民事法律扶助は、外国人であること自体で排除される制度ではありません。住所、適法な在留、資力、事件類型、例外的な支援ルートを順に整理します。
民事法律扶助は、外国人であること自体で排除される制度ではありません。
結論は、国籍だけではなく、住所・在留・資力・事件類型を順に見るというものです。
外国人でも法テラスの民事法律扶助を受けられる可能性があります。ただし、外国人であること自体で決まるのではなく、日本に住所を有し、適法に在留していること、収入・資産の基準を満たすこと、対象となる事件であることなどを満たす必要があります。
次の要点は、このページ全体で最も大切な結論を表しています。制度を使えるかを早く見分けるために重要で、読者は「外国人だから不可」でも「無条件に可」でもないという前提を読み取ると整理しやすくなります。
民事法律扶助は、国籍ではなく、住所、適法な在留、資力、事件の性質、制度趣旨への適合性を組み合わせて判断されます。
次の比較表は、法テラスの利用場面ごとの結論をまとめたものです。制度名が似ているため誤解が起きやすく、各行の「何が使えるのか」を読み分けることが重要です。
| 論点 | 基本的な整理 |
|---|---|
| 外国人は法テラスを利用できるか | 情報提供や窓口案内は外国人も利用できます。多言語情報提供サービスも用意されています。 |
| 外国人は民事法律扶助を利用できるか | 日本に住所を有し、適法に在留し、資力等の要件を満たす個人であれば対象になり得ます。 |
| 在留資格がない場合 | 通常の民事法律扶助は原則として難しいとされています。ただし、在留資格をめぐる訴訟や別制度が問題になる場合があります。 |
| 刑事事件の場合 | 民事法律扶助とは別で、国選弁護等の制度が問題になります。 |
| 費用の扱い | 無料法律相談は無料となり得ますが、代理援助や書類作成援助は多くの場合、後日の返済を前提にした立替えです。 |
このページは、2026年4月20日時点で確認できる公的資料をもとに、制度の一般的な仕組みを説明しています。個別の利用可否や手続方針は、資料をそろえたうえで法テラスや弁護士等の専門家に確認する必要があります。
「法テラスを使える」と「民事法律扶助を使える」は同じ意味ではありません。
この論点が分かりにくい理由は、「法テラスを使えるか」という言葉の中に、情報提供、多言語の窓口案内、民事法律扶助、刑事事件の国選弁護などが混ざっているからです。検索する人が知りたい中心は民事法律扶助ですが、入口の制度と費用立替の制度を分けて理解する必要があります。
次の一覧は、法テラス周辺で混同されやすい四つの制度を表しています。どの制度に乗るかで要件や担当窓口が変わるため重要で、読者は自分の問題がどの入口に近いかを読み取ると次の行動を決めやすくなります。
法制度や相談窓口を案内する入口です。外国人も利用できる案内が用意されています。
外国語で日本の法律制度や相談先を案内する仕組みです。弁護士による法律相談そのものとは区別されます。
無料法律相談、代理援助、書類作成援助を中心にした制度です。住所、在留、資力などの要件があります。
逮捕、勾留、起訴など刑事事件で問題になる別制度です。民事法律扶助の枠組みでは扱いません。
民事法律扶助は、主に法律相談援助、代理援助、書類作成援助の三つで構成されます。法律相談援助は弁護士・司法書士による無料法律相談、代理援助は依頼時の費用や実費の立替え、書類作成援助は裁判所提出書類の作成費用の立替えです。
重要なのは、「扶助」が常に全部無料を意味するわけではないことです。多くの場合、弁護士費用等を無利息で立て替え、利用者が後から返済する制度として理解する必要があります。
対象者は、国民だけでなく、日本に住所を有し適法に在留する外国人も含むと整理されています。
法テラスは総合法律支援法に基づいて設立された公的法人で、司法アクセスを支えるため、情報提供、民事法律扶助、犯罪被害者支援、国選弁護関連業務などを行っています。民事法律扶助の対象者については、国民と、日本に住所を有し適法に在留する外国人が対象になるという整理が示されています。
次の三つの視点は、対象者ルールから読み取るべき意味を表しています。誤った自己判断を避けるために重要で、読者は「国籍そのもの」ではなく「住所・在留・個人性」が問題になる点を読み取る必要があります。
排除の基準は国籍そのものではなく、日本に住所があり、適法に在留しているかどうかです。
法人、組合などの団体は対象に含まれません。会社の紛争か、経営者個人の問題かで整理が変わります。
支援の必要性が高く見えても、資力、事件の見込み、制度趣旨への適合性などの審査を通る必要があります。
そのため、外国籍の人が離婚、労働、借金、相続、損害賠償などの問題を抱えている場合でも、まずは個人としての相談か、対象となる民事・家事・行政上の問題か、資料で住所と在留を確認できるかを切り分けます。
