2σ Guide

有価証券・株式の相続を
手続き・評価・税務から整理

証券口座の発見、残高証明、上場株式の4価格評価、NISA、非上場株式の会社支配、相続後売却まで、実務でつまずきやすい論点を横断して解説します。

4価格上場株式評価で比較
10か月相続税申告の原則期限
3か月相続放棄の検討期限
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

有価証券・株式の相続を 手続き・評価・税務から整理

法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
有価証券・株式の相続を 手続き・評価・税務から整理
法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 有価証券・株式の相続を 手続き・評価・税務から整理
  • 法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。

POINT 1

  • 有価証券・株式の相続の全体像
  • 法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。
  • 口座と銘柄を見つける
  • 税務と公平を分ける
  • 売却と税務へ進む

POINT 2

  • 有価証券・株式の相続で対象になる財産
  • 証券口座の残高だけでなく、付随する権利と債務まで確認します。
  • 相続財産になる金融商品は、証券口座にある株式だけではありません。
  • 左から資産の種類、中央で具体例、右で照会先を読むと、調査先の優先順位が分かります。
  • 死亡保険金、役員退職慰労金、死亡退職金、配当金や分配金は、遺産分割の対象と相続税の課税対象が一致しないことがあります。

POINT 3

  • 有価証券・株式の相続で最初に行う調査
  • 1. 手掛かりを集める:郵便物、通帳、メール、スマートフォン、確定申告書、特定口座年間取引報告書、配当金計算書を確認します。
  • 2. 口座所在を照会する:証券会社が不明な場合は、登録済加入者情報の開示請求で加入者情報を確認できることがあります。
  • 3. 死亡を連絡する:証券会社に死亡を連絡すると、通常は相続手続完了まで取引制限がかかり、相続手続書類の案内を受けます。
  • 4. 資料を取得する:死亡日時点の残高証明書、評価証明書、取引履歴、配当・分配金・利金の資料を取得します。

POINT 4

  • 有価証券・株式の相続の流れと期限
  • 1. 相続人と口座を確認する:死亡届、戸籍収集、相続人調査を進め、証券会社、銀行、信託銀行、発行会社を特定します。
  • 2. 相続放棄の要否を検討する:信用取引、証券担保ローン、非上場会社の保証や借入がある場合は、債務も確認します。
  • 3. 残高証明と評価資料を集める:死亡日時点の残高、上場株式の価格、投資信託の口数、債券の経過利息、為替を確認します。
  • 4. 相続税申告を管理する:遺産分割が未了でも、相続税の申告期限は当然には延長されません。
  • 5. 移管・売却・税務処理を行う:相続人名義口座への移管、売却、取得費や取得費加算を確認します。

POINT 5

  • 有価証券・株式の相続税評価の考え方
  • 基礎控除、債務控除、税務評価、遺産分割評価の違いを整理します。
  • 基礎控除額は 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
  • 相続税は、課税価格の合計が基礎控除額を超える場合に申告と納税の検討が必要です。
  • 有価証券が多い相続では、死亡日時点の評価額が課税価格に大きく影響します。

POINT 6

  • 上場株式・投資信託・債券・外貨建有価証券の相続評価
  • 商品ごとの評価資料、月平均、経過利息、為替を確認します。
  • 死亡日の最終価格
  • 死亡月の月平均額
  • 前月の月平均額

POINT 7

  • 有価証券・株式の相続後に売却する税務とNISA
  • 取得費、NISAの払い出し、取得費加算、分割前売却の権限を整理します。
  • NISA口座や相続後売却の税務は、誤解が多い部分です。
  • 非課税口座としてそのまま引き継がれるわけではなく、取得費の扱いも通常の課税口座と異なる場合があります。
  • 各項目の税務、期限、権限の違いを読むと、売却前に確認すべき資料が分かります。

