2σ Guide

ゴルフ会員権や
リゾート会員権は遺産になるか

会員資格、預託金返還請求権、株式、不動産共有持分、相続税評価を分けて確認し、遺産分割や相続放棄、相続登記で見落としやすい実務上の注意点を整理します。

70% 取引相場がある会員権の評価基準
3か月 相続放棄・限定承認の検討期間
3年 不動産持分がある場合の登記期限
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ゴルフ会員権や リゾート会員権は遺産になるか

結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。

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ゴルフ会員権や リゾート会員権は遺産になるか
結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。
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  • ゴルフ会員権や リゾート会員権は遺産になるか
  • 結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。

POINT 1

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかの全体像
  • 結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。
  • 「相続されるか」と「相続税で評価するか」は別に判断します
  • 民法上の承継
  • 相続税評価

POINT 2

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを左右する権利構造
  • 単なる趣味の資格ではなく、複数の権利義務が束になっているかを確認します。
  • ゴルフ会員権は、施設の優先的利用権、預託金返還請求権、年会費納入義務などを含む契約上の地位として把握されることがあります。
  • 差押えや譲渡命令の対象になる場面もあり、経済的価値を持つ財産権として扱われる余地があります。
  • 民法上の出発点は、相続人が被相続人の財産に属した権利義務を承継する一方、一身専属的なものは承継しないという整理です。

POINT 3

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを判例から読む
  • 1. 会則・契約書を確認:死亡、譲渡、名義変更、承認拒否、退会時清算の規定を読みます。
  • 2. 譲渡や名義変更が制度として予定されているか:人的固定性がどの程度緩められているかを確認します。
  • 3. 承継可能性を検討:承認を条件に、会員契約上の地位が相続される余地があります。
  • 4. 一身専属性を確認:財産権部分が残るか、返還金や清算金がないかを別途見ます。

POINT 4

  • ゴルフ会員権が遺産になる場面と評価されにくい場面
  • 預託金返還請求権がある
  • 返還時期が未到来でも、将来の返還可能性が財産権として処理対象になります。
  • 株式が会員資格と結びつく
  • 株主会員制では、会員権に係る株式自体が相続財産として問題になります。

POINT 5

  • リゾート会員権が遺産になるかは契約類型で変わる
  • リゾート会員権は、ゴルフ会員権以上に不動産・預託金・利用権の組み合わせが分かれます。
  • クラブ名義変更と相続登記は別の手続です
  • リゾート会員権は一枚岩ではありません。
  • 会員権の名称ではなく、不動産持分、預託金、利用権、清算金のどれが含まれるかを読み取ることが重要です。

POINT 6

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権の相続税評価と申告上の注意
  • 市場価格が低い場合でも、根拠なくゼロと決めつけないことが重要です。
  • 国税庁は、ゴルフ会員権について、取引相場のある会員権は課税時期の通常の取引価格の70%相当額で評価すると整理しています。
  • 取引価格に含まれない預託金等があれば、返還可能時期に応じた金額を加算します。
  • 評価方法の列と確認資料の列を対応させて読むことで、申告時に何を根拠資料として集めるかが分かります。

POINT 7

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権を遺産分割で扱う方法
  • 1. 会員権の存在と権利内容を確認:会員証、契約書、年会費請求書、株式資料、登記事項証明書を集めます。
  • 2. 維持費と換価可能性を調べる:年会費、名義変更料、相場、預託金の返還時期、固定資産税を確認します。
  • 3. 取得者または金銭化の方針を決める:単独取得と代償金、売却代金の分配、退会返還、負担整理のいずれかを選びます。
  • 4. 名義変更・税務・登記を処理:クラブの承認、相続税申告、不動産持分の登記を並行して確認します。

POINT 8

  • ゴルフ会員権やリゾート会員権の調査資料と登記の確認
  • 会員証だけでなく、会則、契約書、相場資料、登記事項証明書まで確認します。
  • 会員権の相続で必要な資料は、会員権そのものを示す資料、承継条件を示す資料、価値評価資料、相続手続資料に分かれます。
  • 特に不動産所有権付リゾート会員権では、不動産共有持分の有無を登記事項証明書で確認します。
  • 資料の種類ごとに、権利の存在、承継条件、評価、手続のどれを裏づけるのかを読み取ることが重要です。

まとめ

  • ゴルフ会員権や リゾート会員権は遺産になるか
  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかの全体像:結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。
  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを左右する権利構造:単なる趣味の資格ではなく、複数の権利義務が束になっているかを確認します。
  • ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを判例から読む:会員資格と会員契約上の地位を分ける考え方が、実務上の中核になります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかの全体像

