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基礎控除額を差し引いて
課税遺産総額を出す方法

相続税計算のステップ3では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、税率計算へ進むかどうかを判断します。法定相続人の数、相続放棄、養子、生命保険金、債務控除、特例、申告要否まで順番に整理します。

3,000万円基礎控除の固定部分
600万円法定相続人1人あたり
10か月相続税申告期限の目安
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基礎控除額を差し引いて 課税遺産総額を出す方法

相続税計算のステップ3では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、税率計算へ進むかどうかを判断します。

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基礎控除額を差し引いて 課税遺産総額を出す方法
相続税計算のステップ3では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、税率計算へ進むかどうかを判断します。
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  • 基礎控除額を差し引いて 課税遺産総額を出す方法
  • 相続税計算のステップ3では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、税率計算へ進むかどうかを判断します。

POINT 1

  • 基礎控除額と課税遺産総額の全体像
  • 相続税がかかるかどうかを分ける入口を、まず一枚で確認します。
  • 課税価格の合計額 − 基礎控除額 = 課税遺産総額
  • 相続税計算におけるステップ3は、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を出す段階です。
  • 財産を集めて評価するだけでは相続税額は決まらず、この段階で税率計算へ進む母数が確定します。

POINT 2

  • 基礎控除額を差し引く相続税計算の位置づけ
  • 1. 1. 相続財産を把握する:預貯金、不動産、有価証券、死亡保険金、死亡退職金、事業用資産、名義財産の疑いがあるものを洗い出します。
  • 2. 2. 課税価格の合計額を出す:みなし相続財産、生前贈与加算、非課税財産、債務、葬式費用を反映します。
  • 3. 3. 基礎控除額を差し引く:3,000万円+600万円×法定相続人の数を差し引き、課税遺産総額を確定します。
  • 4. 4. 法定相続分で仮分割する:実際の分け方とは別に、法定相続分どおりに取得したものとして税率計算の基礎を作ります。
  • 5. 5. 相続税総額を按分する:相続税の総額を実際の取得割合で割り振り、2割加算や税額控除を処理します。

POINT 3

  • 基礎控除額と課税遺産総額で使う3つの用語
  • 課税価格の合計額
  • 基礎控除額
  • 課税遺産総額
  • 課税価格の合計額、基礎控除額、課税遺産総額を混同しないことが出発点です。

POINT 4

  • 基礎控除額を左右する法定相続人の数え方
  • 相続放棄、養子、代襲相続、欠格・廃除は、人数判定の注意点です。
  • 基礎控除額の変数は法定相続人の数です。
  • 配偶者は常に相続人となり、配偶者以外は子、直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人となります。
  • 読者にとって重要なのは、1人増えるごとに600万円ずつ控除額が変わる点です。

POINT 5

  • 基礎控除額を差し引く課税遺産総額の計算例
  • 家族構成、相続放棄、養子、保険金、贈与加算で結果が変わります。
  • 次の段階では、この2,700万円を実際の取得割合ではなく、いったん法定相続分で仮に分けます。
  • 読者にとって重要なのは、同じ公式でも、人数判定や保険金の非課税枠、生前贈与加算によって結論が変わる点です。
  • どの前提が差額を生んでいるかを読み取ってください。

POINT 6

  • 小規模宅地等の特例と基礎控除額の関係
  • 1. 特例適用前の財産価額を把握する:宅地の評価額や利用状況を確認します。
  • 2. 特例を使わないと基礎控除を超えるか確認する:申告要否の検討に関わります。
  • 3. 適用要件を確認する:居住、事業、生計、取得者、継続要件などを確認します。
  • 4. 申告書提出の必要性を確認する:税額ゼロでも、特例適用のために申告が必要な場合があります。
  • 5. 分割が期限までに成立しているか確認する:未分割の場合、特例適用に制限が生じることがあります。

POINT 7

  • 課税遺産総額と各相続人の納税額は別物
  • 1. 課税遺産総額を確定する:課税価格の合計額から基礎控除額を差し引きます。
  • 2. 法定相続分で仮分割する:実際の分け方ではなく、法定相続分どおりに取得したものとして計算します。
  • 3. 税率を適用して相続税総額を出す:各法定相続分に応ずる取得金額に税率を適用します。
  • 4. 実際の取得割合で按分する:相続税総額を、実際に財産を取得した人の課税価格割合で割り振ります。
  • 5. 加算と控除を処理する:2割加算、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除などを確認します。

POINT 8

  • 基礎控除額と課税遺産総額を確認する専門職の視点
  • 税務、紛争、登記、書類、不動産、家庭裁判所手続は見るポイントが異なります。
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 不動産鑑定士・土地家屋調査士

