家庭裁判所へ納める費用、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の取得費、郵送請求で増える実費まで、相続放棄の準備費用を続柄別に整理します。
家庭裁判所へ納める費用、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の取得費、郵送請求で増える実費まで、相続放棄の準備費用を続柄別に整理します。
最初に、費用を構成する項目と見落としやすい実費をつかみます。
相続放棄に必要な戸籍謄本などの書類取得費用は、戸籍を何通取るかだけでは決まりません。家庭裁判所に納める収入印紙、連絡用郵便料、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票除票または戸籍附票、郵送請求時の定額小為替、往復郵便料、必要に応じた相続放棄申述受理証明書の費用が重なります。
申述そのものの家庭裁判所手数料は、申述人1人につき収入印紙800円です。これに裁判所ごとの連絡用郵便料が加わり、さらに戸籍全部事項証明書は1通450円、除籍謄本と改製原戸籍謄本は1通750円となる例が広く見られます。住民票除票や戸籍附票は自治体ごとの差があり、郵送では定額小為替1枚につき200円の発行料金も考慮します。
次の強調部分は、相続放棄の費用で特に見落とされやすい結論をまとめたものです。読者にとって重要なのは、印紙代だけで判断せず、戸籍の通数、郵送の回数、続柄による証明範囲を合わせて読むことです。
配偶者や子は必要戸籍が少なめになりやすい一方、父母、祖父母、兄弟姉妹、おい、めいでは出生から死亡までの連続戸籍や先順位相続人がいないことを示す戸籍が必要になり、費用と時間が増えやすくなります。
次の一覧は、費用を4つの層に分けて示しています。どの層で費用が発生するかを分けて読むと、見積もりの漏れや、同じ書類を重複して取得する無駄を避けやすくなります。
収入印紙800円と連絡用郵便料です。印紙は申述人ごとに発生し、郵便料は裁判所ごとに異なります。
戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票除票、戸籍附票など、証明書1通ごとにかかる費用です。
郵送請求の定額小為替、往復郵便、本人確認書類のコピー、封筒などです。自治体が複数になると増えます。
相続放棄申述受理証明書、専門家報酬、財産や債務の追加調査費など、必要な場合に発生する費用です。
相続放棄は家庭裁判所への申述であり、親族間の話し合いだけでは別の効果になります。
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことを目的として、家庭裁判所に申述する手続です。親族間で財産を受け取らないと話すことや、遺産分割協議で取り分をゼロにすることとは異なります。債権者との関係で借金を免れるには、家庭裁判所で相続放棄の申述が受理される必要があります。
申述期間は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内が原則です。戸籍収集に時間がかかる場合でも、裁判所は申述前に入手できない戸籍を申述後に追加提出して差し支えないと案内しています。期限が迫る場合は、書類を全てそろえることだけに集中せず、提出順序も含めて検討します。
次の判断の流れは、相続放棄の準備で費用と期限を同時に確認する順番を表しています。どこで費用が発生し、どこで期限管理が必要になるかを読み取ることで、戸籍収集の遅れによる申述遅延を避けやすくなります。
死亡日と、自分が相続人になったことを知った日を整理します。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹など、必要戸籍の範囲を決めます。
戸籍収集に時間がかかる場合は、申述の先行も検討します。
不足戸籍は後日追加提出できる場合があります。
管轄裁判所の必要書類を確認しながら集めます。
申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。申述人の住所地や本籍地ではないため、被相続人の住民票除票や戸籍附票で最後の住所を確認する必要があります。