結論は、会員資格そのものと財産権部分を分けて見ると整理しやすくなります。

ゴルフ会員権やリゾート会員権は、必ず遺産になるとも、必ず遺産にならないとも言い切れません。民法上は、被相続人の財産に属した権利義務は原則として相続人に承継されますが、その人だけに結びつく一身専属的な地位は承継されません。

このページで最初に押さえたい結論は、財産権部分があるかどうかです。預託金返還請求権、株式、不動産共有持分、譲渡可能な契約上の地位があれば、遺産として扱われる可能性が高く、単に施設を利用できるだけの人的資格に近いものは評価されにくくなります。

次の重要ポイントは、遺産になるかを考える際に何を分けて確認するかを示しています。結論を急ぐ前に、私法上の承継と相続税上の評価が別問題であることを読み取ることが重要です。

「相続されるか」と「相続税で評価するか」は別に判断します

税務上評価しない会員権でも、私法上の地位が完全に消えるとは限りません。反対に、私法上の承継が問題になる場合でも、市場性が乏しければ税務評価が小さくなることがあります。

次の4つの観点は、会員権が遺産として問題になるかを大きく左右します。どの観点が当てはまるかを確認することで、会則や契約書のどこを優先して読むべきかが分かります。

Private Law

民法上の承継

会員契約上の地位や預託金返還請求権が、相続人に承継される権利義務といえるかを確認します。

Tax

相続税評価

取引相場、株式、預託金、不動産持分があるかにより、課税価格へ反映する方法が変わります。

Contract

会則と承認制度

死亡、名義変更、譲渡、退会、清算金、承認拒否の規定が、実際の処理を左右します。

Cost

維持費と手続負担

年会費、管理費、名義変更料、固定資産税、登記費用が残る場合は、資産ではなく負担として問題化します。

注意「評価しない」と「権利が何も残らない」は同じ意味ではありません。相続人間の帰属、クラブ側の承認、退会時の清算、相続税申告の要否を分けて確認します。
Section 01

ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを左右する権利構造

単なる趣味の資格ではなく、複数の権利義務が束になっているかを確認します。

ゴルフ会員権は、施設の優先的利用権、預託金返還請求権、年会費納入義務などを含む契約上の地位として把握されることがあります。差押えや譲渡命令の対象になる場面もあり、経済的価値を持つ財産権として扱われる余地があります。

次の比較表は、会員権の代表的な類型と、遺産性や税務評価で見るべきポイントを整理したものです。列ごとに、権利の中身、相続時の焦点、評価上の手がかりを読み分けることで、単なる名称ではなく実体で判断できます。

類型主な中身遺産性の見方確認資料
預託金会員制利用権、預託金返還請求権、年会費負担返還請求権や契約上の地位が財産権として問題になります。預り証、会則、償還条件、退会規定
株主会員制会員資格と株式保有の結合株式自体が相続財産となり、会員資格との関係を確認します。株式関係書類、株主名簿、名義変更規程
預託金+株式型預託金返還請求権と株式複数の財産権が重なるため、分割と評価を分けて整理します。会員証券、株式資料、契約書
単純利用権型施設利用資格が中心譲渡不可、返還金なしなら一身専属性が強くなります。利用規約、退会規程、返還金の有無

民法上の出発点は、相続人が被相続人の財産に属した権利義務を承継する一方、一身専属的なものは承継しないという整理です。会員資格には人的審査やクラブの品位維持が関わるため、人的資格そのものと、預託金や株式などの財産権部分を切り分けて考えます。

実務の軸「会員としてプレーできる地位」と「返還請求権や株式などの財産権」は一致しないことがあります。相続時は、名称ではなく権利の中身を確認します。
Section 02

ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかを判例から読む

会員資格と会員契約上の地位を分ける考え方が、実務上の中核になります。

最高裁判所は、預託金会員制ゴルフクラブについて、会則上の譲渡制度や理事会承認制度がある場合には、相続人が承認を停止条件として正会員としての地位を承継し得ると判断しています。死亡時の相続条項が明記されていないことだけで、直ちに相続不可とはいえません。

一方で、会員契約上の地位が相続される場合でも、相続人が死亡だけを理由に預託金返還請求権だけを切り離して直ちに行使できるとは限らないとされています。承継されるのは、利用権、返還請求権、年会費負担などを含む一体的な法律関係だからです。

