2σ Guide

準確定申告の付表(付表5)の
記入方法と注意点

死亡した人の所得税等を申告する相続人に向けて、付表5の位置づけ、相続人欄の書き方、相続分・相続財産の価額、納付税額・還付金額の割付けを整理します。

4か月 準確定申告の原則期限
5欄 相続人等に関する事項
A × B 税額と相続分の割付け
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準確定申告の付表(付表5)の 記入方法と注意点

まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。

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準確定申告の付表(付表5)の 記入方法と注意点
まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。
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  • 準確定申告の付表(付表5)の 記入方法と注意点
  • まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。

POINT 1

  • 準確定申告の付表(付表5)の全体像
  • 付表5は相続人等を列挙するだけの欄ではありません
  • 4か月以内に申告と納税
  • 所得税の準確定申告書付表
  • 還付金の一括受領とは別
  • 相続放棄・限定承認の検討
  • まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。

POINT 2

  • 準確定申告の付表(付表5)の正式名称と役割
  • 付表全体の項目と、相続税申告書との違いを確認します。
  • 書面提出では、相続人又は包括受遺者が2人以上いるときに付表添付が必要になり、1人の場合は省略できる取扱いが示されています。
  • 一方、e-Taxでは相続人が1人でもXML形式の付表提出が必要です。
  • 特に相続分、相続財産の価額、個人番号、還付金受取口座は、税額の割付けや照会対応、相続人間の説明責任に影響します。

POINT 3

  • 準確定申告の付表(付表5)を書く前に確認する資料
  • 税額計算、相続人確定、相続財産の価額を分けて準備します。
  • 付表5は、申告書の税額計算が終わった後に記入するのが実務上の基本です。
  • 相続放棄、代襲相続、未成年者や成年後見制度利用者の有無は、記入対象者や署名・代理関係に影響します。

POINT 4

  • 準確定申告の付表(付表5)の前に付表1から4を整える
  • 1. 付表1欄:死亡した人の住所、氏名、死亡年月日を確認し、死亡時の納税地や申告書第一表と整合させます。
  • 2. 付表2欄:確定申告書で計算した第3期分の納付税額又は還付税額を転記します。
  • 3. 付表3欄:相続人等が複数いる場合、国税に関する書類を代表して受領する人を指定します。
  • 4. 付表4欄:相続人全員で限定承認をした場合は、その有無を確認します。
  • 5. 付表5欄:相続人等の住所、氏名、個人番号、続柄、相続分、財産価額を記入します。

POINT 5

  • 準確定申告の付表(付表5)の相続人欄の記入方法
  • 相続人等の範囲、住所、氏名、個人番号、続柄、生年月日、電話番号を確認します。
  • 付表5にいう「相続人等」とは、相続人及び包括受遺者を意味します。
  • 包括受遺者は、遺言により財産の全部又は一定割合を包括的に受ける人で、特定の不動産だけを遺贈された特定受遺者とは区別します。
  • 相続を放棄した人は、付表5以降について記入する必要がないとされています。

POINT 6

  • 準確定申告の付表(付表5)の相続分欄の書き方
  • 法定相続分、指定相続分、代襲相続の例を整理します。
  • 相続分欄には、各相続人又は包括受遺者の相続分を記入します。
  • 同順位の人が複数いる場合は、その順位内で原則として均等に分ける点を読み取ることが重要です。
  • 次の割合比較は、配偶者がいる典型的な組合せごとの配偶者割合を示します。

POINT 7

  • 準確定申告の付表(付表5)の相続財産の価額欄
  • 積極財産を基礎にする
  • 預貯金、不動産、有価証券、事業用資産などのプラス財産を基礎にします。
  • 相続時の時価を意識する
  • 死亡時点の価額を基準にします。

POINT 8

  • 準確定申告の付表(付表5)のケース別注意点
  • 1. 所得税等を計算する:被相続人の所得、控除、源泉徴収税額、予定納税額を確認します。
  • 2. 戸籍と遺言を確認する:相続人、包括受遺者、相続放棄者、指定相続分を整理します。
  • 3. 付表5・6・7をつなげる:相続分、積極財産の概算時価、各人の税額又は還付金額を整合させます。
  • 4. 署名と控えを管理する:全員が内容を確認し、個人番号を含む控えの保管方法を決めます。

