東京地裁実務を踏まえた裁判基準、自賠責基準、任意保険基準を比較し、実通院日数や後遺障害の有無で金額が変わる理由を整理します。
東京地裁実務を踏まえた裁判基準、自賠責基準、任意保険基準を比較し、実通院日数や後遺障害の有無で金額が変わる理由を整理します。
結論だけでなく、どの基準で計算しているかを分けて見ることが重要です。
交通事故でけがをして東京都内または近郊の医療機関に約6ヶ月通院した場合、中心的な関心は慰謝料の妥当額です。ただし、慰謝料は住所地や病名だけで決まらず、治療期間、実通院日数、傷病の重さ、他覚的所見、後遺障害の可能性、過失割合、治療の相当性などを合わせて評価します。
まず全体像として、通院6ヶ月でよく比較される基準と金額を並べます。どの基準が何を表すかを把握すると、提示額が最低限の補償に近いのか、裁判基準に近いのかを読み取りやすくなります。
| 基準 | 通院6ヶ月の目安 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 実通院60日で約51万6,000円、90日以上で約77万4,000円 | 日額4,300円を基礎に、治療期間と実通院日数で計算します。傷害部分の限度額120万円は治療費や休業損害を含む枠です。 |
| 任意保険基準 | 会社や事案により異なる | 一般に自賠責基準より高く、裁判基準より低い提示になりやすいとされています。 |
| 裁判基準・弁護士基準 | 通常・重傷で約116万円、他覚所見が乏しいむちうち等で約89万円 | 東京地裁実務を踏まえた赤い本等で参照される実務上の基準です。 |
次の金額比較は、通院6ヶ月でよく参照される3つの目安を並べたものです。金額差を先に把握すると、保険会社提示がどの基準に近いかを読み取りやすくなります。
通院6ヶ月という期間だけで自動的に116万円や89万円になるわけではありません。実通院日数が著しく少ない場合、治療経過に空白がある場合、事故と症状の因果関係が争われる場合、後遺障害が残る場合には、結論が大きく変わる可能性があります。
東京都だけの地域価格ではなく、実務で参照される資料と相談環境がポイントです。
交通事故の人身損害賠償は、都道府県ごとに慰謝料単価が法律で分かれている制度ではありません。東京都で重要になるのは、東京地裁実務を踏まえた基準が参照されやすいことと、相談・紛争解決の窓口が比較的多いことです。
次の一覧は、東京都という条件を考えるときに見るべき要素を整理したものです。地域名だけで金額を決めず、どの資料や窓口を使って適正額を検討するかを読み取ることが大切です。
民事交通事故訴訟の損害賠償額算定基準は、東京地裁実務を踏まえた資料として実務上重視されます。
東京都交通事故相談所、日弁連交通事故相談センター、交通事故紛争処理センターなどの利用が検討されます。
事故地や通院先が東京都でも、金額は診断、通院実績、事故証拠、保険提示額などの資料で評価されます。
慰謝料の種類を分けておくと、通院6ヶ月の話がどこまでを含むのかを誤解しにくくなります。入通院慰謝料だけで示談してよい場面か、後遺障害慰謝料や逸失利益も見るべき場面かを読み取る材料になります。
| 種類 | 意味 | 通院6ヶ月での注意点 |
|---|---|---|
| 入通院慰謝料・傷害慰謝料 | けがで通院・入院を余儀なくされた精神的苦痛への賠償 | このページの中心です。治療期間と実通院日数、傷病の重さが重要です。 |
| 後遺障害慰謝料 | 治療後も症状が残り、後遺障害等級が認定された場合に問題となる慰謝料 | むちうち14級9号、骨折後の機能障害などが争点になることがあります。 |
| 死亡慰謝料 | 死亡事故で本人や遺族に発生する慰謝料 | 通院6ヶ月の入通院慰謝料とは別領域です。 |
自賠責、任意保険、裁判基準では、同じ6ヶ月でも見える金額が変わります。
自賠責保険・共済は、人身事故の被害者救済を目的とする強制保険です。傷害による損害には治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などが含まれ、支払限度額は被害者1人につき原則120万円です。
次の表は、6ヶ月を180日と仮定した場合の自賠責基準の計算例です。同じ6ヶ月でも、実際に通った日数で金額が変わるため、提示額を見るときは実通院日数との対応を確認する必要があります。
| 実通院日数 | 対象日数の考え方 | 自賠責基準の計算例 |
