2σ Guide

山林の相続税評価額の計算方法と
倍率表の使い方

純山林・中間山林・市街地山林の区分を出発点に、固定資産税評価額、評価倍率表、宅地比準方式、保安林、立木、地積差、申告期限までを順番に確認します。

3区分 純山林・中間山林・市街地山林
10か月 相続税の申告と納税の期限
2024年4月 相続登記義務化の開始
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山林の相続税評価額の計算方法と 倍率表の使い方

固定資産税評価額だけで判断せず、山林の区分、倍率表、宅地転用可能性、特殊な制限を順番に確認します。

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山林の相続税評価額の計算方法と 倍率表の使い方
固定資産税評価額だけで判断せず、山林の区分、倍率表、宅地転用可能性、特殊な制限を順番に確認します。
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  • 山林の相続税評価額の計算方法と 倍率表の使い方
  • 固定資産税評価額だけで判断せず、山林の区分、倍率表、宅地転用可能性、特殊な制限を順番に確認します。

POINT 1

  • 山林の相続税評価額の全体像
  • 1. 相続開始日と現況地目を確認:評価時点と土地の現況を確認します。
  • 2. 評価倍率表の山林欄を確認:純、中、比準、市比準、数値倍率の表示を読みます。
  • 3. 倍率方式:固定資産税評価額に評価倍率を乗じます。
  • 4. 宅地比準方式:宅地価額から宅地造成費を控除して地積を乗じます。
  • 5. 特殊論点を確認:転用困難性、保安林、立木、地積差、境界、権利関係、相続登記、売却可能性を確認します。

POINT 2

  • 山林の相続税評価額を支える基礎知識
  • 相続税評価は時価を出発点に、現況地目、固定資産税評価額、評価倍率、立木の有無を組み合わせて考えます。
  • 相続税評価の出発点は時価です
  • 固定資産税評価額
  • 評価倍率

POINT 3

  • 山林の相続税評価額は3区分で変わる
  • 純山林・中間山林・市街地山林の区分により、倍率方式か宅地比準方式かが分かれます。
  • 純山林は固定資産税評価額に純山林倍率を乗じます
  • 中間山林も倍率方式が出発点です
  • 市街地山林では宅地比準方式が中心になります

POINT 4

  • 山林の評価倍率表の使い方
  • 1. 相続開始日の属する年分を選ぶ:2026年に相続が開始した場合は、原則として2026年分の財産評価基準書を確認します。
  • 2. 都道府県と市区町村を選ぶ:所轄税務署や市区町村の表示を確認し、評価倍率表の一般の土地等用を開きます。
  • 3. 町丁目または大字を探す:山林では住居表示と地番区域が一致しないことがあります。
  • 4. 適用地域名と山林欄を読む:全域、一部、路線価地域などの表示と、純、中、比準、市比準、数値倍率を確認します。

POINT 5

  • 山林の相続税評価額の計算例
  • 純山林、中間山林、市街地山林、台帳地積と実際地積が異なる場合を数値で確認します。
  • 市街地山林では評価額が跳ね上がることがあります
  • 台帳地積と実際地積が異なる場合
  • 計算例では、評価方式ごとにどの数値を使うかを分けて確認することが大切です。

POINT 6

  • 市街地山林の相続税評価額と宅地比準方式
  • 宅地単価
  • 路線価、近傍宅地の評価、形状補正、がけ地補正などから、宅地であるとした場合の価額を確認します。
  • 宅地造成費
  • 整地、伐採、抜根、土盛り、土止め、地盤改良など、通常必要と認められる費用相当額を確認します。

POINT 7

  • 山林の相続税評価額で注意する特殊論点
  • 保安林、立木、評価単位、地積、境界不明は、山林評価の前提を大きく変えることがあります。
  • 保安林・利用制限のある山林
  • 立木の評価
  • 評価単位と地積

POINT 8

  • 山林相続の申告期限・登記・売却・国庫帰属
  • 1. 固定資産税資料・登記資料・森林資料を収集:固定資産評価証明書、名寄帳、登記事項証明書、公図、地積測量図、森林簿、保安林台帳、現況写真を集めます。
  • 2. 相続税申告と納税:遺産分割がまとまらない場合でも、申告期限は原則として延びません。
  • 3. 相続登記の申請義務化:山林も不動産であるため、相続登記の対象です。
  • 4. 相続土地国庫帰属制度:利用予定がなく売却困難な土地について、一定要件のもとで国庫帰属を検討できる制度です。

まとめ

  • 山林の相続税評価額の計算方法と 倍率表の使い方
  • 山林の相続税評価額の全体像:固定資産税評価額だけで判断せず、山林の区分、倍率表、宅地転用可能性、特殊な制限を順番に確認します。
  • 山林の相続税評価額を支える基礎知識:相続税評価は時価を出発点に、現況地目、固定資産税評価額、評価倍率、立木の有無を組み合わせて考えます。
  • 山林の相続税評価額は3区分で変わる:純山林・中間山林・市街地山林の区分により、倍率方式か宅地比準方式かが分かれます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

