2σ Guide

法テラスの利用方法を
相続相談で迷わないために整理

相続人間の対立、遺産分割、相続放棄、遺留分、相続登記、相続税の周辺問題で法テラスを使うときに、予約前の整理、無料法律相談、費用立替、専門職の使い分けを一般向けにまとめます。

30分 無料法律相談の目安
3回 同一問題の相談上限目安
3期限 放棄・税・登記を確認
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法テラスの利用方法を 相続相談で迷わないために整理

相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。

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法テラスの利用方法を 相続相談で迷わないために整理
相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 法テラスの利用方法を 相続相談で迷わないために整理
  • 相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。

POINT 1

  • 法テラスの利用方法の全体像
  • 相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。
  • 早期相談、期限管理、資料準備、専門職連携、制度の違いを同時に見る
  • 相続問題で法テラスを使うときに最も重要なのは、法テラスを「無料で専門家に相談できる場所」とだけ理解しないことです。
  • 相続では、遺産分割、相続放棄、遺留分、遺言、使い込み疑い、不動産の名義変更、相続税申告の周辺問題が重なります。

POINT 2

  • 法テラスの利用方法を理解する前提
  • 法テラスは裁判所、税務署、法務局そのものではなく、法制度と相談窓口へつなぐ入口です。
  • 制度情報と窓口案内
  • 無料法律相談
  • 費用立替制度

POINT 3

  • 相続における法テラスの利用方法と期限の見方
  • 1. 問題を整理する:遺産分割、相続放棄、遺留分、登記、税務など、相談したいテーマを分けます。
  • 2. 期限を確認する:3か月、10か月、3年など、遅れると不利益が生じやすい時期を先に押さえます。
  • 3. 問い合わせ又はWeb予約:法テラス、地方事務所、Web予約で相談分野と相手方情報を伝えます。
  • 4. 資力要件を確認する:収入、資産、同居家族、住居費などの情報が確認対象になります。
  • 5. 資料を準備する:戸籍、遺言書、財産資料、債務資料、相手方とのやり取り、時系列表を整えます。
  • 6. 無料法律相談を受ける:弁護士又は司法書士に、法的争点、必要資料、次の窓口を確認します。
  • 7. 依頼と費用立替を検討する:事件処理が必要な場合は援助申込み、審査、契約、返済条件を確認します。
  • 8. 他の制度と並行する:相続登記、相続税申告、家庭裁判所手続、金融機関手続を必要に応じて進めます。

POINT 4

  • 法テラスの利用方法で相談対象を見極める
  • 相続の法律相談に向く問題と、別の専門職や公的機関が必要な問題を分けます。
  • 遺産分割と財産開示
  • 遺言書と遺留分
  • 家庭裁判所手続

POINT 5

  • 法テラスの利用方法と無料法律相談の基本
  • 手取り月収と生活費
  • 収入だけでなく、家賃、住宅ローン、医療費、教育費などが確認対象になることがあります。
  • 同居家族と地域差
  • 家族人数や地域によって基準が異なるため、単身か同居家族がいるかを整理します。

POINT 6

  • 法テラスの利用方法と問い合わせ・予約の進め方
  • 電話、Web予約、地方事務所のいずれでも、相談内容と相手方情報を整理して伝えます。
  • 法テラスへの入口として代表的なのが、法テラス・サポートダイヤルです。
  • 電話では相談内容の概要を伝え、利用可能な制度や窓口の案内を受けることができます。
  • ただし、電話窓口の担当者が相談者の代理人として事件の見通しを判断するわけではありません。

POINT 7

  • 法テラスの利用方法で相談前資料を整える
  • 30分相談を事情説明だけで終わらせないため、時系列と資料を先に用意します。
  • 相続関係を示す資料
  • 財産と債務を示す資料
  • 争いを示す資料

POINT 8

  • 法テラスの利用方法と相続専門職の役割分担
  • 弁護士、司法書士、税理士、公証人、不動産関連専門職、家庭裁判所の役割を混同しないことが重要です。
  • 法テラスで入口を整理しても、登記、税務、不動産評価、裁判所手続はそれぞれ担当する専門職や機関が異なります。
  • 争いがあるか、税務申告が必要か、不動産の名義変更が中心かによって、どの専門職へつなぐべきかを読み取ってください。
  • 相続人間の紛争、遺留分、遺産分割調停、審判、訴訟、不当利得返還請求、遺言の有効性、使い込み疑い、交渉代理を扱います。

まとめ

  • 法テラスの利用方法を 相続相談で迷わないために整理
  • 法テラスの利用方法の全体像:相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。
  • 法テラスの利用方法を理解する前提:法テラスは裁判所、税務署、法務局そのものではなく、法制度と相談窓口へつなぐ入口です。
  • 相続における法テラスの利用方法と期限の見方:相談予約を待つ間にも、期限と資料の確認は進める必要があります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

法テラスの利用方法の全体像

相続で法テラスを使う前に、無料相談だけでなく費用立替や専門職連携まで視野に入れます。

相続問題で法テラスを使うときに最も重要なのは、法テラスを「無料で専門家に相談できる場所」とだけ理解しないことです。法テラスは日本司法支援センターとして、法的トラブルに関する情報提供、相談窓口の案内、一定要件を満たす人への無料法律相談、弁護士費用や司法書士費用の立替えを扱う公的な司法アクセス支援機関です。