まとめ

  • 準確定申告の付表(付表5)の 記入方法と注意点
  • 準確定申告の付表(付表5)の正式名称と役割:付表全体の項目と、相続税申告書との違いを確認します。
  • 準確定申告の付表(付表5)を書く前に確認する資料:税額計算、相続人確定、相続財産の価額を分けて準備します。
  • 準確定申告の付表(付表5)の前に付表1から4を整える:死亡した人の情報、税額、代表者、限定承認を先に確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

準確定申告の付表(付表5)の全体像

まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。

準確定申告とは、年の途中で亡くなった人について、その年の1月1日から死亡日までに確定した所得金額と税額を計算し、相続人又は包括受遺者が行う所得税及び復興特別所得税の確定申告です。原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税を行います。

このページで扱う「付表5」は、国税庁様式「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」のうち、主に「5 相続人等に関する事項」欄を指します。正式な様式名そのものが「付表5」ではなく、消費税申告の「付表5-1」「付表5-2」「付表5-3」とも別の書類です。

この重要ポイントは、付表5が何を税務署へ示す欄なのかを一目で確認するものです。相続人にとっては、氏名や住所の記入だけでなく、誰がどの割合で所得税等を負担し、又は還付を受けるのかまで読み取ることが大切です。

付表5は相続人等を列挙するだけの欄ではありません

相続人等の情報、相続分、相続財産の価額、各人別の納付税額又は還付金額につながる中核欄です。申告書本体、付表6、付表7、委任状と整合させて確認します。

次の3つの項目は、準確定申告の付表(付表5)で最初に混同しやすい論点を並べたものです。期限、書類の対象、代表者欄の効力を分けて読むと、後続の記入作業で誤りを減らせます。

期限

4か月以内に申告と納税

通常の確定申告期間を待つのではなく、相続開始を知った日の翌日から4か月以内が原則です。死亡時期によっては前年分と本年分の両方が必要になることがあります。

対象

所得税の準確定申告書付表

相続人等の氏名、住所、個人番号、相続分、相続財産の価額、税額又は還付金額の割付けを整理するための添付書類です。

代表者

還付金の一括受領とは別

代表者指定欄は国税に関する書類を代表して受領する人を示します。還付金を代表者が受け取るには、通常、別途委任状の確認が必要です。

期限は準確定申告だけでなく、相続放棄、相続税申告、相続登記とも並行して管理します。次の時系列は、各期限の長短を比較するためのもので、早い期限から順に対応を確認することが重要です。

3か月以内

相続放棄・限定承認の検討

相続開始を知った日から3か月以内の家庭裁判所手続が問題になります。付表5の記入対象者にも影響します。

4か月以内

準確定申告

死亡した人の所得税及び復興特別所得税を計算し、付表を含めて提出します。

10か月以内

相続税申告

財産を取得した相続人等の相続税を計算します。準確定申告とは税目と資料の中心が異なります。

3年以内

相続登記が問題になる場合

不動産を取得した場合、所有権取得を知った日から3年以内の相続登記申請義務と、正当な理由なく怠った場合の10万円以下の過料を確認します。

Section 01

準確定申告の付表(付表5)の正式名称と役割

付表全体の項目と、相続税申告書との違いを確認します。

国税庁が公表している付表の正式名称は「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」です。書面提出では、相続人又は包括受遺者が2人以上いるときに付表添付が必要になり、1人の場合は省略できる取扱いが示されています。一方、e-Taxでは相続人が1人でもXML形式の付表提出が必要です。

次の表は、付表全体の7項目を並べたものです。付表5だけを見て書き始めるのではなく、付表2の税額、付表3の代表者、付表6の各人別税額、付表7の還付金受取場所とのつながりを読み取ることが重要です。

項目内容付表5との関係
1死亡した者の住所・氏名等被相続人情報の前提になります
2死亡した者の納める税金又は還付される税金各人別の税額又は還付額の基礎になります
3相続人等の代表者の指定税務署からの書類を受け取る代表者を示します
4限定承認の有無相続の承認方法が税務処理に影響することがあります
5相続人等に関する事項氏名、住所、個人番号、相続分、財産価額を記入します
6納める税金等相続分を基準に各人別の納付税額等を整理します
7還付される税金の受取場所還付口座と委任状の整合性を確認します

付表5は、誰が相続人又は包括受遺者か、死亡した人とどのような関係にあるか、各人の連絡先・個人番号・相続分・取得財産価額がどうなっているかを税務署に示します。特に相続分、相続財産の価額、個人番号、還付金受取口座は、税額の割付けや照会対応、相続人間の説明責任に影響します。

