2σ Guide

海外に保管されている
金・プラチナの相続手続き

海外の金やプラチナは、現物移動より先に権利の性質、準拠法、税務評価、保管業者対応、通関と分割方法を整理することが重要です。

5つ初動で確認する事実
3か月相続放棄の原則期限
10か月相続税申告の原則期限
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

海外に保管されている 金・プラチナの相続手続き

海外の金やプラチナは、現物移動より先に権利の性質、準拠法、税務評価、保管業者対応、通関と分割方法を整理することが重要です。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
海外に保管されている 金・プラチナの相続手続き
海外の金やプラチナは、現物移動より先に権利の性質、準拠法、税務評価、保管業者対応、通関と分割方法を整理することが重要です。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 海外に保管されている 金・プラチナの相続手続き
  • 海外の金やプラチナは、現物移動より先に権利の性質、準拠法、税務評価、保管業者対応、通関と分割方法を整理することが重要です。

POINT 1

  • 海外貴金属の相続手続きは現物移動より権利確認が先
  • 金やプラチナを動かす前に、権利、準拠法、税務、実行方法を確定します。
  • 権利の性質
  • 準拠法と手続地
  • 税務評価

POINT 2

  • 海外貴金属の相続で分けるべき保管形態と権利の性質
  • 金地金、口座、貸金庫、証書では手続と評価が変わります。
  • 海外貴金属を単に「金」と一括りにすると、評価、売却市場、保管証明、通関、倒産リスクの確認を誤るおそれがあります。
  • 金地金やプラチナ地金は、重量、品位、精錬業者、刻印、シリアル番号が重要です。

POINT 3

  • 海外貴金属の相続で最初に確認する五つの事実
  • どこの国に保管されているか
  • 誰の名義で保管されているか
  • 現物か契約上の請求権か
  • 保管契約や明細があるか
  • 担保や規制がないか
  • 保管国、名義、現物性、契約資料、負担の有無を順番に見ます。

POINT 4

  • 海外貴金属の相続で必要な日本法と準拠法の整理
  • 1. 相続人を戸籍で確定:出生から死亡までの戸籍、代襲、養子、前婚の子などを確認します。
  • 2. 遺言書の有無を確認:日本の 公正証書遺言、自筆証書遺言、海外遺言、信託や受益者指定を確認します。
  • 3. 現地手続を追加:Probate、相続証明、裁判所命令、管理人選任、税務クリアランスを検討します。
  • 4. 分割と実行へ:遺産分割協議書や遺言執行者の権限証明を翻訳認証して提出します。

POINT 5

  • 海外保管業者への連絡・必要書類・翻訳認証の実務
  • 1. 死亡通知と凍結依頼:売却や移動を止め、残高証明や必要書類リストを依頼します。
  • 2. 戸籍・遺言・委任状を準備:法定相続情報一覧図、相続関係説明図、翻訳文を組み合わせます。
  • 3. 公証・アポスティーユ・署名証明:提出国がハーグ条約締約国か、在外公館の署名証明が必要かを確認します。

POINT 6

  • 海外貴金属の相続税・評価・外貨換算・売却時課税
  • 死亡日時点の数量、価格、為替を証拠化し、10か月期限を管理します。
  • 日本の相続税は、相続や遺贈により取得した財産から債務や葬式費用などを控除し、基礎控除を超える場合に申告・納付を検討します。
  • 項目が多いほど評価の説明力が上がるため、数量、品位、評価市場、為替、費用制限を分けて読み取ってください。
  • 金、プラチナ、銀、パラジウム、バー、コイン、宝飾品、口座残高、グラム、トロイオンス、キログラム、品位を確認します。

POINT 7

  • 海外貴金属の遺産分割と日本への持込み・通関
  • 1. 権限と相続分を確認:遺言、協議書、保管業者の要求資料が整うまで現物移動は避けます。
  • 2. 現物を動かす必要があるか:保管継続、現地売却、日本輸入、精錬会社直送などを比較します。
  • 3. 通関と保険を事前確認:税関、通関業者、国際物流、輸出国側許可、消費税、保険、警備輸送を整理します。
  • 4. 売却と送金を管理:売却益課税、為替、送金規制、AML確認、銀行の資金使途確認を準備します。

