死亡した人の所得税等を申告する相続人に向けて、付表5の位置づけ、相続人欄の書き方、相続分・相続財産の価額、納付税額・還付金額の割付けを整理します。
まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。
まず、準確定申告の期限、付表5の意味、消費税の付表との違いを整理します。
準確定申告とは、年の途中で亡くなった人について、その年の1月1日から死亡日までに確定した所得金額と税額を計算し、相続人又は包括受遺者が行う所得税及び復興特別所得税の確定申告です。原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税を行います。
このページで扱う「付表5」は、国税庁様式「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」のうち、主に「5 相続人等に関する事項」欄を指します。正式な様式名そのものが「付表5」ではなく、消費税申告の「付表5-1」「付表5-2」「付表5-3」とも別の書類です。
この重要ポイントは、付表5が何を税務署へ示す欄なのかを一目で確認するものです。相続人にとっては、氏名や住所の記入だけでなく、誰がどの割合で所得税等を負担し、又は還付を受けるのかまで読み取ることが大切です。
相続人等の情報、相続分、相続財産の価額、各人別の納付税額又は還付金額につながる中核欄です。申告書本体、付表6、付表7、委任状と整合させて確認します。
次の3つの項目は、準確定申告の付表(付表5)で最初に混同しやすい論点を並べたものです。期限、書類の対象、代表者欄の効力を分けて読むと、後続の記入作業で誤りを減らせます。
通常の確定申告期間を待つのではなく、相続開始を知った日の翌日から4か月以内が原則です。死亡時期によっては前年分と本年分の両方が必要になることがあります。
相続人等の氏名、住所、個人番号、相続分、相続財産の価額、税額又は還付金額の割付けを整理するための添付書類です。
代表者指定欄は国税に関する書類を代表して受領する人を示します。還付金を代表者が受け取るには、通常、別途委任状の確認が必要です。
期限は準確定申告だけでなく、相続放棄、相続税申告、相続登記とも並行して管理します。次の時系列は、各期限の長短を比較するためのもので、早い期限から順に対応を確認することが重要です。
相続開始を知った日から3か月以内の家庭裁判所手続が問題になります。付表5の記入対象者にも影響します。
死亡した人の所得税及び復興特別所得税を計算し、付表を含めて提出します。
財産を取得した相続人等の相続税を計算します。準確定申告とは税目と資料の中心が異なります。
不動産を取得した場合、所有権取得を知った日から3年以内の相続登記申請義務と、正当な理由なく怠った場合の10万円以下の過料を確認します。
付表全体の項目と、相続税申告書との違いを確認します。
国税庁が公表している付表の正式名称は「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」です。書面提出では、相続人又は包括受遺者が2人以上いるときに付表添付が必要になり、1人の場合は省略できる取扱いが示されています。一方、e-Taxでは相続人が1人でもXML形式の付表提出が必要です。
次の表は、付表全体の7項目を並べたものです。付表5だけを見て書き始めるのではなく、付表2の税額、付表3の代表者、付表6の各人別税額、付表7の還付金受取場所とのつながりを読み取ることが重要です。
| 項目 | 内容 | 付表5との関係 |
|---|---|---|
| 1 | 死亡した者の住所・氏名等 | 被相続人情報の前提になります |
| 2 | 死亡した者の納める税金又は還付される税金 | 各人別の税額又は還付額の基礎になります |
| 3 | 相続人等の代表者の指定 | 税務署からの書類を受け取る代表者を示します |
| 4 | 限定承認の有無 | 相続の承認方法が税務処理に影響することがあります |
| 5 | 相続人等に関する事項 | 氏名、住所、個人番号、相続分、財産価額を記入します |
| 6 | 納める税金等 | 相続分を基準に各人別の納付税額等を整理します |
| 7 | 還付される税金の受取場所 | 還付口座と委任状の整合性を確認します |