次の比較表は、準確定申告と相続税申告の違いを整理したものです。両方とも相続をきっかけに発生しますが、税目、期限、資料、付表5の役割が違うため、同じ財産資料を使う場合でも目的を分けて読む必要があります。

比較項目準確定申告相続税申告
税目所得税及び復興特別所得税相続税
誰の税金か死亡した人の生前所得に係る税金財産を取得した相続人等の税金
原則期限相続開始を知った日の翌日から4か月以内相続開始を知った日の翌日から10か月以内
中心資料源泉徴収票、帳簿、控除証明書、医療費資料など財産目録、評価資料、債務資料、遺産分割資料など
付表5の役割相続人等の情報と所得税等の負担又は還付の割付け相続税申告書の財産取得者情報とは別に整理します
注意代表者指定欄に氏名を書いても、他の相続人の還付金を当然に受け取れるわけではありません。還付金を代表者が一括して受け取る場合は、付表とは別に委任状の要否を確認します。
Section 02

準確定申告の付表(付表5)を書く前に確認する資料

税額計算、相続人確定、相続財産の価額を分けて準備します。

付表5は、申告書の税額計算が終わった後に記入するのが実務上の基本です。死亡した人の所得税等を計算する資料、相続人等を確定する資料、相続財産の価額を把握する資料を分けて集めると、記入欄ごとの根拠が明確になります。

次の表は、被相続人の税務資料と確認目的を整理したものです。どの資料がどの欄に影響するかを意識して読むと、付表2の税額計算と付表5・6・7の整合性を確認しやすくなります。

資料確認目的
給与所得の源泉徴収票給与収入、源泉徴収税額、社会保険料控除など
公的年金等の源泉徴収票年金収入、源泉徴収税額、介護保険料等
事業所得・不動産所得の帳簿死亡日までの収入、必要経費、減価償却費
青色申告決算書又は収支内訳書事業所得・不動産所得等の内訳
医療費領収書死亡日までに被相続人が支払った医療費
保険料等の控除証明書死亡日までに支払った生命保険料、地震保険料など
予定納税額の通知第3期分の税額計算への影響
還付先口座に関する資料付表7欄又は委任状との整合性

次の表は、付表5に記入する相続人等を確定するための資料です。相続放棄、代襲相続、未成年者や成年後見制度利用者の有無は、記入対象者や署名・代理関係に影響します。

資料確認目的
被相続人の出生から死亡までの戸籍相続人の範囲確認
相続人の現在戸籍生存、氏名、続柄の確認
遺言書指定相続分、包括遺贈、遺言執行者の確認
相続放棄申述受理通知書又は受理証明書相続放棄者を付表5以降から除外する判断
限定承認の申述資料付表4欄の確認
代襲相続関係の戸籍孫、甥姪などが相続人となる場合の確認
未成年者や成年被後見人に関する資料特別代理人等の要否確認

次の表は、相続財産の価額を把握するための資料です。付表5では積極財産の相続時の時価が問題になるため、債務控除後の純資産額と混同しないよう、財産類型ごとの根拠資料を分けて読むことが大切です。

財産類型典型資料
預貯金残高証明書、通帳、取引明細
上場株式等証券会社の残高証明書、取引報告書
不動産登記事項証明書、固定資産税評価証明書、査定書、鑑定評価書
事業用資産帳簿、固定資産台帳、棚卸表
生命保険金支払通知書、契約内容
貸付金・未収金契約書、入金記録
家財・車両売却見積、査定書、保険資料
確認医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除などは、原則として死亡日までに被相続人が支払ったものを確認します。死亡後に相続人が支払った医療費等は、被相続人の準確定申告とは分けて扱います。
Section 03

準確定申告の付表(付表5)の前に付表1から4を整える

死亡した人の情報、税額、代表者、限定承認を先に確認します。

付表5だけを先に書くと、後で相続分や税額の整合性が崩れることがあります。先に付表1から4を確認し、死亡した人の情報、付表2欄の税額A、代表者指定、限定承認の有無を整理してから、相続人等の欄へ進みます。

次の判断の流れは、付表5に入る前の確認順序を示すものです。上から下へ進み、税額Aと代表者・限定承認の有無を確定してから相続人別の情報へ移ると、付表6・7との食い違いを防ぎやすくなります。