相続では、遺産分割、相続放棄、遺留分、遺言、使い込み疑い、不動産の名義変更、相続税申告の周辺問題が重なります。そのため、予約手順だけでなく、どの問題を誰に相談するか、どの資料を持参するか、無料相談と費用立替制度の違い、登記や税務の期限との関係を体系的に把握する必要があります。

次の重要ポイントは、このページ全体で扱う結論を要約したものです。相続では期限と資料不足が結果に影響しやすいため、まず何を優先して確認すればよいかを読み取ってください。

早期相談、期限管理、資料準備、専門職連携、制度の違いを同時に見る

争いがある相続では弁護士相談の優先度が高く、不動産登記は司法書士、税務は税理士との連携が重要です。無料法律相談を受けられることと、事件依頼の費用立替えを受けられることは同じではありません。

個別事件の結論は、証拠、相手方、財産内容、期限、管轄、資力要件によって変わります。このページでは一般的な制度説明と準備の考え方を示し、具体的な対応方針は資料を整理したうえで弁護士等の専門家に相談する前提で説明します。

Section 01

法テラスの利用方法を理解する前提

法テラスは裁判所、税務署、法務局そのものではなく、法制度と相談窓口へつなぐ入口です。

法テラスとは、正式には日本司法支援センターといいます。法的トラブルを抱えた人が、法律制度や相談窓口にたどり着けるよう支援する公的機関です。裁判所、市役所の戸籍窓口、税務署、法務局とは異なり、相続税の申告書作成、登記申請の当然の代行、遺産分割の結論決定をする機関ではありません。

法テラスの役割は複数に分かれます。相続の入口で混同しやすい制度を切り分けることが重要なので、次の一覧では目的の違いと、利用者がそこから読み取るべき相談段階を整理します。

INFO

制度情報と窓口案内

電話や窓口で、法制度や地域の相談窓口に関する一般的な情報提供を受ける段階です。事件の見通しを決める相談とは区別します。

CONSULT

無料法律相談

一定の要件を満たす人が、弁護士又は司法書士に相談する段階です。相続の争点、期限、必要資料を整理する入口になります。

AID

費用立替制度

事件処理を依頼するための弁護士費用や司法書士費用等を一時的に立て替える制度です。無料相談とは別に審査があります。

相続問題では、法律問題、登記問題、税務問題、家族関係、財産評価、金融機関手続が同時に発生しやすくなります。親が亡くなった後、兄弟の一人が預金を管理し、他の相続人に財産内容を開示しない場面では、遺産分割、遺産調査、使い込み疑い、不当利得返還請求、遺留分、家庭裁判所での調停、取引履歴の取得、相続税申告の資料収集が重なる可能性があります。

一般の人が最初から適切な専門家を選ぶのは簡単ではありません。弁護士に相談するのか、司法書士で足りるのか、税理士に先に行くのか、家庭裁判所に直接申し立てるのかを考える入口として、法テラスは機能します。経済的な事情により専門家費用をすぐに用意しにくい人にとっては、無料相談や費用立替制度が問題を放置しないための支えになります。

Section 02

相続における法テラスの利用方法と期限の見方

相談予約を待つ間にも、期限と資料の確認は進める必要があります。

相続で法テラスを利用する流れは、問題整理、期限確認、問い合わせ、資力要件確認、資料準備、無料法律相談、必要に応じた依頼と費用立替、他制度との並行処理という順番で考えると分かりやすくなります。

次の判断の流れは、法テラスを使う前後の順番を表しています。順番が重要なのは、無料相談の予約だけで安心すると、相続放棄、相続税申告、相続登記などの期限管理が遅れることがあるためです。上から順に、いま確認すべき事項を読み取ってください。

相続相談で法テラスを使う順番

問題を整理する

遺産分割、相続放棄、遺留分、登記、税務など、相談したいテーマを分けます。

期限を確認する

3か月、10か月、3年など、遅れると不利益が生じやすい時期を先に押さえます。

問い合わせ又はWeb予約

法テラス、地方事務所、Web予約で相談分野と相手方情報を伝えます。

資力要件を確認する

収入、資産、同居家族、住居費などの情報が確認対象になります。

資料を準備する

戸籍、遺言書、財産資料、債務資料、相手方とのやり取り、時系列表を整えます。

無料法律相談を受ける

弁護士又は司法書士に、法的争点、必要資料、次の窓口を確認します。

依頼と費用立替を検討する

事件処理が必要な場合は援助申込み、審査、契約、返済条件を確認します。

他の制度と並行する

相続登記、相続税申告、家庭裁判所手続、金融機関手続を必要に応じて進めます。

期限の比較は、相談前に優先順位を決めるために重要です。次の時系列は、相続で特に見落としやすい期限を並べたものです。日付の起算点が手続ごとに異なるため、死亡日だけでなく、死亡を知った日、財産取得を知った日、遺言内容を知った日も整理しておく必要があります。

3か月以内が原則

相続放棄の熟慮期間

自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述するのが原則です。財産調査が終わらない場合は期間伸長が問題になることがあります。

10か月以内が原則

相続税申告と納税

被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内が原則です。遺産分割がまとまっていない場合でも、期限が当然に延びるわけではありません。

2024年4月1日から義務化

相続登記の申請期限

相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です。正当な理由なく怠ると過料の対象になることがあります。