POINT 8

  • 非上場株式の相続で評価と支配を整理する
  • 評価方式が複雑
  • 会社規模、株主区分、類似業種比準価額、純資産価額、配当還元方式、特定の評価会社該当性を確認します。
  • 共有株式の権利行使
  • 株式が共有状態になると、権利行使者を一人定めて会社に通知しない限り議決権行使が難しくなることがあります。

まとめ

  • 有価証券・株式の相続を 手続き・評価・税務から整理
  • 有価証券・株式の相続の全体像:法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。
  • 有価証券・株式の相続で対象になる財産:証券口座の残高だけでなく、付随する権利と債務まで確認します。
  • 有価証券・株式の相続で最初に行う調査:証券口座の所在、死亡連絡、残高証明書、評価証明書を順に押さえます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

有価証券・株式の相続の全体像

法務、税務、証券実務、会社支配の論点を最初に整理します。

有価証券・株式の相続は、証券口座の名義変更だけでなく、相続人の確定、遺言や遺産分割、相続税評価、証券会社での移管、売却時の所得税、非上場株式の会社支配まで同時に整理する手続です。

次の一覧は、このページで押さえる中核論点を表しています。何を確認するか、なぜ重要か、どこで判断が分かれるかを読み取ることで、発見、評価、分割、移管、税務の順序が見えます。

発見

口座と銘柄を見つける

郵便物、通帳、メール、特定口座年間取引報告書、配当金計算書、株主総会招集通知から証券会社や発行会社を特定します。

評価

税務と公平を分ける

相続税評価と遺産分割上の時価は一致しないことがあります。死亡日評価、月平均、分割時時価、売却代金を分けて考えます。

移管

売却と税務へ進む

相続人名義の証券口座へ移管し、売却する場合は取得費、取得費加算、NISA、外国税務や為替も確認します。

結論有価証券・株式は、発見、凍結、評価、分割、移管、売却、税務申告の順に整理すると混乱を抑えやすくなります。
Section 01

有価証券・株式の相続で対象になる財産

証券口座の残高だけでなく、付随する権利と債務まで確認します。

相続財産になる金融商品は、証券口座にある株式だけではありません。未収配当、投資信託、債券、外国証券、NISA口座資産、単元未満株、信用取引の債務まで確認することが、遺産漏れと申告漏れを防ぐうえで重要です。

次の比較表は、相続対象になりやすい金融商品の種類、具体例、最初に確認する先を整理したものです。左から資産の種類、中央で具体例、右で照会先を読むと、調査先の優先順位が分かります。

種類具体例主な確認先
上場株式国内株式、外国株式、単元未満株証券会社、信託銀行、株主名簿管理人
非上場株式同族会社株式、譲渡制限株式、事業会社株式会社、税理士、公認会計士、株主名簿
投資信託公募投信、私募投信、MRF、MMF証券会社、銀行、運用会社
ETF・REIT上場投資信託、不動産投資信託証券会社
債券国債、地方債、社債、外債証券会社、銀行
新株予約権等ストックオプション、新株予約権発行会社、証券会社、契約書
外国証券米国株、外国ETF、外国債券証券会社、海外金融機関
NISA口座資産NISA内の上場株式、投資信託等証券会社、銀行

死亡保険金、役員退職慰労金、死亡退職金、配当金や分配金は、遺産分割の対象と相続税の課税対象が一致しないことがあります。権利確定日、支払日、死亡日、口座入金日を分けて確認します。

注意信用取引、先物取引、オプション取引、FX、暗号資産関連商品に未決済建玉、追証、未収金、未払金がある場合は、資産だけでなく債務も確認します。
Section 02

有価証券・株式の相続で最初に行う調査

証券口座の所在、死亡連絡、残高証明書、評価証明書を順に押さえます。

最初の実務は、どの証券会社・金融機関・発行会社に権利があるかを見つけ、死亡日時点の証拠を固定することです。残高、取引履歴、配当や分配金、死亡直前後の売買を説明できる資料を集めます。