まとめ

  • 基礎控除額を差し引いて 課税遺産総額を出す方法
  • 基礎控除額と課税遺産総額の全体像:相続税がかかるかどうかを分ける入口を、まず一枚で確認します。
  • 基礎控除額を差し引く相続税計算の位置づけ:相続税の全体計算では、ステップ3が入口判定と税率計算の接続点になります。
  • 基礎控除額を左右する法定相続人の数え方:相続放棄、養子、代襲相続、欠格・廃除は、人数判定の注意点です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

基礎控除額と課税遺産総額の全体像

相続税がかかるかどうかを分ける入口を、まず一枚で確認します。

相続税計算におけるステップ3は、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を出す段階です。財産を集めて評価するだけでは相続税額は決まらず、この段階で税率計算へ進む母数が確定します。

中心になる式は、課税価格の合計額 − 基礎控除額 = 課税遺産総額です。基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。単純な引き算に見えますが、入口の課税価格や法定相続人の数を誤ると、以後の計算も連鎖的に誤ります。

次の強調表示は、ステップ3で最初に押さえるべき結論を表します。読者にとって重要なのは、公式の形だけでなく、引く前の金額と人数判定が正確でなければ結論が変わる点です。ここでは、計算の起点と注意すべき読み方を確認してください。

課税価格の合計額 − 基礎控除額 = 課税遺産総額

基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。課税遺産総額がゼロ以下であれば、一般には相続税の負担は生じませんが、特例適用や申告要否は別途確認が必要です。

この比較表は、ステップ3で誤りやすい論点と、なぜ結論に影響するのかを整理したものです。各行は計算の入口、人数、ゼロ判定、後続計算、期限のどこに注意すべきかを示しています。最初に全体を見て、後続の章で詳しい理由を確認してください。

論点なぜ重要か
課税価格の合計額財産評価、非課税財産、債務控除、葬式費用、相続前贈与加算を誤ると、ステップ3の入口がずれます。
法定相続人の数相続放棄者、養子、代襲相続人、相続欠格、廃除などで基礎控除額が変わります。
課税遺産総額がゼロ以下一般には相続税がかからない方向ですが、特例適用や申告書提出が必要な場面があります。
各人の納税額との違い課税遺産総額に直接税率をかけて、各人の税額を出すわけではありません。
遺産分割が未了話合いが終わっていなくても申告期限は進み、特例適用にも制限が生じます。
注意このページは一般的な制度説明です。個別の税務判断、紛争対応、登記申請、訴訟方針は事情によって結論が変わるため、資料を整理したうえで税理士、弁護士、司法書士などの専門職へ確認する必要があります。
Section 01

基礎控除額を差し引く相続税計算の位置づけ

相続税の全体計算では、ステップ3が入口判定と税率計算の接続点になります。

相続税の全体像を単純化すると、財産を把握し、正味の遺産額または課税価格の合計額を出し、そこから基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を確定します。その後、法定相続分で仮に分け、税率を適用し、相続税の総額を実際の取得割合で按分します。

次の判断の流れは、財産把握から各人の税額へ進む順番を表しています。読者にとって重要なのは、ステップ3が独立した計算ではなく、前段の財産評価と後段の税率計算をつなぐ地点だという点です。上から下へ、どの段階で何を確定するのかを読み取ってください。

相続税計算の順番

1. 相続財産を把握する

預貯金、不動産、有価証券、死亡保険金、死亡退職金、事業用資産、名義財産の疑いがあるものを洗い出します。

2. 課税価格の合計額を出す

みなし相続財産、生前贈与加算、非課税財産、債務、葬式費用を反映します。

3. 基礎控除額を差し引く

3,000万円+600万円×法定相続人の数を差し引き、課税遺産総額を確定します。

4. 法定相続分で仮分割する

実際の分け方とは別に、法定相続分どおりに取得したものとして税率計算の基礎を作ります。

5. 相続税総額を按分する

相続税の総額を実際の取得割合で割り振り、2割加算や税額控除を処理します。

国税庁の説明でも、各人が実際に取得した財産に直接税率を乗じるのではなく、課税遺産総額を法定相続分で按分した額に税率を適用する流れが示されています。つまり、ステップ3の数字は、後で使う税率計算の土台です。

要点ステップ3で課税遺産総額がプラスになるかどうかは、相続税がかかる可能性と、次の税率計算へ進む必要性を判定する重要な境目です。
Section 02

基礎控除額と課税遺産総額で使う3つの用語

課税価格の合計額、基礎控除額、課税遺産総額を混同しないことが出発点です。

課税価格の合計額とは、各人の課税価格を合計した額です。相続または遺贈で取得した財産、死亡保険金や死亡退職金などのみなし相続財産、相続時精算課税適用財産、暦年課税贈与の加算対象額を反映し、非課税財産、債務、葬式費用を差し引いて考えます。

次の一覧は、ステップ3で使う3つの用語の役割を並べたものです。読者にとって重要なのは、どの金額が入口で、どの金額が控除で、どの金額が税率計算の対象になるのかを分けることです。左から順に、計算上の役割と誤解しやすい点を確認してください。