次の判断の流れは、判例が示した区別を実務で読むためのものです。上から順に確認することで、死亡による会員資格の扱いと、財産権を含む契約上の地位の承継可能性を分けて読み取れます。

会員資格と契約上の地位を分ける判断の流れ

会則・契約書を確認

死亡、譲渡、名義変更、承認拒否、退会時清算の規定を読みます。

譲渡や名義変更が制度として予定されているか

人的固定性がどの程度緩められているかを確認します。

予定あり
承継可能性を検討

承認を条件に、会員契約上の地位が相続される余地があります。

予定なし
一身専属性を確認

財産権部分が残るか、返還金や清算金がないかを別途見ます。

大阪高裁判決も、相続人が会員資格そのものを取得する問題と、理事会承認を得ることを条件に会員になれる契約上の地位を承継する問題を区別しています。「死亡により会員資格喪失」と書かれていても、財産権を含む契約上の地位まで当然に消えるとは限りません。

短絡禁止「死亡で退会」と「預託金や契約上の地位も消える」は別問題です。会則全体の構造と、譲渡・承認制度との整合性を確認する必要があります。
Section 03

ゴルフ会員権が遺産になる場面と評価されにくい場面

返還請求権、株式、市場流通性、名義変更制度の有無が分岐点になります。

ゴルフ会員権が遺産になる可能性が高いのは、退会時または一定期間経過後に預託金の返還を受けられる場合、株式が会員資格に結びついている場合、市場で売買されている場合、会則上の名義変更・承認制度が置かれている場合です。

次の一覧は、ゴルフ会員権が遺産になりやすい事情と、評価が立ちにくい事情を対比したものです。左右の項目を見比べることで、財産権として扱う根拠があるか、人的利用資格に近いかを読み取れます。

預託金返還請求権がある

返還時期が未到来でも、将来の返還可能性が財産権として処理対象になります。

株式が会員資格と結びつく

株主会員制では、会員権に係る株式自体が相続財産として問題になります。

取引相場がある

仲介市場や売買相場がある場合、交換価値が可視化され、評価の手がかりになります。

名義変更制度がある

承認が必要でも、制度として変更が予定されていれば承継可能性を検討します。

一方で、譲渡できず、返還請求権もなく、株式や不動産持分もなく、単にプレーできるだけの会員資格に近いものは、一身専属性が強くなります。国税庁も、株式保有を要せず、譲渡不可で、返還預託金等がなく、単にプレーできるだけのものは評価しないと整理しています。

税務上の境界譲渡不可、返還金なし、株式なし、単純利用だけという条件がそろうと、相続税評価上は評価しない整理になり得ます。ただし、私法上の地位や未払費用の確認は別に必要です。

死亡をきっかけに返還金を請求できるかは、会則や契約上の償還条件に左右されます。会員契約上の地位が相続される場合、返還請求権だけを抜き出してすぐに行使できるとは限らないため、退会手続や承認手続の順序も確認します。

Section 04

リゾート会員権が遺産になるかは契約類型で変わる

リゾート会員権は、ゴルフ会員権以上に不動産・預託金・利用権の組み合わせが分かれます。

リゾート会員権は一枚岩ではありません。不動産所有権付の共有制、預託金制、入会金制・利用権型、それらの混合型があり、同じ「リゾート会員権」という名称でも遺産性は大きく変わります。

次の比較表は、リゾート会員権の代表的な類型と相続時の焦点を示しています。会員権の名称ではなく、不動産持分、預託金、利用権、清算金のどれが含まれるかを読み取ることが重要です。

リゾート会員権の類型含まれやすい権利相続時の主な論点
不動産所有権付土地・建物・附属施設共有部分、施設利用権不動産持分の相続登記とクラブ名義変更を分けて処理します。
預託金制施設利用権、保証金・預託金返還請求権退会時の返還条件、据置期間、返還可能時期を確認します。
入会金制・利用権型施設利用資格が中心返還金や譲渡性が乏しければ、財産権性が弱くなります。
混合型不動産持分、預託金、利用権の組み合わせ権利ごとに相続、評価、名義変更、費用負担を分解します。

不動産所有権付リゾート会員権では、不動産売買契約と施設利用契約が一体化していることがあります。不動産所有権と施設利用権を分離して譲渡できない場合でも、少なくとも不動産共有持分が含まれる以上、遺産性は強くなります。