Section 03

法テラスの利用方法で相談対象を見極める

相続の法律相談に向く問題と、別の専門職や公的機関が必要な問題を分けます。

法テラスでの相談に適しているのは、単なる事務手続ではなく、法的判断や相手方との調整を含む相続問題です。特に相続人間で争いがある場合は、弁護士への相談を優先して検討する場面が多くなります。

次の一覧は、法テラス経由の法律相談で扱われやすい相続問題を整理したものです。相談対象を事前に言語化できると、限られた相談時間で何を確認すべきかが明確になります。

DIVISION

遺産分割と財産開示

遺産分割協議がまとまらない、共同相続人が遺産を開示しない、預貯金の使い込みが疑われる、代償金の額が分からないといった問題です。

WILL

遺言書と遺留分

遺言書の内容に納得できない、遺留分を請求したい又は請求されている、遺言書の検認が必要か知りたい場面です。

COURT

家庭裁判所手続

遺産分割調停を申し立てたい、家庭裁判所から呼出状が届いた、未成年者や成年後見人がいて利益相反がある場合です。

RISK

相続放棄と債務

借金があるかもしれず相続してよいか分からない、相続放棄を検討している、財産内容が不明な場面です。

PROPERTY

不動産をめぐる争い

不動産を誰が取得するかで争っている、相続不動産を売却して分けたい、遺産分割協議書に署名押印してよいか分からない場面です。

PARTIES

相続人の特殊事情

相続人の一部と連絡が取れない、海外居住者がいる、前婚の子や養子など相続人の範囲に不安がある場合です。

一方で、法テラスだけで相続のすべてが完結するわけではありません。次の比較表は、法テラス相談を入口にしつつ、別の専門職や機関への接続が必要になりやすい問題を示します。右の列ほど、相談後に確認すべき注意点を読み取ってください。

問題主な専門職・機関注意点
相続登記司法書士、法務局登記申請は法務局の手続です。争いがなければ司法書士が中心になりやすい一方、相続人間の対立があれば弁護士相談が必要になることがあります。
相続税申告税理士、税務署法律相談と税務申告は別です。税額計算や申告代理は税理士の領域です。
不動産評価不動産鑑定士、宅建業者、税理士遺産分割上の評価額と相続税評価額が一致しないことがあります。
公正証書遺言公証人将来の紛争予防の手続であり、相続開始後の紛争解決とは役割が異なります。
戸籍収集市区町村、司法書士、行政書士相続人確定の前提です。出生から死亡までの戸籍など、古い戸籍まで必要になることがあります。
死亡保険金生命保険会社、税理士民法上の遺産に含まれるか、税務上どう扱うかを区別します。
事業承継弁護士、税理士、公認会計士、中小企業診断士株式評価、経営権、後継者問題が絡みます。
Section 04

法テラスの利用方法と無料法律相談の基本

無料相談は、一定要件を満たす人が弁護士又は司法書士に相談できる制度です。

法テラスの無料法律相談は、一定の資力要件などを満たす人が、弁護士又は司法書士に相談できる制度です。相続問題は民事、家事、行政に関する相談分野の例として扱われます。相談は通常1回30分程度で、同一問題について3回までとされます。

無料法律相談を受けられるかどうかは、相談内容だけでなく、資力要件や回数制限にも関わります。次の比較表は、相談前に確認されやすい条件を並べたものです。どの条件が不足している可能性があるかを読み取ると、問い合わせ時の準備がしやすくなります。

確認項目基本的な考え方相続での注意点
収入・資産一定基準以下かを確認します。家族人数、地域、住居費、医療費、教育費、預貯金、不動産などが関係します。
相談分野民事、家事、行政に関する法律問題が対象になり得ます。遺産分割、遺留分、相続放棄などは家事事件に関わる問題が多いです。
回数制限同一問題では通常3回までとされます。父の相続について長男との遺産分割で争う場合など、同じ相続案件は同一問題として管理される可能性があります。
利益相反相談担当者が相手方の相談を受けていないか確認します。共同相続人の氏名を正確に伝えることが重要です。

資力要件は「相続財産がありそうか」だけで単純に決まるものではありません。次の注意点は、収入や資産の確認で見落としやすい要素を整理したものです。自分の生活状況と将来的な遺産取得見込みを分けて説明する必要があることを読み取ってください。

手取り月収と生活費

収入だけでなく、家賃、住宅ローン、医療費、教育費などが確認対象になることがあります。

同居家族と地域差

家族人数や地域によって基準が異なるため、単身か同居家族がいるかを整理します。

預貯金と不動産

預貯金や不動産の有無は確認対象です。ただし、相続財産がある可能性だけで直ちに使えないとは限りません。

取得財産と精算

遺産分割でまとまった財産を取得した場合、立替費用の返済や報酬金に影響する可能性があります。

刑事事件としての告訴・告発の相談、税務申告そのもの、登記申請そのものは、相談内容や相談先によって扱いが異なります。使い込み疑いがある場合も、直ちに刑事手続を進めるというより、遺産の範囲、取引履歴、不当利得返還請求、遺産分割調停での主張可能性などを整理することが多くなります。