次の判断の流れは、証券口座を見つけてから評価資料を取得するまでの順番を表しています。上から下に進めることで、口座の所在、死亡連絡、残高証明、取引履歴のどこで追加照会が必要かを読み取れます。

証券口座を発見して証拠を固定する順番

手掛かりを集める

郵便物、通帳、メール、スマートフォン、確定申告書、特定口座年間取引報告書、配当金計算書を確認します。

口座所在を照会する

証券会社が不明な場合は、登録済加入者情報の開示請求で加入者情報を確認できることがあります。

死亡を連絡する

証券会社に死亡を連絡すると、通常は相続手続完了まで取引制限がかかり、相続手続書類の案内を受けます。

資料を取得する

死亡日時点の残高証明書、評価証明書、取引履歴、配当・分配金・利金の資料を取得します。

一般に、戸籍関係書類、法定相続情報一覧図、遺言書、遺産分割協議書、印鑑証明書、本人確認書類、相続手続依頼書、相続人代表者届、相続人の証券口座情報などが求められます。

Section 03

有価証券・株式の相続の流れと期限

3か月と10か月を意識しながら、評価と分割を同時に進めます。

相続手続では、3か月と10か月を強く意識します。相続放棄の検討、相続税申告、遺産分割、移管や売却を同時に進めるため、期限を軸に作業を並べます。

次の時系列は、相続開始後に進む主な作業と期限意識を表しています。上から順に読むと、財産調査、評価、遺産分割、申告、移管、売却税務の関係が分かります。

初動

相続人と口座を確認する

死亡届、戸籍収集、相続人調査を進め、証券会社、銀行、信託銀行、発行会社を特定します。

3か月目安

相続放棄の要否を検討する

信用取引、証券担保ローン、非上場会社の保証や借入がある場合は、債務も確認します。

評価準備

残高証明と評価資料を集める

死亡日時点の残高、上場株式の価格、投資信託の口数、債券の経過利息、為替を確認します。

10か月以内

相続税申告を管理する

遺産分割が未了でも、相続税の申告期限は当然には延長されません。

分割後

移管・売却・税務処理を行う

相続人名義口座への移管、売却、取得費や取得費加算を確認します。

Section 04

有価証券・株式の相続税評価の考え方

基礎控除、債務控除、税務評価、遺産分割評価の違いを整理します。

相続税は、課税価格の合計が基礎控除額を超える場合に申告と納税の検討が必要です。有価証券が多い相続では、死亡日時点の評価額が課税価格に大きく影響します。

次の重要ポイントは、相続税の入口で確認する計算軸を示しています。基礎控除、債務控除、上場株式評価、非上場株式評価を分けて読むと、どの専門家に資料を渡すべきかが分かります。

基礎控除額は 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

有価証券・株式の評価額が大きい相続では、この基礎控除を超えるかどうかが申告要否の出発点になります。信用取引の未決済損、証券担保ローン、確実な債務、葬式費用などは債務控除の検討対象になります。

次の比較表は、相続税評価と遺産分割評価の違いを整理したものです。左列で評価の目的、中央で基準時、右列で実務上の注意点を読み分けると、税務の評価と相続人間の公平を混同しにくくなります。

評価の場面主な基準注意点
相続税評価原則として相続開始時上場株式は死亡日終値と死亡月・前月・前々月の月平均額を比較し、非上場株式は通達評価を検討します。
遺産分割評価協議、調停、審判の文脈で検討死亡後の株価変動を誰が負担するか、分割時時価や売却代金を使うかが争点になります。
売却時の所得税売却時の譲渡所得計算原則として被相続人の取得費を引き継ぎ、資料がない場合は取引履歴を調査します。
Section 05

上場株式・投資信託・債券・外貨建有価証券の相続評価

商品ごとの評価資料、月平均、経過利息、為替を確認します。

上場株式、投資信託、ETF、REIT、債券、外貨建有価証券は、商品ごとに評価の確認資料が異なります。月平均、経過利息、為替、分配金、手数料を追加で見るかを判断します。

