相続開始年と固定資産税年度を対応させ、倍率地域の土地、家屋、路線価地域の土地で評価額の使い方を整理します。
相続 開始年と固定資産税年度を対応させ、倍率地域の土地、家屋、路線価地域の土地で評価額の使い方を整理します。
相続開始年、固定資産税年度、評価方式の違いを最初に整理します。
相続税申告で不動産を評価するとき、固定資産評価証明書の年度をどの年に合わせるかは、最初に確認すべき論点です。令和7年2月に相続が発生した場合、取得しやすい令和6年度の証明書でよいのか、申告する令和8年度でよいのか、相続登記用の最新年度と同じでよいのかが混乱しやすくなります。
固定資産税評価額を使う場面では、一般的には相続開始日が属する年に対応する固定資産税年度の評価額を確認するとされています。令和7年中に相続が開始したなら、基本は令和7年度の固定資産評価証明書に記載された評価額または価格です。申告書を令和8年に提出する場合でも、原則として令和8年度の評価額へ置き換える考え方ではありません。
次の重要ポイントは、このページの結論を短く整理したものです。年度の選び方がずれると評価方式まで連鎖して誤りやすいため、まず相続開始年と固定資産税年度を対応させ、そこから土地や家屋の評価方法へ進む流れを読み取ってください。
固定資産税評価額を直接使う倍率地域の土地や家屋では、相続開始年と同じ年の固定資産税年度を確認するのが基本です。路線価地域の土地は、固定資産税評価額そのものではなく路線価方式で評価します。
次の3つの項目は、固定資産評価証明書の年度を考える順番を表しています。読者にとって重要なのは、証明書の新しさだけでなく、相続開始日、評価方式、財産の現況を順に確認する点です。左から右へ、判断の土台になる項目を読み取ってください。
相続税評価は、通常、被相続人が亡くなった日を基準に考えます。申告書の作成日や提出日を基準にするわけではありません。
固定資産税評価額を使う場面では、相続開始日が属する暦年と同じ年の固定資産税年度を確認します。
倍率地域の土地は倍率を乗じ、家屋は原則1.0を乗じます。路線価地域の土地は路線価を基礎に別途計算します。
証明書に載る金額のうち、相続税評価で中心になる項目を区別します。
固定資産評価証明書は、土地や家屋について、市区町村の固定資産課税台帳に登録された評価額などを証明する書類です。自治体によって、評価証明書、固定資産課税台帳登録事項証明書などの名称や記載項目に差があります。
相続税評価で中心になるのは、通常、評価額、価格、固定資産税評価額と呼ばれる金額です。課税標準額や税額は、固定資産税や都市計画税を計算するための項目であり、住宅用地特例や負担調整措置によって評価額と異なることがあります。
次の比較表は、財産の種類ごとに固定資産税評価額が相続税評価でどの位置づけになるかを整理しています。読者にとって重要なのは、固定資産評価証明書に金額が載っていても、土地の評価方式によって使い方が変わる点です。各行の「相続税評価の基本」から、直接使う場合と別計算する場合を読み取ってください。
| 財産 | 固定資産税評価額の位置づけ | 相続税評価の基本 |
|---|---|---|
| 路線価地域の土地 | 直接の評価額ではありません。所在地、地番、地目、地積などの確認資料として役立ちます。 | 路線価方式で計算します。 |
| 倍率地域の土地 | 直接の計算基礎になります。 | 固定資産税評価額 × 評価倍率で計算します。 |
| 自用家屋 | 直接の計算基礎になります。 | 固定資産税評価額 × 1.0で評価します。 |
| 貸家、賃貸アパート | 家屋評価の出発点になります。 | 固定資産税評価額を基礎に借家権割合、賃貸割合などを反映します。 |
| 分譲マンション | 家屋部分と敷地利用権部分を分けて確認します。 | 令和6年1月1日以後は居住用区分所有財産の補正にも注意します。 |
相続開始日は、通常、被相続人が亡くなった日です。相続税評価では、この日が課税時期となります。財産の価額は、特別な定めがある場合を除き、取得時の時価を出発点にします。
国税庁の路線価図や評価倍率表は、令和7年分のように1月1日から12月31日までの相続、遺贈、贈与に適用される年分として公表されます。一方、固定資産税は令和7年度のように年度で扱われますが、賦課期日は毎年1月1日です。