印紙代、連絡用郵便料、管轄確認のための書類を切り分けます。
相続放棄の申述に必要な費用として、家庭裁判所に納める収入印紙は申述人1人につき800円です。1人なら800円、2人なら1,600円、3人なら2,400円となります。被相続人が複数いる場合は、相続ごとに別の手続として費用を確認します。
連絡用郵便料は裁判所ごとに異なります。郵便切手で納付する場合もあれば、保管金として電子納付できる場合もあります。正確な見積もりには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所の案内確認が必要です。
次の比較表は、家庭裁判所に納める費用と、添付書類を集める費用を分けて示しています。この区別が重要なのは、印紙代は比較的固定的でも、戸籍や郵送費は続柄と取得方法で大きく変わるためです。
| 費用項目 | 金額の考え方 | 確認先 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 申述人1人につき800円 | 家庭裁判所の相続放棄案内 |
| 連絡用郵便料 | 裁判所ごとに異なる | 管轄家庭裁判所の手続案内 |
| 被相続人の最後の住所確認書類 | 住民票除票または戸籍附票の手数料 | 最後の住所地または本籍地の市区町村 |
| 申述人の戸籍謄本 | 戸籍全部事項証明書1通450円の例が多い | 本籍地市区町村または広域交付の窓口 |
共通書類と、古い戸籍が必要になる理由を整理します。
標準的な相続放棄では、相続放棄申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本が共通して必要になります。これに加えて、申述人が被相続人とどの続柄にあるかによって、被相続人の死亡記載戸籍、出生から死亡までの連続戸籍、先順位相続人がいないことを示す戸籍などが加わります。
次の一覧は、書類名ごとの役割と取得先をまとめたものです。費用だけでなく、何を証明する書類なのかを読むことで、似た名前の証明書を取り違えるリスクを減らせます。
| 書類 | 主な目的 | 取得先 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 相続放棄申述書 | 家庭裁判所へ相続放棄の意思を申し出る | 裁判所ウェブサイト、家庭裁判所 | 書式取得自体は通常無料 |
| 被相続人の住民票除票 | 最後の住所と管轄裁判所を確認する | 最後の住所地の市区町村 | 自治体により異なる |
| 戸籍附票 | 住所履歴や最後の住所を確認する | 本籍地の市区町村 | 自治体により異なる |
| 申述人の戸籍謄本 | 申述人の身分関係を確認する | 本籍地市区町村、広域交付対象なら窓口 | 450円の例が多い |
| 被相続人の死亡記載戸籍 | 死亡と相続開始を確認する | 被相続人の本籍地市区町村 | 450円または750円の例 |
次の一覧は、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票除票、戸籍附票の違いを平易に整理したものです。どの書類がどの場面で必要になるかを読み取ると、役所への請求文言を具体化しやすくなります。
コンピュータ化された戸籍では戸籍全部事項証明書と呼ばれることがあります。申述人の現在戸籍や、被相続人の死亡記載戸籍として使うことがあります。
死亡、婚姻、転籍などで戸籍に記載された人が全員いなくなった戸籍です。相続では死亡や過去の身分関係を確認するために頻出します。
戸籍制度や様式の変更前に使われていた戸籍です。出生、婚姻、養子縁組、転籍などの履歴を追う場面で必要になりやすい書類です。
被相続人の最後の住所を確認するために使います。管轄家庭裁判所を決める前提となるため、相続放棄では重要です。
後順位の相続人ほど、相続人の不存在を示す戸籍が増えます。
配偶者や子が相続放棄をする場合と、父母、祖父母、兄弟姉妹、おい、めいが相続放棄をする場合とでは、必要な戸籍の範囲が大きく異なります。後順位の相続人は、自分が相続人であることだけでなく、先順位の相続人がいないことも戸籍で示す必要があります。
次の比較表は、続柄別に追加されやすい戸籍を整理したものです。費用見積もりでは、左の続柄を確認し、右側の追加書類が何通程度になりそうかを読むことが重要です。