付表5に入る前の確認順序

付表1欄

死亡した人の住所、氏名、死亡年月日を確認し、死亡時の納税地や申告書第一表と整合させます。

付表2欄

確定申告書で計算した第3期分の納付税額又は還付税額を転記します。この金額を税額Aとして扱います。

付表3欄

相続人等が複数いる場合、国税に関する書類を代表して受領する人を指定します。

付表4欄

相続人全員で限定承認をした場合は、その有無を確認します。

付表5欄

相続人等の住所、氏名、個人番号、続柄、相続分、財産価額を記入します。

限定承認は、相続によって取得したプラスの財産の限度で被相続人の債務を引き継ぐ制度です。相続開始を知った日から3か月以内に、相続人全員で家庭裁判所に申述する手続であり、譲渡所得や相続財産の清算に影響することがあります。

連携限定承認を検討している場合、付表4欄の記入だけで判断が終わるとは限りません。所得税、相続法、債権者対応が交差するため、税理士と弁護士が同じ資料を確認する体制が重要です。
Section 04

準確定申告の付表(付表5)の相続人欄の記入方法

相続人等の範囲、住所、氏名、個人番号、続柄、生年月日、電話番号を確認します。

付表5にいう「相続人等」とは、相続人及び包括受遺者を意味します。包括受遺者は、遺言により財産の全部又は一定割合を包括的に受ける人で、特定の不動産だけを遺贈された特定受遺者とは区別します。相続を放棄した人は、付表5以降について記入する必要がないとされています。

次の表は、一般的な相続人の範囲を整理したものです。誰を付表5へ記入するかを判断する基礎になるため、戸籍で順位と代襲相続の有無を確認しながら読み取ります。

順位相続人確認ポイント
常に相続人配偶者他順位の相続人と一緒に相続人になります
第1順位子。子が先に死亡している場合は孫など代襲相続の有無を戸籍で確認します
第2順位直系尊属。父母、祖父母など子がいない場合に問題になります
第3順位兄弟姉妹。先に死亡している場合は甥姪兄弟姉妹の代襲は甥姪までなど制約があります

次の一覧は、相続人欄のうち実務上確認漏れが起きやすい項目を整理したものです。項目ごとに「誰の情報か」「提出時点の情報か」「控えに残してよい情報か」を分けて確認します。

1

住所

相続人又は包括受遺者が付表を提出するときの住所を記入します。海外居住者、マンション名、住所開示に配慮が必要な事情も確認します。

提出時点
2

氏名・署名

戸籍や本人確認書類と整合させます。連署で申告する相続人等は、申告内容を確認したうえで署名します。

戸籍確認
3

個人番号

記入するのは各相続人又は包括受遺者の12桁の個人番号です。死亡した人の個人番号ではありません。

情報管理
4

職業及び続柄

「会社員、配偶者」「自営業、長男」「学生、孫」「会社員、包括受遺者」など、職業と関係を簡潔に書きます。

関係確認
5

生年月日

様式の元号表示に合わせます。未成年者がいる場合は、特別代理人の要否など相続手続全体への影響も確認します。

代理関係
6

電話番号

税務署から照会があったときに連絡が取れる番号を記入します。税務代理がある場合は、権限証書等との関係も整理します。

照会対応

次の表は、住所・氏名・個人番号の注意点をまとめたものです。単なる形式ではなく、税務署からの連絡、情報漏えい防止、相続人間の説明責任に関わるため、記入前に運用を決めておきます。

項目注意点確認内容
住所住民票住所と居所が異なる場合税務署からの連絡可能性と申告書全体の整合性を確認します
住所海外居住者がいる場合国外住所、納税管理人、連絡体制を検討します
氏名戸籍上の旧字体や氏名変更戸籍・本人確認書類と現在氏名の整合性を確認します
署名相続人間で連署できない場合別々に提出し、他の相続人等へ通知する方法を検討します
個人番号控えに残す情報控えには記入しない、又はマスキングする運用を決めます
個人番号他の相続人に番号を見せたくない場合個別提出や提出方法の工夫を検討します
注意個人番号は機微性が高い情報です。相続人が多数いる場合、付表を回覧して全員の個人番号を記入する方法は情報漏えいリスクを高めるため、控えのマスキング、郵送方法、保管者、廃棄方法を事前に決めます。
Section 05

準確定申告の付表(付表5)の相続分欄の書き方

法定相続分、指定相続分、代襲相続の例を整理します。

相続分欄には、各相続人又は包括受遺者の相続分を記入します。様式では「法定・指定」の表示があり、法定相続分による場合は法定、遺言による指定相続分による場合は指定を選び、その割合を記入します。