山林の相続税評価額の全体像

固定資産税評価額だけで判断せず、山林の区分、倍率表、宅地転用可能性、特殊な制限を順番に確認します。

山林を相続したときの相続税評価は、「山だから安い」「固定資産税が低いから相続税も低い」と単純に判断できるものではありません。相続税評価では、相続開始時点の現況で地目を確認し、山林に該当する場合は、純山林・中間山林・市街地山林のどれに当たるかによって評価方法が変わります。

純山林と中間山林は、原則として固定資産税評価額に評価倍率を乗じる倍率方式で評価します。一方、市街地山林は、評価倍率表に倍率が定められている場合を除き、宅地であるとした場合の価額から宅地造成費を控除する宅地比準方式が中心になります。

次の判断の流れは、山林の相続税評価額を確認するときの全体像を表しています。最初の現況確認から、倍率方式、宅地比準方式、特殊論点までの順番が分かるため、どの資料を先に集め、どの段階で専門家確認が必要になりやすいかを読み取ることが重要です。

山林評価の判断の流れ

相続開始日と現況地目を確認

評価時点と土地の現況を確認します。登記地目だけで機械的に判断しません。

評価倍率表の山林欄を確認

純、中、比準、市比準、数値倍率の表示を読みます。

純・中
倍率方式

固定資産税評価額に評価倍率を乗じます。

比準・市比準
宅地比準方式

宅地価額から宅地造成費を控除して地積を乗じます。

特殊論点を確認

転用困難性、保安林、立木、地積差、境界、権利関係、相続登記、売却可能性を確認します。

重要市街地山林は、固定資産税評価額が低く見えても、宅地としての潜在価値を反映して評価額が大きくなることがあります。反対に、急傾斜や接道不良などで宅地化が現実的でない場合には、近隣の純山林の価額に比準する余地を検討します。

山林評価では、税務評価だけでなく、相続登記、境界、地積、売却可能性、遺産分割上の価格、国庫帰属制度までつながります。税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、弁護士、不動産実務者などの確認が必要になる場面も少なくありません。

Section 01

山林の相続税評価額を支える基礎知識

相続税評価は時価を出発点に、現況地目、固定資産税評価額、評価倍率、立木の有無を組み合わせて考えます。

相続税評価の出発点は時価です

相続、遺贈または贈与で取得した財産の価額は、原則として取得時の時価によります。土地については、国税庁の財産評価基本通達、路線価図、評価倍率表などを使って、宅地、田、畑、山林といった地目ごとに評価するのが通常です。

相続税評価上の地目は、登記簿上の地目をそのまま採用するのではなく、相続開始時点の現況を基準に確認します。登記地目が山林でも、造成済みの住宅敷地として使われている場合は宅地評価を検討する可能性があります。反対に、登記地目が別でも、竹木が生育する土地として山林の実態があれば山林評価を確認します。

次の比較一覧は、山林の相続税評価額を考えるうえで混同しやすい基本用語を整理したものです。どの資料を見ればよいか、計算式のどこで使うかを先に押さえると、倍率表や課税明細書の読み違いを防ぎやすくなります。

TERM 01

山林

耕作によらず竹木が生育する土地をいいます。登記地目、固定資産税の課税地目、航空写真、現況写真、森林簿などを照合して判断します。

TERM 02

固定資産税評価額

市区町村などが固定資産税を課税するために付ける評価額です。倍率方式では、この評価額に評価倍率を乗じます。税額ではなく評価額を使います。

TERM 03

評価倍率

路線価が定められていない地域の土地などを評価するため、固定資産税評価額に乗じる倍率です。国税庁の評価倍率表で確認します。

TERM 04

倍率方式

基本式は「相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率」です。純山林と中間山林で多く使われる出発点です。

TERM 05

宅地比準方式

市街地山林を宅地であると仮定した価額から、宅地造成費を控除して評価する方式です。比準や市比準の表示がある場合に重要です。

TERM 06

立木

山林の上にあるスギ、ヒノキなどの立木に経済的価値がある場合、土地としての山林とは別に評価を検討することがあります。

土地評価と立木評価は分けて考えます

山林を相続した場合、土地としての山林評価だけで足りるとは限りません。国税庁は山林・森林の立木の評価明細書を用意しており、林業用の人工林や売却価値のある立木がある場合には、土地評価とは別に立木評価の要否を確認します。

確認固定資産税課税明細書には、課税標準額、固定資産税額、都市計画税額などが並ぶことがあります。倍率方式で使うのは原則として固定資産税評価額です。分かりにくい場合は、固定資産評価証明書や名寄帳で確認します。
Section 02

山林の相続税評価額は3区分で変わる

純山林・中間山林・市街地山林の区分により、倍率方式か宅地比準方式かが分かれます。

山林評価で最初に見るべき分岐は、山林が純山林、中間山林、市街地山林のどれに当たるかです。この分類は評価方法そのものを左右するため、評価倍率表の山林欄にある表示と、周辺の市街地性、宅地化可能性を合わせて読む必要があります。