次の比較表は、相続開始日、国税庁の年分、固定資産税年度の対応を示しています。年度の取り違えは、1月から3月の相続や翌年申告で起きやすいため、相続開始日がどの暦年に入るかを先に確認し、その同じ年の年度へ対応させる点を読み取ってください。
| 相続開始日 | 国税庁の年分 | 固定資産税評価額を使う場面で確認する年度 | 誤りやすい判断 |
|---|---|---|---|
| 令和6年1月1日から令和6年12月31日 | 令和6年分 | 令和6年度 | 申告が令和7年だから令和7年度を使うと誤ります。 |
| 令和7年1月1日から令和7年12月31日 | 令和7年分 | 令和7年度 | 令和7年1月から3月の相続で令和6年度を使うと誤ります。 |
| 令和8年1月1日から令和8年12月31日 | 令和8年分 | 令和8年度 | 令和8年度証明書の発行前に前年度の金額で確定すると誤ります。 |
相続税の基準時と固定資産税の1月1日基準を結びつけます。
相続税申告では、申告書を作った時点の価格、遺産分割協議をした時点の価格、相続登記をした時点の価格をそのまま使うわけではありません。相続開始日における財産の現況を前提に、評価通達、路線価図、評価倍率表、固定資産税評価額などを組み合わせて評価します。
固定資産税では、毎年1月1日現在の所有者や資産状況が重要です。この1月1日という基準日が、相続税評価の年分と固定資産税年度を結びつけます。令和7年中の相続で固定資産税評価額を使うなら、同じ令和7年1月1日を基礎とする令和7年度の評価額を確認する考え方になります。
次の時系列は、固定資産税評価額が3年ごとの評価替えを基本としながら、据置年度でも現況変化があれば見直され得ることを表しています。読者にとって重要なのは、年度が同じでも地目変更、増改築、取壊しなどで金額や評価対象が動く場合がある点です。上から下へ、評価替え年度と据置年度の関係を読み取ってください。
土地と家屋の価格を見直す評価替え年度です。令和6年度は新たな評価額が基礎になります。
原則として据え置かれます。ただし、地目変更、分筆、合筆、地価下落、増改築、一部取壊しなどがあれば確認が必要です。
原則として据置年度です。令和8年中の相続では、固定資産税評価額を使う場面で令和8年度の評価額を確認します。
倍率地域の土地、家屋、路線価地域の土地で使い方が変わります。
固定資産評価証明書は、不動産評価の出発資料として重要ですが、すべての土地で評価額をそのまま使うわけではありません。倍率地域の土地と家屋では計算基礎になり、路線価地域の土地では所在地や地積などの確認資料になります。
次の比較表は、土地と家屋の主要な評価方式を並べています。読者にとって重要なのは、固定資産税評価額を直接使う場面と、路線価を使う場面を取り違えないことです。計算式の列から、どの資料を起点に評価するかを読み取ってください。
| 対象 | 使う資料 | 基本の計算式 | 確認すべき注意点 |
|---|---|---|---|
| 倍率地域の土地 | 相続開始年に対応する年度の固定資産評価証明書、同じ年分の評価倍率表 | 固定資産税評価額 × 評価倍率 | 登記地目だけでなく、相続開始日の現況地目を確認します。 |
| 自用家屋 | 相続開始年に対応する年度の固定資産評価証明書 | 固定資産税評価額 × 1.0 | 貸家、空室、無償使用、増改築、未評価の有無を確認します。 |
| 路線価地域の土地 | 路線価図、地積資料、登記資料、固定資産評価証明書 | 路線価 × 各種補正率 × 地積 | 固定資産税評価額を土地の相続税評価額として直接使いません。 |
次の一覧は、固定資産評価証明書をどう使い分けるかを3つの評価対象ごとに整理しています。なぜ重要かというと、同じ証明書を見ていても、倍率を乗じるのか、1.0を乗じるのか、路線価で別計算するのかが異なるためです。各項目のタグから、直接計算に使う場合と確認資料にとどまる場合を読み取ってください。
路線価が定められていない地域では、土地の固定資産税評価額に評価倍率を乗じて相続税評価額を計算します。
直接計算現況地目自用家屋は固定資産税評価額に1.0を乗じるのが基本です。貸家や未評価部分があると個別検討が必要です。
1.0評価賃貸確認固定資産評価証明書は地番や地積の確認に役立ちますが、評価額そのものは路線価方式の計算結果とは異なります。
資料確認別計算申告年度ではなく相続開始年から、評価方式と現況確認へ進みます。