次の重要ポイントは、不動産所有権付の会員権で処理を分ける理由を示しています。どの手続がクラブ側の名義変更で、どの手続が法務局での登記なのかを読み取ることが大切です。

クラブ名義変更と相続登記は別の手続です

施設利用契約の名義変更が済んでも、不動産共有持分の相続登記が済んだことにはなりません。不動産が含まれる場合は、登記事項証明書で持分の有無を確認します。

取引相場のあるリゾート会員権は、施設の優先的利用権、保証金返還請求権、不動産共有持分などで構成されることがあります。返還可能な預託金等がある場合も、財産として把握される場面があるため、契約書と清算条件の確認が必要です。

Section 05

ゴルフ会員権やリゾート会員権の相続税評価と申告上の注意

市場価格が低い場合でも、根拠なくゼロと決めつけないことが重要です。

国税庁は、ゴルフ会員権について、取引相場のある会員権は課税時期の通常の取引価格の70%相当額で評価すると整理しています。取引価格に含まれない預託金等があれば、返還可能時期に応じた金額を加算します。

次の比較表は、相続税評価で見る代表的な処理をまとめたものです。評価方法の列と確認資料の列を対応させて読むことで、申告時に何を根拠資料として集めるかが分かります。

対象評価の考え方確認する資料
取引相場のあるゴルフ会員権課税時期の通常の取引価格の70%相当額を基準にします。相場資料、仲介業者資料、名義変更料資料
取引価格に含まれない預託金等返還可能時期に応じて金額を加算します。預り証、返還時期、据置期間、退会規定
株主会員制会員権に係る株式の価額で評価します。株式関係書類、株主名簿、会社資料
取引相場のあるリゾート会員権ゴルフ会員権に準じ、通常の取引価格の70%相当額で評価される場合があります。売買相場、不動産持分、施設利用契約、清算金条件
単純利用資格に近いもの譲渡不可、返還預託金なし、株式不要で単に利用できるだけなら評価しない整理があり得ます。会則、譲渡制限、返還金の有無、利用規約

相続税申告のチェックシートでも、ゴルフ会員権やレジャークラブ会員権は計上漏れを確認する項目に含まれます。売却相場が低い、買い手がつかない、年会費の方が高いといった事情があっても、まずは権利の存在、返還金、株式、不動産持分の有無を調べます。

申告注意評価額が低いことと申告上まったく確認しなくてよいことは別です。ゼロ評価や評価不要と整理する場合も、譲渡不可、返還金なし、単純利用資格であることを説明できる資料が必要になります。

会員権を売却した場合には、相続税評価とは別に譲渡所得の論点が出ることがあります。相続後に売却や退会返還をする場合は、相続税申告だけでなく、その後の所得税上の扱いも確認します。

Section 06

ゴルフ会員権やリゾート会員権を遺産分割で扱う方法

複数相続人がいる場合、共有状態のままでは使いにくく、早めの方針決定が必要です。

相続人が複数いるとき、相続財産は遺産分割が終わるまで共同相続人の共有状態になります。会員権も、特定の相続人が単独取得する遺言や別の法理がない限り、まずは共有状態として扱われるのが原則です。

次の時系列は、共有状態から具体的な処理方針へ移る流れを示しています。順番に見ることで、利用継続、売却、退会返還、負担整理のどれを選ぶかを、相続人間で検討しやすくなります。

相続開始後

会員権の存在と権利内容を確認

会員証、契約書、年会費請求書、株式資料、登記事項証明書を集めます。

分割協議前

維持費と換価可能性を調べる

年会費、名義変更料、相場、預託金の返還時期、固定資産税を確認します。

遺産分割

取得者または金銭化の方針を決める

単独取得と代償金、売却代金の分配、退会返還、負担整理のいずれかを選びます。

分割後

名義変更・税務・登記を処理

クラブの承認、相続税申告、不動産持分の登記を並行して確認します。

実務では、ある相続人が単独取得して代償金を払う方法、売却して現金化する方法、退会・返還請求で金銭化する方法、実質価値がなく負担だけ残るものを整理する方法が検討されます。会員権は一人の利用主体を前提とすることが多いため、「分けにくい遺産」の代表例です。

相続放棄や限定承認との関係も重要です。会員権は資産に見えても、年会費、管理費、名義変更料、退会手数料、据置期間未了による回収不能、不動産持分に伴う固定資産税や登記費用が残ることがあります。

期限意識負債超過が疑われる場合、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続放棄や限定承認を検討する必要があります。会員証を見つけたら放置せず、費用負担を早めに調べます。
Section 07