次の比較表は、金融商品ごとの評価確認ポイントを示しています。列ごとに、評価の出発点、追加確認事項、誤りやすい点を読むことで、残高証明書の数字をそのまま使ってよいかを検討できます。

商品評価の出発点追加で確認する事項
上場株式死亡日の最終価格と3つの月平均額休場日、権利落ち、株式分割、公開買付け、上場廃止などを確認します。
投資信託解約請求または買取請求をした場合の価額基準価額、未収分配金、源泉税、信託財産留保額、解約手数料を確認します。
ETF・REIT上場商品としての価格情報分配金、決算期、権利落ち、投資口分割、流動性、繰上償還などを確認します。
債券発行条件と市場価格利率、満期、経過利息、償還差益、源泉税、外貨建ての場合の為替を確認します。
外貨建有価証券外貨価格の円換算原則として課税時期の最終の対顧客直物電信買相場であるTTBを確認します。

次の一覧は、上場株式評価で比較する4つの価格を表しています。4つの数字を並べて最も低い価格を確認することで、死亡日だけを見て評価を誤るリスクを減らせます。

1

死亡日の最終価格

相続開始日の市場価格を確認します。休場日や取引停止がある場合は前後の価格や調整が問題になります。

2

死亡月の月平均額

死亡日を含む月の毎日の最終価格の平均額を確認します。

3

前月の月平均額

死亡日の前月の毎日の最終価格の平均額を確認します。

4

前々月の月平均額

死亡日の前々月の毎日の最終価格の平均額を確認します。

Section 06

有価証券・株式の相続後に売却する税務とNISA

取得費、NISAの払い出し、取得費加算、分割前売却の権限を整理します。

NISA口座や相続後売却の税務は、誤解が多い部分です。非課税口座としてそのまま引き継がれるわけではなく、取得費の扱いも通常の課税口座と異なる場合があります。

次の一覧は、NISA、取得費、取得費加算、遺産分割前売却の注意点を並べたものです。各項目の税務、期限、権限の違いを読むと、売却前に確認すべき資料が分かります。

N

NISA口座はそのまま承継されない

相続人は金融機関に非課税口座開設者死亡届出書を提出します。死亡後の配当等はNISAの非課税対象外となります。

届出非課税終了
¥

通常の株式は取得費を引き継ぐ

相続により取得した株式を売却する場合、原則として被相続人の取得費と取得時期を引き継ぎます。

取得費資料確認
5%

概算取得費だけに頼らない

取得費が不明な場合に売却代金の5%を用いる実務がありますが、安易に使うと税負担が過大になることがあります。

所得税注意

取得費加算を検討する

相続により取得した株式等を一定期間内に譲渡した場合、相続税額の一定額を取得費に加算できることがあります。

特例要件確認
売却前の確認遺産分割前に相続人の一人が勝手に株式を売却すると、損害賠償、不当利得、使途不明金、遺産分割上の調整が問題になることがあります。
Section 07

非上場株式の相続で評価と支配を整理する

相続税評価、議決権、後継者、売渡請求、事業承継を一体で見ます。

非上場株式の相続では、金銭的評価だけでなく会社支配が問題になります。議決権、後継者、役員構成、金融機関対応、従業員雇用、譲渡制限、売渡請求条項をまとめて確認します。

次の注意要素の一覧は、非上場株式で紛争や税務負担が大きくなりやすい論点を示しています。各項目を読むと、評価資料だけでなく会社資料や経営資料が必要になる理由が分かります。

評価方式が複雑

会社規模、株主区分、類似業種比準価額、純資産価額、配当還元方式、特定の評価会社該当性を確認します。

共有株式の権利行使

株式が共有状態になると、権利行使者を一人定めて会社に通知しない限り議決権行使が難しくなることがあります。

会社価値と税務評価の違い

相続税評価額、M&A価格、裁判上の公正価格、代償金算定価額は一致しないことがあります。

事業承継税制の要件

納税猶予は強力ですが、要件違反で猶予税額や利子税の納付が必要になる場合があります。

Section 08

有価証券・株式の相続を遺言・遺産分割協議書で特定する

銘柄、数量、口座、配当、費用、税金、非上場株式の会社情報まで明記します。

遺言や遺産分割協議書では、有価証券・株式を後から特定できるように書くことが重要です。抽象的な記載では、銘柄、数量、配当、口座内現金、売却代金、未収金の帰属で争いが残ります。

