基礎控除、法定相続分による仮定計算、速算表、取得割合による按分、2割加算と税額控除まで、税額計算の順序を具体例で整理します。
基礎控除、法定相続分による仮定計算、速算表、取得割合による按分、2割加算と税額控除まで、税額計算の順序を具体例で整理します。
速算表は、実際の取得額へ直接当てはめる表ではなく、相続税の総額を求める途中で使う税率表です。
相続税の速算表は、法定相続分に応ずる取得金額へ税率と控除額を当てはめ、相続税の総額を求めるための表です。最も誤解されやすい点は、各相続人が実際に取得した財産額へそのまま税率をかけるわけではないことです。
次の判断の流れは、相続税の速算表がどの段階で使われるかを表しています。先に課税価格と基礎控除を確定し、途中で法定相続分による仮定計算を行い、最後に実際の取得割合へ戻す点を読み取ることが重要です。
財産、みなし相続財産、非課税財産、債務、葬式費用、生前贈与などを整理します。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数で計算します。
実際の分割とは切り離し、課税遺産総額を法定相続分で分けたものとして扱います。
各法定相続人別の税額を出し、合計して相続税の総額を求めます。
最後に2割加算、配偶者の税額軽減、各種控除を各人別に反映します。
このページは一般的な制度説明です。相続税申告、遺産分割、税務調査、相続登記、調停や訴訟など個別事情がある場合は、資料を整理したうえで税理士、弁護士、司法書士等の専門職へ確認する必要があります。
速算表に入れる金額を誤らないため、相続人、課税価格、基礎控除、相続税の総額を分けて理解します。
相続税の計算では、似た言葉が続きます。次の一覧は、速算表に進む前に区別すべき基本用語をまとめたものです。どの金額が人別のものか、どの金額が全体のものかを読み分けることが、税額のずれを防ぐうえで重要です。
亡くなった人を指します。その人の財産、債務、生前贈与、保険契約などが相続税計算の出発点です。
配偶者は常に相続人となり、配偶者以外では子、直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人となります。基礎控除では、税務上の法定相続人の数が重要です。
各人ごとに把握する課税対象額です。相続または遺贈で取得した財産、みなし相続財産、非課税財産、債務、葬式費用、加算対象贈与などを反映します。
各人の課税価格を合計した金額です。ここから基礎控除を引くことで、課税遺産総額を求めます。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数で計算します。課税価格の合計額から一度だけ差し引きます。
課税遺産総額を法定相続分で仮分割し、速算表で各法定相続人別の税額を求めて合計した金額です。まだ各人の最終納付税額ではありません。
次の比較表は、代表的な相続人の組合せと法定相続分を示しています。この割合は、遺産分割を必ずこの通りにするという意味ではなく、相続税の総額を求める仮定計算で使う割合として読むことが大切です。
| 相続人の組合せ | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者と子 | 配偶者 1/2、子全体 1/2 |
| 配偶者と直系尊属 | 配偶者 2/3、直系尊属全体 1/3 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者 3/4、兄弟姉妹全体 1/4 |
| 同順位者が複数 | 原則として均等 |
法定相続人の数では、相続放棄をした人がいる場合でも、基礎控除の人数計算では放棄がなかったものとして数えます。養子については、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までを法定相続人の数に含めるという制限があります。内縁関係の人は相続人に含まれません。
税率は10%から55%までの8段階ですが、控除額の意味を基礎控除や配偶者控除と混同しないことが重要です。
次の速算表は、法定相続分に応ずる取得金額ごとの税率と控除額を整理したものです。左列の金額区分に当てはまる行を選び、税率を掛けた後に右列の控除額を差し引くことで、その法定相続人分の算出税額を読み取ります。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | 0円 |
| 1,000万円超 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