次の比較表は、3区分ごとの位置づけ、主な評価方法、評価倍率表での目安を並べたものです。表の「主な評価方法」を見ると、純山林・中間山林では固定資産税評価額が出発点となり、市街地山林では宅地価額と造成費の確認が重要になることが読み取れます。

区分概要主な評価方法評価倍率表の目安
純山林市街地から遠く、宅地価額の影響をほとんど受けない山林です。倍率方式「純」+倍率
中間山林純山林と市街地山林の中間に位置し、価額水準などが純山林と異なる山林です。倍率方式「中」+倍率
市街地山林市街地内または市街地近郊にあり、宅地価額の影響を受ける山林です。宅地比準方式または倍率方式「比準」「市比準」または倍率

純山林は固定資産税評価額に純山林倍率を乗じます

純山林は、林業地帯や山村奥地に所在し、宅地としての利用価値より林地としての利用価値が中心となる山林です。計算式は「純山林の評価額 = 固定資産税評価額 × 純山林の評価倍率」です。たとえば固定資産税評価額150,000円、山林欄が「純 8.0」であれば、150,000円 × 8.0 = 1,200,000円です。

中間山林も倍率方式が出発点です

中間山林は、市街地近郊、別荘地帯、開発可能性のある地域などで、純山林より高い価額水準が想定される場合があります。計算式は「中間山林の評価額 = 固定資産税評価額 × 中間山林の評価倍率」です。固定資産税評価額300,000円、山林欄が「中 12」であれば、300,000円 × 12 = 3,600,000円です。

市街地山林では宅地比準方式が中心になります

市街地山林は、市街地にある山林、宅地の中に介在する山林、市街化区域内の山林など、宅地価額の影響を受ける山林です。原則的な式は「市街地山林の評価額 = (宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額 - 宅地造成費の1平方メートル当たりの額) × 地積」です。

注意市街地山林でも、評価倍率表に市街地山林について倍率が定められている地域では、その倍率で評価する場合があります。「比準」「市比準」と数値倍率のどちらが表示されているかを正確に確認します。

市街地山林であっても、急傾斜、崖地、接道不良、造成困難、法令上の制限、経済合理性の欠如などにより、宅地への転用が見込めない場合があります。その場合は、近隣の純山林の価額に比準して評価する余地を検討します。単に相続人が使う予定がないという主観ではなく、客観資料で宅地化困難性を示すことが重要です。

Section 03

山林の評価倍率表の使い方

年分、所在地、適用地域名、山林欄の表示を順に確認し、「純」「中」「比準」「市比準」を読み分けます。

評価倍率表は年分と所在地から確認します

評価倍率表は、国税庁が公表する財産評価基準書の一部で、路線価が定められていない地域の土地などを評価するために使います。相続税評価では、原則として相続開始日の属する年分の路線価図・評価倍率表を使います。相続開始年ではなく申告書を提出する年の表を使うと、評価額を誤る可能性があります。

次の時系列は、評価倍率表を確認する順番を表しています。左から右ではなく上から下へ資料を絞り込む流れとして読み、年分、都道府県、市区町村、町丁目・大字、山林欄の順番を崩さないことが重要です。

STEP 01

相続開始日の属する年分を選ぶ

2026年に相続が開始した場合は、原則として2026年分の財産評価基準書を確認します。

STEP 02

都道府県と市区町村を選ぶ

所轄税務署や市区町村の表示を確認し、評価倍率表の一般の土地等用を開きます。

STEP 03

町丁目または大字を探す

山林では住居表示と地番区域が一致しないことがあります。登記事項証明書、課税明細書、名寄帳、公図を照合します。

STEP 04

適用地域名と山林欄を読む

全域、一部、路線価地域などの表示と、純、中、比準、市比準、数値倍率を確認します。

次の表は、評価倍率表の適用地域名欄に出る表示の意味を整理しています。同じ町丁目や大字でも評価地域が分かれることがあるため、表示だけで終わらせず、対象地がどの区域に入るかを確認する必要があります。

表示意味の概要実務上の注意
全域その町丁目または大字の全域に同じ扱いが適用されます。山林欄の表示を確認します。
一部同じ町丁目または大字内に異なる評価地域があります。路線価図や地番図で対象地の区域を確認します。
路線価地域路線価が設定されている地域が含まれます。宅地評価、宅地比準評価との関係を確認します。

次の表は、山林欄に出る代表的な表示と評価方法の方向性を整理したものです。数字が付く場合は倍率として固定資産税評価額に乗じますが、「比準」「市比準」は倍率ではないため、読み間違えないことが重要です。

表示例読み方評価方法の方向性
純 5.0純山林、評価倍率5.0倍固定資産税評価額 × 5.0
中 8.0中間山林、評価倍率8.0倍固定資産税評価額 × 8.0
比準市街地山林として宅地比準宅地価額から造成費を控除して評価
市比準市街地山林として宅地比準宅地価額から造成費を控除して評価