入口

課税価格の合計額

各人の課税価格の合計です。財産評価、みなし相続財産、生前贈与加算、非課税財産、債務、葬式費用を反映した後の金額として扱います。

控除

基礎控除額

3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算する、遺産全体に対する控除です。相続人ごとに別々に使う控除ではありません。

結果

課税遺産総額

課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いた金額です。ゼロ以下の場合、一般には課税遺産総額をゼロとして扱います。

次の比較表は、各人の課税価格を作るときに足すものと引くものを整理しています。ここを間違えると、基礎控除額を正しく計算しても結論がずれます。足し戻す項目と控除する項目を分けて読み取ってください。

区分主な項目ステップ3への影響
加算するもの相続財産、みなし相続財産、相続時精算課税適用財産、暦年課税贈与の加算対象額課税価格の合計額を増やします。
差し引くもの非課税財産、確実な債務、葬式費用課税価格の合計額を減らします。
最後に差し引くもの基礎控除額課税遺産総額を出すために、遺産全体から一度だけ控除します。

遺産分割がまだまとまっていない場合でも、相続税の申告期限が当然に延びるわけではありません。未分割のときは、いったん民法上の相続分などに従って取得したものとして計算する扱いが問題になります。

Section 03

基礎控除額を左右する法定相続人の数え方

相続放棄、養子、代襲相続、欠格・廃除は、人数判定の注意点です。

基礎控除額の変数は法定相続人の数です。配偶者は常に相続人となり、配偶者以外は子、直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人となります。配偶者と子が相続人であれば配偶者2分の1・子全体2分の1、配偶者と直系尊属であれば配偶者3分の2・直系尊属全体3分の1、配偶者と兄弟姉妹であれば配偶者4分の3・兄弟姉妹全体4分の1が基本です。

次の表は、法定相続人の数ごとに基礎控除額がどれだけ増えるかを示しています。読者にとって重要なのは、1人増えるごとに600万円ずつ控除額が変わる点です。人数を一つ誤るだけで、課税遺産総額が600万円ずれることを読み取ってください。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円
6人6,600万円

相続放棄をした人がいる場合、相続税の基礎控除では、放棄がなかったものとした場合の相続人の数で法定相続人の数を数えます。たとえば配偶者と子2人のうち子1人が相続放棄をしても、基礎控除計算上は3人として4,800万円を使います。相続放棄の申述は家庭裁判所で行う手続であり、一般に自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内という期間にも注意します。

次の比較表は、養子を法定相続人の数に含める上限を整理したものです。読者にとって重要なのは、民法上は子として扱われても、相続税の基礎控除などでは人数に含められる普通養子の数に制限がある点です。実子の有無によって上限が変わることを確認してください。

被相続人の実子の有無法定相続人の数に含めることができる養子の数
実子がいる場合1人まで
実子がいない場合2人まで

特別養子、配偶者の実子で被相続人の養子となっている人、一定の代襲相続人などは、実子として取り扱われる場合があります。一方、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は含められません。

誤解注意実際の遺産分割で誰かが財産を取得しない場合でも、その人を基礎控除の人数から外すわけではありません。人数判定は取得額ではなく、法定相続人としての地位を基礎にします。
Section 04

課税価格の合計額を作る財産と控除項目

ステップ3の入口になる金額は、財産を足し、控除を反映して作ります。

本来の相続財産には、現金、預貯金、土地、建物、借地権、借家権、上場株式、投資信託、債券、非上場株式、自動車、貴金属、書画骨董、貸付金、未収金、事業用資産、知的財産権などがあります。不動産は相続税評価額と時価が一致しないことが多く、土地は路線価方式または倍率方式、家屋は原則として固定資産税評価額に1.0を乗じて評価します。

次の一覧は、課税価格の合計額に入る主な財産と、差し引く主な項目を整理しています。読者にとって重要なのは、財産名義だけでなく、税法上加算されるものや控除できるものを確認することです。各行のタグを見て、足す項目、引く項目、評価に注意する項目を読み分けてください。

01

本来の相続財産

預貯金、不動産、有価証券、事業用資産、貸付金、未収金、知的財産権など、死亡時に有していた財産を洗い出します。

加算
02

死亡保険金と死亡退職金

民法上の遺産分割財産とは異なる扱いでも、相続税ではみなし相続財産として課税対象に入ることがあります。

加算非課税枠あり
03

非課税財産

日常礼拝をしている墓地、墓石、仏壇、仏具などは非課税財産になり得ます。ただし投資対象や商品は別途確認が必要です。

控除
04

債務と葬式費用

確実な借入金、未払金、未払税金、一定の葬式費用は差し引けます。香典返しや法事費用などは区分が必要です。

控除
05

相続時精算課税と暦年課税贈与

相続時精算課税適用財産や、一定期間内の暦年課税贈与は、基礎控除を引く前に課税価格へ反映します。

加算履歴確認

死亡保険金と死亡退職金には、相続人が受け取る場合に500万円×法定相続人の数までの非課税限度額があります。相続人以外の人が取得した場合には、この非課税の適用がない点にも注意が必要です。