速算表による税額は、次の式で計算します。
たとえば法定相続分に応ずる取得金額が3,800万円の場合、3,000万円超 5,000万円以下の区分を使います。3,800万円 × 20% - 200万円 = 560万円となります。ここでいう控除額は、超過累進税率の計算を簡略化する調整額であり、基礎控除や配偶者の税額軽減とは別のものです。
相続人確定、財産評価、みなし相続財産、債務控除、生前贈与加算を整理してから、課税遺産総額を求めます。
次の時系列は、速算表へ進む前に確認する作業を順番に並べたものです。先に相続人と財産の範囲を固めないと、基礎控除額や課税遺産総額が変わるため、どの段階でどの資料が必要になるかを読み取ることが重要です。
出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などを確認し、法定相続人の数と法定相続分を整理します。
財産、みなし相続財産、非課税財産、債務、葬式費用、相続時精算課税、生前贈与加算を人別に反映します。
各人の課税価格を合計し、正味の遺産額として扱います。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数で計算します。
課税価格の合計額から基礎控除額を差し引きます。ゼロ以下なら速算表による税額は生じません。
次の一覧は、各人の課税価格へ反映する主な項目を整理したものです。プラスになるもの、マイナスになるもの、制度選択や時期で扱いが変わるものを分けて読むと、漏れや過大計上を防ぎやすくなります。
現金、預貯金、有価証券、土地、建物、事業用資産、車両、貴金属、貸付金、未収金、家庭用財産などを整理します。
課税価格死亡保険金や死亡退職金が典型です。相続人が受取人の場合、死亡保険金には500万円 × 法定相続人の数の非課税限度額があります。
保険金墓地、墓石、仏壇、仏具、一定の公益目的財産、非課税枠内の死亡保険金などがあります。骨とう的価値や投資対象性がある場合は慎重な確認が必要です。
確認注意借入金、未払金、未納税金など確実な債務と、一定の葬式費用は差し引けます。香典返し、墓石購入費、法要費用などは区別が必要です。
控除項目相続時精算課税適用財産や加算対象期間内の暦年課税贈与は、相続税の課税価格へ反映します。令和6年以後の贈与は改正内容にも注意します。
時期確認次の比較表は、課税価格の合計額を求める例です。財産の総額だけではなく、死亡保険金の課税部分、債務・葬式費用、加算対象贈与を合算した結果として1億2,800万円になる点を読み取ります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 預貯金・不動産等の相続財産 | 1億2,000万円 |
| 死亡保険金の課税部分 | 1,500万円 |
| 債務・葬式費用 | ▲700万円 |
| 加算対象贈与 | 0円 |
| 課税価格の合計額 | 1億2,800万円 |
基礎控除額は、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人なら4,800万円、子2人のみなら4,200万円です。課税価格の合計額が2億円、法定相続人が3人の場合は、2億円 - 4,800万円 = 1億5,200万円が課税遺産総額になります。
課税遺産総額を法定相続分で仮分割して速算表を使い、相続税の総額を実際の課税価格割合へ割り振ります。
次の比較表は、配偶者と子2人のケースで課税遺産総額1億5,200万円を法定相続分で仮分割する例です。実際に誰がどの財産を取得したかではなく、法定相続分に応ずる取得金額を速算表へ入れる点を読み取ります。
| 法定相続人 | 計算 | 法定相続分に応ずる取得金額 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 1億5,200万円 × 1/2 | 7,600万円 |
| 子A | 1億5,200万円 × 1/4 | 3,800万円 |
| 子B | 1億5,200万円 × 1/4 | 3,800万円 |
次の比較表は、仮分割した金額に速算表を当てはめた結果です。7,600万円は30%・700万円、3,800万円は20%・200万円の区分に入るため、3人分を合計して2,700万円になることを確認します。
| 法定相続人 | 法定相続分に応ずる取得金額 | 適用税率・控除額 | 算出税額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 7,600万円 | 30%・700万円 | 1,580万円 |