「純 12」や「中 18」の数字は、12パーセントや18パーセントではなく、12倍や18倍という倍率です。固定資産税評価額が50,000円で「純 12」と表示されていれば、50,000円 × 12 = 600,000円です。

「比準」または「市比準」は、固定資産税評価額に何かを乗じる記号ではありません。この場合は、宅地であるとした場合の価額を路線価方式または倍率方式に準じて求め、宅地造成費を控除する検討が必要です。

倍率方式で使う固定資産税評価額は、固定資産税課税明細書、固定資産評価証明書、名寄帳、市区町村の固定資産税担当課で取得する資料で確認します。共有持分がある場合も、まず土地全体の評価額を求め、その後に持分割合を考慮します。

Section 04

山林の相続税評価額の計算例

純山林、中間山林、市街地山林、台帳地積と実際地積が異なる場合を数値で確認します。

計算例では、評価方式ごとにどの数値を使うかを分けて確認することが大切です。純山林・中間山林では固定資産税評価額が基礎になり、市街地山林では宅地価額、宅地造成費、地積が基礎になるため、表の項目の違いを読み取る必要があります。

ケース前提計算評価額
純山林山林欄「純 10」、固定資産税評価額180,000円、地積5,000平方メートル180,000円 × 101,800,000円
中間山林山林欄「中 6.5」、固定資産税評価額400,000円400,000円 × 6.52,600,000円
市街地山林山林欄「比準」、宅地単価100,000円、宅地造成費30,000円、地積700平方メートル(100,000円 - 30,000円) × 700平方メートル49,000,000円
市街地山林の別例宅地単価80,000円、宅地造成費25,000円、地積1,000平方メートル(80,000円 - 25,000円) × 1,000平方メートル55,000,000円

次の強調欄は、同じ山林でも評価額が大きく変わる理由を示しています。倍率方式では固定資産税評価額を起点にする一方、市街地山林では宅地としての潜在価値を起点にするため、固定資産税評価額だけを見て安心しないことが重要です。

市街地山林では評価額が跳ね上がることがあります

純山林や中間山林の評価額に比べて、市街地山林の評価額が高くなることがあるのは、宅地として利用できる可能性を評価に反映するためです。造成費の控除を忘れると過大評価になり、転用困難性を確認しないと実態に合わない評価になることがあります。

台帳地積と実際地積が異なる場合

山林では、固定資産課税台帳の地積と実際の地積が大きく異なることがあります。この場合、固定資産税評価額を実際地積に対応する金額に仮に調整し、その金額に倍率を乗じる検討が必要です。

次の表は、台帳地積と実際地積が異なるときの計算順序を示しています。先に実際地積に対応する固定資産税評価額を求め、その後に倍率を乗じるという二段階で読むと、地積差が評価額にどう反映されるか分かります。

項目数値意味
固定資産税評価額200,000円課税台帳上の地積を前提にした評価額
固定資産課税台帳の地積2,000平方メートル台帳に登録されている面積
実際地積3,000平方メートル評価で問題になる実際の面積
評価倍率8評価倍率表の倍率
仮の固定資産税評価額200,000円 × 3,000平方メートル ÷ 2,000平方メートル = 300,000円実際地積に対応させた金額
相続税評価額300,000円 × 8 = 2,400,000円倍率を乗じた評価額

山林では縄延び、縄縮みが問題になりやすく、すべての山林で実測が必要とは限りません。ただし、固定資産税資料、森林簿、航空写真、地籍調査成果、測量図などとの整合性を確認する必要があります。

Section 05

市街地山林の相続税評価額と宅地比準方式

宅地価額、造成費、傾斜、接道、法令制限を確認し、評価額と売買価格を混同しないようにします。

宅地であるとした場合の価額を求めます

市街地山林を宅地比準方式で評価する場合、まず、その山林が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額を求めます。路線価地域であれば周辺宅地の路線価を基礎に、奥行価格補正、不整形地補正、がけ地補正などを検討します。倍率地域であれば、近傍宅地の固定資産税評価額や宅地倍率を参照することがあります。

次の比較一覧は、市街地山林の宅地比準方式で確認する主要な要素を整理したものです。どの要素が宅地単価に関わり、どの要素が造成費や転用可能性に関わるかを読み分けることで、過大評価と過少評価の両方を避けやすくなります。

宅地単価

路線価、近傍宅地の評価、形状補正、がけ地補正などから、宅地であるとした場合の価額を確認します。

宅地造成費

整地、伐採、抜根、土盛り、土止め、地盤改良など、通常必要と認められる費用相当額を確認します。

傾斜と高低差

平坦地か傾斜地か、道路面との高低差、擁壁の必要性、土砂災害警戒区域などを確認します。

接道と開発可能性

接道不良、造成困難、法令上の制限、経済合理性の欠如がある場合は、宅地転用困難性を検討します。

造成費の控除は過大でも過小でも問題になります

宅地造成費は、相続人が実際に造成する予定があるかどうかではなく、評価上、通常必要と認められる費用相当額です。過大に控除すると過少申告のリスクがあり、控除を忘れると過大評価となり相続税を払い過ぎる可能性があります。