次の表は、代表的な法定相続分をまとめたものです。同順位の人が複数いる場合は、その順位内で原則として均等に分ける点を読み取ることが重要です。

相続人の組合せ法定相続分
配偶者のみ配偶者が全部
配偶者と子配偶者2分の1、子全員で2分の1
配偶者と父母配偶者3分の2、父母全員で3分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3、兄弟姉妹全員で4分の1
子のみ子全員で全部
父母のみ父母全員で全部
兄弟姉妹のみ兄弟姉妹全員で全部

次の割合比較は、配偶者がいる典型的な組合せごとの配偶者割合を示します。割合が大きくなるほど配偶者の取り分が大きくなり、子、父母、兄弟姉妹のどの順位と一緒に相続するかで付表5の相続分が変わることを読み取ります。

1/2
配偶者と子
2/3
配偶者と父母
3/4
配偶者と兄弟姉妹

次の表は、配偶者と子2人、配偶者と父母、配偶者と兄弟姉妹2人、代襲相続がある場合の具体例です。人数が増えると同順位内でさらに分けるため、個別の割合を確認してから付表5へ転記します。

場面相続人相続分
配偶者と子2人配偶者2分の1
配偶者と子2人長男4分の1
配偶者と子2人長女4分の1
配偶者と父母配偶者3分の2
配偶者と父母6分の1
配偶者と父母6分の1
配偶者と兄弟姉妹2人配偶者4分の3
配偶者と兄弟姉妹2人8分の1
配偶者と兄弟姉妹2人8分の1
代襲相続あり配偶者2分の1
代襲相続あり子B4分の1
代襲相続あり孫C・孫D各8分の1

遺言で相続分が指定されている場合は、指定相続分を記入します。ただし、特定財産だけを承継させる遺言で全体の相続分が明示されていない場合、付表の相続分欄をどう扱うかは難しくなります。遺言の文言、包括遺贈か特定遺贈か、実際の財産取得状況を税理士と弁護士で確認する必要があります。

Section 06

準確定申告の付表(付表5)の相続財産の価額欄

積極財産、相続時の時価、未分割の場合の計算を分けて確認します。

国税庁様式の書き方によれば、「相続財産の価額」欄には、各人が相続や包括遺贈により取得する積極財産の相続時の時価を記入します。まだ財産の分割が行われていないときは、積極財産の総額に各人の相続分を乗じた金額を記入します。

次の3つの項目は、相続財産の価額欄で混同しやすい考え方を整理したものです。積極財産、死亡時点の価額、未分割時の割付けを分けて読むことで、純資産額や相続税申告の課税価格との混同を避けられます。

積極財産を基礎にする

預貯金、不動産、有価証券、事業用資産などのプラス財産を基礎にします。借入金、未払金、葬式費用を控除した純資産額そのものではありません。

相続時の時価を意識する

死亡時点の価額を基準にします。不動産では固定資産税評価額、相続税評価額、査定、鑑定評価など複数の価格指標があり、根拠資料を記録します。

未分割では相続分を乗じる

具体的にどの財産を取得するか未定の場合、積極財産の総額に各人の相続分を乗じて記入する扱いを確認します。

次の計算例は、積極財産の総額が4,000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合です。各人の欄には、総額に法定相続分を乗じた金額を入れることを読み取ります。

相続人相続分相続財産の価額
配偶者2分の12,000万円
長男4分の11,000万円
長女4分の11,000万円

この記入は、遺産分割協議の最終結果を先取りするものではありません。準確定申告時点で必要な税務上の割付けを行うための情報です。後に遺産分割が成立して取得額が変わる場合は、相続税申告、登記、相続人間の精算、還付金の帰属と整合させて検討します。

Section 07

準確定申告の付表(付表5)と付表6・7の税額・還付金

相続分Bを使って、各人別の納付税額又は還付金額へつなげます。

付表5の相続分Bは、付表6の各人別の納付税額又は還付金額に直結します。付表2欄に記入した死亡した人の納める税金又は還付される税金をAとし、Aに各人の相続分Bを乗じて、各人の金額を整理します。

次の判断の流れは、付表2、付表5、付表6、付表7、委任状の関係を示すものです。税額が納付か還付かを先に分け、還付の場合は受取口座と委任状まで確認することが重要です。