| 申述人の続柄 | 追加されやすい戸籍 | 費用が増える理由 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 被相続人の死亡記載戸籍、除籍、改製原戸籍 | 同一戸籍で確認できることもありますが、転籍や別戸籍があると追加取得が必要です。 |
| 子 | 被相続人の死亡記載戸籍。代襲相続人なら被代襲者の死亡記載戸籍 | 親子関係は比較的直接的ですが、婚姻、転籍、代襲相続で通数が増えます。 |
| 父母、祖父母 | 被相続人の出生から死亡までの全戸籍、死亡した子や代襲者の戸籍 | 第一順位相続人がいないことを示す必要があります。 |
| 兄弟姉妹 | 被相続人の出生から死亡までの全戸籍、直系尊属の死亡記載戸籍 | 子や孫がいないこと、父母や祖父母が死亡していることを示すため、最も通数が増えやすい類型です。 |
| おい、めい | 兄弟姉妹の書類に加え、被代襲者である兄弟姉妹の死亡記載戸籍 | 代襲相続人であることを示すため、さらに戸籍が追加されます。 |
次の判断の流れは、続柄から必要戸籍の広がりを確認するためのものです。順番に見ることで、配偶者や子で済むのか、先順位相続人の不存在まで示す必要があるのかを読み取れます。
死亡記載戸籍と申述人の戸籍を中心に確認します。
被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認します。
子や直系尊属がいないことを示す戸籍まで確認します。
証明書の単価、自治体差、郵送請求で増える実費を確認します。
戸籍全部事項証明書や戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本は1通750円と案内する自治体が広く見られます。一方、住民票除票や戸籍附票は自治体により200円、300円、350円など差があります。
次の比較表は、証明書ごとの典型的な単価と注意点を並べたものです。金額だけでなく、どの書類が通数増加の中心になるかを読み取ることで、見積もりの優先順位が分かります。
| 書類 | 典型的な手数料 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 戸籍全部事項証明書、戸籍謄本 | 450円 | 現在戸籍。申述人の戸籍や被相続人の死亡戸籍として使うことがあります。 |
| 除籍全部事項証明書、除籍謄本 | 750円 | 死亡、転籍、婚姻などで閉じられた戸籍です。相続では頻繁に必要になります。 |
| 改製原戸籍謄本 | 750円 | 改製前の戸籍です。出生から死亡までの連続戸籍で必要になりやすい書類です。 |
| 戸籍附票 | 自治体により異なる | 最後の住所確認に用います。広域交付の対象外と案内されることがあります。 |
| 住民票除票 | 自治体により異なる | 最後の住所地を示します。請求先自治体の手数料表を確認します。 |
次の比較表は、郵送請求で証明書手数料とは別に発生しやすい費用を示しています。郵送で複数自治体に請求すると、少額の実費が積み重なるため、請求先の数と小為替の枚数を合わせて読むことが重要です。
| 郵送請求の費用 | 金額の目安 | 増えやすい場面 |
|---|---|---|
| 定額小為替発行料金 | 1枚につき200円 | 金種を複数枚に分けると発行料金も増えます。 |
| 定形郵便物 | 50g以内110円 | 請求書類が少ない往信用封筒で使われることがあります。 |
| 定形外郵便物の規格内 | 50g以内140円、100g以内180円 | 返送される戸籍が多い場合に必要となることがあります。 |
| 封筒、コピー代 | 実費 | 本人確認書類や返信用封筒の準備で発生します。 |
定額小為替は、金種の組み合わせで手数料が変わります。450円を450円券1枚で用意すれば発行料金は200円ですが、300円券と150円券の2枚で用意すれば発行料金は400円になります。少ない枚数で必要額を用意できるかを確認します。
窓口、郵送、広域交付の違いを費用面から比べます。