付表5は、誰が相続人又は包括受遺者か、死亡した人とどのような関係にあるか、各人の連絡先・個人番号・相続分・取得財産価額がどうなっているかを税務署に示します。特に相続分、相続財産の価額、個人番号、還付金受取口座は、税額の割付けや照会対応、相続人間の説明責任に影響します。
次の比較表は、準確定申告と相続税申告の違いを整理したものです。両方とも相続をきっかけに発生しますが、税目、期限、資料、付表5の役割が違うため、同じ財産資料を使う場合でも目的を分けて読む必要があります。
| 比較項目 | 準確定申告 | 相続税申告 |
|---|---|---|
| 税目 | 所得税及び復興特別所得税 | 相続税 |
| 誰の税金か | 死亡した人の生前所得に係る税金 | 財産を取得した相続人等の税金 |
| 原則期限 | 相続開始を知った日の翌日から4か月以内 | 相続開始を知った日の翌日から10か月以内 |
| 中心資料 | 源泉徴収票、帳簿、控除証明書、医療費資料など | 財産目録、評価資料、債務資料、遺産分割資料など |
| 付表5の役割 | 相続人等の情報と所得税等の負担又は還付の割付け | 相続税申告書の財産取得者情報とは別に整理します |
税額計算、相続人確定、相続財産の価額を分けて準備します。
付表5は、申告書の税額計算が終わった後に記入するのが実務上の基本です。死亡した人の所得税等を計算する資料、相続人等を確定する資料、相続財産の価額を把握する資料を分けて集めると、記入欄ごとの根拠が明確になります。
次の表は、被相続人の税務資料と確認目的を整理したものです。どの資料がどの欄に影響するかを意識して読むと、付表2の税額計算と付表5・6・7の整合性を確認しやすくなります。
| 資料 | 確認目的 |
|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | 給与収入、源泉徴収税額、社会保険料控除など |
| 公的年金等の源泉徴収票 | 年金収入、源泉徴収税額、介護保険料等 |
| 事業所得・不動産所得の帳簿 | 死亡日までの収入、必要経費、減価償却費 |
| 青色申告決算書又は収支内訳書 | 事業所得・不動産所得等の内訳 |
| 医療費領収書 | 死亡日までに被相続人が支払った医療費 |
| 保険料等の控除証明書 | 死亡日までに支払った生命保険料、地震保険料など |
| 予定納税額の通知 | 第3期分の税額計算への影響 |
| 還付先口座に関する資料 | 付表7欄又は委任状との整合性 |
次の表は、付表5に記入する相続人等を確定するための資料です。相続放棄、代襲相続、未成年者や成年後見制度利用者の有無は、記入対象者や署名・代理関係に影響します。
| 資料 | 確認目的 |
|---|---|
| 被相続人の出生から死亡までの戸籍 | 相続人の範囲確認 |
| 相続人の現在戸籍 | 生存、氏名、続柄の確認 |
| 遺言書 | 指定相続分、包括遺贈、遺言執行者の確認 |
| 相続放棄申述受理通知書又は受理証明書 | 相続放棄者を付表5以降から除外する判断 |
| 限定承認の申述資料 | 付表4欄の確認 |
| 代襲相続関係の戸籍 | 孫、甥姪などが相続人となる場合の確認 |
| 未成年者や成年被後見人に関する資料 | 特別代理人等の要否確認 |
次の表は、相続財産の価額を把握するための資料です。付表5では積極財産の相続時の時価が問題になるため、債務控除後の純資産額と混同しないよう、財産類型ごとの根拠資料を分けて読むことが大切です。
| 財産類型 | 典型資料 |
|---|---|
| 預貯金 | 残高証明書、通帳、取引明細 |
| 上場株式等 | 証券会社の残高証明書、取引報告書 |
| 不動産 | 登記事項証明書、固定資産税評価証明書、査定書、鑑定評価書 |
| 事業用資産 | 帳簿、固定資産台帳、棚卸表 |
| 生命保険金 | 支払通知書、契約内容 |
| 貸付金・未収金 | 契約書、入金記録 |
| 家財・車両 | 売却見積、査定書、保険資料 |
死亡した人の情報、税額、代表者、限定承認を先に確認します。
付表5だけを先に書くと、後で相続分や税額の整合性が崩れることがあります。先に付表1から4を確認し、死亡した人の情報、付表2欄の税額A、代表者指定、限定承認の有無を整理してから、相続人等の欄へ進みます。
次の判断の流れは、付表5に入る前の確認順序を示すものです。上から下へ進み、税額Aと代表者・限定承認の有無を確定してから相続人別の情報へ移ると、付表6・7との食い違いを防ぎやすくなります。
