受理番号、次回対応をメモします。
症状、治療期間、就労・通学への影響、処方薬、診断書を保存します。
相談日時、共有範囲、出入口管理、シフト調整、情報管理の対応を記録します。
安全確保、証拠保全、警察対応、弁護士相談、通知、示談、訴訟を順に検討します。
請求までの実務では、安全確保、証拠保全、警察対応、弁護士相談、通知書・内容証明郵便、示談交渉、民事訴訟・保全手続の順で考えます。ただし、危険性が高い場合やネット投稿のログ保存期間が短い場合には、順序が前後することがあります。
次の時系列は、請求までに検討する段階を示すものです。上から順に進めるのが基本ですが、各段階で安全面、住所秘匿、証拠の保存状況を確認しながら調整します。
相手が近くにいる、暴力や脅迫がある、GPSが疑われる場合は110番、避難、勤務先・学校との連携を優先します。
通知後に削除されるおそれがあるため、メッセージ、投稿、診断書、領収書を先に保存します。
警告、禁止命令、被害届、告訴を検討し、公的機関への相談記録を残します。
時系列表、証拠、損害資料、相手の情報、希望する解決を持参します。
接触禁止、投稿禁止、個人情報削除、違約金、住所秘匿、強制執行可能性を確認します。
民事手続では、少額訴訟、支払督促、通常訴訟、仮処分などが候補になります。次の一覧は、手続ごとの注意点を比較するものです。金額だけでなく、安全面と相手の反応を読み取ることが重要です。
| 手続 | 特徴 | ストーカー事案での注意 |
|---|---|---|
| 少額訴訟 | 60万円以下の金銭請求で簡易に進む手続 | 慰謝料、接触禁止、安全確保が絡むと向かない場合があります。 |
| 支払督促 | 書面審査で進む簡易な金銭請求 | 異議で通常訴訟へ移行し、送達や住所情報の扱いが問題になります。 |
| 通常訴訟 | 証拠と主張を整理して損害賠償を求める | 住所・勤務先・避難先の秘匿制度や閲覧制限を検討します。 |
| 仮処分 | 削除、接触禁止、差止めなどで迅速対応を目指す | 権利侵害と保全の必要性を示す証拠整理が重要です。 |
時効については、不法行為に基づく損害賠償請求権は原則として、被害者または法定代理人が損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります。また、不法行為の時から20年を経過した場合にも請求が制限されます。人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求では、3年が5年に延長されることがあります。
早期相談が必要な場面、相談時の質問、一般的な疑問をまとめます。
早期相談が望ましいのは、相手が自宅・職場・学校に来ている、暴力・脅迫・性的画像・GPS・紛失防止タグがある、警察対応に不安がある、住所を知られたくない、転居・休職・退職など大きな損害が出ている、診断書がある、SNS投稿や個人情報拡散がある、相手が弁護士を立てた、会社・学校・自治体の情報漏えいが疑われる場合です。
次の一覧は、弁護士に依頼するメリットと相談時に確認する質問をまとめたものです。左側で依頼によって何が整理できるか、右側で初回相談時に何を聞くべきかを読み取ります。
| 依頼で整理できること | 相談時に確認する質問 |
|---|---|
| 直接連絡を避け、請求の法的根拠を整理する | この事案で請求できる損害項目は何か |
| 証拠不足を補う方針を立てる | 追加で必要な証拠は何か |
| 警察対応と民事請求の順序を設計する | 警察対応を先にすべきか |
| 住所秘匿や裁判書類の安全対策を検討する | 住所を秘匿して手続できるか |
| 示談書に接触禁止・違約金条項を入れる | 示談交渉と訴訟のどちらが適切か |
| 裁判・仮処分・強制執行を視野に入れる | 費用と回収見込みはどうか |
一般的には、民事請求は警察相談の有無だけで決まるものではありません。ただし、警察相談記録は、被害の深刻性、継続性、危険性を示す重要な資料になり得ます。危険を感じている場合には、安全確保の観点からも相談を検討する必要があります。