Section 05

法テラスの利用方法と問い合わせ・予約の進め方

電話、Web予約、地方事務所のいずれでも、相談内容と相手方情報を整理して伝えます。

法テラスへの入口として代表的なのが、法テラス・サポートダイヤルです。電話では相談内容の概要を伝え、利用可能な制度や窓口の案内を受けることができます。ただし、電話窓口の担当者が相談者の代理人として事件の見通しを判断するわけではありません。法的判断や方針決定は、無料法律相談で担当する弁護士や司法書士に確認します。

問い合わせ方法は複数あります。次の一覧は、電話、Web予約、地方事務所の違いを整理したものです。どの入口を使う場合でも、予約確定の有無、連絡の見落とし、地域や管轄の違いを確認することが重要です。

TEL

電話で問い合わせる

相談内容の概要を伝え、制度や窓口の案内を受けます。期限が迫っている場合は、相続放棄や相続税申告など具体的な期限名を伝えます。

入口案内見通し判断は別
WEB

Web予約を使う

相談内容、氏名、連絡先、希望日時などを入力し、地方事務所からの連絡を受けて予約が確定する流れになることがあります。

予約申込み確認連絡に注意
OFF

地方事務所に問い合わせる

地域によって相談日時、場所、担当者、予約枠の空き状況が異なります。住所地、不動産所在地、家庭裁判所の管轄が分かれることもあります。

地域確認管轄も整理

相続相談で問い合わせる際は、誰が亡くなったか、亡くなった日、自分との関係、相続人の人数と関係、遺言書の有無、不動産の有無、預貯金や借金の有無、争いがある相手、期限が迫る手続、収入・預貯金・同居家族の概要を整理しておくと、窓口側も適切な相談につなぎやすくなります。

Web予約では、相談分野を「相続」「遺産分割」「相続放棄」「遺言」「遺留分」など、できるだけ具体的に記載します。相手方の氏名も利益相反チェックのために重要です。すでに相手方から相談を受けている専門家は、同じ案件を担当できない可能性があります。

Section 06

法テラスの利用方法で相談前資料を整える

30分相談を事情説明だけで終わらせないため、時系列と資料を先に用意します。

無料法律相談は通常30分程度です。相続問題は事実関係が複雑になりやすく、資料がないまま相談すると、時間の多くが事情説明で終わってしまいます。法テラスを実務的に使ううえで最も重要なのは、相談前に資料を整えることです。

時系列表は、日付、出来事、関係者、資料を一目で確認するためのものです。相続では日付が結論に影響しやすいため、死亡日、遺言書発見日、相続放棄を検討し始めた日、遺留分侵害を知った日、遺産分割協議書に署名した日を読み取れる形にします。

日付出来事関係者資料
2025年1月10日父が死亡父、母、長男、次男死亡診断書、戸籍
2025年2月長男が預金通帳を管理していると説明長男LINE、メール
2025年3月遺産分割協議書への署名を求められた長男、次男協議書案
2025年4月預金残高の説明に疑問が生じた長男通帳コピー

資料は、相続人を確定するもの、財産を示すもの、争いを示すものに分けると整理しやすくなります。次の一覧では、どの資料が何を説明するために必要かをまとめています。手元に全部ない場合でも、今ある資料と未取得資料を分けて相談先に伝えることが大切です。

HEIRS

相続関係を示す資料

被相続人の死亡記載のある戸籍、出生から死亡までの戸籍一式、相続人の戸籍、住民票又は戸籍の附票、相続関係説明図、家系図のメモ、配偶者・子・親・兄弟姉妹の有無を示すメモです。

ASSETS

財産と債務を示す資料

預貯金通帳、残高証明書、取引履歴、証券会社の残高報告書、生命保険証券、登記事項証明書、固定資産評価証明書、固定資産税納税通知書、借入金契約書、クレジットカード明細、病院や介護施設の請求書、車検証、貴金属や会社株式の資料です。

DISPUTE

争いを示す資料

相手方から届いた手紙、メール、LINE、SMS、遺産分割協議書案、印鑑証明書を求められた書類、署名済み書類のコピー、家庭裁判所からの呼出状、調停申立書の写し、内容証明郵便、録音の有無を示すメモ、財産管理の経緯を示す資料です。

使い込み疑いがある場合は、「何となく怪しい」という説明だけでは足りません。いつ、どの口座から、いくら、どのように出金されたかが重要です。取引履歴がない場合は、取得方法自体を相談することになります。

Section 07

法テラスの利用方法と相続専門職の役割分担

弁護士、司法書士、税理士、公証人、不動産関連専門職、家庭裁判所の役割を混同しないことが重要です。

相続では、1つの相談が複数の専門領域にまたがります。法テラスで入口を整理しても、登記、税務、不動産評価、裁判所手続はそれぞれ担当する専門職や機関が異なります。

次の一覧は、相続で関わる専門職と主な役割を整理したものです。争いがあるか、税務申告が必要か、不動産の名義変更が中心かによって、どの専門職へつなぐべきかを読み取ってください。

LAW

弁護士

相続人間の紛争、遺留分、遺産分割調停、審判、訴訟、不当利得返還請求、遺言の有効性、使い込み疑い、交渉代理を扱います。

紛争対応対立がある場合
REG

司法書士

相続登記、不動産の名義変更、戸籍収集、登記用書類の作成、裁判所提出書類の作成などで関与します。

登記代理範囲に注意
TAX

税理士

相続税申告、税務相談、税務代理、税務調査対応、基礎控除、財産評価、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例などを扱います。