|---|---|---|
| 30日 | 30日×2=60日を採用 | 25万8,000円 |
| 45日 | 45日×2=90日を採用 | 38万7,000円 |
| 60日 | 60日×2=120日を採用 | 51万6,000円 |
| 75日 | 75日×2=150日を採用 | 64万5,000円 |
| 90日 | 90日×2=180日を採用 | 77万4,000円 |
| 100日 | 治療期間180日を採用 | 77万4,000円 |
自賠責基準は基礎的な補償として重要ですが、通院6ヶ月で仕事、家事、育児、学業に支障が出た場合、裁判基準との差が大きくなることがあります。実通院60日の骨折事案では、自賠責基準の計算例51万6,000円に対し、裁判基準では約116万円が目安になり得ます。
任意保険基準は、加害者側任意保険会社が示談交渉で用いることがある内部基準です。公開されていないことが多く、提示額だけでは計算過程が分かりにくいという特徴があります。
次の注意点は、任意保険会社の提示額を読むときに見落としやすい箇所をまとめたものです。提示の背景を分解すると、裁判基準との差額や後遺障害申請前のリスクを読み取りやすくなります。
50万円台や70万円台の提示は、自賠責基準に近い計算になっている可能性があります。
一括対応終了の話と示談提案が近い時期に出る場合は、治療継続や後遺障害の可能性も確認します。
6ヶ月後も症状が残る場合、入通院慰謝料だけで終えると別損害を見落とす可能性があります。
裁判基準は、裁判になった場合に裁判所が参考にする考え方や裁判実務を踏まえた基準です。弁護士が交渉で用いることが多いため、弁護士基準とも呼ばれます。
次の表は、赤い本の入通院慰謝料で問題になりやすい別表の違いを整理したものです。傷病名だけでなく、画像所見、神経学的検査、治療経過、症状の一貫性を合わせて読むことが大切です。
| 表 | 主な対象 | 通院6ヶ月の目安 |
|---|---|---|
| 別表Ⅰ | 骨折、脱臼、靱帯損傷、神経損傷、手術を伴う外傷、他覚所見のある比較的重い外傷など | 約116万円 |
| 別表Ⅱ | むちうち、打撲、捻挫、挫創などで他覚的所見が乏しい軽傷事案 | 約89万円 |
裁判基準でも、通院期間だけを機械的に見るわけではありません。通院が長期で実通院日数が少ない、または不規則な場合には、通常・重傷事案では実通院日数の3.5倍程度、むちうち等では3倍程度を通院期間の目安にする説明が用いられることがあります。
むちうち、骨折、実通院日数が少ない場合、後遺障害が残る場合で見方が変わります。
次の比較表は、通院6ヶ月でよく問題になる4つのケースを整理したものです。自賠責基準と裁判基準の差だけでなく、減額・調整や後遺障害申請の有無を読み取ることが重要です。
| ケース | 前提 | 慰謝料の見方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A むちうち・他覚所見なし | 治療期間6ヶ月、実通院60日、頚椎捻挫や腰椎捻挫 | 自賠責基準は51万6,000円。裁判基準は別表Ⅱで約89万円が目安です。 | 通院中断、初診遅れ、症状記載の薄さ、整骨院中心の通院は争点になり得ます。 |
| B 骨折・靱帯損傷 | 画像所見あり、リハビリ継続、実通院60日 | 自賠責基準は51万6,000円。裁判基準は別表Ⅰで約116万円が目安です。 | リハビリの必要性、可動域制限、疼痛、日常生活への影響が記録に残っているかを見ます。 |
| C 実通院30日 | 治療期間は6ヶ月だが月5回程度の通院 | 自賠責基準は25万8,000円。裁判基準でも通院頻度による修正が問題になります。 | 仕事や家庭の事情、医師の指示、症状継続、リハビリ必要性を資料で説明できるかが重要です。 |
| D 6ヶ月後も症状残存 | 痛み、しびれ、可動域制限、めまい、頭痛などが残る | 入通院慰謝料に加え、後遺障害慰謝料や逸失利益が問題になることがあります。 | 後遺障害申請前に示談を終えると、別損害を失うリスクがあります。 |
ケース比較から分かるのは、同じ通院6ヶ月でも、傷病の重さと通院実績で金額の見え方が変わるという点です。特に骨折などの他覚所見がある事案では、むちうち等と同じ表で考えないことが重要です。
実通院60日の骨折事案では、自賠責基準51万6,000円と裁判基準約116万円の差が約64万円になる可能性があります。むちうち等でも裁判基準約89万円との差を確認する価値があります。