次の表は、債務控除で問題になりやすい項目を整理したものです。読者にとって重要なのは、支払った事実だけでなく、死亡時に確実な債務として存在していたか、非課税財産に関する債務ではないかを確認することです。資料で裏付けるべき項目を読み取ってください。

項目実務上の注意
借入金金銭消費貸借契約書、残高証明、返済予定表で確認します。
未払医療費死亡時点で未払のものは債務控除の対象になり得ます。
未払税金所得税、住民税、固定資産税などの未納分を確認します。
保証債務原則として確実な債務かどうかを慎重に判断します。
墓地・墓石の未払代金非課税財産に関する債務として控除できない場合があります。

葬式費用としては、火葬・埋葬・納骨費用、遺体・遺骨の回送費用、通夜など通常葬式に欠かせない費用、読経料などが例示されています。一方、香典返し、墓石・墓地の購入費用、初七日など法事の費用は葬式費用には該当しないとされています。

相続時精算課税は、原則として60歳以上の父母・祖父母などから18歳以上の子・孫などへの贈与で選択できる制度です。一度選択すると暦年課税へ変更できないため、過去の届出と贈与額を確認する必要があります。令和6年1月1日以後の贈与では、相続時精算課税に係る年110万円の基礎控除額を控除した残額が相続税計算上の加算対象になります。

暦年課税贈与の加算対象期間は、令和6年1月1日以後の贈与について相続開始前7年以内へ延びています。ただし経過措置があり、相続開始日が令和8年12月31日までの場合は相続開始前3年以内、令和9年1月1日から令和12年12月31日までの場合は令和6年1月1日から死亡日まで、令和13年1月1日以後は相続開始前7年以内と整理されます。相続開始の日が令和9年1月2日以後の場合には、相続開始前3年以内に取得した財産以外について総額100万円まで加算されない取扱いもあります。

Section 05

基礎控除額を差し引く課税遺産総額の計算例

家族構成、相続放棄、養子、保険金、贈与加算で結果が変わります。

配偶者と子2人で課税価格の合計額が7,500万円の場合、法定相続人は3人、基礎控除額は4,800万円、課税遺産総額は2,700万円です。次の段階では、この2,700万円を実際の取得割合ではなく、いったん法定相続分で仮に分けます。

次の表は、6つの計算例について、課税価格、人数、基礎控除額、課税遺産総額を比較したものです。読者にとって重要なのは、同じ公式でも、人数判定や保険金の非課税枠、生前贈与加算によって結論が変わる点です。どの前提が差額を生んでいるかを読み取ってください。

ケース前提基礎控除額課税遺産総額
配偶者と子2人課税価格の合計額7,500万円、法定相続人3人3,000万円+600万円×3人=4,800万円2,700万円
配偶者と子1人課税価格の合計額4,000万円、法定相続人2人4,200万円ゼロ
相続放棄者あり子3人のうち1人が放棄、課税価格の合計額6,000万円放棄がなかったものとして4,800万円1,200万円
普通養子が複数実子1人、普通養子3人、課税価格の合計額1億円実子1人+養子1人で4,200万円5,800万円
死亡保険金あり法定相続人3人、保険金3,000万円、その他財産5,000万円4,800万円1,700万円
相続前贈与あり死亡時財産4,000万円、加算対象贈与500万円、法定相続人2人4,200万円300万円

次の比較グラフは、各計算例の課税遺産総額の大きさを相対的に示しています。読者にとって重要なのは、ゼロになる例と大きくプラスになる例の違いが、単なる財産額だけでなく人数制限や加算項目にも左右される点です。高い棒ほど、次の税率計算へ進む母数が大きいと読み取ってください。

2,700万
配偶者と子2人
0円
基礎控除以下
1,200万
相続放棄あり
5,800万
養子制限あり
1,700万
保険金あり
300万
贈与加算あり

死亡保険金の例では、法定相続人3人の非課税限度額は500万円×3人=1,500万円です。死亡保険金3,000万円のうち課税価格に算入される部分は1,500万円となり、その他財産5,000万円と合わせて課税価格の合計額は6,500万円になります。

確認死亡時財産だけを見ると基礎控除以下に見える場合でも、加算対象期間内の暦年課税贈与や相続時精算課税適用財産を加えると、課税遺産総額がプラスになることがあります。
Section 06

