2σ Guide

在留資格と就労可能な
業務範囲

外国人雇用・配属・出向・業務委託・M&Aで、在留資格名だけに頼らず、在留カード、指定書、資格外活動許可、職務内容、実際の業務を継続確認するための実務整理です。

4分類就労資格・非就労資格等
28時間留学生等の典型的な週上限
30万円外国人雇用状況届出違反の罰金目安
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在留資格と就労可能な 業務範囲

在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。

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在留資格と就労可能な 業務範囲
在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 在留資格と就労可能な 業務範囲
  • 在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。

POINT 1

  • 在留資格と就労可能な業務範囲の全体像
  • 在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。
  • 在留資格名だけで判断しない
  • 在留資格と就労可能な業務範囲の確認は、採用時の人事手続にとどまりません。

POINT 2

  • 在留資格と就労可能な業務範囲をビザ確認で終わらせない
  • 査証と在留資格を区別し、在留カード・指定書・資格外活動許可を具体的に見ます。
  • 在留資格名
  • 在留期間・在留期限
  • 就労制限の有無

POINT 3

  • 在留資格と就労可能な業務範囲の基本構造
  • 活動資格と身分・地位系資格では、業務範囲の考え方が異なります。
  • 在留資格は、活動資格と身分・地位に基づく在留資格に分けて整理できます。
  • どちらに分類されるかで、企業が業務内容まで厳密に見るべきか、主に在留カードの真正性や一般法令を確認するかが変わります。

POINT 4

  • 主要な在留資格と就労可能な業務範囲
  • 技人国、企業内転勤、経営・管理、技能、特定技能、技能実習・育成就労を整理します。
  • 在留資格名の幅広さに惑わされず、許される活動と問題になりやすい配属を読み分けることが重要です。
  • 自然科学・人文科学の技術・知識を要する業務や外国文化に基盤を有する業務が中心です。
  • SE、設計、海外営業、貿易、経理、法務、通訳、マーケティング等が検討対象になります。

POINT 5

  • 非就労資格と資格外活動許可の業務範囲
  • 留学・家族滞在・短期滞在は、許可条件と時間管理を具体的に見ます。
  • 週28時間は自社勤務だけで判断しない
  • 非就労資格では、資格外活動許可がある場合に限り、条件付きで就労できることがあります。
  • 時間、在籍状況、活動内容、風俗営業等への従事制限を横に見てください。

POINT 6

  • 特定活動の就労可能な業務範囲は指定書で確認する
  • 特定活動は在留資格名だけでは判断できず、指定書の文言が中心です。
  • 就労が認められているか
  • 就労先が限定されているか
  • 業務内容が限定されているか

POINT 7

  • 在留資格と就労可能な業務範囲の判定手順
  • 1. 1 本人確認と在留カード等の確認:在留カード、旅券、指定書、資格外活動許可書を確認し、真正性も見ます
  • 2. 2 在留資格を分類:就労資格、非就労資格、身分・地位系資格、特定活動に分けます
  • 3. 3 職務記述書を作る:配属部署、主たる業務、付随業務、割合、必要な学歴・職歴・資格、指揮命令者、勤務場所を明文化します
  • 4. 4 在留資格との対応関係を検討:技人国、特定技能、資格外活動許可など、それぞれの活動範囲と実務を照合します
  • 5. 5 判断困難な場合の確認:就労資格証明書交付申請や専門家相談を検討します
  • 6. 6 入社後も継続管理:在留期限、配属変更、兼務、副業、出向、M&A、法改正時に再確認します

POINT 8

  • 在留資格と就労可能な業務範囲を誤る企業法務リスク
  • 不法就労助長リスク
  • 外国人雇用状況届出
  • 雇入れ・離職時に事業主が届け出る必要があり、未届・虚偽届出は30万円以下の罰金の対象となるとされています。

まとめ

  • 在留資格と就労可能な 業務範囲
  • 在留資格と就労可能な業務範囲の全体像:在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。
  • 在留資格と就労可能な業務範囲をビザ確認で終わらせない:査証と在留資格を区別し、在留カード・指定書・資格外活動許可を具体的に見ます。
  • 在留資格と就労可能な業務範囲の基本構造:活動資格と身分・地位系資格では、業務範囲の考え方が異なります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

在留資格と就労可能な業務範囲の全体像

在留資格名だけでなく、書類・職務・実態・所属機関を合わせて確認します。

在留資格と就労可能な業務範囲の確認は、採用時の人事手続にとどまりません。雇用、配置、出向、業務委託、M&A、事業譲渡、人材派遣、業務提携、内部監査の各局面で、企業法務・労務コンプライアンス・内部統制・刑事リスク管理に関わります。