後遺障害が問題になる場面では、入通院慰謝料の比較だけでは全体像を見誤ります。後遺障害等級、逸失利益、将来治療費などが加わると、最終的な賠償額は大きく変わる可能性があります。
慰謝料額は、症状や通院の必要性が医療記録でどう残っているかに左右されます。
むちうち、腰椎捻挫、打撲、末梢神経症状のように画像で明確に証明しにくい外傷では、初診の時期、診療科、症状の一貫性、通院頻度、症状固定の判断が争点になりやすくなります。
次の時系列は、通院6ヶ月の慰謝料を考えるうえで医療記録がどの段階で意味を持つかを整理したものです。順番に見ることで、初期対応から症状固定までの記録がどこで重要になるかを読み取れます。
初診が遅いと事故と症状の因果関係が争われやすくなります。けががある場合は医療機関で診断を受けることが重要です。
頚部痛、しびれ、腰痛、可動域制限、生活上困る動作などが継続的に診療録へ残るかが評価に影響します。
MRI、CT、神経学的検査、可動域測定、リハビリの必要性などが争点になることがあります。
治療を続けても改善しにくい状態に達したと判断されると、後遺障害申請に移るかが問題になります。
次の一覧は、慰謝料や後遺障害の検討で見られやすい医療上のポイントです。何が記録され、何が不足しているかを整理すると、提示額の妥当性を確認しやすくなります。
むちうち、腰痛、骨折、関節痛では整形外科が中心です。頭部症状や精神的症状では専門診療科の関与が必要になることがあります。
診断書、診療録、画像所見、検査結果は、損害賠償や後遺障害の中核資料になりやすい記録です。
少なすぎる通院は慰謝料の調整要素になり得ます。一方で、回数だけ多ければよいわけではなく、医学的な必要性が重要です。
症状緩和に役立つ場合がありますが、医師の診察や診断と切り離されると争点になりやすい点に注意が必要です。
事故証明、治療費打切り、示談提示の読み方が、最終的な解決に影響します。
交通事故証明書、実況見分調書、物件事故報告書、診断書、車両損傷写真、ドライブレコーダー映像、防犯カメラ映像、修理見積書、現場写真などは、事故態様や因果関係を確認する基礎資料です。
次の比較表は、事故証拠がどの争点に関わるかを整理したものです。慰謝料表の数字だけではなく、事故の存在、衝撃、過失割合、症状とのつながりを資料で読めるかが重要です。
| 資料 | 確認しやすい内容 | 慰謝料との関係 |
|---|---|---|
| 交通事故証明書 | 事故の発生、日時、場所、当事者 | 届出がない事故では証明書が交付されず、手続上の支障が出ることがあります。 |
| 実況見分調書・現場資料 | 事故態様、信号、速度、位置関係 | 過失割合や衝撃の程度をめぐる争いに関係します。 |
| 車両写真・修理見積 | 損傷部位、損傷程度、修理内容 | けがとの因果関係や衝撃の大きさを検討する資料になります。 |
| 診断書・医療記録 | 初診日、傷病名、症状経過 | 事故後の症状と時間的近接性を確認する資料になります。 |
加害者側任意保険会社が医療機関へ治療費を直接支払う一括対応は、被害者にとって便利です。ただし、治療期間が長くなると、保険会社から治療費対応終了の連絡が来ることがあります。
次の判断の流れは、保険会社から治療費終了や示談提示があったときの確認順序を示したものです。上から順に資料と争点を確認すると、示談前に後遺障害や損害項目の漏れを読み取りやすくなります。
入通院慰謝料、治療期間、実通院日数、既払金控除を見ます。
痛み、しびれ、可動域制限、頭痛、めまいなどの残存を確認します。
症状固定、後遺障害診断書、画像・検査資料を確認します。
慰謝料、休業損害、交通費、文書料などの漏れを見ます。
示談提示書では、入通院慰謝料の金額、計算根拠、治療期間、実通院日数、後遺障害申請前かどうか、休業損害や通院交通費の漏れ、過失相殺、既払金控除、物損と人損の区別を確認します。
最終的な受取額は、慰謝料以外の損害項目や時効、事故態様の争いでも変わります。
慰謝料額に意識が集中しやすい一方で、人身損害の最終的な受取額は慰謝料だけでは決まりません。治療費、交通費、休業損害、後遺障害逸失利益、物損などを合わせて確認する必要があります。
次の表は、通院6ヶ月の交通事故で慰謝料以外に確認したい損害項目を整理したものです。項目ごとに立証資料や争点が違うため、示談提示書の内訳を分けて読み取ることが重要です。