市区町村窓口で取得する場合は、証明書手数料が中心です。戸籍の種類が分からないときも、窓口で相続放棄に使う旨と必要範囲を伝えることで案内を受けられることがあります。ただし、転籍前の本籍地が別自治体であれば、その自治体への請求が必要です。
郵送請求では、請求書類、本人確認書類のコピー、手数料分の定額小為替、返信用封筒、返信用切手を用意するのが一般的です。用途や必要範囲が曖昧だと、戸籍が不足して再請求になり、郵便料と定額小為替の手数料が増えます。
次の比較表は、取得方法ごとの費用の特徴と向いている場面をまとめたものです。どの方法が安いかだけでなく、請求できる人の範囲や対象書類の制限も読み取ることが大切です。
| 取得方法 | 費用の特徴 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 市区町村窓口 | 証明書手数料が中心 | 本籍地や住所地へ行ける場合 | 転籍先が複数あると別自治体への請求が必要です。 |
| 郵送請求 | 小為替、往復郵便、コピー代が加わる | 遠方の本籍地や住所地へ請求する場合 | 請求文言が曖昧だと再請求で費用が増えます。 |
| 広域交付 | 郵送実費を抑えられる可能性 | 直系親族や配偶者として戸籍証明書をまとめて請求できる場合 | 一部の戸籍、戸籍附票、代理請求などには制限があります。 |
令和6年3月1日から、戸籍法改正により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書や除籍証明書を請求できる広域交付が始まりました。全国各地の戸籍を1か所でまとめて請求できる場合があり、郵送請求の実費を抑えられる可能性があります。
次の時系列は、戸籍を請求するときの実務的な進め方を表しています。順番どおりに確認すると、どこで広域交付を使い、どこから郵送請求に切り替えるかを判断しやすくなります。
本人、配偶者、直系親族として広域交付を利用できるかを確認します。
1つの自治体でそろうか、複数自治体への請求が必要かを把握します。
相続放棄で使うこと、死亡記載戸籍または出生から死亡までの一式が必要なことを明記します。
配偶者・子、父母、兄弟姉妹で費用がどう変わるかを見ます。
ここでの試算は、費用構造を理解するための単純化した例です。実際の裁判所郵便料、自治体手数料、戸籍の通数、郵送請求の有無により金額は変動します。
次の比較表は、配偶者または子が1人で相続放棄する場合の費用項目を示しています。この類型では戸籍の通数が少なく収まることもありますが、郵送請求が重なると実費が追加される点を読み取ります。
| 項目 | 通数または人数 | 単価 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 収入印紙 | 1人 | 800円 | 800円 |
| 申述人の戸籍謄本 | 1通 | 450円 | 450円 |
| 被相続人の死亡記載戸籍 | 1通 | 450円または750円 | 450円から750円 |
| 住民票除票または戸籍附票 | 1通 | 200円から350円程度の例 | 200円から350円程度 |
| 連絡用郵便料と郵送実費 | 必要に応じて | 裁判所、取得方法により変動 | 変動 |
次の比較表は、父母が相続放棄する場合の例です。被相続人に子や孫などの第一順位相続人がいないことを確認するため、出生から死亡までの戸籍が費用増加の中心になることを読み取ります。
| 項目 | 仮定 | 小計例 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 1人 | 800円 |
| 申述人の戸籍謄本 | 1通450円 | 450円 |
| 被相続人の現在戸籍 | 1通450円 | 450円 |
| 被相続人の除籍、改製原戸籍 | 4通掛ける750円 | 3,000円 |
| 住民票除票または戸籍附票 | 1通300円と仮定 | 300円 |
| 小計 | 裁判所郵便料と郵送実費を除く | 5,000円 |
次の比較表は、兄弟姉妹が相続放棄する場合の例です。被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、父母など直系尊属の死亡記載戸籍が必要になりやすく、除籍謄本や改製原戸籍の通数が積み上がる点を読み取ります。