死亡した人の住所、氏名、死亡年月日を確認し、死亡時の納税地や申告書第一表と整合させます。
確定申告書で計算した第3期分の納付税額又は還付税額を転記します。この金額を税額Aとして扱います。
相続人等が複数いる場合、国税に関する書類を代表して受領する人を指定します。
相続人全員で限定承認をした場合は、その有無を確認します。
相続人等の住所、氏名、個人番号、続柄、相続分、財産価額を記入します。
限定承認は、相続によって取得したプラスの財産の限度で被相続人の債務を引き継ぐ制度です。相続開始を知った日から3か月以内に、相続人全員で家庭裁判所に申述する手続であり、譲渡所得や相続財産の清算に影響することがあります。
相続人等の範囲、住所、氏名、個人番号、続柄、生年月日、電話番号を確認します。
付表5にいう「相続人等」とは、相続人及び包括受遺者を意味します。包括受遺者は、遺言により財産の全部又は一定割合を包括的に受ける人で、特定の不動産だけを遺贈された特定受遺者とは区別します。相続を放棄した人は、付表5以降について記入する必要がないとされています。
次の表は、一般的な相続人の範囲を整理したものです。誰を付表5へ記入するかを判断する基礎になるため、戸籍で順位と代襲相続の有無を確認しながら読み取ります。
| 順位 | 相続人 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 常に相続人 | 配偶者 | 他順位の相続人と一緒に相続人になります |
| 第1順位 | 子。子が先に死亡している場合は孫など | 代襲相続の有無を戸籍で確認します |
| 第2順位 | 直系尊属。父母、祖父母など | 子がいない場合に問題になります |
| 第3順位 | 兄弟姉妹。先に死亡している場合は甥姪 | 兄弟姉妹の代襲は甥姪までなど制約があります |
次の一覧は、相続人欄のうち実務上確認漏れが起きやすい項目を整理したものです。項目ごとに「誰の情報か」「提出時点の情報か」「控えに残してよい情報か」を分けて確認します。
相続人又は包括受遺者が付表を提出するときの住所を記入します。海外居住者、マンション名、住所開示に配慮が必要な事情も確認します。
提出時点戸籍や本人確認書類と整合させます。連署で申告する相続人等は、申告内容を確認したうえで署名します。
戸籍確認記入するのは各相続人又は包括受遺者の12桁の個人番号です。死亡した人の個人番号ではありません。
情報管理「会社員、配偶者」「自営業、長男」「学生、孫」「会社員、包括受遺者」など、職業と関係を簡潔に書きます。
関係確認様式の元号表示に合わせます。未成年者がいる場合は、特別代理人の要否など相続手続全体への影響も確認します。
代理関係税務署から照会があったときに連絡が取れる番号を記入します。税務代理がある場合は、権限証書等との関係も整理します。
照会対応次の表は、住所・氏名・個人番号の注意点をまとめたものです。単なる形式ではなく、税務署からの連絡、情報漏えい防止、相続人間の説明責任に関わるため、記入前に運用を決めておきます。
| 項目 | 注意点 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 住所 | 住民票住所と居所が異なる場合 | 税務署からの連絡可能性と申告書全体の整合性を確認します |
| 住所 | 海外居住者がいる場合 | 国外住所、納税管理人、連絡体制を検討します |
| 氏名 | 戸籍上の旧字体や氏名変更 | 戸籍・本人確認書類と現在氏名の整合性を確認します |
| 署名 | 相続人間で連署できない場合 | 別々に提出し、他の相続人等へ通知する方法を検討します |
| 個人番号 | 控えに残す情報 | 控えには記入しない、又はマスキングする運用を決めます |
| 個人番号 | 他の相続人に番号を見せたくない場合 | 個別提出や提出方法の工夫を検討します |
積極財産、相続時の時価、未分割の場合の計算を分けて確認します。
国税庁様式の書き方によれば、「相続財産の価額」欄には、各人が相続や包括遺贈により取得する積極財産の相続時の時価を記入します。まだ財産の分割が行われていないときは、積極財産の総額に各人の相続分を乗じた金額を記入します。
次の3つの項目は、相続財産の価額欄で混同しやすい考え方を整理したものです。積極財産、死亡時点の価額、未分割時の割付けを分けて読むことで、純資産額や相続税申告の課税価格との混同を避けられます。