税務10か月期限
DOC

行政書士

紛争性のない相続で、遺産分割協議書、相続人関係説明図、各種届出書類、遺言作成支援などに関与することがあります。

書類作成紛争代理は別
NOT

公証人

公正証書遺言の作成で中心的な役割を担います。相続開始後の紛争解決を代理する立場ではありません。

遺言予防の手続
EST

不動産関連専門職

不動産鑑定士は適正価格の評価、土地家屋調査士は境界や表示登記、宅地建物取引士や仲介業者は売却実務で関与します。

評価・売却評価基準に注意
CRT

家庭裁判所関係者

遺産分割調停や審判では、裁判官、家事調停官、家事調停委員、裁判所書記官が関与します。調停で合意できない場合は審判に移行することがあります。

調停・審判合意形成

司法書士は相続登記で重要ですが、相手方との紛争代理を全面的に行えるわけではありません。行政書士も、紛争の代理、税務申告、登記申請代理はそれぞれ別の職域です。争いが強い相続では、役割分担を確認したうえで弁護士相談を検討します。

Section 08

法テラスの利用方法を相続放棄・遺産分割・遺留分・遺言で使い分ける

典型的な相続問題ごとに、相談の焦点と持参資料を整理します。

相続放棄で相談する場合

相続放棄とは、被相続人の権利義務を相続しない意思表示を家庭裁判所に対して行う手続です。親族に「相続しません」と伝えるだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。借金が多い場合、財産内容が不明な場合、他の相続人との関係が悪い場合、相続に関与したくない場合などに検討されます。

相続放棄、遺産分割、遺留分、遺言は、それぞれ期限、資料、相談先が異なります。次の比較表は、問題ごとに何を確認するかを整理したものです。相談時に自分の問題がどの列に近いかを読み取り、持参資料をそろえてください。

相談テーマ主な確認事項持参すると役立つ資料
相続放棄3か月の熟慮期間、財産調査、単純承認リスク、期間伸長の要否死亡日が分かる戸籍又は死亡診断書、死亡を知った日が分かる資料、借金の請求書、金融機関やカード会社の通知、固定資産税通知書、預貯金や不動産資料、遺品整理や預金引出しのメモ
遺産分割相続人全員の参加、現物分割、代償分割、換価分割、調停利用、特別受益、寄与分、使い込み疑い相続人一覧、遺言書、遺産全体の資料、不動産使用状況、取引履歴、生前贈与資料、介護や財産管理の資料、希望する取得内容、売却可能性、相続税申告期限のメモ
遺留分一定の相続人に最低限保障される利益、兄弟姉妹には遺留分がないこと、現在は金銭請求が原則となること、期間制限遺言書の写し、遺言書情報証明書、検認済み遺言書、戸籍、遺産目録、不動産評価資料、生前贈与資料、生命保険資料、相手方とのやり取り、遺言内容を知った日のメモ
遺言書自筆証書遺言と公正証書遺言の違い、検認の要否、有効性判断、遺言作成の相談先遺言書、保管場所の情報、封印の有無、法務局保管制度の利用有無、相続人関係資料、財産資料

遺産分割で相談する場合

遺産分割とは、相続人全員の共有状態にある遺産を、誰がどのように取得するか決める手続です。現物分割は不動産は長男、預金は次男のように財産そのものを分ける方法です。代償分割は一人が不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払う方法です。換価分割は不動産などを売却し、売却代金を分ける方法です。

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。一人でも相続人が参加していない協議は、原則として有効な遺産分割協議とはいえません。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することがあります。調停では裁判所の調停委員会が当事者双方の言い分を聞き、合意形成を試みます。合意できない場合、審判に移行することがあります。

遺留分で相談する場合

遺留分とは、一定の相続人に最低限保障される相続上の利益です。たとえば「全財産を長男に相続させる」という遺言がある場合でも、配偶者や他の子には遺留分が認められることがあります。現在の遺留分制度では、原則として遺留分侵害額に相当する金銭請求として理解します。遺言書を見つけた日、贈与を知った日、相続開始を知った日、誰が何を取得したかを知った日が問題になり得るため、時系列と証拠が重要です。

遺言書で相談する場合

相続でよく問題になる遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態を確認し、相続人に遺言書の存在と内容を知らせる手続です。検認は遺言の有効性を最終的に判断する手続ではありません。公正証書遺言や、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した一定の遺言書では、検認が不要になる場合があります。

注意遺言書を見つけた場合、勝手に開封したり処分したりしないことが重要です。種類、保管場所、封印の有無、法務局保管制度の利用有無を確認し、弁護士又は司法書士に相談します。
Section 09

法テラスの利用方法と相続登記・相続税の並行対応

法テラス相談だけで完結しにくい登記と税務は、期限管理と専門職連携が重要です。

相続登記の義務化を前提にする

相続登記とは、亡くなった人名義の不動産を、相続人や受遺者などの名義に変更する不動産登記手続です。登記をしないまま放置すると、次の相続が発生して相続人が増え、手続が困難になります。売却、担保設定、公共事業、空き家対策でも支障が生じます。

相続登記と相続税は、どちらも法テラス相談だけで完結しにくい領域です。次の比較表は、期限、相談先、準備資料を並べたものです。法律相談で紛争を整理しながら、登記と税務の手続を止めないことを読み取ってください。