住所、適法な在留、収入・資産、事件の見込み、制度趣旨への適合性を順に確認します。
住所は、単なる一時滞在ではなく、日本国内に生活の本拠があることを前提とする概念です。外国人から申込みがあった場合、在留カードや住民票などにより、在留資格や住所の確認が行われると考えられます。
民事法律扶助では、適法に在留していることが基本条件として扱われます。オーバーステイ、在留資格の失効、退去強制手続中などでは、通常の民事法律扶助にそのまま乗ることは難しいのが基本です。
次の比較表は、2026年3月時点の民事法律扶助のしおりに示された収入と資産の目安を表しています。経済的要件の入口を知るために重要で、読者は家族人数、地域、資産額の三つを横に見比べる必要があります。
| 家族人数 | 一般地域の収入基準 | 東京都特別区・大阪市などの収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 182,000円以下 | 200,200円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 251,000円以下 | 276,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 272,000円以下 | 299,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 299,000円以下 | 328,900円以下 | 300万円以下 |
実務上は、本人と配偶者の収入・資産を合算して判断するのが原則です。ただし、離婚など配偶者が相手方になる事件では本人のみで判断されることがあります。家賃、住宅ローン、医療費、教育費などがある場合、基準判定で調整されることもあります。
法律相談援助では主に現金・預貯金が問題になりますが、代理援助や書類作成援助では不動産や有価証券なども含めて見られます。ただし、生活に必要な住宅など一定の除外が問題になる場合があります。
次の判断の流れは、相談から立替えに進むときに確認される要素を順番に示しています。相談だけか依頼まで進むかで審査内容が変わるため重要で、読者は上から順に一つずつ条件を確認する流れを読み取る必要があります。
日本に住所があり、適法に在留しているかを資料で確認します。
収入と資産が基準内か、配偶者分を含めるかを見ます。
民事・家事・行政上の法的問題か、刑事や行政窓口の手続ではないかを分けます。
勝訴、和解、調停、示談、免責などによる解決の見込みがないとはいえないかを確認します。
報復、自己宣伝、権利濫用的な目的ではないか、費用対効果が極端に乏しくないかを見ます。
「勝訴の見込みがないとはいえないこと」は、裁判で必ず勝つことを求める趣旨ではありません。和解、調停、示談による解決や、自己破産で免責が見込まれる場合も含め、法的手続を進める実益があるかが問題になります。
民事・家事・行政の法的問題が中心で、刑事事件や行政窓口の手続とは分けて考えます。
無料法律相談は、民事・家事・行政に関する法的トラブルを中心に扱います。典型例として、借金・債務整理、離婚、養育費、婚姻費用、面会交流、親権、労働問題、相続、遺言、相続放棄、金銭トラブル、損害賠償などがあります。
次の比較表は、対象になりやすい問題と、通常の民事法律扶助とは別に考える問題を分けて示しています。外国人案件では在留や刑事が絡むことがあるため重要で、読者は「ビザ関連だから全部対象外」でも「入管手続も全部対象」でもない点を読み取る必要があります。
| 分野 | 整理 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 離婚・親子関係 | 民事・家事の問題として対象になり得ます。 | 国籍ではなく住所、在留、資力、事件内容で判断します。 |
| 労働問題 | 解雇、未払賃金などは対象になり得ます。 | 外国人労働者であることだけで排除されるわけではありません。 |
| 借金・債務整理 | 自己破産、任意整理、過払金などが問題になります。 | 相談と代理援助で審査内容が異なる点に注意します。 |
| 行政訴訟 | 行政処分を争う訴訟は対象となり得ます。 | 在留資格に関する処分を争う場面では、訴訟か行政窓口の手続かを分けます。 |
| 行政窓口への申請手続 | 在留資格の申請・更新・変更を窓口に出す段階は通常の民事法律扶助の対象外になりやすいとされています。 | 行政手続そのものと行政訴訟を区別します。 |
| 刑事事件 | 逮捕、勾留、起訴に関する弁護は民事法律扶助ではなく別制度で扱います。 | 国選弁護等の制度を確認します。 |
外国人の相談で多く問題になるのは、離婚・親子関係、労働、借金、在留に関連する行政上の争いです。事件の類型によって、民事法律扶助、情報提供、別制度のどれに進むかが変わります。