| 損害項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 治療費 | 診察、検査、投薬、リハビリ、手術、入院等 | 必要性・相当性が争われることがあります。 |
| 通院交通費 | 電車、バス、タクシー、自家用車燃料費等 | タクシーは必要性の説明が問題になりやすい項目です。 |
| 休業損害 | 仕事や家事を休んだことによる損害 | 会社員、自営業、家事従事者、学生で立証方法が異なります。 |
| 入通院慰謝料 | 通院・入院を余儀なくされた精神的苦痛 | 治療期間、実通院日数、傷病の重さで見ます。 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残った精神的苦痛 | 等級認定が前提になりやすい損害です。 |
| 後遺障害逸失利益 | 後遺障害で将来収入が減る損害 | 基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間が争点です。 |
| 物損 | 車両修理費、評価損、代車費用等 | 人損とは別に示談されることがあります。 |
法律上は、不法行為責任、慰謝料請求の基礎となる非財産的損害、人身損害の時効管理が問題になります。2020年4月1日施行の民法改正後、人身損害では、被害者または法定代理人が損害および加害者を知った時から5年、不法行為時から20年という時効管理が問題になります。
次の一覧は、事故原因や車両技術の資料が慰謝料や総賠償額に間接的に影響する場面をまとめたものです。慰謝料表だけでは見えない争点を把握すると、過失割合や因果関係の争いを読み取りやすくなります。
衝撃が小さいとして、けがとの因果関係が争われる場合があります。
信号、速度、車間距離、急制動、回避可能性が最終額に影響します。
ドライブレコーダー、EDR、修理写真、損傷部位の整合性が重要になることがあります。
6ヶ月の通院は、仕事、家事、育児、精神面にも影響します。
通院6ヶ月は身体的な痛みだけでなく、仕事、家事、育児、介護、学業、通勤、睡眠、精神状態にも影響します。法律上の慰謝料は精神的苦痛の金銭評価ですが、生活再建には休業損害、労災、健康保険、精神的症状の医療支援なども関わります。
次の一覧は、交通事故を6つの分野から見た整理です。関係者と資料を分けて把握すると、慰謝料だけでは見落としやすい生活再建上の課題を読み取れます。
警察官、救急隊員、道路管理者、レッカー業者などが関与し、事故証明や二次事故防止につながります。
証拠医師、看護師、理学療法士、診療放射線技師などが、診断、治療、リハビリ、画像評価に関わります。
診療任意保険、自賠責、損害調査、医療調査が、治療費一括対応や慰謝料提示に関係します。
提示額裁判基準、過失割合、因果関係、後遺障害、時効、示談条項を検討します。
判断整備士、修理業者、事故鑑定人、映像解析技術者の知見が事故態様の検討に関わります。
事故態様社会保険労務士、社会福祉士、就労支援員、学校関係者、人事労務担当が関わることがあります。
再建業務中または通勤中の交通事故では、労災保険が関係することがあります。加害者側保険会社、自賠責、労災、健康保険のどれを使うかは、治療費、休業補償、後遺障害、手続負担に影響します。
会社員は休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細が重要です。自営業者は確定申告書、売上台帳、経費資料、受注資料が重要です。家事従事者は、現実の収入がなくても家事労働への支障が評価対象になることがあります。
事故後に不眠、不安、運転恐怖、抑うつ、PTSD様症状が出ることがあります。精神的症状が強い場合、心療内科、精神科、心理職などの支援が必要になることがあります。ただし、損害賠償上は事故との因果関係、診断、治療経過、既往歴が検討されます。
事故直後から6ヶ月到達時点まで、資料化と相談タイミングを整理します。
次の時系列は、事故直後から6ヶ月到達時点までに確認したい行動を整理したものです。順番に見ることで、警察届出、医療記録、保険対応、後遺障害申請の検討時期を読み取りやすくなります。
警察届出、医療機関受診、診断書取得、現場・車両写真、ドライブレコーダー保存、相手方情報と保険情報の確認を行います。
主治医の指示に沿った通院、症状や生活支障の具体的説明、交通費や薬代の領収書保存、休業損害資料の準備を進めます。