テーマ期限・制度準備資料と相談先
相続登記2024年4月1日から義務化。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です。正当な理由なく怠ると過料の対象になることがあります。登記事項証明書、固定資産評価証明書、固定資産税納税通知書、被相続人の戸籍一式、相続人の戸籍、住民票、遺産分割協議書案、印鑑証明書、遺言書を整理します。争いがなければ司法書士や法務局、争いがあれば弁護士相談を検討します。
相続税申告被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内が原則です。遺産分割がまとまっていなくても期限が当然に延びるわけではありません。不動産、預貯金、有価証券、生命保険、事業、非上場株式、生前贈与、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減などを確認します。税理士への相談を同時に進めることが実務上重要です。

相続登記の相談では、単に「家の名義を変えたい」と伝えるだけでは不十分です。誰の名義にするのか、他の相続人は同意しているのか、不動産の評価額はいくらか、相続税申告が必要か、売却予定があるかを整理します。

相続税が問題になる典型例として、不動産が複数ある、預貯金・有価証券・不動産の総額が大きい、被相続人が事業をしていた、非上場株式がある、生前贈与が多い、生命保険金がある、遺産分割がまとまらないまま10か月に近づいている、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使えるか分からない場合があります。法テラス相談では紛争の整理をしつつ、税理士に税務上の影響を確認する二段構えが望まれます。

Section 10

法テラスの利用方法で費用立替制度を誤解しない

無料法律相談と事件依頼の費用立替制度は、目的も審査も異なります。

法テラスの利用方法で最も誤解が多いのが、無料法律相談と費用立替制度の違いです。無料法律相談は、一定の要件を満たす人が相談を無料で受ける制度です。費用立替制度は、弁護士や司法書士に事件処理を依頼するための費用を法テラスが一時的に立て替え、利用者が原則として分割返済する制度です。

次の比較表は、無料相談と費用立替制度を分けて見るためのものです。無料相談を受けられることと、代理人として事件処理を依頼できることは同じではないため、左列と右列の違いを確認してください。

制度目的確認されること相続での注意点
無料法律相談弁護士又は司法書士に法律相談をする資力要件、相談分野、同一問題の回数、利益相反相談だけで代理人契約が成立するわけではありません。
費用立替制度事件処理を依頼する費用を一時的に立て替える収入・資産、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適すること援助申込み、審査、契約、返済条件、報酬金の確認が必要です。
返済猶予・免除返済が難しい場合の調整生活保護、事件終了後の資力、法テラスの審査や決定自動的に免除されるわけではなく、相続財産を取得した場合は精算に影響することがあります。

費用立替制度の審査では、単純な勝ち負けだけでなく、法的に一定の主張や手続を進める合理性があるかが問題になります。次の一覧は、審査や費用範囲で注意すべき要素を整理したものです。どの費用が当然に対象外又は要確認になりやすいかを読み取ってください。

収入・資産の基準

無料相談と同様に、収入や資産が基準以下かを確認します。家族人数や生活状況も説明できるようにします。

手続を進める合理性

明らかに法的根拠のない請求、感情的な要求だけで相手を困らせる目的の依頼、回収可能性が極めて乏しい請求は援助が認められにくいことがあります。

立替対象費用

着手金、実費、報酬金などが問題になります。実費には収入印紙、郵便切手、戸籍取得費用、交通費、鑑定費用などが含まれることがあります。

別途確認が必要な費用

鑑定費用、遠方出張、複雑な不動産評価、税理士費用などは、事件の種類や審査結果によって扱いを確認する必要があります。

相続事件では、遺産分割により財産を取得した場合、返済や報酬金の支払いに影響する可能性があります。相談時には、取得見込みの財産、現時点の生活状況、返済可能性を正直に説明する必要があります。

Section 11

法テラスの利用方法と利益相反・相談後の進路

誰の利益を代表する相談なのかを明確にし、相談後の次の窓口を確認します。

利益相反に注意する

利益相反とは、同じ専門家が一方の相談者を支援すると、他方の利益を害する可能性がある状態をいいます。相続では共同相続人同士が対立しやすいため、利益相反が頻繁に問題になります。長男がすでにある弁護士に父の相続について相談していた場合、次男が同じ弁護士に相談できない可能性があります。

相談後の進路は、相談だけで終わる場合、弁護士に依頼する場合、司法書士に依頼する場合、税理士に相談する場合に分かれます。次の判断の流れは、無料相談後に何を確認するかを示しています。相談結果を聞くだけで終わらせず、次の手続、担当専門職、期限を読み取ってください。

無料相談後の進め方

相談結果を整理

相続放棄、署名保留、税理士相談、相続登記など、次に確認する事項をメモします。

争いがある
弁護士依頼を検討

交渉、調停申立て、審判対応、訴訟対応、遺留分請求、内容証明郵便作成などを確認します。

争いがない
司法書士等を検討

相続登記、戸籍収集、登記書類作成、裁判所提出書類作成などを確認します。

税務期限を確認

相続税申告が必要な場合、遺産分割が未了でも税理士相談を早めに進めます。

相談で話すことを絞る

相続相談では、亡くなった人、相続人、遺言書、財産と債務、争いの相手、何を求めたいのか、期限、署名押印済み書類、家庭裁判所や税務署から届いた書類、相手方に弁護士がいるかを優先して話します。法律判断に直接関係しない長い家族史は、必要な範囲に圧縮します。