小規模宅地等の特例と基礎控除額の関係

特例は課税価格を大きく変えますが、申告不要と同じ意味ではありません。

小規模宅地等の特例は、一定の宅地等について、相続税の課税価格に算入すべき価額を大きく減額する制度です。特定居住用宅地等では330平方メートルまで80%減額される場合があります。自宅土地の評価額が1億円でも、一定要件を満たせば課税価格に算入される額が2,000万円になる可能性があります。

次の強調表示は、小規模宅地等の特例がステップ3へ与える影響を表します。読者にとって重要なのは、特例は基礎控除額を増やす制度ではなく、基礎控除を引く前の課税価格を下げる制度だという点です。どの金額が変わるのかを確認してください。

特例は課税価格の合計額を下げる

小規模宅地等の特例は、基礎控除額そのものを増やすのではなく、課税価格に算入される宅地等の価額を減額します。特例適用後に税額がゼロでも、申告書提出が必要な場合があります。

次の判断の流れは、特例を使う場面で申告要否を確認する順番を表しています。読者にとって重要なのは、特例適用前の価額、要件、申告書提出、遺産分割の時期を分けて確認することです。上から順に、どこで注意が必要かを読み取ってください。

特例がある場合の確認順序

特例適用前の財産価額を把握する

宅地の評価額や利用状況を確認します。

特例を使わないと基礎控除を超えるか確認する

申告要否の検討に関わります。

適用要件を確認する

居住、事業、生計、取得者、継続要件などを確認します。

申告書提出の必要性を確認する

税額ゼロでも、特例適用のために申告が必要な場合があります。

分割が期限までに成立しているか確認する

未分割の場合、特例適用に制限が生じることがあります。

特例の判断では、宅地の利用状況、同居・生計一、取得者の居住継続、事業継続、貸付事業該当性などを精査する必要があります。配偶者の税額軽減も、結果的に税額がゼロになる制度ですが、明細を記載した申告書等と必要書類の提出が前提となる場合があります。

Section 07

課税遺産総額と各相続人の納税額は別物

課税遺産総額へ直接税率をかけるのではなく、法定相続分で仮分割して相続税総額を出します。

課税遺産総額が1億円で、配偶者と子2人が相続人である場合、まず配偶者5,000万円、子A2,500万円、子B2,500万円のように法定相続分で仮に分けます。その後、それぞれの法定相続分に応ずる取得金額に税率を適用し、算出税額を合計して相続税の総額を出します。

次の判断の流れは、課税遺産総額から各人の納付税額へ進む順番を表しています。読者にとって重要なのは、相続税総額を出す段階と、実際の取得割合で割り振る段階が分かれていることです。順番を取り違えないように確認してください。

課税遺産総額から各人の税額へ

課税遺産総額を確定する

課税価格の合計額から基礎控除額を差し引きます。

法定相続分で仮分割する

実際の分け方ではなく、法定相続分どおりに取得したものとして計算します。

税率を適用して相続税総額を出す

各法定相続分に応ずる取得金額に税率を適用します。

実際の取得割合で按分する

相続税総額を、実際に財産を取得した人の課税価格割合で割り振ります。

加算と控除を処理する

2割加算、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除などを確認します。

次の表は、相続税計算の二つの段階を比較したものです。読者にとって重要なのは、法定相続分は相続税総額を作るための仮定として使われ、実際の納付額は実際の取得割合で割り振られる点です。どの段階で何が使われるかを読み取ってください。

段階内容
第1段階課税遺産総額を法定相続分で仮分割し、相続税の総額を出します。
第2段階相続税の総額を、実際に財産を取得した人の課税価格割合で按分します。

被相続人の兄弟姉妹、甥姪、孫養子などが財産を取得する場合、2割加算が問題になることがあります。一方、配偶者の税額軽減は、配偶者が実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です。これらはいずれも、ステップ3の後の税額計算段階で扱います。

Section 08

基礎控除額と課税遺産総額を確認する専門職の視点

税務、紛争、登記、書類、不動産、家庭裁判所手続は見るポイントが異なります。

ステップ3は税額計算の段階ですが、その前提には相続人確定、財産評価、遺産分割、登記、書類整理、不動産の状態確認が関わります。そのため、同じ課税遺産総額の確認でも、専門職ごとに重点を置く場所が変わります。

次の一覧は、専門職ごとのチェックポイントを整理したものです。読者にとって重要なのは、どの問題を誰に確認すべきかを切り分けることです。相続税だけでなく、紛争、登記、不動産評価、家庭裁判所手続が絡む場合の接続先を読み取ってください。

税務

税理士

課税価格の集計、生前贈与加算、名義預金、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、税務調査で説明できる資料を確認します。