MRI、CT、神経学的検査、可動域測定の必要性、治療費終了の話、症状固定時期を確認します。
完治であれば示談交渉へ進み、症状が残る場合は後遺障害診断書と申請の要否を検討します。
弁護士相談を検討する典型場面は、保険会社の提示額が自賠責基準に近い、通院6ヶ月で50万円台・60万円台にとどまる、むちうちで痛みやしびれが残る、骨折や手術・靱帯損傷がある、治療費打切りを告げられた、過失割合や休業損害に納得できない、弁護士費用特約がある、示談書への署名を求められているといった場合です。
次の比較一覧は、相談を急いで検討しやすい場面を整理したものです。金額、後遺障害、手続期限、証拠の不足があるかを読むと、相談の優先度を判断しやすくなります。
| 場面 | 相談の必要性が高まる理由 |
|---|---|
| 提示額が50万円台・60万円台 | 通院6ヶ月の裁判基準と差が大きい可能性があります。 |
| 6ヶ月後も症状が残る | 後遺障害慰謝料や逸失利益を検討する必要があります。 |
| 治療費打切りの連絡 | 主治医の見解、健康保険、労災、後日の請求可能性を確認します。 |
| 過失割合に争いがある | 事故証拠や車両資料が最終額に影響します。 |
| 時効が心配 | 起算点や中断・更新に関わる個別確認が必要になります。 |
提示額の注意度を、傷病、実通院日数、後遺障害の可能性で確認します。
次の診断表は、保険会社提示額を検討する際の目安を整理したものです。注意度が高いほど、裁判基準との差、後遺障害の見落とし、通院頻度による調整の有無を詳しく読む必要があります。
| 状況 | 注意度 | 理由 |
|---|---|---|
| 通院6ヶ月・むちうち・実通院60日で慰謝料約51万6,000円 | 高 | 自賠責基準に近い可能性があり、裁判基準との差が残ります。 |
| 通院6ヶ月・骨折・実通院60日で慰謝料約51万6,000円 | 非常に高 | 裁判基準では約116万円が目安となり得ます。 |
| 通院6ヶ月・むちうち・実通院90日で慰謝料約77万4,000円 | 中から高 | 自賠責の上限的な計算例に近く、裁判基準約89万円との差が残る可能性があります。 |
| 通院6ヶ月・骨折・実通院90日で慰謝料約77万4,000円 | 高 | 裁判基準約116万円との差が大きい可能性があります。 |
| 通院6ヶ月・実通院30日で裁判基準満額を主張したい | 要検討 | 通院頻度による修正が問題になりやすい状況です。 |
| 6ヶ月後も症状が残るのに後遺障害申請前の示談を求められた | 非常に高 | 後遺障害慰謝料や逸失利益を見落とすリスクがあります。 |
金額だけを見て判断すると、減額要素や後遺障害のリスクを見落とすことがあります。
次の一覧は、通院6ヶ月の慰謝料相場で誤解されやすい点を整理したものです。各項目の理由まで読むことで、なぜ金額が自動的に決まらないのかを理解しやすくなります。
裁判基準上の目安であり、実通院日数、傷病の重さ、他覚所見、治療の相当性、事故との因果関係で調整されます。
東京都だけの単価ではありません。東京地裁実務に基づく資料と相談環境を使いやすい点が重要です。
任意保険会社の内部基準や交渉上の判断に基づき、裁判基準より低い場合があります。
通院頻度だけで決まるわけではありません。医学的必要性、医師の診断、症状の推移が重要です。
示談成立後の追加請求は通常難しくなります。後遺障害の可能性がある場合は示談前の確認が重要です。
資料を整理すると、相場との差額や後遺障害の可能性を検討しやすくなります。
次の資料一覧は、相談時に確認されやすい書類を分野ごとにまとめたものです。どの資料がどの争点に対応するかを把握すると、東京都の通院6ヶ月の慰謝料相場と個別事情の差を読み取りやすくなります。
| 分野 | 主な資料 | 確認できること |
|---|---|---|
| 事故関係 | 交通事故証明書、事故発生状況報告書、実況見分調書、ドライブレコーダー映像、現場写真、車両写真、修理見積書 | 事故態様、過失割合、衝撃の程度、因果関係 |
| 医療関係 | 診断書、診療報酬明細書、診療録、画像、検査結果、後遺障害診断書、通院日一覧、薬の処方内容、リハビリ記録 | 傷病の重さ、通院継続、症状の一貫性、後遺障害の可能性 |