POINT 8

  • 海外貴金属の相続争いと専門職の役割分担
  • 隠し財産、無断売却、調停、専門家チームを整理します。
  • 弁護士・現地専門家
  • 税理士・公認会計士
  • 司法書士・行政書士・公証人

まとめ

  • 海外に保管されている 金・プラチナの相続手続き
  • 海外貴金属の相続手続きは現物移動より権利確認が先:金やプラチナを動かす前に、権利、準拠法、税務、実行方法を確定します。
  • 海外貴金属の相続で分けるべき保管形態と権利の性質:金地金、口座、貸金庫、証書では手続と評価が変わります。
  • 海外貴金属の相続で必要な日本法と準拠法の整理:戸籍、遺言、遺産分割、現地手続を二層で考えます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

海外貴金属の相続手続きは現物移動より権利確認が先

金やプラチナを動かす前に、権利、準拠法、税務、実行方法を確定します。

海外に保管されている金やプラチナなどの貴金属の相続では、通常の預貯金や日本国内不動産より多くの論点が同時に発生します。現物の地金なのか、金属口座なのか、証券化された権利なのか、どこの国の手続が必要か、日本の相続税申告でどの価格と為替を使うかを分けて整理します。

最初に確認海外貴金属の相続は「金を日本へ移せば終わり」ではありません。権限確認前の売却、移動、ログイン操作は、相続人間の紛争、口座凍結、海外法上の問題を招く可能性があります。

次の一覧は、初動で確定すべき四つの柱を示します。各項目は順番に意味があり、権利の性質を確かめる前に輸送や売却へ進まないこと、税務評価と実行方法を同時に考えることを読み取ってください。

Right

権利の性質

現物所有権、保管契約上の返還請求権、金属口座上の債権、金融商品を区別します。

Law

準拠法と手続地

日本の相続法、保管国の検認制度、保管契約の準拠法、裁判管轄を確認します。

Tax

税務評価

死亡日時点の数量、純度、時価、為替換算、債務控除、外国税額控除を証拠化します。

Action

実行方法

名義変更、現物引渡し、売却換価、日本への輸入、遺産分割、納税資金確保を設計します。

Section 01

海外貴金属の相続で分けるべき保管形態と権利の性質

金地金、口座、貸金庫、証書では手続と評価が変わります。

海外貴金属を単に「金」と一括りにすると、評価、売却市場、保管証明、通関、倒産リスクの確認を誤るおそれがあります。次の比較表は、保管形態ごとの相続上の見方を整理したものです。列ごとに、何を持っているのか、相続でどのように見られやすいかを対応させて読んでください。

区分内容相続上の見方
割当保管、Allocated storage特定のバー番号、重量、品位が割り当てられ、分別管理される形態です。現物所有権に近い整理がしやすい一方、契約内容と保管証明の確認が必要です。
非割当口座、Unallocated account特定バーではなく、業者に一定量の金属返還を求める残高型の口座です。現物ではなく債権として評価される可能性が高く、業者信用リスクを確認します。
プール口座複数顧客の金属を混合管理し、持分的に管理する形態です。共有持分、債権、信託受益権など、契約によって整理が変わります。
貸金庫内の現物貸金庫にバー、コイン、宝飾品などを保管している形態です。開扉権限、立会い、目録作成、現物確認が中心になります。
証書、レシート、証券化商品金保有を示す証書、ETF、証券、デリバティブなどです。金そのものではなく、金融商品として処理されることが多いです。

金地金やプラチナ地金は、重量、品位、精錬業者、刻印、シリアル番号が重要です。コインは地金型、収集用、記念貨幣で価値の見方が異なり、宝飾品は金属価値だけでなく、ブランド価値、宝石価値、工芸価値、状態を確認します。

Section 02

海外貴金属の相続で最初に確認する五つの事実

保管国、名義、現物性、契約資料、負担の有無を順番に見ます。

最初の確認事項は、後の相続税申告、海外保管業者対応、遺産分割、輸送方法の全てに影響します。次の一覧は、初動調査の五項目を並べたものです。左から順に事実を固め、書類がない項目ほど早く証拠化する必要がある点を読み取ってください。