固定資産税評価額を使う場面では、相続開始日を確認し、相続開始日が属する暦年を確認し、その暦年と同じ年の固定資産税年度の固定資産評価証明書を取得します。そのうえで、証明書の評価額または価格を確認し、土地が倍率地域なら評価倍率を乗じ、家屋なら原則として1.0を乗じます。
次の判断の流れは、年度判定から評価方式の選択までを順番に示しています。読者にとって重要なのは、途中で申告年や登記申請年へ基準を移さないことです。上から下へ進み、土地と家屋の分岐、路線価地域と倍率地域の分岐、最後の現況確認を読み取ってください。
通常は被相続人が亡くなった日です。
令和7年中の相続なら令和7年分、令和7年度が基準になります。
土地は地域区分、家屋は利用状況を確認します。
路線価地域は路線価方式、倍率地域は固定資産税評価額が計算基礎です。
自用、貸家、未評価、増改築、滅失の有無を確認します。
証明書の記載と現況がずれる場合は個別検討します。
多くの相続税申告は、相続開始年の翌年に提出されます。令和7年12月20日に亡くなった場合、申告期限は通常、令和8年10月20日です。それでも、固定資産税評価額を使う場面では令和7年度の評価額を基礎にするのが基本です。
1月から3月に相続が開始した場合、その年の固定資産評価証明書がまだ発行されていないことがあります。令和8年2月の相続であれば、原則として令和8年度の評価額が必要です。令和7年度の評価額は暫定確認に使われることがありますが、最終的な申告評価額は令和8年度の証明書、課税明細書、自治体への照会結果などで確認します。
次の比較表は、固定資産評価証明書や課税明細書に並ぶ金額の読み分けを示しています。重要なのは、相続税申告で中心になる評価額または価格と、固定資産税の課税計算で使う課税標準額や税額を混同しないことです。各行から、相続税評価の基礎にする項目と、基礎にしない項目を読み取ってください。
| 記載項目 | 相続税申告での扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 評価額、価格 | 固定資産税評価額として確認する中心項目です。 | 倍率地域の土地、家屋で重要です。 |
| 課税標準額 | 原則として相続税評価額の基礎にしません。 | 住宅用地特例などで評価額より低くなることがあります。 |
| 固定資産税額 | 相続税評価額ではありません。 | 税額から財産価値を逆算しません。 |
| 都市計画税額 | 相続税評価額ではありません。 | 市街化区域の税額情報にすぎません。 |
| 登記地目 | 参考資料です。 | 相続税評価では現況地目の確認が必要です。 |
| 登記地積 | 参考資料です。 | 実測、縄伸び、私道、セットバックなどに注意します。 |
新築、建築中、滅失、増改築、土地の変動は年度だけで判断できません。
固定資産評価証明書は強力な資料ですが、万能ではありません。相続税評価は相続開始日の現況を基準とするため、証明書の記載が相続開始日時点の実態を反映していない場合は、追加検討が必要です。
次の注意要素の一覧は、証明書の年度が合っていても評価を誤りやすい場面を整理しています。読者にとって重要なのは、評価額が載っているかどうかだけでなく、相続開始日時点で存在した財産、利用状況、工事や土地の変動を確認する点です。各項目から、追加資料や専門的検討が必要になりやすい事情を読み取ってください。
相続開始日に完成していても、固定資産税評価額がまだ付されていないことがあります。再建築価額、工事費、経過年数、減価などを検討します。
完成家屋の固定資産税評価額ではなく、費用現価の額に70パーセントを乗じる考え方が示されています。
1月1日に存在した家屋が相続開始日前に取り壊されている場合、証明書に評価額があっても相続開始日の現況を確認します。
工事が評価額へ反映されていない場合、既存家屋の評価額だけでは相続開始日時点の価値を過少評価するおそれがあります。
土地の地積や現況地目が変わっている場合、路線価方式でも倍率方式でも評価単位や補正の検討が必要です。
貸家、貸家建付地、共有持分、区分所有財産、未登記家屋は、固定資産税評価額だけで最終判断しにくい場合があります。
建築中の家屋については、固定資産税評価額がまだ付されていないため、費用現価を基礎にする考え方が示されています。次の強調部分は、評価証明書の年度以前に、完成家屋か建築中家屋かを判定することの重要性を表しています。式から、投入済みの建築費用を課税時期の価額に引き直す必要がある点を読み取ってください。