| 項目 | 仮定 | 小計例 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 1人 | 800円 |
| 申述人の戸籍謄本 | 1通450円 | 450円 |
| 被相続人の現在戸籍 | 1通450円 | 450円 |
| 被相続人の除籍、改製原戸籍 | 5通掛ける750円 | 3,750円 |
| 父母の死亡記載戸籍 | 2通掛ける750円 | 1,500円 |
| 住民票除票または戸籍附票 | 1通300円と仮定 | 300円 |
| 小計 | 裁判所郵便料と郵送実費を除く | 7,250円 |
先に子や父母が相続放棄している事件がある場合、裁判所に既に提出された戸籍の再提出が不要になることがあります。同一被相続人についての先行事件の有無は、兄弟姉妹やおい、めいの費用削減に直結します。
転籍、婚姻、代襲相続、古い戸籍が通数と請求回数を増やします。
費用を増やす要因は、単に相続人が多いことだけではありません。転籍、婚姻、離婚、養子縁組、代襲相続、非コンピュータ化戸籍などがあると、戸籍の保管自治体や必要範囲が広がります。
次の一覧は、戸籍収集の費用と時間を増やしやすい要因をまとめたものです。どの要因があるかを読むことで、事前に郵送請求の回数や除籍謄本の通数を多めに見積もれます。
転籍前の戸籍は旧本籍地に請求することがあり、自治体ごとに郵送請求費用が発生します。
戸籍が新しく編製されたり別戸籍へ移ったりするため、前後の戸籍をつなげる必要があります。
子や孫、父母や祖父母がいないことを示す必要があり、連続戸籍と死亡記載戸籍が増えます。
本来の相続人である被代襲者の死亡記載戸籍が必要になり、追加取得が発生します。
手書きや非コンピュータ化戸籍は広域交付の対象外になる場合があり、本籍地へ直接請求します。
重複取得、再請求、期限切れを避けるための順番です。
費用を抑えるには、必要書類を減らすことではなく、必要な書類を正確に把握し、重複取得と再請求を避けることが重要です。まず裁判所の必要書類一覧で続柄を確認し、同じ書類は1通で足りる原則、先行事件で提出済みの戸籍、広域交付の利用可否を確認します。
次の判断の流れは、費用削減と期限管理を両立するための順番を表しています。上から順に読むと、不要な戸籍取得を避けつつ、3か月の期限に遅れないために何を優先するかが分かります。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹など、続柄別の必要範囲を確認します。
複数人が同じ被相続人について申述する場合、共通書類を1セットにまとめます。
既に提出された戸籍が再提出不要になる可能性を確認します。
期限が迫る場合は申述を先行し、不足戸籍を後日追加提出する形も検討します。
郵送請求では、用途と必要範囲を明確に書くことが再請求防止に役立ちます。例えば、相続放棄の申述に使用するため、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍、除籍、改製原戸籍一式を求める、といった文言です。死亡記載戸籍だけで足りる場合や、住民票除票が必要な場合も、提出先と目的を明記します。
次の時系列は、期限が近い場合の進め方を示しています。日付の順番を意識することで、戸籍がそろうのを待ち過ぎて申述期間を失うリスクを避けやすくなります。
起算点になり得る日を整理し、余裕日数を確認します。
請求先、請求日、到着予定を控えます。
不足書類があること、請求中であること、提出予定時期を説明できるようにします。
戸籍一式を何度も出す手間を減らせる場面と、別途必要になる証明書を確認します。
法定相続情報一覧図は、被相続人と法定相続人の関係を一覧化し、登記官が認証した写しを相続手続に利用できる制度です。相続登記、預金払戻し、相続税申告、年金等手続など複数の相続手続を同時に進める場合には、戸籍の束を何度も提出する負担を減らせることがあります。
次の比較表は、法定相続情報一覧図と相続放棄申述受理証明書の役割を分けて示しています。どちらも相続放棄の周辺で見かける書類ですが、証明する内容が異なる点を読み取ることが重要です。