どこの国に保管されているか

保管国により、Probate、本人確認、翻訳、公証、アポスティーユ、税金、輸出規制、AML審査、裁判管轄が変わります。

誰の名義で保管されているか

本人名義、親族名義、海外法人、信託、共同名義、実質的所有者の区別により、相続財産性が争われることがあります。

現物か契約上の請求権か

バー番号付きの分別保管なら現物性が高く、残高表示だけなら金属債権や金融商品として検討します。

保管契約や明細があるか

保管契約、KYC資料、保管証明、バーリスト、取引明細、保管料請求書、メール、オンライン口座資料を探します。

担保や規制がないか

貴金属担保ローン、未払手数料、差押え、制裁、反マネーロンダリング、会社債務の担保提供を確認します。

名義が相続人の一人でも、原資や管理実態が亡くなった人にある場合は、名義財産として相続財産性が問題になることがあります。相続人が勝手にログインして売却や移動を行うと、権限争い、口座凍結、海外法上の問題につながる可能性があります。

Section 03

海外貴金属の相続で必要な日本法と準拠法の整理

戸籍、遺言、遺産分割、現地手続を二層で考えます。

日本人が死亡した場合、日本の相続手続では戸籍により相続人を確定します。ただし、海外保管業者へ提出するには、戸籍の英訳、相続関係説明図、公証、アポスティーユ、領事認証が必要になることがあります。

次の判断の流れは、遺言の有無と海外手続の必要性を整理するものです。順番には意味があり、日本法上の権利承継と、保管業者が求める現地形式が一致しないことを読み取ってください。

遺言と現地手続の確認順序

相続人を戸籍で確定

出生から死亡までの戸籍、代襲、養子、前婚の子などを確認します。

遺言書の有無を確認

日本の公正証書遺言、自筆証書遺言、海外遺言、信託や受益者指定を確認します。

現地形式が必要
現地手続を追加

Probate、相続証明、裁判所命令、管理人選任、税務クリアランスを検討します。

日本資料で進行
分割と実行へ

遺産分割協議書や遺言執行者の権限証明を翻訳認証して提出します。

次の比較表は、遺産分割協議書で海外貴金属について明記すべき事項を整理します。取得者を決めるだけでは実行できず、評価、費用、権限、追加財産の処理まで書く必要がある点を読み取ってください。

記載項目実務上の意味
保管国、保管業者名、口座番号海外保管業者が対象財産を特定し、名義変更や売却の処理に入る前提になります。
種類、重量、品位、バー番号、数量現物の特定、評価、引渡し、紛争予防に使います。
評価額、評価日、評価方法、為替レート相続税、遺産分割、代償金、価格変動リスクの説明に必要です。
取得者、売却の有無、費用負担保管料、輸送費、税金、売却手数料、翻訳認証費用を誰が負担するかを決めます。
代理権、委任状、追加財産の処理海外手続の実行権限と、後日発見された財産・債務の再協議を避けるために重要です。
Section 04

海外保管業者への連絡・必要書類・翻訳認証の実務

死亡通知から書類提出まで、保管業者の要求を確認します。

保管業者に口座があることが判明したら、死亡事実を通知し、口座凍結、ステートメント発行、必要書類リストを依頼します。初回連絡では、亡くなった人の氏名、生年月日、死亡日、口座番号、相続人または遺言執行者の連絡先、日本で相続手続を進めていることを簡潔に伝えます。

次の比較表は、海外保管業者が求めやすい書類と目的を整理したものです。提出先ごとに形式が変わるため、書類名だけでなく、何を証明するための資料かを読み取ってください。

書類目的注意点
死亡証明書死亡確認死亡届記載事項証明書、死亡診断書、戸籍等の翻訳が必要なことがあります。
相続人証明承継権者の確認戸籍一式、法定相続情報一覧図、宣誓供述書などを組み合わせます。
遺言書承継者や遺言執行者の確認検認済み遺言やProbateを要求されることがあります。
遺産分割協議書相続人間の合意確認全員署名、実印、印鑑証明、署名証明、翻訳が問題になります。
権限証明、委任状誰が業者とやり取りするかの確認公証、アポスティーユ、領事認証が必要なことがあります。
本人確認・納税資料KYCと税務確認英文住所証明、資金源泉、税務クリアランスを求められる場合があります。

次の時系列は、翻訳認証を含む提出準備の順番を示します。翻訳の質が低いと、戸籍制度や代襲相続などが保管業者に伝わらず、手続期間が延びるため、各段階で確認を戻せるように読むことが重要です。