預貯金、不動産、有価証券、事業用資産などのプラス財産を基礎にします。借入金、未払金、葬式費用を控除した純資産額そのものではありません。
死亡時点の価額を基準にします。不動産では固定資産税評価額、相続税評価額、査定、鑑定評価など複数の価格指標があり、根拠資料を記録します。
具体的にどの財産を取得するか未定の場合、積極財産の総額に各人の相続分を乗じて記入する扱いを確認します。
次の計算例は、積極財産の総額が4,000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合です。各人の欄には、総額に法定相続分を乗じた金額を入れることを読み取ります。
| 相続人 | 相続分 | 相続財産の価額 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 2分の1 | 2,000万円 |
| 長男 | 4分の1 | 1,000万円 |
| 長女 | 4分の1 | 1,000万円 |
この記入は、遺産分割協議の最終結果を先取りするものではありません。準確定申告時点で必要な税務上の割付けを行うための情報です。後に遺産分割が成立して取得額が変わる場合は、相続税申告、登記、相続人間の精算、還付金の帰属と整合させて検討します。
相続分Bを使って、各人別の納付税額又は還付金額へつなげます。
付表5の相続分Bは、付表6の各人別の納付税額又は還付金額に直結します。付表2欄に記入した死亡した人の納める税金又は還付される税金をAとし、Aに各人の相続分Bを乗じて、各人の金額を整理します。
次の判断の流れは、付表2、付表5、付表6、付表7、委任状の関係を示すものです。税額が納付か還付かを先に分け、還付の場合は受取口座と委任状まで確認することが重要です。
申告書本体で計算した納付税額又は還付税額を確認します。
各相続人等の法定相続分又は指定相続分を確認します。
納付税額は原則として100円未満の端数処理を確認します。
各人受領か代表者受領か、還付金額の1円未満の端数処理、委任状の要否を確認します。
次の表は、死亡した人の納める税金が12万円、相続人が配偶者と子2人の場合の納付税額例です。相続人間の立替えや感情的な負担感ではなく、付表5の相続分に沿って割り付ける点を読み取ります。
| 相続人 | 相続分B | 各人の納付税額 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 2分の1 | 60,000円 |
| 長男 | 4分の1 | 30,000円 |
| 長女 | 4分の1 | 30,000円 |
次の表は、還付金額が9万円で、相続人間に還付金の分割協議がない場合の例です。還付金も相続人間の分配対象になり得るため、受取口座や代表者の委任状と一緒に読み取ります。
| 相続人 | 相続分 | 還付金額 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 2分の1 | 45,000円 |
| 長男 | 4分の1 | 22,500円 |
| 長女 | 4分の1 | 22,500円 |
手計算で付表を作成する場合は、計算メモを残すと後日の説明に役立ちます。次の例は、税額A、相続分B、各人別の納付税額を同じ前提で記録するための簡易な形です。
付表2欄の税額A ― 120,000円 相続分B ― 配偶者 1/2、長男 1/4、長女 1/4 各人の納付税額 ― 配偶者 60,000円、長男 30,000円、長女 30,000円
還付金の振込先は、受取人名義の口座が原則です。代表者が受任者として受け取る場合は、委任状の内容と口座名義を整合させます。ゆうちょ銀行を指定する場合は、記号番号、店名、預金種目、口座番号の記入方法を確認します。
1人相続、複数相続、紛争、相続放棄、不動産、個人事業を整理します。
相続人が1人の場合、書面提出では申告書付表の提出を省略できる取扱いが示されていますが、e-Tax提出では相続人が1人でも付表をXML形式で提出する必要があります。書面提出と電子提出で扱いが異なる点を確認します。
次の時系列は、相続人が複数で協力関係にある場合の作業順序です。先に所得税等と相続人の範囲を固め、財産価額と税額の割付けを確認してから、署名・控え保管へ進むことを読み取ります。
被相続人の所得、控除、源泉徴収税額、予定納税額を確認します。