実務樹木が密生している、傾斜がある、道路面との高低差がある、市街化区域内にある、面積が大きい、形状が不整形であるといった市街地山林では、造成費と宅地転用可能性の確認が評価額に大きく影響します。

宅地への転用が見込めないことを検討する場合は、現況写真、傾斜や高低差を示す図面、造成費の試算、接道状況、都市計画・開発許可に関する自治体回答、土砂災害警戒区域等の指定状況、森林法・自然公園法・文化財保護法などの制限、不動産鑑定士または土地評価に精通した専門家の意見、近隣純山林の評価倍率表と固定資産税評価額を整理します。主観的に使う予定がないという事情だけではなく、客観資料で通常の宅地開発が見込めないことを確認する点が重要です。

相続税評価額と売買価格は同じとは限りません

相続税評価額は相続税計算のための評価額であり、売買価格や遺産分割上の時価と一致するとは限りません。市街地山林を相続人間で分ける場合には、不動産鑑定、宅建業者の査定、売却可能性、造成費、境界確定費、管理費、処分可能性を総合的に検討します。

遺産分割で争いがある場合、相続税評価額を唯一の価格基準に固定すると不公平感が生じることがあります。評価倍率による税務評価額は低くても、太陽光発電、キャンプ場、資材置場、開発用地として需要があることもあり、逆に税務評価額が高くても崖地や接道不良で売れにくいこともあります。

Section 06

山林の相続税評価額で注意する特殊論点

保安林、立木、評価単位、地積、境界不明は、山林評価の前提を大きく変えることがあります。

保安林・利用制限のある山林

保安林は、水源涵養、土砂流出防備、土砂崩壊防備、飛砂防備、風害防備など公益目的のために、森林法等に基づき指定される森林です。伐採や開発に制限があるため、通常の山林と同じように自由に利用・処分できないことがあります。

次の表は、保安林評価で見るべき資料と計算例を整理しています。通常の山林としての価額から制限に応じた控除を考えるため、保安林台帳や森林簿で制限内容を確認することが重要です。

確認項目内容評価上の意味
保安林指定の種類水源涵養、土砂流出防備、土砂崩壊防備など利用制限や伐採制限の内容に影響します。
固定資産税評価額非課税で課税明細書に現れない場合があります。近隣山林の評価額や倍率で比準する検討が必要です。
計算例通常評価額1,000,000円、控除割合0.51,000,000円 - 1,000,000円 × 0.5 = 500,000円

立木の評価

土地としての山林に加え、森林の立木が財産価値を持つ場合には、立木評価を検討します。樹種および樹齢を同じくする1団地の立木ごとに評価する考え方があり、主要樹種、標準価額、地味級、立木度、地利級などを確認します。

次の一覧は、立木評価で必要になりやすい資料を示しています。立木の有無だけでなく、樹種、林齢、搬出可能性、保安林指定の有無を見て、土地評価とは別に評価漏れがないかを確認することが重要です。

森林簿・森林計画図

樹種、林齢、林相、森林計画の情報を確認します。

基本資料

林道や搬出路の状況

伐採・搬出のしやすさは立木価値の確認に関わります。

搬出可能性

現況写真・森林組合資料

現地の林相や売買実例、精通者意見を整理します。

確認資料

評価単位と地積

山林は、原則として1筆の山林を評価単位とします。ただし、市街地山林で宅地比準方式により評価する場合には、利用の単位となっている一団の山林を評価単位とすることがあります。山奥の純山林では1筆ごと、市街地山林では一団の利用単位が問題になりやすい点が違いです。

次の比較表は、地積確認で見落としやすい資料と確認場面を並べています。山林では登記地積、固定資産課税地積、森林簿面積、実際地積が一致しないことがあるため、どの面積を評価に使うかを慎重に確認する必要があります。

資料・状況確認する内容注意点
登記事項証明書登記地目、地番、登記地積、権利関係現況地目や実際地積と一致しないことがあります。
固定資産税資料課税地積、評価額、名寄帳の記載倍率方式の出発点になります。
森林簿・航空写真森林面積、現況、林相登記や課税資料との整合性を見ます。
地籍調査成果・測量図境界、水平面積、実測面積水平面積を基礎に考える点に注意します。

実測はすべての山林で必要とは限りません。ただし、固定資産税課税地積と現況が大きく異なる、売却予定がある、遺産分割で面積が争われている、境界不明で隣地との紛争可能性がある、市街地山林で高額評価になり得る、国庫帰属制度や分筆を検討している場合には、土地家屋調査士などによる確認を検討します。