| 損害関係 | 示談提示書、休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、確定申告書、通院交通費明細、領収書、家事・育児・介護への支障メモ | 慰謝料以外の損害項目と立証資料 |
| 保険関係 | 任意保険証券、弁護士費用特約、人身傷害保険、労災利用、健康保険利用の資料 | 自己負担、相談・依頼の選択肢、保険間の調整 |
一般的な制度説明として整理します。個別事情により結論は変わります。
一般的には、交通事故案件は資料をもとに進めるため、事故地、住所地、通院先、相手方保険会社、裁判管轄などを踏まえて相談先を選ぶことがあります。ただし、相談方法や受任範囲は事案や窓口ごとに異なります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責基準では実通院日数が計算に影響し、裁判基準でも長期かつ不規則・低頻度の通院では通院期間の評価が修正される可能性があります。ただし、症状、医師の指示、仕事や家庭の事情、治療の必要性によって結論が変わります。具体的な見通しは、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、他覚所見が乏しいむちうちで、通院の必要性・相当性があり、実通院日数も一定程度ある場合、裁判基準では約89万円が目安になるとされています。ただし、事故態様、症状の一貫性、画像・検査結果、後遺障害の有無で結論は変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、骨折などの通常・重傷事案では、裁判基準で約116万円が通院6ヶ月の目安になるとされています。ただし、入院、手術、リハビリ、可動域制限、後遺障害の有無、通院頻度によって損害全体は変わります。具体的な金額は、医療記録や示談提示書を確認して専門家に相談する必要があります。
一般的には、その提示が自賠責基準、任意保険基準、裁判基準のどれに近いかを確認することがあります。ただし、過失割合、既払金、治療期間、実通院日数、後遺障害の可能性で結論は変わります。具体的な交渉方針は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、けががある場合、医師の診断書や警察への届出状況、交通事故証明書の取得状況が重要になるとされています。ただし、人身事故への切替えや資料の扱いは時期、診断内容、事故態様によって変わります。具体的な対応は、関係資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、症状固定は医学的には主治医の判断が重要とされています。ただし、賠償実務上は保険会社が治療費の一括対応を終了することがあり、治療継続、健康保険や労災の利用、後遺障害申請の準備が問題になります。具体的な対応は、主治医の見解と資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、資料が明確な場合は本人で進めることもありますが、むちうちの神経症状、骨折後の機能障害、画像所見、診療録の記載、後遺障害診断書の内容に不安がある場合は専門的検討が必要になることがあります。ただし、依頼の要否は事案によって異なります。具体的には、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
金額の目安と個別資料を切り分けて確認することが大切です。
東京都の通院6ヶ月の慰謝料相場は、自賠責基準では日額4,300円を基礎に治療期間と実通院日数を踏まえて計算し、6ヶ月・実通院60日なら51万6,000円、実通院90日以上なら77万4,000円程度が計算例になります。
裁判基準では、通常・重傷事案で約116万円、他覚所見の乏しいむちうち等で約89万円が中心的な目安です。ただし、実通院日数が少ない場合、治療が不規則な場合、因果関係が争われる場合は調整される可能性があります。
後遺症が残る場合は、入通院慰謝料だけで示談せず、後遺障害申請も検討対象になります。保険会社提示額が自賠責基準に近い場合、裁判基準との差額を確認し、示談書に署名する前に相談窓口や弁護士等の専門家を利用することが重要です。
最も大切なのは、6ヶ月通院したからいくらという見方ではなく、どの基準で、どの資料に基づき、どの傷病・通院実態として評価されるのかを確認することです。
公的機関・中立的資料を中心に、制度と基準の確認に用いた資料です。