一般的には、相手を特定できなければ請求や訴訟は難しくなります。ただし、電話番号、SNSアカウント、メールアドレス、勤務先、車両番号、発信者情報などから特定できる場合があります。自力で追跡することは危険なため、警察や弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、元交際相手であっても、拒絶後に連絡、待ち伏せ、押しかけ、監視、脅迫、SNS投稿などを継続すれば、違法な権利侵害となる可能性があります。ただし、交際経緯、拒絶の有無、やり取りの内容、証拠関係で判断は変わります。
事案によります。恐怖から返信した、やめてほしいと伝えるために返信した場合もあります。一方で、長期間にわたり友好的・継続的なやり取りをしていた場合、相手が拒絶されていなかったと主張する可能性があります。返信内容、時期、拒絶の有無を整理する必要があります。
一般的には、診断書がないだけで慰謝料請求が不可能になるわけではありません。ただし、精神的苦痛や生活への影響を客観的に示す資料として、診断書や通院記録は有用です。症状がある場合は医療機関へ相談することが安全面でも大切です。
形式的には可能です。ただし、ストーカー事案では、通知書が相手を刺激し、危険を高める場合があります。相手が執着的・攻撃的な場合、住所を知られたくない場合、警察対応中の場合は、送付前に弁護士等へ相談する必要があります。
一律の相場はありません。軽微・短期間で証拠が少ない事案と、長期間・反復・警察介入・通院・転居・休職を伴う事案では大きく異なります。金額例は参考にとどめ、行為内容、証拠、損害、相手の資力を踏まえて検討する必要があります。
一般的には、謝罪が真摯で、再発防止と安全が確保されるなら示談が選択肢になる場合があります。ただし、口頭謝罪だけでは再発防止にならないことがあります。示談書には接触禁止、第三者経由の接触禁止、SNS投稿禁止、位置情報取得禁止、違約金、個人情報削除、守秘義務などを検討します。
勤務先・学校に相談することが安全確保に必要な場合があります。ただし、情報共有の範囲を誤ると、被害者のプライバシーが広がる危険もあります。誰に、どこまで、何を共有するかを明確にし、記録を残すことが重要です。
通常の民事訴訟では、当事者情報が書類に記載されます。ただし、住所・氏名等の秘匿制度や閲覧制限などを検討できる場合があります。新住所や避難先を知られたくない場合は、訴訟前に弁護士へ伝え、書類作成段階から対策を講じる必要があります。
被害概要、時系列、損害一覧、希望条件を4枚に分けると相談が具体化します。
最初に、A4用紙1枚程度で被害概要をまとめます。加害者の氏名・関係、いつから被害が始まったか、主な行為、最も危険だと感じた出来事、警察相談、医療機関受診、転居・休職・退職、今一番困っていること、希望する解決方法を整理します。
次の一覧は、初回相談前に作る4種類の資料です。資料の順番には意味があり、概要、時系列、金額、希望条件の順に読むことで、専門家が受任判断と安全対策を検討しやすくなります。
加害者、開始時期、主な行為、危険な出来事、相談歴、希望する解決を1枚にまとめます。
完璧でなくても、思い出せる範囲で日付順に行為、対応、証拠、被害を書きます。
治療費、引越費用、鍵交換、欠勤控除などを金額と証拠に結びつけます。
金銭支払い、接触禁止、接近禁止、投稿削除、個人情報削除、謝罪、守秘義務を整理します。
金銭的損害は一覧化します。次の表は、項目、金額、発生日、証拠、備考を横に並べる例です。金額だけでなく、なぜその支出がストーカー被害と関係するのかを読み取れる形にします。
| 項目 | 金額 | 発生日 | 証拠 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 心療内科受診 | 5,000円 | 2026/4/5 | 領収書 | 不眠・動悸 |
| 引越費用 | 120,000円 | 2026/4/15 | 見積書・領収書 | 自宅を知られていた |
| 鍵交換 | 22,000円 | 2026/4/16 | 領収書 | 防犯対策 |
| 欠勤控除 | 30,000円 | 2026/4 | 給与明細 | 3日欠勤 |
最後の重要ポイントは、ここまでの資料作成が金銭請求だけでなく安全確保と再発防止にも関わることを示します。被害概要、時系列、損害一覧、希望条件をそろえる理由を読み取り、相談時に何を優先したいかを明確にします。
ストーカー被害の実務では、金銭請求だけを切り出すと危険を見落とすことがあります。安全確保、警察相談、証拠保全、住所秘匿、支援機関の利用を含め、被害回復と再発防止を一体で考えることが重要です。