次の比較表は、協議書や遺言で記載すべき情報を資産別に整理しています。左列で対象資産、中央で特定情報、右列で追加しておくと争いを減らせる事項を読み取れます。

対象特定に必要な情報追加で明確にしたい事項
上場株式証券会社名、支店名、口座番号、銘柄名、銘柄コード、数量配当、単元未満株、口座内現金、売却費用、税金の負担
投資信託ファンド名、口数、口座区分分配金、信託財産留保額、移管か換金か
債券発行体、銘柄、額面、利率、満期利金、経過利息、償還差益、外貨建ての場合の通貨
外国証券ティッカー、ISIN、CUSIP、通貨外国税務、為替換算、海外口座の凍結対応
非上場株式会社名、株式の種類、株数、株券発行の有無株主名簿の名義書換、譲渡制限、議決権行使者、会社への通知
Section 09

有価証券・株式の相続で揉めやすい論点と専門家

株価変動、使い込み、非上場株式、家庭裁判所手続、専門家連携を整理します。

相続人間で揉める場面では、株価変動、無断売却、使い込み、生前贈与、非上場株式の遺留分、会社資料の開示範囲が問題になりやすいです。早めに資料をそろえるほど、調停や審判でも説明しやすくなります。

次の比較表は、典型的な紛争と早期に集めたい資料を対応させたものです。左列で争点、中央で確認資料、右列で専門家が見るポイントを読むと、証拠収集の優先順位が分かります。

争点早期に確認する資料確認するポイント
株価変動による不公平死亡日評価、分割時時価、売却代金、手数料死亡時評価で分けるか、分割時時価で代償金を調整するかを検討します。
無断売却・使い込み取引履歴、出金履歴、注文ログ、通帳、診療録本人の意思能力、代理権、贈与契約、売却代金の使途を確認します。
非上場株式の遺留分株式評価書、決算書、代償金資料、生命保険資料後継者への株式集中と他の相続人の最低限の権利を調整します。
家庭裁判所の手続残高証明書、評価証明書、会社資料、配当資料調停や審判では評価の前提、基準時、会社資料の開示範囲が問題になります。

次の比較表は、専門家・機関の主な役割をまとめたものです。何を争っているか、何を申告するか、どの資料が必要かによって、相談先を切り分けます。

専門家・機関主な役割重要になる場面
弁護士相続紛争、遺産分割交渉、調停、審判、訴訟、遺留分、使い込み対応相続人間で争いがある、非上場株式の支配権争いがある、無断売却が疑われる場合
税理士相続税申告、評価、税務相談、税務調査対応上場株式、投資信託、非上場株式、NISA、取得費、事業承継税制の検討
司法書士相続登記、法定相続情報、裁判所提出書類作成の一部不動産を含む相続、法定相続情報一覧図、相続登記が必要な場合
公認会計士非上場株式評価、会社財務分析、M&A、事業承継分析会社価値、財務実態、後継者承継、少数株主評価が問題になる場合
証券会社・ほふり残高証明、評価証明、相続移管、口座所在調査証券口座の所在や保有銘柄を確認し、相続移管や売却を進める場合
Section 10

有価証券・株式の相続でよくある質問

証券会社の探索、売却、評価、NISA、未分割申告などを一般情報として整理します。

FAQは、制度の一般的な考え方を確認するためのものです。実際の結論は、遺言、相続人関係、証券会社の取扱い、会社の定款、税務評価、証拠関係によって変わります。

証券会社がわからない場合、どう探せばよいですか。

一般的には、郵便物、通帳、メール、スマートフォン、確定申告書、特定口座年間取引報告書、配当金計算書を確認します。見つからない場合、登録済加入者情報の開示請求により、口座がある証券会社等の情報を調べられることがあります。