たとえば「兄が昔から不公平だった」という説明だけでなく、「兄が被相続人の預金口座から死亡前後に合計300万円を引き出しており、使途説明がない」と整理すると、取引履歴の取得、不当利得返還請求、遺産分割での調整などを検討しやすくなります。

Section 12

ケース別に見る法テラスの利用方法

借金、財産不開示、遺言、不動産、相続税の期限など、状況別に相談の焦点を変えます。

相続相談では、同じ法テラス利用でも、何を優先するかはケースごとに変わります。次の一覧は、よくある状況ごとに準備資料と相談テーマを整理したものです。自分の状況に近い項目から、最初に伝えるべき期限や証拠を読み取ってください。

DEBT

親の借金が見つかった場合

相続放棄の期限を確認します。借金の請求書、金融機関名、督促状、死亡日、死亡を知った日を整理し、遺産を処分する前に弁護士又は司法書士へ相談します。

DISCLOSE

兄弟が遺産を開示しない場合

預貯金、不動産、保険、証券、年金、介護費、葬儀費の資料を整理し、相手方とのやり取りを保存します。遺産調査、取引履歴の取得、調停、使い込み疑いへの対応を相談します。

WILL

遺言書で取り分がない場合

遺言書の写し、相続人関係、遺産内容、遺言を知った日を整理し、遺留分侵害額請求の可否や期限を確認します。

HOUSE

不動産の名義変更が未了の場合

登記事項証明書、固定資産評価証明書、戸籍、遺産分割協議書案を準備します。争いがなければ司法書士、争いがあれば弁護士相談を検討します。

TAX

相続税申告期限が近い場合

法テラス相談だけでなく、税理士相談を直ちに行います。遺産分割がまとまっていなくても申告期限は原則として延びません。

Section 13

法テラスの利用方法でよくある誤解

無料、結論決定、担当者への依頼、登記、税務申告について、一般的な考え方を整理します。

法テラスを使えば弁護士費用はすべて無料になりますか

一般的には、無料法律相談は無料で受けられる制度ですが、事件依頼の費用立替制度は原則として返済を伴う制度とされています。ただし、生活状況や事件終了後の資力によって返済猶予や免除が検討される可能性があります。具体的な返済条件や報酬金は、法テラスや担当専門家へ確認する必要があります。

法テラスが相続争いの結論を決めてくれますか

一般的には、法テラスは裁判所ではなく、相続人間の合意や審判の結論を決める機関ではありません。合意ができない場合は、家庭裁判所の調停や審判を利用する可能性があります。具体的な手続選択は、相続人関係、財産内容、証拠、期限によって変わるため、弁護士等の専門家に相談する必要があります。

相談した担当者に必ず依頼できますか

一般的には、相談担当者にそのまま依頼できるとは限りません。利益相反、専門分野、地域、事件の性質、費用立替制度の審査などによって、依頼できるかどうかが変わる可能性があります。具体的には、相談時に受任可否と別の相談先を確認する必要があります。

相続登記は急がなくてもよいですか

一般的には、相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則とされています。ただし、正当な理由や経過措置の扱いなどは事情によって変わる可能性があります。具体的な登記手続は、司法書士や法務局へ確認する必要があります。

遺産分割協議中なら相続税申告も待てますか

一般的には、相続税申告期限は遺産分割の成立によって当然に延長されるわけではありません。未分割のまま申告し、後から修正申告や更正の請求を検討する場合があります。具体的な税務対応は、財産内容や期限によって変わるため、税理士へ相談する必要があります。

Section 14

法テラスの利用方法を実務チェックリストで確認する

問い合わせ前、相談時、相談後に分けて、確認漏れを減らします。

チェックリストは、相談前後の抜け漏れを防ぐために使います。次の比較表は、問い合わせ前、相談時、相談後で確認する項目を分けたものです。どの時点で何を終えておくべきかを読み取り、期限と資料を同時に管理してください。

段階確認すること
問い合わせ前亡くなった人の氏名、死亡日、住所、自分との関係、相続人候補、遺言書の有無、不動産の有無、預貯金・借金・保険の資料収集、相続放棄の3か月期限、相続税申告の10か月期限、相続登記の3年期限、相手方氏名、収入・資産・同居家族を確認します。
相談時相談で最も知りたいことを三つに絞り、時系列表、財産一覧、相続人一覧、届いた書類、署名押印済み書類、相手方とのやり取りを持参し、相談後に何をするかメモする準備をします。
相談後次に取るべき手続、期限、依頼する専門職、費用立替制度の利用可否、返済条件や報酬金、税理士・司法書士・法務局・家庭裁判所など別窓口の必要性を確認します。相手方に連絡する前に、専門家の説明と矛盾しないかも整理します。
Section 15

法テラスの利用方法を最大化する実務技術と専門論点

30分相談で成果を得るため、目的、感情と法的主張、期限、依頼範囲を整理します。

30分の相談で相続全体のすべてを解決することは難しいため、相談の目的を一つに絞ると成果が出やすくなります。たとえば、相続放棄を検討するのか、遺産分割協議書に署名してよいか、遺留分請求の期限に間に合うか、調停を申し立てるかを明確にします。