相続人、包括受遺者、相続放棄者、指定相続分を整理します。
相続分、積極財産の概算時価、各人の税額又は還付金額を整合させます。
全員が内容を確認し、個人番号を含む控えの保管方法を決めます。
相続人間で争いがある場合でも、準確定申告の期限は原則として延びません。次の表は、紛争がある場面でどの論点を誰が整理するかを示すもので、期限対応と争点整理を切り分けて読むことが重要です。
| 問題 | 対応 |
|---|---|
| 所得税の計算資料が不足 | 税理士が資料収集方針を整理します |
| 相続人の範囲に争い | 弁護士が戸籍、認知、養子縁組、欠格、廃除等を確認します |
| 遺言の有効性に争い | 弁護士が遺言の方式、有効性、解釈を確認します |
| 相続分が未確定 | 暫定的な法定相続分又は指定相続分で申告する必要性を検討します |
| 連署できない | 各相続人が別々に提出し、他の相続人に通知します |
| 個人番号を共有できない | 個別提出又は提出方法の工夫を検討します |
次の表は、相続放棄をした人がいる場合の注意点です。放棄者を付表5以降から外すかどうかは、家庭裁判所での受理や次順位相続人の発生に関係するため、税務署への意思表示だけで判断しないことが大切です。
| 場面 | 注意点 |
|---|---|
| 相続放棄を検討中 | 家庭裁判所に申述して受理されるまでは慎重に扱います |
| 放棄者により次順位者が相続人になる | 兄弟姉妹や甥姪など新たな相続人を確認します |
| 放棄期限が近い | 相続開始を知った日から3か月以内の申述期限を意識します |
| 税務資料を持っている放棄者 | 資料提供の可否や連絡方法を検討します |
次の一覧は、不動産、個人事業、未成年者・成年後見制度利用者がいる場合の確認点です。これらの事情は、付表5の記入だけでなく登記、消費税、代理関係、事業承継と連動するため、どの専門職の確認が必要かを読み取ります。
固定資産税評価額、相続税評価額、実勢価格、鑑定評価額など複数の考え方があります。不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記申請義務と、正当な理由なく怠った場合の10万円以下の過料も別に確認します。
事業所得、不動産所得、青色申告、棚卸、売掛金、買掛金、消費税申告を分けてチェックします。
親権者との利益相反、特別代理人、成年後見人等の代理権や同意権を確認します。
書類の混同、個人番号、相続分、価額、委任状、期限を確認します。
付表5のミスは、欄の書き間違いだけでなく、制度の取り違えや相続手続全体との混同から起きます。次の一覧は、よくある誤りと予防策を並べたもので、どの段階で確認すれば防げるかを読み取ります。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表か、正式名称で確認します。
付表5の個人番号欄は、相続人又は包括受遺者本人の番号です。
法定相続分、指定相続分、遺産分割協議による取得割合を区別します。
積極財産の相続時の時価を基礎にし、債務控除後の金額と混同しないようにします。
代表者欄と還付金受領委任は別の機能として確認します。
家庭裁判所の受理通知書又は受理証明書を確認します。
準確定申告と相続税申告の期限を別々に登録します。
1月1日から確定申告期限までに亡くなった場合、前年分も確認します。
準確定申告の付表5は、税務書類でありながら相続法、戸籍、登記、不動産評価、事業承継と交差します。次の表は、専門職ごとの関与ポイントを整理したもので、誰にどの論点を相談するかを読み取ります。
| 専門職 | 関与ポイント |
|---|---|
| 税理士 | 準確定申告書、付表、税額計算、所得控除、還付、税務署対応 |
| 弁護士 | 相続人間の争い、遺言の有効性、遺留分、使い込み、調停、審判、訴訟 |
| 司法書士 | 相続登記、戸籍収集、登記書類、相続放棄などの裁判所提出書類作成 |
| 行政書士 | 紛争性のない遺産分割協議書、相続関係説明図、各種書類整理 |
| 公証人・遺言執行者 | 公正証書遺言、遺言内容の実現、財産目録、名義変更等の実行 |
| 不動産鑑定士・土地家屋調査士 | 不動産価額が争点になる場合の評価、境界、分筆、表示登記 |
| 宅地建物取引士・不動産仲介業者 | 相続不動産の売却、換価分割 |
| 公認会計士・中小企業診断士 | 非上場株式、会社財務、事業承継、後継者、経営改善 |