紛争

弁護士

使い込み疑い、特別受益、寄与分、遺留分、未分割申告、相続人間の合意の整合性を確認します。

登記

司法書士

戸籍収集、法定相続情報一覧図、相続登記、登記原因証明情報、遺産分割協議書の形式を確認します。

書類

行政書士

紛争性がなく、税務代理や登記申請代理に当たらない範囲で、手続書類の作成支援や専門職への接続を担うことがあります。

不動産

不動産鑑定士・土地家屋調査士

相続税評価額、時価、境界、地積、分筆、表示登記など、不動産の評価と物理的状態を確認します。

裁判所

家庭裁判所実務

遺産分割調停・審判、相続放棄、特別代理人選任など、期限や利益相反に関わる手続を確認します。

相続税の課税価格と、民事上の遺産分割対象財産は完全に一致するとは限りません。死亡保険金のように、相続税では課税対象になり得ても、遺産分割の対象財産ではないと扱われることが多いものもあります。この差を理解しないと、税務上の財産と分けるべき遺産を混同しやすくなります。

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判が問題になります。遺産分割調停では、共同相続人、包括受遺者、相続分譲受人などが申立人となり、相手方の一人の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所が申立先として案内されています。

期限相続登記は、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請義務が問題になります。施行日は令和6年4月1日で、施行日前に開始した相続でも未登記であれば対象となる場合があります。
Section 09

基礎控除額と課税遺産総額でよくある誤解

申告不要や非課税と早合点しやすい点を、一般情報として確認します。

基礎控除額は相続人ごとの枠ではなく、遺産全体から一度だけ差し引く控除です。また、相続放棄者の扱い、死亡保険金、配偶者の税額軽減、遺産分割未了、小規模宅地等の特例、不動産評価などは、誤解が生じやすい領域です。

次の一覧は、ステップ3で特に誤りやすい理解を整理したものです。読者にとって重要なのは、見た目の財産額や家族間の合意だけで申告要否を決めないことです。各項目で、何を確認し直すべきかを読み取ってください。

相続人ごとに基礎控除を使える

基礎控除額は遺産全体から一度だけ差し引きます。3人なら4,800万円を各人が使えるわけではありません。

相続放棄者を人数から外す

相続税の基礎控除額では、相続放棄があっても放棄がなかったものとして法定相続人の数を数えます。

死亡保険金はすべて非課税

非課税限度額を超える部分は課税対象になり得ます。相続人以外が取得した場合も非課税枠に注意が必要です。

配偶者が全部相続すれば申告不要

配偶者の税額軽減で納税額がゼロになることはありますが、申告書等の提出が必要な場合があります。

遺産分割が終わるまで申告を待てる

未分割でも申告期限は進みます。期限内申告、分割見込書、後日の修正申告や更正の請求が問題になります。

特例後に基礎控除以下なら何もしなくてよい

小規模宅地等の特例などは適用要件と申告手続が問題になります。特例適用前の価額も確認が必要です。

固定資産税評価額だけ見ればよい

家屋は原則として固定資産税評価額を使いますが、土地は路線価方式や倍率方式などで評価します。

不動産については、貸宅地、貸家建付地、私道、不整形地、地積差、都市計画上の制限などで評価が変わる場合があります。基礎控除額付近の事案では、評価のわずかな違いが申告要否に影響することがあります。

Section 10

基礎控除額を差し引く前後で確認する資料

相続人、財産、債務、贈与、特例の資料をそろえると、計算の前提を確認しやすくなります。

ステップ3の正確性は、計算式だけでなく資料のそろい方に左右されます。戸籍、財産資料、債務・葬式費用、生前贈与、特例関係資料を整理することで、課税価格の合計額と基礎控除額の両方を確認できます。

次の表は、ステップ3前後で確認したい資料を区分ごとにまとめたものです。読者にとって重要なのは、どの資料が人数判定に関わり、どの資料が課税価格や控除に関わるかを分けることです。必要資料の抜けを確認するために使ってください。

区分主な資料
相続人確定被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等、相続人全員の現在戸籍、養子縁組、認知、前婚の子、代襲相続、相続放棄申述受理通知書、欠格・廃除の確認資料
財産預貯金残高証明書、取引履歴、証券会社の残高証明書、死亡保険金支払明細、固定資産税納税通知書、名寄帳、登記事項証明書、路線価図、評価倍率表、非上場会社資料
債務・葬式費用借入金残高証明書、医療費請求書、未払税金資料、葬儀社請求書、領収書、控除対象外になり得る費用の区分資料
生前贈与贈与契約書、通帳履歴、贈与税申告書控え、相続時精算課税選択届出書、教育資金・結婚子育て資金・住宅取得資金贈与の資料、過去の資金移動一覧
特例関係小規模宅地等の特例の対象宅地の利用状況資料、住民票、戸籍附票、事業資料、遺産分割協議書、印鑑証明書、申告期限後3年以内の分割見込書

次の一覧は、資料確認の目的を作業別に整理したものです。読者にとって重要なのは、資料収集が単なる事務作業ではなく、課税遺産総額の正確性を支える証拠になる点です。どの作業がどの計算要素につながるかを読み取ってください。