税額・還付金の確認順序

付表2欄のAを確認

申告書本体で計算した納付税額又は還付税額を確認します。

付表5欄のBを確認

各相続人等の法定相続分又は指定相続分を確認します。

納付
A × Bを付表6へ

納付税額は原則として100円未満の端数処理を確認します。

還付
受取場所と委任状を確認

各人受領か代表者受領か、還付金額の1円未満の端数処理、委任状の要否を確認します。

次の表は、死亡した人の納める税金が12万円、相続人が配偶者と子2人の場合の納付税額例です。相続人間の立替えや感情的な負担感ではなく、付表5の相続分に沿って割り付ける点を読み取ります。

相続人相続分B各人の納付税額
配偶者2分の160,000円
長男4分の130,000円
長女4分の130,000円

次の表は、還付金額が9万円で、相続人間に還付金の分割協議がない場合の例です。還付金も相続人間の分配対象になり得るため、受取口座や代表者の委任状と一緒に読み取ります。

相続人相続分還付金額
配偶者2分の145,000円
長男4分の122,500円
長女4分の122,500円

手計算で付表を作成する場合は、計算メモを残すと後日の説明に役立ちます。次の例は、税額A、相続分B、各人別の納付税額を同じ前提で記録するための簡易な形です。

付表2欄の税額A ― 120,000円
相続分B ― 配偶者 1/2、長男 1/4、長女 1/4
各人の納付税額 ― 配偶者 60,000円、長男 30,000円、長女 30,000円

還付金の振込先は、受取人名義の口座が原則です。代表者が受任者として受け取る場合は、委任状の内容と口座名義を整合させます。ゆうちょ銀行を指定する場合は、記号番号、店名、預金種目、口座番号の記入方法を確認します。

Section 08

準確定申告の付表(付表5)のケース別注意点

1人相続、複数相続、紛争、相続放棄、不動産、個人事業を整理します。

相続人が1人の場合、書面提出では申告書付表の提出を省略できる取扱いが示されていますが、e-Tax提出では相続人が1人でも付表をXML形式で提出する必要があります。書面提出と電子提出で扱いが異なる点を確認します。

次の時系列は、相続人が複数で協力関係にある場合の作業順序です。先に所得税等と相続人の範囲を固め、財産価額と税額の割付けを確認してから、署名・控え保管へ進むことを読み取ります。

Step 1

所得税等を計算する

被相続人の所得、控除、源泉徴収税額、予定納税額を確認します。

Step 2

戸籍と遺言を確認する

相続人、包括受遺者、相続放棄者、指定相続分を整理します。

Step 3

付表5・6・7をつなげる

相続分、積極財産の概算時価、各人の税額又は還付金額を整合させます。

Step 4

署名と控えを管理する

全員が内容を確認し、個人番号を含む控えの保管方法を決めます。

相続人間で争いがある場合でも、準確定申告の期限は原則として延びません。次の表は、紛争がある場面でどの論点を誰が整理するかを示すもので、期限対応と争点整理を切り分けて読むことが重要です。

問題対応
所得税の計算資料が不足税理士が資料収集方針を整理します
相続人の範囲に争い弁護士が戸籍、認知、養子縁組、欠格、廃除等を確認します
遺言の有効性に争い弁護士が遺言の方式、有効性、解釈を確認します
相続分が未確定暫定的な法定相続分又は指定相続分で申告する必要性を検討します
連署できない各相続人が別々に提出し、他の相続人に通知します
個人番号を共有できない個別提出又は提出方法の工夫を検討します

次の表は、相続放棄をした人がいる場合の注意点です。放棄者を付表5以降から外すかどうかは、家庭裁判所での受理や次順位相続人の発生に関係するため、税務署への意思表示だけで判断しないことが大切です。

場面注意点
相続放棄を検討中家庭裁判所に申述して受理されるまでは慎重に扱います
放棄者により次順位者が相続人になる兄弟姉妹や甥姪など新たな相続人を確認します
放棄期限が近い相続開始を知った日から3か月以内の申述期限を意識します
税務資料を持っている放棄者資料提供の可否や連絡方法を検討します

次の一覧は、不動産、個人事業、未成年者・成年後見制度利用者がいる場合の確認点です。これらの事情は、付表5の記入だけでなく登記、消費税、代理関係、事業承継と連動するため、どの専門職の確認が必要かを読み取ります。

不動産

価額と相続登記を分けて確認

固定資産税評価額、相続税評価額、実勢価格、鑑定評価額など複数の考え方があります。不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記申請義務と、正当な理由なく怠った場合の10万円以下の過料も別に確認します。