| 書類 | 主な役割 | 費用面の見方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 法定相続情報一覧図 | 戸除籍謄本等に基づく法定相続人の関係を一覧化する | 複数手続で戸籍提出を減らせる可能性 | 作成には最初に戸籍一式が必要です。相続放棄の効果そのものを証明する書類ではありません。 |
| 相続放棄申述受理通知書 | 申述人に受理を知らせる書面 | 通常、受理後に送付されます | 提出先によっては通知書では足りない場合があります。 |
| 相続放棄申述受理証明書 | 相続放棄が受理されたことを公的に示す | 証明書1通につき収入印紙150円の案内例があります | 債権者、金融機関、他の相続手続先から求められることがあります。 |
法定相続情報一覧図があれば必ず戸籍が不要になるわけではありません。家庭裁判所では、戸籍等に代えて法定相続情報一覧図の写しを提出できる場合があるとされますが、申述先への確認が必要です。相続放棄だけを急いで行う場面では、一覧図の作成を待つより申述を優先することがあります。
実費だけで済む場合と、専門家へ相談する合理性がある場合を分けます。
相続放棄に必要な戸籍謄本などの書類取得費用だけを見れば、専門家が必ず必要になるわけではありません。しかし、争い、債権者対応、期限経過後の申述、財産処分、税務、不動産が絡む場合は、実費とは別に専門家報酬を検討する場面があります。
次の一覧は、専門職ごとの主な役割と費用が発生しやすい場面をまとめたものです。読者にとって重要なのは、誰に何を頼めるかを分けて読み、相続放棄の申述、戸籍収集、税務、登記を混同しないことです。
戸籍収集、相続関係説明図、裁判所提出書類作成、相続登記で関与します。代理権の範囲には制限があります。
書類作成相続税申告、生命保険金、税務上の取扱いなどを確認します。財産額が大きい場合や税務判断が必要な場合に検討します。
税務紛争、税務、登記申請、裁判所代理を除く範囲で、周辺書類の作成支援を行うことがあります。
周辺書類不動産評価、境界、売却、会社承継、遺族年金、資産設計、預金手続など周辺領域で関与することがあります。
関連領域不動産がある相続では、相続放棄をしない人や後順位相続人の相続登記も問題になります。相続登記は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があるとされています。
誤解しやすい点を一般情報として整理します。
一般的には、配偶者や子であれば戸籍が少なく済むことがあります。ただし、父母、祖父母、兄弟姉妹、おい、めいが相続放棄をする場面では、出生から死亡までの連続戸籍や先順位相続人がいないことを示す戸籍が必要になる可能性があります。具体的な必要範囲は、続柄、転籍、婚姻、代襲相続の有無によって変わるため、管轄家庭裁判所や弁護士等の専門家へ確認する必要があります。
一般的には、住民票除票は最後の住所地の市区町村に請求し、戸籍附票は本籍地の市区町村に請求します。ただし、保存期間、記載内容、自治体の取扱いにより結論が変わる可能性があります。具体的な取得先は、被相続人の最後の住所や本籍地を整理したうえで自治体へ確認する必要があります。
一般的には、広域交付で請求できる人の範囲には制限があるとされています。兄弟姉妹や代理人による請求、戸籍附票、一部の古い戸籍などは利用できない場合があります。具体的には、請求者の続柄、必要な戸籍の種類、自治体の取扱いによって変わるため、請求先自治体や専門家へ確認する必要があります。
一般的には、申述前に入手できない戸籍等は、申述後に追加提出できる場合があると案内されています。ただし、提出できる資料、期限、裁判所からの追加提出指示は事案や管轄によって変わる可能性があります。期限が迫る場合の具体的な対応は、管轄家庭裁判所や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、相続放棄が受理されても、葬儀、遺品、賃貸住宅、公共料金、保険、年金、債権者対応、次順位相続人への連絡など周辺の手続が残ることがあります。相続財産の処分に当たるかどうかは個別事情で結論が変わる可能性があるため、具体的な行動方針は弁護士等の専門家へ確認する必要があります。