初回連絡

死亡通知と凍結依頼

売却や移動を止め、残高証明や必要書類リストを依頼します。

書類整備

戸籍・遺言・委任状を準備

法定相続情報一覧図、相続関係説明図、翻訳文を組み合わせます。

認証

公証・アポスティーユ・署名証明

提出国がハーグ条約締約国か、在外公館の署名証明が必要かを確認します。

Section 05

海外貴金属の相続税・評価・外貨換算・売却時課税

死亡日時点の数量、価格、為替を証拠化し、10か月期限を管理します。

日本の相続税は、相続や遺贈により取得した財産から債務や葬式費用などを控除し、基礎控除を超える場合に申告・納付を検討します。基礎控除は3,000万円に600万円を法定相続人の数で乗じた額を加えた金額で、申告期限は原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。

次の一覧は、海外貴金属の評価で死亡日時点に確定すべき情報を整理したものです。項目が多いほど評価の説明力が上がるため、数量、品位、評価市場、為替、費用制限を分けて読み取ってください。

種類・数量・品位

金、プラチナ、銀、パラジウム、バー、コイン、宝飾品、口座残高、グラム、トロイオンス、キログラム、品位を確認します。

数量品位

バー番号と保管証明

Allocated保管ではバー番号、精錬業者、保管棚番号、バーリストが現物性と評価の重要資料になります。

現物性証明書

評価市場と手数料

ロンドン、ニューヨーク、東京、保管業者公表価格、現地取引価格、売却制限、手数料、保管料、引渡し制限を確認します。

市場価格手数料

外貨換算

外貨建て評価書は、原則として課税時期の対顧客直物電信買相場、TTBまたは準ずる相場で邦貨換算する考え方を確認します。

TTB金融機関資料

次の比較表は、相続税後に発生しやすい税務論点を整理します。相続税、外国税、国外財産調書、売却時所得税は別々の制度であり、同じ資料が複数の申告に使われる点を読み取ってください。

論点確認する内容
国外財産も課税対象になるか相続人や亡くなった人の住所、国籍、在留資格、居住期間により、国内外すべての財産が対象になる場合があります。
財産所在地の判定現物の金地金やプラチナは動産として現実の所在地を確認します。非割当口座は契約上の請求権として検討します。
外国で税金を支払った場合外国税額控除は、対象税目、対象財産、納付証明、邦貨換算、限度計算を確認します。
国外財産調書日本居住者で12月31日の国外財産合計が5,000万円を超える場合、翌年6月30日までの提出義務が問題になります。
売却時の所得税金地金の売却益は原則として譲渡所得が問題になります。継続的売買や金投資口座では別区分となる場合があります。
Section 06

海外貴金属の遺産分割と日本への持込み・通関

現物分割、換価分割、代償分割、輸送方法を比較します。

海外貴金属は価格変動が大きく、分け方を誤ると相続人間の不満や税務資料の不足につながります。次の比較表は、三つの分割方法を整理したものです。利点だけでなく、価格変動、費用負担、実行権限を協議書に書く必要がある点を読み取ってください。

方法内容注意点
現物分割金地金やプラチナをそのまま特定の相続人が取得します。バー単位で細かく分けにくく、金とプラチナで価格変動、純度、流動性、保管料が異なります。
換価分割売却して代金を相続人で分けます。誰が売るか、業者、市場、成行か指値か、手数料、現地税、為替、送金先を定めます。
代償分割一人が貴金属を取得し、他の相続人へ代償金を払います。死亡時、協議時、支払時のどの価格を基準にするか、支払資金、担保、分割払いを定めます。

次の判断の流れは、海外貴金属を日本へ持ち込むか、現地で売却するかを考える順序です。所有権の有無と通関申告義務は別問題であり、持ち帰りが最も簡単とは限らない点を読み取ってください。

輸送・売却方法の判断順序

権限と相続分を確認

遺言、協議書、保管業者の要求資料が整うまで現物移動は避けます。

現物を動かす必要があるか

保管継続、現地売却、日本輸入、精錬会社直送などを比較します。

輸入する
通関と保険を事前確認

税関、通関業者、国際物流、輸出国側許可、消費税、保険、警備輸送を整理します。

現地売却する
売却と送金を管理

売却益課税、為替、送金規制、AML確認、銀行の資金使途確認を準備します。

Section 07

海外貴金属の相続争いと専門職の役割分担

隠し財産、無断売却、調停、専門家チームを整理します。

海外貴金属は秘匿性が高く、相続人の一人だけが存在を知っていることがあります。メール、保管料の支払い、海外渡航記録、国外財産調書、遺言書の記載、死亡直後の海外渡航などがあれば、証拠保全や保管業者への通知を検討します。