事業

所得税と消費税を分ける

事業所得、不動産所得、青色申告、棚卸、売掛金、買掛金、消費税申告を分けてチェックします。

代理

未成年者・後見関係を確認

親権者との利益相反、特別代理人、成年後見人等の代理権や同意権を確認します。

Section 09

準確定申告の付表(付表5)で多い記入ミスと予防策

書類の混同、個人番号、相続分、価額、委任状、期限を確認します。

付表5のミスは、欄の書き間違いだけでなく、制度の取り違えや相続手続全体との混同から起きます。次の一覧は、よくある誤りと予防策を並べたもので、どの段階で確認すれば防げるかを読み取ります。

消費税の付表5-3と混同

所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表か、正式名称で確認します。

被相続人の個人番号を書く

付表5の個人番号欄は、相続人又は包括受遺者本人の番号です。

希望割合で相続分を書く

法定相続分、指定相続分、遺産分割協議による取得割合を区別します。

純資産額を価額欄に書く

積極財産の相続時の時価を基礎にし、債務控除後の金額と混同しないようにします。

代表者指定を委任状と誤解

代表者欄と還付金受領委任は別の機能として確認します。

相続放棄予定者を入れる

家庭裁判所の受理通知書又は受理証明書を確認します。

4か月期限を10か月期限と混同

準確定申告と相続税申告の期限を別々に登録します。

前年分の未申告を見落とす

1月1日から確定申告期限までに亡くなった場合、前年分も確認します。

準確定申告の付表5は、税務書類でありながら相続法、戸籍、登記、不動産評価、事業承継と交差します。次の表は、専門職ごとの関与ポイントを整理したもので、誰にどの論点を相談するかを読み取ります。

専門職関与ポイント
税理士準確定申告書、付表、税額計算、所得控除、還付、税務署対応
弁護士相続人間の争い、遺言の有効性、遺留分、使い込み、調停、審判、訴訟
司法書士相続登記、戸籍収集、登記書類、相続放棄などの裁判所提出書類作成
行政書士紛争性のない遺産分割協議書、相続関係説明図、各種書類整理
公証人・遺言執行者公正証書遺言、遺言内容の実現、財産目録、名義変更等の実行
不動産鑑定士・土地家屋調査士不動産価額が争点になる場合の評価、境界、分筆、表示登記
宅地建物取引士・不動産仲介業者相続不動産の売却、換価分割
公認会計士・中小企業診断士非上場株式、会社財務、事業承継、後継者、経営改善
社会保険労務士・FP遺族年金など死亡後の社会保険手続、家計、保険、専門家連携の整理
整理付表5の相続分や相続財産の価額は、弁護士、司法書士、不動産鑑定士、税理士が同じ前提を共有していないと食い違いが生じます。不動産、非上場株式、個人事業、海外資産、相続人間紛争がある場合は、早期に情報を統一します。
Section 10

準確定申告の付表(付表5)の実務チェックリスト

期限、相続人、記入欄、付表6・7、特殊事情を最後に確認します。

チェックリストは、付表5の記入漏れだけでなく、期限管理、相続人確認、税額と還付、特殊事情の見落としを防ぐために使います。次の一覧は、項目ごとに確認対象を分けたもので、申告前の最終確認に利用できます。

期限管理

4か月期限を中心に確認

  • 相続開始を知った日
  • 準確定申告の4か月期限
  • 前年分の確定申告の提出状況
  • 相続放棄の3か月期限
  • 相続税申告の10か月期限との区別
相続人

戸籍と遺言で確認

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 相続人の現在戸籍
  • 代襲相続の有無
  • 遺言書・包括受遺者の有無
  • 相続放棄者、未成年者、後見関係
付表5

各人別の記入欄を確認

  • 住所、氏名、個人番号
  • 控えに個人番号を残さない運用
  • 続柄、生年月日、電話番号
  • 法定相続分又は指定相続分
  • 相続財産の価額の根拠資料
付表6・7

税額と還付をつなげる

  • 付表2欄の税額A
  • A × Bによる各人の納付税額
  • 還付金額の分配方法
  • 代表者受領時の委任状
  • 口座名義との整合性
特殊事情

周辺手続を確認

  • 相続人間の争い
  • 不動産評価の問題
  • 相続登記の期限
  • 個人事業者の消費税
  • 非上場株式や事業承継
Section 11

準確定申告の付表(付表5)に関するFAQ

提出要否、個人番号、未分割、還付金、相続放棄、不動産価額を一般情報として整理します。

Q1. 付表5だけ提出すれば準確定申告は足りますか。

一般的には、付表5は準確定申告書本体に添付する付表の一部であり、付表だけでは申告書として完結しないとされています。まず死亡した人の所得税及び復興特別所得税を確定申告書で計算し、その結果を付表へ反映します。具体的な提出書類は、税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。