ゴルフ会員権やリゾート会員権の調査資料と登記の確認

会員証だけでなく、会則、契約書、相場資料、登記事項証明書まで確認します。

会員権の相続で必要な資料は、会員権そのものを示す資料、承継条件を示す資料、価値評価資料、相続手続資料に分かれます。特に不動産所有権付リゾート会員権では、不動産共有持分の有無を登記事項証明書で確認します。

次の一覧は、相続時に集めたい資料を目的別に整理したものです。資料の種類ごとに、権利の存在、承継条件、評価、手続のどれを裏づけるのかを読み取ることが重要です。

会員権そのものを示す資料

会員証券、預り証、会員カード、株券または株式関係書類、リゾート会員権の売買契約書や施設利用契約書を確認します。

権利確認

承継条件を示す資料

会則、細則、名義変更規程、相続・承継・退会・清算金・承認拒否に関する規定を集めます。

承継条件

価値評価資料

仲介業者の相場資料、年会費・管理費請求書、預託金返還条件、固定資産税評価証明書、不動産登記事項証明書を確認します。

評価根拠不動産持分

相続手続資料

戸籍一式、遺言書、遺産分割協議書、相続放棄や限定承認を検討する資料を整えます。

手続書類

リゾート会員権に不動産共有持分が含まれているなら、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が問題になります。義務化前の相続も対象になり得るため、古い会員権でも確認が必要です。

登記注意クラブ側の名義変更だけで、不動産共有持分の相続登記が完了するわけではありません。登記対象の持分がある場合は、法務局の手続を別に確認します。
Section 08

ゴルフ会員権やリゾート会員権で起きやすい紛争点

死亡、承継、返還、評価、費用負担のどこで争いが起きるかを先に把握します。

典型的な争点は、死亡によって当然に退会・消滅するのか、誰が会員地位を引き継ぐのか、死亡直後に預託金返還請求ができるのか、価値はいくらか、費用負担を誰が持つのかです。

次の一覧は、争点ごとに何が問題になるかを整理したものです。どの争点が自分たちの状況に近いかを読み取ることで、会則確認、遺産分割協議、税務評価、専門家相談の優先順位を決めやすくなります。

死亡で当然に消滅するか

会則文言だけでなく、譲渡制度や承認制度との整合性を確認します。

誰が引き継ぐか

共同相続人間で合意できない場合、遺産分割の問題として扱います。

返還請求の時期

死亡だけで直ちに預託金返還請求ができるとは限らず、退会規定や償還条件を確認します。

評価額の根拠

市場相場が薄い、買い手がつかない、維持費が重い場合でも、根拠資料を整理します。

費用負担

名義変更料、年会費、管理費、固定資産税、退会費用を誰が負担するかを協議します。

相談先も論点により変わります。争いがある場合は弁護士、相続登記や登記必要書類は司法書士、相続税申告や会員権評価は税理士、争いのない書類整理は行政書士、不動産所有権付で評価の説得力が必要な場合は不動産鑑定士が関与することがあります。

役割分担会則解釈、税務評価、登記、書類作成、鑑定評価は専門領域が異なります。どの論点で困っているかを分けて相談先を選びます。
Section 09

会員証が見つかったときの確認手順

3か月、10か月、3年の期限を意識しながら、財産調査と手続を並行して進めます。

被相続人の部屋から会員証や年会費請求書が見つかった場合は、資産価値だけでなく負担も調べます。会員権は放置すると年会費や管理費が続くことがあり、不動産持分があれば登記義務も問題になります。

次の判断の流れは、会員証発見後に何を順番に確認するかを示しています。上から順に進めることで、相続放棄・限定承認の検討、遺産分割、税務申告、名義変更、登記の漏れを減らせます。

会員証発見後の行動の順番

Step 1 資料を集める

会員証、預り証、株式資料、契約書、年会費請求書を確認します。

Step 2 会則と契約書を取り寄せる

相続時の取扱い、名義変更、承認拒否、退会・償還条件を書面で確認します。

Step 3 3か月以内の判断を意識する

費用負担や負債超過が疑われる場合、相続放棄・限定承認を検討します。

Step 4 遺産分割の方針を決める

利用継続、売却、退会返還、負担整理のどれが合理的かを協議します。

Step 5 税務・登記・名義変更を並行処理

相続税申告、クラブ手続、不動産持分の相続登記を分けて進めます。

相続税申告が必要な場合は、死亡から10か月以内の申告期限を意識します。不動産所有権付リゾート会員権では、相続登記の3年期限も別に確認します。期限の種類が違うため、ひとつの手続が終わっても他の手続が残っていないかを確認します。