| 社会保険労務士・FP | 遺族年金など死亡後の社会保険手続、家計、保険、専門家連携の整理 |
期限、相続人、記入欄、付表6・7、特殊事情を最後に確認します。
チェックリストは、付表5の記入漏れだけでなく、期限管理、相続人確認、税額と還付、特殊事情の見落としを防ぐために使います。次の一覧は、項目ごとに確認対象を分けたもので、申告前の最終確認に利用できます。
提出要否、個人番号、未分割、還付金、相続放棄、不動産価額を一般情報として整理します。
一般的には、付表5は準確定申告書本体に添付する付表の一部であり、付表だけでは申告書として完結しないとされています。まず死亡した人の所得税及び復興特別所得税を確定申告書で計算し、その結果を付表へ反映します。具体的な提出書類は、税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。
一般的には、書面提出では相続人又は包括受遺者が1人の場合、申告書付表の提出を省略して差し支えないとされています。ただし、e-Tax提出では相続人が1人でも付表をXML形式で提出する必要があります。提出方法によって結論が変わるため、具体的には税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。
一般的には、相続人等が2人以上いる場合でも、他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出する方法があります。その場合、提出した相続人等は他の相続人等に申告内容を通知する必要があります。個人番号の情報管理は事情によって対応が変わるため、具体的な提出方法は税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。
一般的には、まだ財産の分割が行われていないときは、積極財産の総額に各人の相続分を乗じた金額を書く扱いが示されています。ただし、不動産や事業用財産など価額把握が難しい財産がある場合、評価資料や相続人間の争いによって検討が必要です。具体的には税理士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、相続人や包括受遺者が受領すべき還付金を代表者等に委任する場合、付表とは別に委任状が必要とされています。代表者欄に氏名を書くことと、還付金受領を委任することは別の問題です。具体的な委任状の要否や記載方法は、税理士等又は所轄税務署に確認する必要があります。
一般的には、相続を放棄した人は付表5以降について記入の必要がないとされています。ただし、家庭裁判所に受理されているか、次順位相続人が発生するか、資料提供が必要かによって確認事項が変わります。具体的な相続放棄の扱いは、弁護士又は司法書士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、準確定申告の付表は税務申告のための資料であり、遺産分割協議書そのものではありません。ただし、後日の相続人間交渉で記載内容が参考資料として扱われる可能性があります。争いがある場合は、暫定記載であることの記録方法を含め、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、付表上の「相続財産の価額」は、各人が取得する積極財産の相続時の時価を書く趣旨とされています。固定資産税評価額、相続税評価額、査定額、鑑定評価額のどれを参考にするかは、不動産の内容や手続の目的によって変わります。具体的には税理士、不動産鑑定士、弁護士等へ相談する必要があります。
相続人、相続分、財産価額、税額・還付、委任状を一体で確認します。
準確定申告の付表(付表5)は、相続人等を列挙するだけの欄ではなく、死亡した人の所得税等を誰がどの割合で負担し、又は還付を受けるのかを税務署に示す中核欄です。
最後に、次の5点を確認します。
準確定申告は、死亡後4か月という短い期限内に行う必要があります。付表5の記入に迷う案件では、相続人の範囲、遺言、相続放棄、限定承認、不動産評価、事業承継、相続人間紛争が背景にあることが少なくありません。早期に税理士を中心とした専門職連携を組み、必要に応じて弁護士、司法書士、不動産鑑定士、行政書士等へ相談することが、申告の正確性と相続人間の紛争予防に直結します。
公的機関の資料名を中心に整理しています。