相続した株式はすぐ売れますか。

一般的には、被相続人名義のまま相続人が自由に売却することはできず、証券会社の相続手続を経て相続人名義の口座へ移管した後に売却します。

相続税評価では死亡日の価格だけを使えばよいですか。

一般的には、上場株式では死亡日の最終価格だけでなく、死亡月、前月、前々月の月平均額も確認します。

株価が死亡後に大きく下がった場合、相続税も下がりますか。

一般的には、相続税評価は相続開始時を基準に行うため、死亡後の値下がりが直ちに評価額を下げるとは限りません。

NISA口座の株式は非課税のまま相続できますか。

一般的には、非課税口座のまま相続人に引き継がれるわけではありません。死亡後の配当等はNISAの非課税対象外となります。

相続人の一人が証券口座を操作していた場合はどう考えますか。

一般的には、取引履歴、出金履歴、注文方法、本人の判断能力、代理権、贈与契約、売却代金の使途を確認します。具体的な対応方針は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Section 11

有価証券・株式の相続の実務チェックリストと生前対策

初動、税務、法務・紛争、生前対策を確認して手戻りを減らします。

最後に、実務で抜けやすい確認事項を初動、税務、法務・紛争、生前対策に分けて整理します。何を確認したか、なぜ重要か、次にどの資料を集めるかを確認できます。

次の比較表は、相続発生後の確認事項を分野別にまとめたものです。左列で分野、中央で確認事項、右列で読み取るべきリスクを確認してください。

分野主な確認事項読み取るリスク
初動証券会社、銀行、信託銀行、残高証明、評価証明、取引履歴口座漏れ、死亡直前後の売買、配当や分配金の漏れ
税務基礎控除、10か月期限、上場株式4価格、投信・債券・外貨、非上場株式、取得費申告漏れ、過大評価、取得費資料不足、納税資金不足
法務・紛争遺言、相続人全員、協議書、株式共有、無断売却、名義財産、特別代理人分割無効、議決権停滞、損害賠償、調停や訴訟
生前対策財産目録、遺言、納税資金、非上場会社の承継計画相続後の発見困難、株式分散、遺留分、事業承継の混乱
まとめ早期に証券口座と会社資料を把握し、評価資料を取得し、税務期限を守り、相続人間の合意形成を丁寧に行うことが重要です。
Guide

有価証券・株式の相続で次に確認したいこと

目的に近い詳しい解説へ進めるよう、関連するテーマを整理しました。

知りたい内容を選ぶと、手続、費用、地域、具体的な論点などの詳しい解説に進めます。

このテーマから次に確認されやすい詳しい解説を5件表示しています。

Reference

この記事の参考資料

公的資料、法令、税務情報、裁判所資料、証券実務資料を中心に確認しています。

  • 国税庁 No.4632 上場株式の評価
  • 国税庁 No.4638 取引相場のない株式の評価
  • 国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
  • 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
  • 国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
  • 国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務
  • 国税庁 No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価
  • 国税庁 No.4641 利付公社債・割引発行の公社債の評価
  • 国税庁 No.4665 外貨の邦貨換算
  • 国税庁 NISAに関するQ&A
  • 国税庁 No.1464 譲渡した株式等の取得費
  • 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
  • 中小企業庁 法人版事業承継税制
  • 裁判所 遺産分割調停
  • 裁判所 相続の放棄の申述
  • 証券保管振替機構 登録済加入者情報の開示請求
  • 日本取引所グループ 月間相場表
  • 金融商品取引法
  • 会社法
  • 民法
  • 法務省 相続登記の申請義務化
  • 法務省 自筆証書遺言書保管制度
  • 国税庁 研究会・会議等
  • 証券実務の相続手続案内