Section 10

よくある質問

個別事情で結論が変わるため、ここでは一般的な整理として説明します。

趣味の会員権なら遺産から外してよいですか

一般的には、趣味に関係する会員権でも、預託金返還請求権、株式、不動産共有持分、譲渡可能な契約上の地位があれば財産として扱われる可能性があります。ただし、譲渡性、返還金、会則、費用負担によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

死亡したらすぐに預託金を返してもらえますか

一般的には、会員契約上の地位が相続される場合、死亡だけを理由に預託金返還請求権だけを直ちに行使できるとは限らないとされています。ただし、会則や退会規定、償還条件、承認手続によって結論が変わる可能性があります。具体的な返還時期や手続は、契約書類を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。

税務上評価しない会員権なら何もしなくてよいですか

一般的には、税務上評価しない整理が可能な会員権でも、私法上の地位、未払年会費、退会手続、名義変更、相続人間の扱いを別に確認する必要があります。ただし、会員権の内容や運営会社の規定によって必要な対応は変わる可能性があります。具体的には、会則、預り証、請求書を確認して専門家へ相談する必要があります。

リゾート会員権に不動産持分がある場合は何が違いますか

一般的には、不動産共有持分が含まれる場合、クラブ側の名義変更とは別に相続登記が問題になります。ただし、契約形態、登記の有無、共有持分の内容、相続開始時期によって手続は変わる可能性があります。具体的には、登記事項証明書や契約書を確認したうえで司法書士等へ相談する必要があります。

年会費が高く売れない会員権は相続放棄できますか

一般的には、相続放棄は特定の会員権だけを選んで放棄する制度ではなく、相続全体について検討する制度です。ただし、負債の額、他の遺産、相続開始を知った時期、財産処分の有無などによって判断が変わる可能性があります。具体的な見通しや対応方針は、早めに弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Section 11

ゴルフ会員権やリゾート会員権は遺産になるかの結論

答えを左右するのは、名称ではなく条項と権利構造です。

ゴルフ会員権やリゾート会員権は、遺産になることが多い一方、内容次第で結論が分かれます。預託金返還請求権、株式、不動産共有持分、譲渡可能な会員契約上の地位があるなら、遺産になる可能性が高いと整理できます。

会員資格そのものに人的要素が強くても、契約上の地位まで当然に消えるとは限りません。相続性が認められる場合でも、死亡だけで直ちに預託金返還請求ができるとは限らない点にも注意が必要です。

譲渡不可、返還請求権なし、単なる利用資格にとどまるものは、少なくとも相続税上は評価しない場合があります。不動産所有権付リゾート会員権では、クラブ名義変更だけでなく、相続登記の確認も必要です。

最終的に見るべき資料は、パンフレットではなく、会則、細則、契約書、預り証、株式資料、登記事項証明書、相場資料です。感覚ではなく、条項と権利構造に基づいて判断します。

最終確認会員権を見つけたら、財産権部分、維持費、税務評価、遺産分割、登記の5点を同時に確認します。個別事情で結論が変わるため、重要な判断は専門家に相談する必要があります。
Reference

参考資料

法令、公的資料、裁判例、税務資料を中心に確認しています。

法令・公的資料

  • e-Gov法令検索 民法
  • 法務省 相続登記の義務化
  • 法務省 相続登記の申請義務化について
  • 裁判所 相続の放棄の申述
  • 裁判所 相続の承認又は放棄の期間の伸長
  • 裁判所 資産目録書式

相続税・評価に関する資料

  • 国税庁 タックスアンサー No.4647 ゴルフ会員権の評価
  • 国税庁 不動産所有権付リゾート会員権の評価
  • 国税庁 第6章 その他の財産の評価
  • 国税庁 財産債務調書制度FAQ
  • 国税庁 相続税の申告のためのチェックシート
  • 国税庁 タックスアンサー No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
  • 国税庁 タックスアンサー No.3158 ゴルフ会員権の譲渡による所得

裁判例

  • 最高裁判所第三小法廷判決 会員権確認等
  • 最高裁判所第三小法廷判決 保証金返還
  • 東京高等裁判所判決 ゴルフ会員権名義書換請求事件
  • 大阪高等裁判所判決 会員資格と会員契約上の地位に関する判断