相続開始日に建築中であれば、完成後の固定資産税評価額ではなく、課税時期までに投下された建築費用を基礎に評価する検討が必要です。
同じ不動産でも、税務、登記、分割、紛争で評価時点と目的が異なります。
相続登記では、登録免許税の計算や登記申請書類の添付資料として固定資産評価証明書を使います。この場合、登記申請時点で求められる最新年度の証明書が問題になることがあります。一方、相続税申告では相続開始日時点の財産評価を行います。
次の比較表は、相続税申告、相続登記、遺産分割、遺留分などで評価額を使う目的の違いを示しています。読者にとって重要なのは、固定資産評価証明書が同じ資料でも、参照年度や価格の意味が一致するとは限らない点です。列ごとに、基準時と使う価格の目的を読み取ってください。
| 場面 | 主な目的 | 評価時点の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 相続税申告 | 相続税を計算するための財産評価 | 相続開始日を基準にします。 | 固定資産税評価額を使う場面では相続開始年に対応する年度を確認します。 |
| 相続登記 | 登録免許税の計算、登記申請資料 | 登記申請時点で求められる年度が問題になることがあります。 | 令和7年相続、令和8年登記では、登記用と税務用の年度が異なることがあります。 |
| 遺産分割 | 相続人間の公平を図るための分割価格 | 協議時、売却予定時、鑑定時などが検討されます。 | 相続税評価額が、そのまま公平な分割価格になるとは限りません。 |
| 遺留分、特別受益、寄与分 | 法的主張や紛争整理 | 争点に応じて評価時点を検討します。 | 鑑定評価、査定書、取引事例、公示地価、路線価なども証拠になり得ます。 |
相続登記は令和6年4月1日から申請義務化され、相続により不動産所有権を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務を負います。ただし、この登記義務と、相続税申告で使う評価額の年度判定は別問題です。
遺産分割協議では、実勢価格、鑑定評価額、売却予定価格、相続税評価額、固定資産税評価額のどれを使うかが問題になります。税務上は正しくても相続人間では不公平に見える場合や、その逆の問題が生じることがあります。
日付と財産の状態を入れて、どの年度を確認するかを整理します。
年度判定は、抽象的に覚えるよりも、相続開始日と財産の状態を入れて確認すると誤りにくくなります。特に、1月から3月の相続、年末の相続、新築や取壊しが絡む相続では、発行できる証明書と最終的に使う年度がずれることがあります。
次の時系列は、典型的な5つのケースで、相続開始日、財産の状態、確認すべき年度を並べています。読者にとって重要なのは、取得できる証明書ではなく、相続開始日と現況から必要年度を決める点です。各事例の結論から、令和6年度、令和7年度、令和8年度をどう使い分けるかを読み取ってください。
令和7年2月時点で令和6年度分しか取得できないことがありますが、申告評価額を確定する前に令和7年度の証明書または課税明細書を確認します。
申告期限が令和8年でも、相続開始年は令和7年です。令和7年度の固定資産税評価額と令和7年分の評価倍率表を確認します。
令和8年度証明書がまだ発行されていないことがあります。一般的には、発行後に令和8年度の評価額を確認して申告評価額を固めます。
令和7年1月1日時点では存在しないため、令和7年度の固定資産税評価額が付されていない可能性があります。工事資料や自治体情報を使って個別検討します。
証明書に家屋評価額が載っていても、相続開始日時点で家屋が存在しないなら、家屋を相続財産として計上する前に現況を確認します。
固定資産評価証明書だけでなく、名寄帳、登記資料、路線価図などを組み合わせます。
固定資産評価証明書だけで評価を完結させようとすると、重要な事情を見落とすことがあります。相続税申告では、証明書、課税明細書、名寄帳、登記資料、路線価図、評価倍率表、賃貸資料、工事資料などを組み合わせて確認します。
次の資料一覧は、不動産の相続税評価でよく確認する資料と、主な確認事項、関与しやすい専門職をまとめたものです。読者にとって重要なのは、評価額だけではなく、所有者、地積、利用状況、賃貸、工事、分割方針まで見る必要がある点です。各行から、どの資料で何を確かめるかを読み取ってください。
| 資料 | 主な確認事項 | 担当しやすい専門職 |