Section 07

山林相続の申告期限・登記・売却・国庫帰属

評価額を出した後も、相続税申告、相続登記、遺産分割、売却、国庫帰属制度の確認が続きます。

相続税申告との関係

相続税の申告と納税は、原則として被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行います。山林評価は固定資産税資料、登記資料、評価倍率表、森林関係資料、現況写真などの収集に時間がかかるため、早い段階で資料を集めることが重要です。

次の時系列は、山林を含む相続で意識したい主な期限と制度開始時期を整理したものです。10か月の相続税申告期限と、相続登記義務化、国庫帰属制度の開始時期を分けて読むことで、税務・登記・処分の検討を同時に進める必要性が分かります。

相続開始後すぐ

固定資産税資料・登記資料・森林資料を収集

固定資産評価証明書、名寄帳、登記事項証明書、公図、地積測量図、森林簿、保安林台帳、現況写真を集めます。

10か月以内

相続税申告と納税

遺産分割がまとまらない場合でも、申告期限は原則として延びません。一定の前提で申告し、後に修正申告や更正の請求を検討することがあります。

2024年4月1日から

相続登記の申請義務化

山林も不動産であるため、相続登記の対象です。長年放置すると相続人が増え、売却や遺産分割が難しくなります。

2023年4月27日から

相続土地国庫帰属制度

利用予定がなく売却困難な土地について、一定要件のもとで国庫帰属を検討できる制度です。ただし境界や管理状態などの要件確認が必要です。

基礎控除と未分割申告

相続税は、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合に問題になります。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算します。山林の評価額が低いと思っていても、市街地山林、別荘地近郊の中間山林、開発可能性のある山林、立木価値のある山林があると、遺産総額が基礎控除額を超えることがあります。

遺産分割協議がまとまらない場合でも、相続税申告期限は原則として延びません。山林の評価額をめぐって相続人間で争いがあるときは、申告期限、納税額、特例適用、評価資料、調停・審判の方針を分けて整理する必要があります。

売却・国庫帰属制度との関係

山林を売却する場合、境界不明、接道なし、登記地目と現況の違い、共有者多数、相続登記未了、森林法の届出、保安林指定、土砂災害警戒区域、立木の所有権、通行権などが問題になりやすいです。相続税評価資料と売却資料は、目的が異なるため分けて整理します。

次の比較表は、相続登記、売却、国庫帰属で問題になりやすい確認項目を整理しています。税務評価だけで終わらず、将来の処分可能性や管理負担を読むことが、山林相続の現実的な判断につながります。

場面主な確認項目関与しやすい専門家
相続登記戸籍収集、相続関係説明図、遺産分割協議書、登記申請、固定資産評価証明書司法書士
遺産分割相続税評価額、実勢価格、売却可能性、管理負担、境界確定費、処分費弁護士、不動産鑑定士、税理士
売却境界、接道、共有者、相続登記、森林法届出、保安林、土砂災害区域、立木宅建業者、司法書士、土地家屋調査士
国庫帰属建物、担保権、使用収益権、土壌汚染、境界、所有権や範囲の争い、負担金司法書士、土地家屋調査士、弁護士
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山林の相続税評価額でよくある誤りと準備資料

評価額を誤りやすいポイント、必要資料、専門家の役割、判断表をまとめて確認します。

実務上よくある誤り

山林評価の誤りは、資料の取り違え、倍率表の読み違え、現況確認の不足から起こりやすいです。次の注意点一覧は、評価額に直接影響する誤りを並べています。どの誤りが過大評価につながり、どの誤りが過少申告につながるかを意識して確認することが重要です。

固定資産税額を使う

倍率方式で使うのは税額ではなく固定資産税評価額です。

登記地目だけで判断する

相続税評価では相続開始時点の現況地目を重視します。

年分を間違える

相続開始日の属する年分の評価倍率表を確認します。

比準を倍率だと思う

比準や市比準は宅地比準方式を示す表示で、数値倍率ではありません。

造成費控除を忘れる

市街地山林で造成費を控除しないと過大評価になる可能性があります。

宅地転用困難性を見ない

急傾斜や接道不良などがあれば近隣純山林比準の検討余地があります。

保安林を見落とす

非課税で課税明細書に現れにくいことがあり、保安林台帳などの確認が必要です。

立木を見落とす

人工林や売却価値のある立木があれば、土地とは別に評価を検討します。

地積を無確認で使う

登記地積、課税地積、森林簿面積、実際地積が一致しないことがあります。

遺産分割価格と固定する

相続税評価額は税務上の評価額であり、遺産分割上の価格と異なることがあります。

必要資料チェックリスト

次の表は、山林の相続税評価で集める資料を、目的別に整理したものです。列ごとに「何を集めるか」と「何を確認するか」を分けて読むと、税務評価、地積、権利関係、売却可能性を漏れなく確認しやすくなります。