| 子A | 3,800万円 | 20%・200万円 | 560万円 |
| 子B | 3,800万円 | 20%・200万円 | 560万円 |
| 合計 | 2,700万円 |
相続税の総額2,700万円が出たら、実際に財産を取得した各人の課税価格割合で按分します。次の比較表は、法定相続分どおりの取得と、配偶者が多く取得した場合で、同じ相続税の総額がどのように配分されるかを示しています。
| ケース | 取得者 | 課税価格 | 取得割合 | 按分税額 |
|---|---|---|---|---|
| 法定相続分どおり | 配偶者 | 1億円 | 50% | 1,350万円 |
| 子A | 5,000万円 | 25% | 675万円 | |
| 子B | 5,000万円 | 25% | 675万円 | |
| 配偶者が多く取得 | 配偶者 | 1億6,000万円 | 80% | 2,160万円 |
| 子A | 4,000万円 | 20% | 540万円 | |
| 子B | 0円 | 0% | 0円 |
按分税額を求めた後、取得者ごとの続柄や要件に応じて加算・控除を反映します。
次の一覧は、速算表と按分の後で確認する主な加算・控除を整理したものです。制度ごとに対象者、要件、申告書類、未分割時の扱いが異なるため、最終納付税額は按分税額だけでは決まらない点を読み取ります。
配偶者、一親等の血族など一定の近親者以外が取得した場合、税額控除前の相続税額に20%相当額を加算します。兄弟姉妹、おい、めいなどが対象例です。
配偶者の取得した正味の遺産額が1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です。適用には申告が必要です。
相続人が未成年者で一定の要件を満たす場合、相続税額から一定額を差し引く制度です。
相続人が85歳未満の障害者で一定の要件を満たす場合に適用します。一般障害者は満85歳までの年数1年につき10万円、特別障害者は20万円で計算します。
今回の相続開始前10年以内に、被相続人が別の相続等で財産を取得し相続税が課されていた場合に、一定額を控除できることがあります。
相続税の課税価格に加算された贈与財産に対応する贈与税額は、相続税額から控除します。相続時精算課税では控除しきれない場合に還付となることがあります。
2割加算は、相続税の総額を出す前ではなく、按分後に各人別に判定します。代襲相続人となった孫は原則として2割加算の対象外ですが、被相続人の養子である孫が代襲相続人でない場合などは対象となることがあり、続柄の確認が重要です。
配偶者の税額軽減は納付税額を大きく下げる制度ですが、自動的に反映されるものではありません。申告書に明細を記載し、戸籍謄本等、遺言書または遺産分割協議書の写しなど、配偶者の取得財産が分かる書類を添付する必要があります。未分割財産は原則として対象外ですが、申告期限後3年以内の分割見込書などにより後日適用できる場合があります。
配偶者と子、子のみ、兄弟姉妹、死亡保険金がある場合を、同じ順序で確認します。
次の比較表は、課税価格2億円を妻1億円、子A5,000万円、子B5,000万円で取得する例の最終税額です。速算表で相続税の総額2,700万円を出した後、実際の取得割合で按分し、配偶者の税額軽減を反映する点を読み取ります。
| 取得者 | 按分税額 | 税額軽減等 | 納付税額 |
|---|---|---|---|
| 妻 | 1,350万円 | 配偶者の税額軽減 ▲1,350万円 | 0円 |
| 子A | 675万円 | なし | 675万円 |
| 子B | 675万円 | なし | 675万円 |
妻の税額が0円になっても、課税価格の合計額が基礎控除額を超えているため、配偶者の税額軽減を受けるには申告が必要です。
次の比較表は、妻が1億6,000万円、子Aが4,000万円、子Bが0円を取得する例です。相続税の総額は計算例1と同じ2,700万円ですが、実際の取得割合が変わると按分税額が変わる点を確認します。
| 取得者 | 課税価格 | 取得割合 | 按分税額 | 納付税額 |
|---|---|---|---|---|
| 妻 | 1億6,000万円 | 80% | 2,160万円 | 0円 |
| 子A | 4,000万円 | 20% | 540万円 | 540万円 |
| 子B | 0円 | 0% | 0円 | 0円 |