|---|---|---|
| 固定資産評価証明書 | 年度、評価額、価格、地目、地積、家屋種類、構造、床面積 | 税理士、司法書士 |
| 固定資産税課税明細書 | 評価額、課税標準額、住宅用地特例、家屋の内訳 | 税理士 |
| 名寄帳 | 被相続人名義の不動産漏れ | 税理士、司法書士 |
| 登記事項証明書 | 所有者、共有持分、地目、地積、家屋番号、抵当権 | 司法書士、弁護士 |
| 公図、地積測量図 | 筆の位置、形状、地積、分筆状況 | 土地家屋調査士、司法書士 |
| 路線価図、評価倍率表 | 路線価地域か倍率地域か、該当倍率 | 税理士 |
| 住宅地図、航空写真、現地写真 | 利用状況、道路、建物、私道、空地 | 税理士、不動産鑑定士 |
| 賃貸借契約書、レントロール | 貸家、貸家建付地、賃貸割合 | 税理士、弁護士 |
| 建築確認、検査済証、工事請負契約書 | 新築、増改築、建築中家屋 | 税理士、不動産鑑定士 |
| 遺産分割協議書案 | 誰が取得するか、納税資金、代償金 | 弁護士、税理士、司法書士 |
次の専門職一覧は、固定資産評価証明書の年度判定から申告、登記、紛争、測量までの役割を整理しています。なぜ重要かというと、不動産がある相続では税務、登記、価格紛争、境界の論点が同時に出やすいからです。各項目から、どの場面で誰に確認すべきかを読み取ってください。
相続税申告、財産評価、路線価方式と倍率方式の選択、家屋評価、小規模宅地等の特例、税務署対応を担います。
税務相続登記、不動産の名義変更、戸籍収集、登記用書類作成を担います。登記用年度と税務用年度を区別します。
登記遺産分割、遺留分、使い込み疑い、調停、審判、訴訟など、不動産価格をめぐる紛争整理を担います。
紛争特殊な不動産、著しい価格乖離、売却困難物件、紛争での価格検討などで専門的な評価を行います。
価格境界確認、分筆登記、地積更正、建物表題登記、滅失登記など、表示や測量に関わる確認を担います。
境界紛争、税務、登記申請代理を除く範囲で、遺産分割協議書や相続関係説明図などの書類作成を支援します。
書類よくある誤解を、一般的な制度説明として整理します。
固定資産評価証明書の年度をめぐる疑問は、相続開始年、申告年、登記申請年がずれることで生じます。以下は一般的な制度説明であり、個別事情により結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで税理士、弁護士、司法書士等の専門家に相談する必要があります。
次の注意要素の一覧は、よくある誤解を先にまとめたものです。読者にとって重要なのは、最新年度、課税標準額、税額、路線価地域、相続登記用資料をそのまま相続税評価へ流用しないことです。各項目から、どこで判断がずれやすいかを読み取ってください。
相続税申告では、一般的には相続開始年に対応する年度を確認するとされています。
固定資産税額は税率、軽減、調整措置を経て算出されるため、財産価値の直接の基礎にはしません。
課税標準額は固定資産税の課税計算用であり、相続税評価の基礎となる評価額とは異なることがあります。
固定資産税評価額が付されている限り、一般的には家屋評価の基礎として確認します。
路線価地域の土地は、固定資産税評価額ではなく路線価方式で評価します。
登記は申請時点、相続税は相続開始時点を意識するため、参照年度が異なることがあります。
一般的には、相続開始年は令和7年であるため、固定資産税評価額を使う場面では令和7年度の評価額を確認する考え方になります。ただし、令和7年度証明書の発行時期、自治体の運用、財産の現況によって確認資料が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、申告年ではなく相続開始年で判断するとされています。令和7年中の相続なら、固定資産税評価額を使う場面では令和7年度の評価額を基礎にする考え方です。ただし、財産の状態や申告資料の確認方法によって結論が変わる可能性があります。
一般的には、課税明細書で評価額を確認できる場合、概算や申告準備の参考資料として使われることがあります。ただし、税務署、金融機関、登記、遺産分割、専門家確認では、自治体発行の固定資産評価証明書や名寄帳が必要になる可能性があります。