A

人数を確定する

戸籍、相続放棄、養子縁組、代襲相続、欠格・廃除を確認し、基礎控除額の人数を固めます。

基礎控除
B

財産を評価する

預貯金、不動産、有価証券、保険金、退職金、名義財産の疑いを確認し、課税価格の入口を固めます。

課税価格
C

控除と加算を整理する

債務、葬式費用、非課税財産、生前贈与加算、相続時精算課税を整理し、差し引きと足し戻しを確認します。

調整
Section 11

課税遺産総額で注意する専門的論点

正味の遺産額、未分割、評価額のズレ、名義財産、二次相続は、ステップ3の結論を左右します。

国税庁の説明では、各人の課税価格の合計を課税価格の合計額、正味の遺産額として整理しています。一般読者にとっては近い意味として理解できますが、実務では申告要否判定のための合計額、特例適用前の合計額、各人の課税価格、申告書上の記載欄など、文脈によって意味が微妙に異なる場合があります。

次の一覧は、ステップ3で見落としやすい専門的論点を整理したものです。読者にとって重要なのは、計算式に入れる数字が税務、民事、評価、資料管理、次の相続まで広がっている点です。各項目がどのように課税遺産総額へ影響するかを読み取ってください。

用語

正味の遺産額と課税価格の合計額

小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が絡む場合、最終的な納税額だけでなく申告書提出の必要性を確認します。

期限

未分割でも申告期限は進む

相続税申告期限は、原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内です。未分割でも期限内の対応が必要になる場合があります。

評価

相続税評価額と分割評価額のズレ

相続税評価額と時価が異なる場合、税務上の評価と遺産分割交渉上の評価を混同しないことが重要です。

調査

名義財産の問題

被相続人名義でなくても、実質的に被相続人の財産と認定される場合、課税価格に算入され得ます。

将来

二次相続を見据えた判断

配偶者に財産を集中させると、一次相続の税額は抑えられても、二次相続で基礎控除額が小さくなることがあります。

名義財産を確認する際は、資金の原資、通帳や印鑑の管理者、贈与契約や贈与税申告の有無、名義人が自由に使用・処分していたか、毎年同じ時期に同額の資金移動があるかを確認します。

次の注意項目は、後から課税価格が増えやすい場面を整理したものです。読者にとって重要なのは、基礎控除額以下に見えても、追加財産や評価の見直しで課税遺産総額が発生する可能性がある点です。どの項目に資料確認が必要かを読み取ってください。

名義預金・名義株

名義人と実質的な所有者が異なると判断される場合、課税価格に算入される可能性があります。

死亡直前の大きな引出し

使途や保管状況を説明できない場合、現金や贈与、使途不明金として確認が必要になることがあります。

評価困難な不動産

相続税評価額と売却見込額が大きく異なる場合、税務と遺産分割の両面で確認が必要です。

配偶者への財産集中

一次相続の税額だけでなく、二次相続の課税遺産総額も試算することが重要です。

Section 12

ケース別に見る基礎控除額と課税遺産総額の注意点

自宅、兄弟姉妹、未成年者、非上場株式、海外関係では、前提確認が重くなります。

財産が自宅と預金だけの相続でも、小規模宅地等の特例が使えるかどうかで課税価格の合計額が大きく変わります。相続人に兄弟姉妹が含まれる場合は戸籍収集が複雑になり、2割加算が問題になる可能性もあります。未成年者がいる場合は利益相反により特別代理人の選任が必要になることがあります。

次の一覧は、ケースごとの注意点を整理したものです。読者にとって重要なのは、基礎控除額の計算だけで終わらず、財産の種類や相続人の属性に応じて追加確認が必要になる点です。自分の状況に近い行で、どの専門確認が必要かを読み取ってください。

自宅

自宅と預金だけの場合

小規模宅地等の特例が使えるかどうかで課税価格が大きく変わります。配偶者、同居親族、別居親族、老人ホーム入所などの事情を確認します。

親族

兄弟姉妹が相続人の場合

子と直系尊属がいないこと、兄弟姉妹や甥姪の有無を戸籍で確認します。2割加算も問題になり得ます。

未成年

未成年者がいる場合

親権者も共同相続人である遺産分割協議では、利益相反が生じ、特別代理人選任が必要になることがあります。

事業

非上場株式がある場合

純資産価額方式、類似業種比準方式、会社規模判定、事業承継税制、遺留分など高度な評価論点が生じます。

国際

海外財産や海外居住者がいる場合

納税義務の範囲、国外財産、外国税額控除、租税条約、現地手続、為替換算などが問題になります。

海外財産や海外居住者がいる場合、課税価格の合計額が国内財産だけで足りるのか、国外財産も含めるのかは、納税義務者の区分によって異なります。国際税務に通じた専門職へ確認する必要性が高い領域です。