次の比較表は、紛争場面と専門職の役割を整理したものです。争いがある場合は感情的な主張ではなく、時系列、証拠、金額、権限を分けて読むことが重要です。

場面主な確認事項中心となる専門職
海外口座を隠している疑い保管業者通知、メール、保管料、税務資料、遺言記載、渡航記録を確認します。弁護士、税理士、現地専門家
無断売却や使い込み疑い権限、名義、遺言、遺産分割、売却履歴、送金記録、共有状態を整理します。弁護士
遺産分割調停・審判保管証明、バーリスト、死亡時評価、現在評価、手数料、税金、輸送費を提出します。弁護士、税理士、家庭裁判所
税務・評価国外財産評価、為替換算、外国税額控除、売却時所得税、税務調査対応を整理します。税理士、評価業者
輸入・物流税関申告、課税価格、輸送書類、保険、警備輸送を確認します。通関業者、物流業者、保管業者

次の一覧は、海外貴金属相続で組むことが多い専門家チームを示します。一人の専門家だけで全てを処理するのは難しいため、役割を分けて連携させる点を読み取ってください。

Legal

弁護士・現地専門家

相続人間の紛争、遺留分、使い込み疑い、交渉、調停、現地相続手続、Probate、保管業者対応。

Tax

税理士・公認会計士

相続税申告、国外財産評価、為替換算、外国税額控除、売却時所得税、海外法人や信託の分析。

Docs

司法書士・行政書士・公証人

戸籍、法定相続情報、相続登記、書類作成、翻訳認証、公正証書遺言、署名認証。

Execution

通関・評価・信託銀行等

輸入、税関申告、品位確認、売却見積、遺言執行、相続手続全体の事務管理。

Section 08

海外貴金属の相続手続きの流れと必要書類

初動調査から評価、分割、売却・輸入までを時系列で管理します。

海外貴金属の相続では、3か月の相続放棄期限と10か月の相続税申告期限を意識しながら、現地手続も進めます。次の時系列は標準的な順番を示します。各段階で資料が次の段階へ引き継がれる点を読み取ってください。

第1段階

初動調査

死亡届、戸籍、遺言、自宅やメールの調査、海外保管業者への死亡通知、口座凍結、保管契約と未払費用を確認します。

第2段階

権利と手続地の整理

現物保管か非割当口座か、保管国、契約準拠法、裁判管轄、現地Probateの要否、代表者や専門家を決めます。

第3段階

評価と税務

死亡日時点の数量、品位、時価、為替、国内外財産、債務、現地税、外国税額控除を整理し、10か月以内の申告を管理します。

第4段階

遺産分割と実行

取得者、名義変更、売却、現物引渡し、輸入、翻訳認証、移転、送金、分配、資料保存を進めます。

次の一覧は、必要書類を日本側、海外保管業者側、評価・税務側に分けたものです。書類の出どころを分けることで、不足資料を早く見つけられる点を読み取ってください。

日本側で準備する書類

戸籍一式、相続人全員の戸籍・住民票・印鑑証明、法定相続情報一覧図、遺言書、遺言執行者の権限証明、遺産分割協議書、委任状、相続税申告資料、翻訳、公証、アポスティーユ、領事認証。

戸籍認証

海外保管業者から取得する書類

口座残高証明、保管証明、バーリスト、取引履歴、保管契約書、約款、保管料、保険料、手数料明細、売却見積、KYC書類リスト。

証明書KYC

評価・税務の資料

死亡日の貴金属価格、死亡日の為替相場、保管業者の評価書、現地市場価格、売却手数料、保管料、輸送費、保険料見積、海外税金の納付証明、売却時の譲渡所得資料。

死亡日評価為替
Section 09

海外貴金属のケース別分析・予防策・高度な論点

保管国、口座形態、法人名義、生前対策、価格変動をまとめます。

ケース別に見ると、同じ海外貴金属でも実務の詰まりどころが変わります。次の一覧は、典型ケースと重点確認事項を整理したものです。保管形態、名義、評価、税務、現地手続のどこが中心論点かを読み取ってください。