次の一覧は、相続相談を有効にするための技術と、専門的に問題になりやすい論点を整理したものです。感情的な対立を法的主張に変換し、期限のある問題を先に処理し、証拠が必要な論点を見落とさないことを読み取ってください。

目的を一つに絞る

相談で確認したい事項を最初に伝えると、限られた時間を期限や証拠の確認に使いやすくなります。

感情と法的主張を分ける

不公平感だけでなく、出金額、時期、証拠、使途説明の有無など、法的検討につながる事実に置き換えます。

期限のある問題を先に処理

相続放棄、遺留分、相続税申告、相続登記など、遅れると不利益が生じやすい手続を優先します。

相談内容はメモで残す

録音可否は相談場所や担当者の方針によって異なるため、次にすること、必要書類、期限、費用、再相談の要否をメモします。

依頼契約の範囲を明確にする

交渉だけか、調停、審判、訴訟まで含むのか、内容証明郵便だけか、相続登記だけかで費用と手続が変わります。

専門的論点の証拠を意識する

特別受益、寄与分、使い込み疑い、不動産評価、未成年者や成年後見人がいる相続では、証拠と家庭裁判所手続の確認が重要です。

専門的論点の補足

特別受益とは、相続人の一部が被相続人から生前贈与や遺贈など特別の利益を受けていた場合に、相続人間の公平を図るために考慮される制度です。住宅購入資金、事業資金、結婚資金、多額の贈与などが問題になることがあります。

寄与分とは、相続人の一部が被相続人の財産の維持又は増加に特別の貢献をした場合、その貢献を相続分に反映する制度です。介護だけで当然に寄与分が問題なく認められるわけではなく、通常の親族扶助を超える特別の貢献、財産維持との因果関係、証拠が問題になります。

使い込み疑いでは、取引履歴を取得し、出金時期、出金額、出金方法、被相続人の判断能力、使途説明を検討します。生前の出金と死亡後の出金では法的構成が異なることがあります。不動産評価では、固定資産評価額、路線価、実勢価格、査定価格、鑑定評価額のどれを基準にするかが争点になることがあります。未成年者と親権者が共同相続人になる場合などは、特別代理人の選任が必要になることがあります。

法テラスを使うべき人と別手段を優先する人

弁護士費用をすぐに準備できない人、相続人間で争いがある人、相続放棄や遺留分など期限のある問題がある人、家庭裁判所から書類が届いた人、相手方が弁護士を立てた人、どの専門家に相談すべきか分からない人、収入や資産が限られている人、生活保護を受給している人は、法テラスの利用を積極的に検討する場面があります。

一方で、相続税申告期限が迫っている場合は税理士、争いのない相続登記だけの場合は司法書士又は法務局手続案内、公正証書遺言を作りたい場合は公証役場、不動産売却が目的の場合は司法書士・税理士・不動産業者、事業承継が中心の場合は税理士・公認会計士・中小企業診断士・弁護士の連携を検討します。

Section 16

法テラスの利用方法のまとめ

相談予約だけでなく、期限、資料、専門職、費用制度を同時に確認します。

相続問題における法テラスの利用方法は、単に電話番号を調べて相談を予約するだけでは足りません。相続には、法律、登記、税務、不動産評価、家庭裁判所手続、金融機関実務が同時に関わります。法テラスは、その複雑な入口を整理し、経済的事情により専門家へアクセスしにくい人を支援する制度です。

最後に、相談前に必ず押さえるべき項目をまとめます。次の重要ポイントは、期限、資料、相談先、費用制度の優先順位を表しています。相談前の確認リストとして読み取り、対応が遅れやすい項目から準備してください。

期限、資料、紛争対応、登記・税務連携、費用制度の違いを先に確認する

相続放棄、遺留分、相続税、相続登記の期限を確認し、時系列表、相続人一覧、財産一覧を準備します。争いがある相続では弁護士相談を優先し、不動産登記は司法書士、税務は税理士と連携します。

相続問題は、放置するほど複雑化しやすい分野です。兄弟姉妹との感情的対立、資料不足、期限徒過、相続人の増加、不動産の放置、税務上の不利益が重なると、解決コストは大きくなります。法テラスの利用方法を正しく理解し、早期に相談し、必要な専門職へつなぐことが、相続問題を適切に整理する第一歩です。

Guide

法テラスの利用方法で次に確認したいこと

目的に近い詳しい解説へ進めるよう、関連するテーマを整理しました。

知りたい内容を選ぶと、手続、費用、地域、具体的な論点などの詳しい解説に進めます。

このテーマから次に確認されやすい詳しい解説を7件表示しています。

Reference

参考資料

制度や基準は変更される可能性があるため、実際の利用時は公的機関等の最新情報も確認してください。

公的機関・専門機関の情報

  • 法テラス「法テラス(日本司法支援センター)とは」
  • 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
  • 法テラス「無料法律相談・司法書士相談WEB予約サービス」
  • 法テラス「お問い合わせ」
  • 法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度の利用をお考えの方へ」
  • 法テラス「審査に必要な書類」
  • 法テラス「費用の目安」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」
  • 裁判所「遺言書の検認」
  • 法務省「相続登記の申請義務化特設ページ」
  • 法務局「相続登記の手続案内」
  • 国税庁「相続税の申告と納税」
  • 国税庁「相続財産が分割されていないときの申告」
  • 日本公証人連合会「公正証書遺言」
  • 政府広報オンライン「相続の基本」