Section 13

課税遺産総額の申告要否判定と相談先

最後は、期限、資料、特例、未分割、専門職への接続を順番に確認します。

相続税が発生しそうかを判断するには、死亡日と申告期限、法定相続人、基礎控除額、財産評価、保険金・退職金の課税部分、非課税財産、債務、葬式費用、生前贈与加算、課税価格の合計額、課税遺産総額、特例適用、未分割、争い、評価困難財産を順番に確認します。

次の判断の流れは、申告要否を確認するための実務順序を表しています。読者にとって重要なのは、ステップ3だけを単独で行うのではなく、前後の資料確認と特例確認まで含めて判断することです。上から順に、どこで専門職へ接続する可能性があるかを読み取ってください。

申告要否を確認する順番

死亡日と申告期限を確認

原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内を意識します。

法定相続人と基礎控除額を確認

戸籍、相続放棄、養子、代襲相続などを確認します。

課税価格の合計額を出す

財産評価、保険金・退職金、債務、葬式費用、生前贈与加算を反映します。

基礎控除額を差し引く

課税遺産総額がプラスかゼロ以下かを確認します。

プラス
税率計算と申告準備へ

法定相続分による仮分割、税率適用、加算・控除へ進みます。

ゼロ以下
特例と申告要否を再確認

特例適用後のゼロ、未分割、添付書類の必要性を確認します。

次の一覧は、相談先を選ぶときの目安を整理したものです。読者にとって重要なのは、税務、紛争、登記、書類、不動産評価のどの問題かによって相談先が変わる点です。自分の課題に近い項目を確認してください。

税理士へ確認する場面

課税価格が基礎控除額を超えそう、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、生前贈与、名義預金、非上場株式がある場合です。

税務

弁護士へ確認する場面

遺産分割協議がまとまらない、使い込み、隠し財産、遺留分、相続放棄、限定承認、調停・審判が問題になる場合です。

紛争

司法書士へ確認する場面

不動産の相続登記、戸籍収集、法定相続情報一覧図、登記で使う遺産分割協議書の形式が問題になる場合です。

登記

行政書士へ確認する場面

争いがなく、税務・登記申請代理を伴わない書類整理や名義変更書類の準備が中心になる場合です。

書類

不動産鑑定士・土地家屋調査士へ確認する場面

不動産評価額で争いがある、境界、地積、分筆、共有解消、代償分割の評価が問題になる場合です。

不動産

次の注意一覧は、ステップ3の自己判断を避けたい危険信号を整理したものです。読者にとって重要なのは、基礎控除額付近や評価困難財産がある場合、わずかな見落としが申告要否や税額に直結する点です。該当する項目が複数ある場合は、早めに資料を整える必要があります。

財産総額が基礎控除額に近い

評価差や加算漏れで課税遺産総額がプラスに転じる可能性があります。

死亡前3年から7年の贈与がある

暦年課税贈与の加算対象期間や経過措置を確認する必要があります。

相続時精算課税を使っていた

令和6年以後の年110万円控除を含め、加算対象額を確認します。

家族名義の預金が多い

名義預金として課税価格へ算入される可能性を確認します。

不動産が複数ある

評価方式、小規模宅地等の特例、時価との差、登記状態を確認します。

相続人に特殊事情がある

兄弟姉妹、甥姪、養子、代襲相続人、未成年者、海外在住者、行方不明者がいる場合は追加確認が必要です。

遺産分割協議がまとまらない

未分割申告、特例制限、調停・審判、後日の修正申告や更正の請求を確認します。

特殊財産がある

会社株式、貸付金、知的財産、暗号資産などは評価と資料確認が難しくなります。

最後に、ステップ3の結論を整理します。読者にとって重要なのは、公式は明快でも、公式に入れる数値を正しく作ることが難所だという点です。ここでは、入口判定、税額計算の起点、相談の必要性をまとめて確認してください。

ステップ3は相続税判断の関門

課税価格の合計額に何を入れるか、法定相続人の数をどう数えるか、特例後の税額ゼロと申告不要を混同していないかを確認することで、相続税の入口判定と次の税額計算の起点が明確になります。

Reference

参考資料

公的機関を中心に、制度説明の根拠となる資料名を整理します。

国税庁の資料

  • 国税庁 No.4152 相続税の計算
  • 国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
  • 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
  • 国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
  • 国税庁 No.4170 相続人の中に養子がいるとき
  • 国税庁 No.4108 相続税がかからない財産
  • 国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
  • 国税庁 No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金
  • 国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務
  • 国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
  • 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
  • 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
  • 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
  • 国税庁 No.4602 土地家屋の評価
  • 国税庁 No.4155 相続税の税率
  • 国税庁 No.4157 相続税額の2割加算
  • 国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減
  • 国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告

法務省・裁判所の資料

  • 法務省 相続登記の申請義務化について
  • 裁判所 遺産分割調停
  • 裁判所 相続の放棄の申述
  • 裁判所 特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)