分類資料目的
相続関係戸籍、法定相続情報一覧図、遺言書、遺産分割協議書案相続人・取得者の確認
登記登記事項証明書、公図、地積測量図所在、地番、地目、地積、権利関係の確認
固定資産税固定資産税課税明細書、固定資産評価証明書、名寄帳固定資産税評価額の確認
税務評価路線価図、評価倍率表、宅地造成費の金額表評価方法と倍率の確認
現況現地写真、航空写真、地形図、道路状況現況地目、接道、傾斜、利用状況の確認
森林関係森林簿、森林計画図、保安林台帳立木、保安林、森林計画の確認
都市計画都市計画図、用途地域、市街化区域・市街化調整区域、開発許可資料市街地山林かどうか、宅地転用可能性の確認
防災・環境土砂災害警戒区域、砂防指定地、自然公園区域、文化財関係資料利用制限と宅地転用困難性の確認
取引・分割不動産査定書、鑑定評価書、境界確認資料遺産分割、売却、国庫帰属の検討

専門家に相談が重要になる場面

次の比較表は、山林評価に関わる専門家の主な役割を整理しています。山林欄に比準や市比準がある、固定資産税評価額がない、保安林や自然公園などの制限がある、境界や地積に疑問がある場合は、税務・登記・測量・価格評価を分けて相談先を考えることが重要です。

専門家主な役割
税理士相続税申告、土地評価、評価明細書作成、税務調査対応
弁護士遺産分割紛争、遺留分、使い込み疑い、調停・審判・訴訟
司法書士相続登記、戸籍収集、法定相続情報、登記申請書類
不動産鑑定士遺産分割上の時価、特殊不動産の価格評価
土地家屋調査士境界確認、地積測量、分筆、表示登記
行政書士紛争・税務・登記代理を除く書類整理、遺産分割協議書作成支援
宅地建物取引士・不動産業者売却査定、買主探索、重要事項説明、売買契約実務
FP納税資金、維持管理費、保険、家計全体の整理

特に、山林欄に「比準」「市比準」とある、市街化区域内または市街地近郊の山林である、固定資産税評価額が付されていない、保安林・自然公園・砂防・土砂災害等の制限がある、立木に経済的価値がある、登記地積と実際地積が大きく違う、境界が不明である、山林の筆数が多い、共有状態である、相続人間で評価額をめぐる争いがある、売却予定がある、国庫帰属制度を検討している、相続税申告期限が迫っている場合は、早めに資料を整理して相談先を分けて確認します。

実務で使える判断表

次の判断表は、山林の状況ごとに最初に見る資料、評価上の方向性、相談先を整理したものです。自分の土地がどの行に近いかを確認すると、倍率方式だけで足りるのか、宅地比準方式や境界・国庫帰属の確認まで必要かを読み取りやすくなります。

状況最初に見る資料評価上の方向性相談先
山奥の山林評価倍率表の山林欄純山林の倍率方式税理士
別荘地近郊の山林評価倍率表、都市計画図中間山林の倍率方式または個別検討税理士、不動産鑑定士
市街化区域内の山林評価倍率表、路線価図、宅地造成費表市街地山林の宅地比準方式税理士、不動産鑑定士
急傾斜で宅地化困難現況写真、地形図、造成費資料近隣純山林比準の検討税理士、不動産鑑定士
保安林保安林台帳、森林簿利用制限に応じた控除税理士、自治体、森林組合
境界不明公図、地積測量図、現地評価前提と売却可能性に影響土地家屋調査士
相続人間で争い評価資料、査定書、鑑定書遺産分割上の時価も検討弁護士、不動産鑑定士
売却予定登記、境界、査定、法規制税務評価と売却価格を分けて整理宅建業者、司法書士、税理士
国庫帰属を検討境界、管理状態、法務局相談要件審査と負担金を検討司法書士、土地家屋調査士、弁護士
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山林の相続税評価額に関するFAQ

評価方法、倍率表、固定資産税評価額、地積、立木、登記、相続放棄について一般的な考え方を整理します。

Q1. 山林の相続税評価は必ず安くなりますか。

一般的には、必ず安くなるとは限らないとされています。純山林や中間山林では評価額が比較的低くなることがありますが、市街地山林では宅地比準方式により高額になる可能性があります。具体的な評価は、所在地、地目、倍率表、宅地化可能性、地積、立木、法令制限を確認したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 評価倍率表の「純 20」はどう読みますか。

一般的には、「純」は純山林、「20」は固定資産税評価額に乗じる倍率を意味するとされています。固定資産税評価額が100,000円であれば、100,000円 × 20 = 2,000,000円です。ただし、年分、所在地、対象地の区域、地積差によって確認事項が変わる可能性があります。

Q3. 評価倍率表の「比準」は何倍ですか。

一般的には、「比準」は倍率ではなく、市街地山林として宅地比準方式を検討する表示とされています。固定資産税評価額に「比準」を乗じることはできません。宅地であるとした場合の価額、宅地造成費、地積、転用困難性を確認する必要があります。

Q4. 固定資産税評価額はどこで確認できますか。

一般的には、固定資産税課税明細書、固定資産評価証明書、名寄帳などで確認できます。市区町村の固定資産税担当課で取得することが多いです。税額や課税標準額と混同しやすいため、相続税評価で使う欄は資料を確認して判断する必要があります。