原則は厳格ですが、在留資格をめぐる訴訟、日弁連委託の受託業務、ハーグ条約事件などを分けて見ます。
在留資格がない外国人については、通常の民事法律扶助を受けることは原則として難しいとされています。たとえば、オーバーステイ中に離婚、未払賃金、退去強制に関係する問題がある場合、通常の入口で止まる可能性があります。
次の一覧は、原則から外れて検討されることがある限定的な場面を表しています。通常の民事法律扶助だけで判断すると見落としが起きるため重要で、読者はそれぞれが「例外的」「別枠」「特殊類型」のどれかを読み取る必要があります。
在留資格に関する行政処分を争う訴訟で、裁判例等に照らして裁判所が在留資格を認定することが確実と見られる場合、例外的に援助できると解される余地があります。
人道的見地から緊急の援助を必要とする外国人や、在留資格がないため民事法律扶助を使えない外国人について、別枠の援助が問題になることがあります。
難民認定や補完的保護申請に関する援助は、通常の民事法律扶助とは別枠の制度理解が必要になる場合があります。
国際的な子の連れ去り事件では、海外在住の外国人でも、締約国の国民または締約国に常居所を有する者であれば、日本の民事法律扶助制度を利用できるとされています。
海外に住んでいる外国人については、日本に住所を有することを前提とする通常の民事法律扶助を当然に利用できるわけではありません。多言語情報提供サービスでも、ハーグ条約以外の困りごとについて、海外居住者が利用できる日本国内の相談窓口情報はないという案内があります。
もっとも、これは「在留資格がない外国人には一切の支援ルートがない」「海外在住の外国人は絶対に法テラスを使えない」という意味ではありません。通常制度、別枠の受託業務、ハーグ条約事件を切り分けて確認することが大切です。
多言語情報提供サービスとFRESCは、相談先を探す入口として重要です。
法テラスは、外国語で日本の法律や相談窓口の情報を提供する多言語情報提供サービスを実施しています。対象言語は、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、タイ語、インドネシア語の10言語です。
次の一覧は、日本語に不安がある人が最初に確認したい窓口と役割を表しています。入口を誤ると法律相談や立替制度につながるまで時間がかかるため重要で、読者は「情報提供」と「法律相談そのもの」の違いを読み取る必要があります。
外国語で法制度や相談窓口の情報を案内します。電話番号は0570-078377、IP電話・プリペイド携帯電話からは050-3754-5430です。
10言語平日9時から17時日本語で支障なく話せる場合、法テラス・サポートダイヤルや最寄りの地方事務所に連絡し、無料法律相談や援助申込みの案内を受けます。
予約制東京の外国人在留支援センター内にも法テラスの窓口があり、在留、生活、雇用、家族問題など複数機関にまたがる困りごとの入口になります。
在留支援多言語情報提供サービスは、弁護士による本格的な法律相談をその場で完結させる制度ではありません。必要に応じて、近くの法テラスやその他の相談機関へつなぐ入口として理解するのが適切です。
無料法律相談と代理援助・書類作成援助は、費用の意味が違います。
無料法律相談は、同一問題につき3回まで、1回30分程度を目安に利用できるとされています。地域によって、面談、電話、インターネット利用など相談の形は異なります。
次の時系列は、無料相談から立替え、返済、猶予・免除、経済的利益の精算までの費用の流れを表しています。費用を誤解すると申込み後の見通しがずれるため重要で、読者は「無料」と「立替え」が別の段階を指すことを読み取る必要があります。
1回30分程度を目安に、資力要件と制度趣旨への適合性を前提に相談します。
弁護士・司法書士への着手金や実費等を法テラスが立て替え、利用者は原則として返済します。
通常は毎月の分割返済が示されます。生活状況によって猶予や免除が問題になることがあります。
経済的利益を得たときは、その金銭等から立替金や報酬金の精算が行われるのが原則です。
次の強調表示は、生活保護受給や返済困難な事情がある場合の考え方を表しています。完全無料と誤解しないために重要で、読者は猶予・免除も申請と個別判断の制度だと読み取る必要があります。
生活保護を受けている場合など、返済が困難な事情があるときは償還猶予や償還免除が問題になりますが、事件の進行や終結後の事情に応じて個別に判断されます。
問題の種類、在留状況、住所資料、収入・資産資料を先に整理します。
相談前には、何の問題か、自分の在留状況、住所を示す資料があるか、収入・資産の資料を出せるかを整理しておくと、制度に乗るかどうかの確認が早くなります。