一般的には、相続税評価では評価単位ごとに検討するとされています。隣接地でも、利用区分、地目、権利関係、貸付状況、共有持分、道路付けが異なれば別評価になる可能性があります。証明書の記載単位と相続税の評価単位は一致しないことがあります。
一般的には、通常の自用家屋は固定資産税評価額に1.0を乗じて評価するとされています。ただし、新築、増改築、未評価、特殊建物、賃貸、マンション補正、評価通達による評価が著しく不適当と疑われる事情がある場合は、個別検討が必要です。
一般的には、その土地が路線価地域にある場合、固定資産税評価額ではなく、路線価を基礎に奥行価格補正などを行って評価するとされています。固定資産評価証明書は、所在地や地積の確認資料として使われることがあります。
一般的には、倍率方式で基礎にするのは固定資産税評価額、つまり価格や評価額とされています。課税標準額は住宅用地特例や負担調整措置により評価額と異なることがあるため、資料の読み分けが必要です。
一般的には、年度が一致していれば資料として使える場合があります。ただし、相続登記用の最新年度証明書が、相続税申告で必要な年度と一致するとは限りません。令和7年相続、令和8年登記なら、登記用は令和8年度、相続税用は令和7年度が必要になることがあります。
一般的には、未登記でも、相続開始日時点で被相続人が所有する家屋であれば、相続財産として評価が必要になる可能性があります。固定資産課税台帳、家屋補充課税台帳、現地確認、工事資料、自治体調査などを確認する必要があります。
一般的には、売却価格は重要な参考情報ですが、相続税評価は相続開始日時点の財産評価基本通達に基づいて行うとされています。相続開始後の売却価格がある場合でも、売却時期、売却条件、取引相手、瑕疵、仲介状況、相続開始日時点との価格変動を検討する必要があります。
正しい年度、正しい項目、正しい評価方式へ接続することが重要です。
固定資産評価証明書の年度と相続税申告で使う評価額の関係は、単に最新の証明書を取ればよいという問題ではありません。相続税評価の出発点は相続開始日です。固定資産税評価額を使う場面では、原則として相続開始年に対応する固定資産税年度の評価額を確認します。
令和7年中に相続が開始したなら、倍率地域の土地や家屋については、原則として令和7年度の固定資産税評価額を基礎にします。令和7年1月から3月の相続であっても、前年度である令和6年度を安易に使う考え方ではありません。令和7年12月の相続で申告が令和8年になる場合でも、原則として令和8年度を基礎にするわけではありません。
次の重要ポイントは、最後に確認すべき実務上の着地点をまとめたものです。読者にとって重要なのは、証明書を取得すること自体を目的にせず、正しい年度、正しい項目、正しい評価方式、相続開始日の現況との整合性を順に確認することです。各文から、申告前に検証すべき観点を読み取ってください。
評価額または価格を読み、課税標準額や税額と混同せず、路線価地域、倍率地域、家屋、新築、滅失、賃貸、マンション、未登記などの事情に応じて評価します。
次の比較表は、申告前に見落としやすい最終確認事項を整理しています。なぜ重要かというと、どれか一つでも外れると過少申告、過大申告、相続人間の不公平、登記資料との混同、税務調査での指摘につながる可能性があるためです。各行から、確認すべき項目と理由を読み取ってください。
| 確認項目 | 見るべき内容 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 年度 | 相続開始年に対応する固定資産税年度か | 申告年や登記申請年と混同しないためです。 |
| 金額項目 | 評価額または価格か | 課税標準額や税額を基礎にしないためです。 |
| 評価方式 | 路線価方式、倍率方式、家屋評価のどれか | 固定資産税評価額を直接使う場面を見極めるためです。 |
| 現況 | 相続開始日の地目、地積、建物状態、利用状況 | 証明書の記載と実態がずれる場合に備えるためです。 |
| 連携 | 税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士 | 税務、登記、紛争、価格、測量の論点を分けて確認するためです。 |
不動産がある相続では、税理士を中核に、必要に応じて司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士が連携することが、安全で実務的な対応につながります。
制度の確認に用いた公的機関、法令、自治体資料を掲載します。