一次相続では配偶者の税額軽減により納税額が小さくなることがあります。一方で、配偶者自身の財産が増えると二次相続で子世代の税負担が増える可能性があるため、一次相続と二次相続をあわせた試算が重要です。
次の比較表は、課税価格1億円を子A7,000万円、子B3,000万円で取得する例です。基礎控除4,200万円、課税遺産総額5,800万円、各1/2で2,900万円ずつ、速算表で1人385万円、相続税の総額770万円になる流れを読み取ります。
| 取得者 | 課税価格 | 取得割合 | 按分税額 |
|---|---|---|---|
| 子A | 7,000万円 | 70% | 539万円 |
| 子B | 3,000万円 | 30% | 231万円 |
| 合計 | 1億円 | 100% | 770万円 |
次の比較表は、弟Aと妹Bが4,000万円ずつ取得する例です。課税遺産総額3,800万円を各1/2で1,900万円ずつとし、速算表で1人235万円、相続税の総額470万円を出した後、兄弟姉妹への2割加算を反映します。
| 取得者 | 按分税額 | 2割加算 | 納付税額 |
|---|---|---|---|
| 弟A | 235万円 | 47万円 | 282万円 |
| 妹B | 235万円 | 47万円 | 282万円 |
| 合計 | 470万円 | 94万円 | 564万円 |
次の比較表は、預貯金・不動産等8,000万円、死亡保険金3,000万円、債務・葬式費用700万円がある例です。死亡保険金の非課税限度額1,500万円を差し引いた課税部分を反映し、課税価格の合計額8,800万円になる点を確認します。
| 項目 | 計算または金額 |
|---|---|
| 死亡保険金の非課税限度額 | 500万円 × 3人 = 1,500万円 |
| 死亡保険金の課税部分 | 3,000万円 - 1,500万円 = 1,500万円 |
| 課税価格の合計額 | 8,000万円 + 1,500万円 - 700万円 = 8,800万円 |
| 課税遺産総額 | 8,800万円 - 4,800万円 = 4,000万円 |
| 相続税の総額 | 配偶者250万円 + 子A100万円 + 子B100万円 = 450万円 |
死亡保険金は民法上の遺産分割財産と異なる扱いになることがありますが、相続税計算ではみなし相続財産として課税価格に影響することがあります。契約者、被保険者、保険料負担者、受取人の関係を確認する必要があります。
小規模宅地等の特例、10か月の申告期限、3年以内の相続登記は、税額計算と並行して確認します。
次の判断の流れは、小規模宅地等の特例をどの位置で反映するかを表しています。この特例は税額から直接差し引く制度ではなく、速算表へ進む前の課税価格を下げる制度である点を読み取ります。
路線価方式や倍率方式などで評価します。
特定事業用宅地等は400㎡まで80%、特定居住用宅地等は330㎡まで80%、貸付事業用宅地等は200㎡まで50%などを確認します。
その後、課税価格の合計額、基礎控除、速算表の計算へ進みます。
次の時系列は、相続税申告と相続登記の期限を並べたものです。税務署への申告と法務局への登記は別制度であり、一方を済ませても他方が完了するわけではない点を確認します。
提出先は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。延納・物納を希望する場合も、原則として申告期限までに申請します。
不動産を相続した場合は、相続登記の申請義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
速算表、基礎控除、計算順序は法令や国税庁情報の更新を確認します。令和8年度税制改正では資産課税分野の期限延長や見直しにも注意します。
相続税申告書様式は、相続開始年分ごとに国税庁が公表しています。第1表、第2表、第4表、第5表、第6表など、税額計算に必要な表があり、計算過程や適用する控除に応じて書類が増えます。
速算表の使い方だけでなく、人数、財産、控除、特例、端数処理まで確認します。
次の注意点一覧は、速算表計算で税額がずれやすい原因を整理したものです。どの誤りが計算の前提を崩すのか、どの誤りが最終税額を変えるのかを分けて読むと、確認漏れを減らせます。
速算表は、課税遺産総額を法定相続分で仮分割した金額へ使います。
基礎控除は課税価格の合計額から一度だけ差し引きます。
相続税の総額では法定相続分、各人への割振りでは実際の課税価格割合を使います。
死亡保険金の非課税枠は500万円 × 法定相続人の数です。相続人以外の受取人には適用されません。