次の時系列は、外国人が民事法律扶助に進むときの一般的な準備と審査の順番を表しています。必要資料が不足すると審査が長引きやすいため重要で、読者は各段階で何を用意するかを読み取る必要があります。
離婚、賃金未払い、借金、在留処分取消訴訟など、どの分野の問題かを一文で説明できるようにします。
在留資格、在留期間、満了日、住民票や在留カードなどの資料を確認します。
給与明細、課税・非課税証明書、年金通知書、生活保護受給証明書、預貯金資料などを準備します。
無料法律相談は原則予約制です。依頼に進む場合は援助申込書や事件調書を提出し、審査を受けます。
次の比較表は、申込み前に確認されやすい資料を分類したものです。資料の種類ごとに目的が違うため重要で、読者は自分に不足している資料を見つけるために読む必要があります。
| 資料の種類 | 具体例 | 確認される内容 |
|---|---|---|
| 在留・住所資料 | 住民票、在留カード | 在留資格、在留期間、住所の確認 |
| 収入資料 | 給与明細、課税・非課税証明書、年金通知書、生活保護受給証明書 | 収入基準を満たすか |
| 資産資料 | 現金、預貯金、不動産、有価証券に関する資料 | 相談援助や代理援助の資産審査 |
| 事件関係書類 | 訴状、調停申立書、請求書、雇用契約書、離婚関係資料、処分通知書 | 事件の種類、見込み、制度趣旨への適合性 |
| 口座関係資料 | 立替制度の返済に使う口座資料 | 立替制度利用後の返済手続 |
立替制度の審査は、申込みをした地方事務所で行われ、審査員は各地の弁護士・司法書士が担当するとされています。通常、申込みから決定まで2週間程度が目安ですが、書類不備や時期により長くなることがあります。
一律不可、一律無料、在留資格があれば何でも対象という理解は正確ではありません。
次の一覧は、外国人の法テラス利用で特に多い誤解と訂正を並べたものです。最初の理解を誤ると適切な制度にたどり着きにくいため重要で、読者は「どこが誤りか」と「正しい切り分け」を読み取る必要があります。
誤りです。日本に住所を有し、適法に在留し、資力等の要件を満たすかが問題になります。
誤りです。刑事事件や行政窓口への単なる申請手続は、通常の民事法律扶助とは別に整理します。
誤りです。無料相談と、代理援助・書類作成援助の立替えは費用の意味が異なります。
通常制度は難しいのが原則ですが、在留資格をめぐる訴訟や日弁連委託の受託業務が問題になる場合があります。
原則として日本に住所を有することが前提です。ただし、ハーグ条約事件では限定的な例外があります。
制度の一般的な考え方として、在留資格名だけで結論を決めず、資料と事件内容を確認します。
一般的には、在留資格の名称だけではなく、日本に住所を有し、適法に在留し、資力や事件類型の要件を満たすかで判断されるとされています。ただし、収入、資産、家族構成、相談内容によって結論が変わる可能性があります。具体的な利用可否は、資料を整理したうえで法テラスや弁護士等の専門家へ確認する必要があります。
一般的には、通常の民事法律扶助は適法な在留を前提にするため、在留資格がない場合は厳しい扱いになるとされています。ただし、在留資格をめぐる訴訟や日弁連委託の受託業務など、別枠の検討余地が問題になる場合があります。具体的な対応は、在留状況と事件資料を整理したうえで専門窓口や弁護士等へ確認する必要があります。
一般的には、多言語情報提供サービスは外国語で相談窓口や制度情報を案内する入口とされています。ただし、このサービス自体が弁護士による法律相談を直接完結させるものではなく、地域や相談形態により通訳や案内の扱いは変わる可能性があります。具体的には、利用予定の窓口に確認する必要があります。
一般的には、法人・組合等の団体は民事法律扶助の対象外とされています。ただし、問題が経営者個人の身分、生活、家庭、個人債務などに関するものか、会社そのものの紛争かによって整理が変わる可能性があります。具体的な区別は、契約書や請求書などの資料をもとに専門家へ確認する必要があります。
一般的には、代理援助等で立て替えられた費用は返済対象ですが、生活保護受給者については償還猶予や償還免除が問題になるとされています。ただし、事件進行中か終結後か、経済的利益の有無などで結論が変わる可能性があります。具体的な見通しは、法テラスや受任予定の専門家へ確認する必要があります。
答えは、外国人でも条件を満たせば対象になり得る、ただし無条件ではない、という整理です。
外国人でも、法テラスの民事法律扶助を受けることはできます。もっとも、それは外国人一般に無条件で開かれているという意味ではなく、日本に住所を有し、適法に在留し、資力基準や事件要件を満たす個人に限られるという整理です。
特に重要なのは、情報提供と法律相談を混同しないこと、行政手続と行政訴訟を区別すること、無料相談と費用立替を区別すること、在留資格がない場合でも別制度や例外的ルートの有無を早めに確認することです。