Q5. 固定資産税が非課税の保安林はどう評価しますか。

一般的には、近隣の山林の固定資産税評価額や評価倍率を参照し、通常の山林としての価額を比準して求めたうえで、利用制限や伐採制限に応じた控除を検討するとされています。ただし、保安林指定の種類や制限内容で結論が変わる可能性があります。

Q6. 山林の地積は斜面の面積ですか。

一般的には、土地評価では水平面積を基礎に考えるとされています。山林は傾斜地が多いため、斜面を歩いた距離や表面積をそのまま地積と考えると誤る可能性があります。登記地積、課税地積、森林簿、測量成果を確認する必要があります。

Q7. 登記地積と実際地積が違う場合はどうしますか。

一般的には、実際地積に対応する固定資産税評価額を仮に求め、その金額に倍率を乗じる検討が必要になることがあります。差が大きい場合には、土地家屋調査士や税理士等の専門家へ相談し、資料を整理する必要があります。

Q8. 市街地山林で宅地造成費を引くと評価額は下がりますか。

一般的には、宅地造成費を控除することで評価額が下がる可能性があります。市街地山林は宅地価額を基礎にするため、造成費控除は重要です。ただし、控除額は国税局長が定める金額表などに基づいて適切に算定する必要があります。

Q9. 山林の上の木も相続税の対象ですか。

一般的には、経済的価値のある立木は、土地とは別に評価が必要になることがあります。森林簿、樹種、林齢、搬出可能性、売買実例、精通者意見などを確認します。すべての雑木に高い財産価値があるとは限らないため、個別資料で判断する必要があります。

Q10. 相続税評価額と売却価格は同じですか。

一般的には、同じとは限りません。相続税評価額は税務上の評価額であり、売却価格は市場での需要、接道、境界、造成費、買主の有無などに左右されます。遺産分割や売却では、税務評価とは別に時価や処分可能性を検討する必要があります。

Q11. 山林も相続登記が必要ですか。

一般的には、不動産を相続した場合、山林も相続登記の対象とされています。2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。登記の期限や必要書類は個別事情で異なるため、司法書士等の専門家へ相談する必要があります。

Q12. 山林を相続したくない場合、相続放棄すればよいですか。

一般的には、相続放棄をすると山林だけでなく他の相続財産も原則として放棄することになります。不要な山林だけを手放したい場合には、売却、共有者間の調整、相続土地国庫帰属制度などを比較検討します。具体的な対応は、相続財産全体と期限を整理したうえで弁護士、司法書士、税理士等へ相談する必要があります。

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山林の相続税評価額を適正に確認するまとめ

評価倍率表の数字だけでなく、現況、区分、造成費、特殊制限、登記・売却可能性まで一体で確認します。

山林の相続税評価額の計算方法と倍率表の使い方で最も重要なのは、評価倍率表の数字だけを拾うのではなく、評価の前提を順番に確認することです。第一に、相続開始時点の現況地目が山林であるかを確認します。第二に、山林が純山林、中間山林、市街地山林のどれに当たるかを評価倍率表で確認します。

第三に、純山林・中間山林なら固定資産税評価額に評価倍率を乗じます。第四に、市街地山林なら「比準」や「市比準」を見落とさず、宅地比準方式と宅地造成費を検討します。第五に、宅地への転用が見込めない市街地山林、保安林、地積差、立木、境界不明、相続登記、遺産分割上の時価という特殊論点を確認します。

山林は、見た目には利用価値が低いように見えても、税務上は市街地性や宅地転用可能性により高く評価されることがあります。反対に、市街地山林として高く評価されそうに見えても、客観的に宅地化が困難であれば評価を再検討する余地があります。

結論山林が相続財産に含まれる場合には、固定資産税課税明細書と評価倍率表だけで結論を出さず、現況、地積、法規制、権利関係、立木、登記、売却可能性を総合的に整理することが重要です。
Reference

参考資料

山林の相続税評価、倍率方式、地積、立木、相続税申告、相続登記、国庫帰属制度の確認に使う公的資料です。

税務評価に関する資料

  • 国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
  • 国税庁「No.4606 倍率方式による土地の評価」
  • 国税庁「財産評価基本通達 第1章 総則」
  • 国税庁「財産評価基本通達 第2章 第1節 通則」
  • 国税庁「財産評価基本通達 第2章 第4節 山林及び山林の上に存する権利」
  • 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
  • 国税庁「評価倍率表 一般の土地等用 の説明」
  • 国税庁「評価明細書・調整率表」
  • 国税庁「山林の地積」
  • 国税庁「倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い」
  • 国税庁「B2-12 山林・森林の立木の評価明細書」
  • 国税庁「財産評価基本通達 第5章 第2節 立竹木」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「No.4152 相続税の計算」

登記・土地制度に関する資料

  • 法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ」
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度について」