110万円以下の贈与でも、加算対象期間内であれば課税価格への加算を検討します。
税額が0円になる場合でも、制度適用には原則として申告が必要です。
兄弟姉妹、おい、めい、代襲相続人でない孫養子などは対象となることがあります。
この特例は税額控除ではなく、速算表前の課税価格へ反映します。
各人の課税価格や法定相続分に応ずる取得金額では、千円未満切捨てが示されています。
次の一覧は、計算前に集める資料と計算上の確認事項をまとめたものです。資料の不足は財産評価や控除可否の判断に影響するため、書類面と計算面を分けて点検することが重要です。
預貯金残高証明書、取引履歴、証券会社の残高証明書、不動産登記事項証明書、固定資産税評価証明書、路線価図、地積測量図を確認します。
評価生命保険金・死亡退職金の支払通知、借入金残高証明書、未払医療費、未払税金、葬儀費用領収書、生前贈与契約書、贈与税申告書、通帳履歴をそろえます。
漏れ注意法定相続人の数、養子の人数制限、みなし相続財産、非課税財産、債務・葬式費用、加算対象贈与、小規模宅地等の特例、2割加算、各種税額控除を確認します。
検算税額試算は税理士領域を中心にしつつ、遺産分割、登記、評価、納税資金の論点と連動します。
次の一覧は、相続税の速算表計算に関連する専門職の関与ポイントをまとめたものです。相続税の確定や申告書作成は税理士の専門領域ですが、遺産分割、登記、不動産評価、事業承継、納税資金の論点は他の専門職とつながる点を読み取ります。
相続税申告、税額試算、税務相談、税務代理、税務調査対応の中心です。不動産評価、小規模宅地等の特例、非上場株式評価、納税猶予なども検討します。
遺産分割協議、調停、審判、訴訟、遺留分、使途不明金、特別受益、寄与分などを扱います。税額試算は分割案の検討材料になります。
相続登記、不動産名義変更、戸籍収集、登記用書類に関与します。申告書の取得者と登記名義人の整合が重要です。
不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士は、土地建物評価、境界、分筆、売却換価、共有不動産の処理で重要になります。
次の比較表は、相続税の速算表計算をExcelやスプレッドシートへ落とし込むときの主要変数です。課税遺産総額、法定相続分による仮定金額、速算表税額、実際の取得割合を別々の列に分けることで、法定相続分と実際の取得割合の混同を防げます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| N | 法定相続人の数 |
| B | 基礎控除額 = 30,000,000 + 6,000,000 × N |
| T | 課税価格の合計額 |
| E | 課税遺産総額 = max(T - B, 0) |
| S_i | 各法定相続人の法定相続分 |
| A_i | E × S_i。千円未満は切り捨てます。 |
| Q_i | 速算表税額(A_i) |
| Q_total | ΣQ_i。相続税の総額です。 |
| P_j | 実際に財産を取得した各人の課税価格 |
| R_j | P_j / T。実際の取得割合です。 |
| Final_tax_j | 按分税額 + 2割加算 - 各種税額控除 |
次の比較表は、表計算で使う速算表関数を整理したものです。A_iがどの範囲に入るかで税率と控除額が変わるため、境界値と控除額の参照ミスを防ぐことが重要です。
| A_iの範囲 | 税額計算式 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | A_i × 10% |
| 1,000万円超 3,000万円以下 | A_i × 15% - 50万円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 | A_i × 20% - 200万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | A_i × 30% - 700万円 |
| 1億円超 2億円以下 | A_i × 40% - 1,700万円 |
| 2億円超 3億円以下 | A_i × 45% - 2,700万円 |
| 3億円超 6億円以下 | A_i × 50% - 4,200万円 |
| 6億円超 | A_i × 55% - 7,200万円 |
実際の申告では、表計算だけでは対応できない論点があります。特例の適用要件、財産評価、名義財産、海外資産、過去贈与、未分割、争族、納税猶予、税務調査対応がある場合は、税理士等による確認が必要です。