スイスのAllocated金地金

バー番号、重量、品位、精錬業者、保管契約を確認します。署名認証、アポスティーユ、現地専門家の意見書、輸出入手続、保険が問題になります。

シンガポールのUnallocated残高

特定バーではなく金属返還請求権として扱われる可能性があります。現物交付の可否、売却スプレッド、Grant of Probate等を確認します。

香港の貸金庫

開扉権限、現地裁判所命令、遺産管理人、相続人全員の同意、立会い、目録作成、宝飾品の鑑定が問題になります。

海外法人名義

相続財産は金そのものではなく海外法人株式や持分の可能性があります。財務諸表、株主名簿、実質的支配者、会社法、税務を確認します。

生前に子名義へ移した

贈与か名義借りかを、購入資金、保管料支払者、管理者、アクセス権、贈与契約、贈与税申告から確認します。

次の一覧は、生前対策と失敗例から導かれる予防策を整理したものです。相続開始後の手続を減らすために、財産目録、遺言、保管形態、納税資金、協議書条項を事前に整える必要がある点を読み取ってください。

Inventory

財産目録

保管国、都市、保管業者、口座番号、金属種別、重量、品位、バー番号、準拠法、保管料、連絡先、必要書類を記録します。

Will

遺言書の明記

保管業者名、口座番号、取得者、遺言執行者、売却権限、輸送権限、税金・費用負担を明記します。

Structure

保管形態の見直し

Allocatedは現物性を示しやすい一方で煩雑です。Unallocatedは流動性が高い一方で信用リスクがあります。

Liquidity

納税資金

海外手続が終わらなくても相続税は原則10か月以内に金銭納付です。国内預金、生命保険、納税用口座、一部売却指示を検討します。

信託、財団、ファミリーオフィス、海外法人、LLCなどで保有される場合は、信託受益権や会社持分の評価が問題になります。高額貴金属では、制裁、AML、KYC、資金源泉、デジタルアクセス、価格変動リスクも手続を止める要因になります。

Section 10

海外貴金属の相続手続きでよくある質問

個別事情で変わる論点を、一般情報として整理します。

海外にある金も日本の相続税申告に入れる必要がありますか。

一般的には、相続人や亡くなった人の住所、国籍、在留資格、居住期間により、国外財産も日本の相続税の対象になる可能性があります。ただし、課税範囲は個別事情で変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。

相続税の申告期限は海外手続が終わるまで延びますか。

一般的には、日本の相続税申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内とされています。海外手続が未了でも、当然に延びるわけではありません。概算評価や未分割申告などの見通しは専門家へ相談する必要があります。

死亡時の金価格と売却時の金価格が違う場合、どちらを使いますか。

一般的には、相続税評価では死亡時の価額を使うとされています。一方、遺産分割や代償金では協議時、分割時、売却時の価格を使うことがあります。目的ごとに評価時点が異なるため、協議書で明確にする必要があります。

日本へ持ち帰れば相続手続は終わりますか。

一般的には、現物を持ち帰っても所有権、遺産分割、相続税、通関、消費税、輸送保険、海外手続が残る可能性があります。権限確認前の持込みは紛争や申告漏れにつながることがあるため、具体的な対応は専門家へ相談する必要があります。

相続放棄を考える場合、海外貴金属は調査してよいですか。

一般的には、財産調査自体は必要とされています。ただし、売却、持出し、費消などをすると単純承認と評価されるリスクがあります。3か月の期限内に、弁護士等の専門家へ相談しながら判断する必要があります。

Reference

海外貴金属の相続手続きの参考情報源

  • London Bullion Market Association「Precious Metal Accounts」「About Loco London」「Clearing」
  • 政府広報オンライン「ご存じですか?相続の基本」
  • e-Gov法令検索「法の適用に関する通則法」
  • e-Gov法令検索「相続税法」
  • 外務省「公印確認・アポスティーユとは」
  • 外務省「署名証明」
  • 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「No.4138 相続人が外国に居住しているとき」
  • 国税庁「財産評価基本通達」
  • 国税庁「No.4665 外貨で表示されている財産の邦貨換算」
  • 国税庁「国外財産調書制度に関するお知らせ」
  • 国税庁「No.3161 金地金を売ったときの税金」
  • 国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
  • 税関「支払手段等の携帯輸出入の手続」
  • 裁判所「遺産分割調停」