最初の確認事項、続柄別の請求書類、予算メモをまとめます。
相続放棄では、費用の前に期限、管轄、続柄を確認します。次の比較表は、最初に確認すべき事項と理由をまとめたものです。左の項目を順に埋めることで、どの書類をどこへ請求するかが決めやすくなります。
| 確認事項 | 理由 |
|---|---|
| 被相続人の死亡日 | 相続開始日を確認するため |
| 自分が相続人になったことを知った日 | 3か月の熟慮期間の起算点に関係するため |
| 被相続人の最後の住所 | 管轄家庭裁判所を決めるため |
| 被相続人の本籍地 | 死亡戸籍や戸籍附票の取得に必要なため |
| 自分と被相続人の続柄 | 必要戸籍の範囲を決めるため |
| 先に相続放棄した人がいるか | 提出済み戸籍を再利用できる可能性があるため |
| 財産を処分していないか | 法定単純承認の問題が生じ得るため |
次の比較表は、続柄ごとに最初に請求する書類をまとめたものです。申述人の続柄に応じて、死亡記載戸籍だけでよいのか、出生から死亡までの戸籍まで必要になり得るのかを読み取ります。
| 続柄 | 最初に請求する書類 |
|---|---|
| 配偶者 | 被相続人の死亡記載戸籍、申述人の戸籍、住民票除票または戸籍附票 |
| 子 | 被相続人の死亡記載戸籍、申述人の戸籍、住民票除票または戸籍附票 |
| 孫など代襲相続人 | 子の場合の書類に加え、被代襲者の死亡記載戸籍 |
| 父母、祖父母 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍、申述人の戸籍、住民票除票または戸籍附票 |
| 兄弟姉妹 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍、父母等の死亡記載戸籍、申述人の戸籍、住民票除票または戸籍附票 |
| おい、めい | 兄弟姉妹の場合の書類に加え、被代襲者である兄弟姉妹の死亡記載戸籍 |
次の比較表は、予算を立てるための費目を並べたものです。金額欄を実際の通数や裁判所の郵便料で埋めると、印紙代以外の見落としを減らせます。
| 費目 | 金額記入欄 |
|---|---|
| 収入印紙800円掛ける申述人数 | 円 |
| 家庭裁判所の連絡用郵便料 | 円 |
| 戸籍謄本450円掛ける通数 | 円 |
| 除籍謄本750円掛ける通数 | 円 |
| 改製原戸籍750円掛ける通数 | 円 |
| 住民票除票または戸籍附票 | 円 |
| 定額小為替200円掛ける枚数 | 円 |
| 往信用郵便料 | 円 |
| 返信用郵便料 | 円 |
| 相続放棄申述受理証明書150円掛ける通数 | 円 |
| 専門家報酬 | 円 |
| 合計 | 円 |
印紙代だけでなく、戸籍の範囲、郵送実費、期限を合わせて判断します。
相続放棄に必要な戸籍謄本などの書類取得費用は、最低限の印紙代だけを見ると小さく見えます。しかし実際には、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票除票、戸籍附票、郵便料、定額小為替手数料、受理証明書、専門家報酬が積み重なります。
費用を正確に見積もるには、配偶者、子、父母、兄弟姉妹、おい、めいのどれに当たるかを確認し、裁判所の続柄別必要書類を見て、被相続人の最後の住所地から管轄家庭裁判所と郵便料を確認します。そのうえで、戸籍謄本450円、除籍謄本750円、改製原戸籍750円を基本単価として必要通数を積算します。
住民票除票や戸籍附票は自治体ごとの手数料を確認し、郵送請求では定額小為替1枚200円と往復郵便料を忘れないことが大切です。期限が迫る場合は、不足戸籍を後日追加提出する前提で申述を先行させることも検討します。争い、期限経過、債権者対応、財産処分、不動産、税務が絡む場合は、弁護士、司法書士、税理士など適切な専門家へ相談する必要があります。
相続放棄は、書類を集めるだけの手続に見えて、相続人の順位、戸籍の連続性、家庭裁判所の管轄、熟慮期間、財産調査、債権者対応が交差します。費用を節約する最善策は、必要書類を減らすことではなく、必要な書類を正確に把握し、重複取得と再請求を避け、期限を失わないことです。
制度、手数料、郵便料金などの確認に用いた公的資料です。