Q2. 相続人が1人なら付表は不要ですか。

一般的には、書面提出では相続人又は包括受遺者が1人の場合、申告書付表の提出を省略して差し支えないとされています。ただし、e-Tax提出では相続人が1人でも付表をXML形式で提出する必要があります。提出方法によって結論が変わるため、具体的には税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。

Q3. 相続人全員が同じ付表に個人番号を書くのが不安です。

一般的には、相続人等が2人以上いる場合でも、他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出する方法があります。その場合、提出した相続人等は他の相続人等に申告内容を通知する必要があります。個人番号の情報管理は事情によって対応が変わるため、具体的な提出方法は税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。

Q4. 遺産分割が終わっていない場合、相続財産の価額はどう書きますか。

一般的には、まだ財産の分割が行われていないときは、積極財産の総額に各人の相続分を乗じた金額を書く扱いが示されています。ただし、不動産や事業用財産など価額把握が難しい財産がある場合、評価資料や相続人間の争いによって検討が必要です。具体的には税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q5. 還付金を代表者の口座で受け取れますか。

一般的には、相続人や包括受遺者が受領すべき還付金を代表者等に委任する場合、付表とは別に委任状が必要とされています。代表者欄に氏名を書くことと、還付金受領を委任することは別の問題です。具体的な委任状の要否や記載方法は、税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。

Q6. 相続放棄した人の情報も書きますか。

一般的には、相続を放棄した人は付表5以降について記入の必要がないとされています。ただし、家庭裁判所に受理されているか、次順位相続人が発生するか、資料提供が必要かによって確認事項が変わります。具体的な相続放棄の扱いは、弁護士又は司法書士等の専門家へ相談する必要があります。

Q7. 付表5の相続分を書くと、遺産分割協議もその割合で確定しますか。

一般的には、準確定申告の付表は税務申告のための資料であり、遺産分割協議書そのものではありません。ただし、後日の相続人間交渉で記載内容が参考資料として扱われる可能性があります。争いがある場合は、暫定記載であることの記録方法を含め、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q8. 不動産の価額は固定資産税評価額でよいですか。

一般的には、付表上の「相続財産の価額」は、各人が取得する積極財産の相続時の時価を書く趣旨とされています。固定資産税評価額、相続税評価額、査定額、鑑定評価額のどれを参考にするかは、不動産の内容や手続の目的によって変わります。具体的には税理士、不動産鑑定士、弁護士等へ相談する必要があります。

Section 12

準確定申告の付表(付表5)の要点

相続人、相続分、財産価額、税額・還付、委任状を一体で確認します。

準確定申告の付表(付表5)は、相続人等を列挙するだけの欄ではなく、死亡した人の所得税等を誰がどの割合で負担し、又は還付を受けるのかを税務署に示す中核欄です。

最後に、次の5点を確認します。

  1. 正式な付表名と「5 相続人等に関する事項」欄を正しく理解する
  2. 相続人、包括受遺者、相続放棄者を戸籍と遺言で確認する
  3. 個人番号、住所、氏名、続柄を正確に記入し、情報管理を徹底する
  4. 相続分と相続財産の価額を、法定相続分、指定相続分、積極財産の時価に基づいて整理する
  5. 付表6の納付税額又は還付金額、付表7の還付金受取場所、委任状と整合させる

準確定申告は、死亡後4か月という短い期限内に行う必要があります。付表5の記入に迷う案件では、相続人の範囲、遺言、相続放棄、限定承認、不動産評価、事業承継、相続人間紛争が背景にあることが少なくありません。早期に税理士を中心とした専門職連携を組み、必要に応じて弁護士、司法書士、不動産鑑定士、行政書士等へ相談することが、申告の正確性と相続人間の紛争予防に直結します。

Reference

参考資料・根拠資料

公的機関の資料名を中心に整理しています。

税務関係の資料

  • 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
  • 国税庁「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」様式及び書き方
  • 国税庁「所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について」
  • 国税庁「令和_年分 準確定申告の確認書」
  • 国税庁「委任状(準確定申告書用)」
  • 国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」

法令・相続手続の資料

  • e-Gov法令検索「所得税法」
  • e-Gov法令検索「所得税法施行令」
  • 政府広報オンライン「知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには? 基礎編」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」