一般的な制度説明として、速算表の使い方、配偶者取得、放棄、保険金、贈与、特例、登記を整理します。
一般的には、遺産総額や各人の実際取得額に直接かけるものではないとされています。まず課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を法定相続分で仮分割し、各法定相続人の法定相続分に応ずる取得金額に速算表を当てはめます。具体的な税額計算は、財産評価や控除の有無によって変わるため、税理士等の専門家に確認する必要があります。
一般的には、子が課税価格を取得しなければ、相続税の総額を按分する段階で子の税額は生じないと考えられます。一方で、配偶者には相続税の総額が按分され、配偶者の税額軽減により納付税額が0円となる場合があります。ただし、申告手続や二次相続への影響があるため、具体的な判断は税理士等の専門家に相談する必要があります。
一般的には、相続税の基礎控除額を計算する際の法定相続人の数は、相続放棄がなかったものとして計算するとされています。ただし、相続放棄の有無、養子の人数制限、代襲相続の関係などで確認事項が変わるため、戸籍資料を整理して専門家に確認する必要があります。
一般的には、被相続人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続等により取得したものとみなされ、相続税の対象となることがあります。受取人が相続人である場合は、500万円 × 法定相続人の数の非課税限度額があります。ただし、契約者、被保険者、保険料負担者、受取人の関係で課税関係が変わるため、個別の契約資料を確認する必要があります。
一般的には、加算対象期間内の暦年課税贈与であれば、贈与税がかかったかどうかに関係なく相続税の課税価格へ加算する対象になることがあります。令和6年以後の贈与は加算対象期間の段階的な延長もあるため、贈与契約書、通帳履歴、贈与税申告書などを整理して確認する必要があります。
一般的には、小規模宅地等の特例は税額から直接差し引く制度ではなく、宅地等の課税価格に算入すべき価額を減額する制度とされています。速算表へ進む前の課税価格計算で反映します。ただし、同居、事業継続、保有継続、申告期限までの要件などにより結論が変わるため、具体的には税理士等へ確認する必要があります。
一般的には、相続税申告は税務署に対する税務手続であり、相続登記は法務局に対する不動産登記手続です。不動産を相続した場合、相続登記は令和6年4月1日から義務化されており、一定期間内の申請が必要とされています。税額計算、遺産分割、登記名義の整合は個別事情で変わるため、税理士や司法書士等に確認する必要があります。
速算表は短い表ですが、前提となる財産評価、相続人確定、控除、特例で税額は大きく変わります。
相続税の速算表を使った税額計算の核心は、実際の取得額ではなく、課税遺産総額を法定相続分で仮分割した金額に適用することです。相続税の総額を出してから、実際の取得割合で各人へ按分し、2割加算や各種税額控除を反映します。
次の重要ポイントは、最終確認として計算順序を一文ずつ整理したものです。前段の課税価格と基礎控除、途中の法定相続分による仮定計算、後段の実際の取得割合と控除を分けて読むことで、速算表の使いどころを確認できます。
各人の課税価格を計算し、課税価格の合計額から基礎控除を差し引き、課税遺産総額を法定相続分で仮分割してから速算表を適用します。
次の判断の流れは、この記事全体の計算順序をまとめたものです。先に全体の税額を求め、最後に人別の納付税額へ落とし込むという二段構造を読み取ることが重要です。
財産、みなし相続財産、非課税財産、債務、葬式費用、贈与加算を整理します。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数を差し引きます。
速算表へ入れる金額を作ります。
各法定相続人別の税額を合計します。
2割加算、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、贈与税額控除などを反映します。
読者が自分で試算する場合でも、最終的な申告・納税・登記・分割は、財産評価、未分割、過去贈与、名義財産、税制改正、専門職間の連携によって結論が変わります。具体的な対応は資料を整理し、税理士、弁護士、司法書士等の専門職へ確認する必要があります。
税率、計算方法、申告期限、各種控除に関する公的機関等の資料名を整理しています。