次の重要ポイントは、この記事全体の結論をまとめたものです。どの確認資料とどの業務実態を結びつけるかが重要で、採用時だけでなく配属変更後も同じ観点で確認する必要があると読み取ってください。

在留資格名だけで判断しない

在留カード、指定書、資格外活動許可、職務内容、実際の業務、所属機関、在留期限を継続的に確認し、社内規程、採用手続、契約書、配属運用、内部監査、M&Aデューデリジェンスに落とし込むことが核心です。

次の比較表は、在留資格と就労可能な業務範囲を4分類で見るためのものです。分類ごとに就労可能性と企業の確認ポイントが異なるため、左から順に在留資格名、就労可能性、確認すべき書類や業務実態を読みます。

分類典型的な在留資格就労可能性企業が確認すべきポイント
就労資格技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、介護、技能、特定技能、技能実習等在留資格で認められた活動の範囲内で就労可能業務内容が在留資格に該当するか。職務記述書、配属実態、契約内容が一致するかを確認します
非就労資格留学、家族滞在、文化活動、短期滞在等原則不可。資格外活動許可があれば条件付きで可能な場合があります許可の有無、時間制限、活動内容、風俗営業等への従事禁止、在籍状況を確認します
身分・地位系資格永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者入管法上の就労制限は原則少ない在留期限、在留カードの真正性、一般労働法・業法の遵守を確認します
個別指定型特定活動指定書の内容次第在留資格名だけで判断せず、指定書の活動内容・就労可否・条件を確認します
Section 01

在留資格と就労可能な業務範囲をビザ確認で終わらせない

査証と在留資格を区別し、在留カード・指定書・資格外活動許可を具体的に見ます。

一般には就労ビザ、技人国ビザ、配偶者ビザという表現が使われますが、企業法務では査証と在留資格を区別する必要があります。企業が直接確認すべき中心は、在留カード、旅券、指定書、資格外活動許可、在留期限、そして実際の業務内容です。

次の一覧は、社内チェックリストでビザ確認と一括りにせず分解すべき項目です。各項目は就労可能な業務範囲を判断する材料であり、書類名だけでなく実際の職務内容と結びつけて読む必要があります。

資格名

在留資格名

活動資格か身分・地位系資格か、特定活動かを分類します。

期限

在留期間・在留期限

満了日を台帳とアラートで管理し、更新時に業務内容も再確認します。

制限

就労制限の有無

在留カード等の就労制限欄を確認し、資格外活動許可の有無を合わせて見ます。

指定

特定活動の指定書

指定書の活動内容、就労先、時間、報酬、制限を確認します。

職務

雇用契約・職務記述書

職種名ではなく主たる業務、付随業務、割合、勤務場所、指揮命令者を明文化します。

手続

変更・更新・届出

在留資格変更、期間更新、所属機関変更、届出の要否を確認します。

Section 02

在留資格と就労可能な業務範囲の基本構造

活動資格と身分・地位系資格では、業務範囲の考え方が異なります。

在留資格は、活動資格と身分・地位に基づく在留資格に分けて整理できます。次の表は、活動資格と身分・地位系資格の違いを示します。どちらに分類されるかで、企業が業務内容まで厳密に見るべきか、主に在留カードの真正性や一般法令を確認するかが変わります。

区分主な在留資格業務範囲の考え方企業の注意点
活動資格教授、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、技能、特定技能、技能実習、留学、家族滞在、特定活動等原則として、その在留資格で認められた活動に従事します同じ会社にいても、許容範囲外の業務を主として行わせると問題になり得ます
身分・地位系資格永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者入管法上の就労制限は比較的少ないとされます医師、弁護士、税理士、宅建士、建設業、警備業、派遣業などの資格法・業法は別途適用されます
注意就労制限が少ないとは、どの法律にも制限されないという意味ではありません。労働法、業法、資格法、個人情報保護、職業安定法、派遣法などの一般法令・業法規制は別途確認します。
Section 03

主要な在留資格と就労可能な業務範囲

技人国、企業内転勤、経営・管理、技能、特定技能、技能実習・育成就労を整理します。

次の一覧は、企業実務でよく問題になる就労資格を整理したものです。在留資格名の幅広さに惑わされず、許される活動と問題になりやすい配属を読み分けることが重要です。

技術・人文知識・国際業務

自然科学・人文科学の技術・知識を要する業務や外国文化に基盤を有する業務が中心です。SE、設計、海外営業、貿易、経理、法務、通訳、マーケティング等が検討対象になります。

専門業務

企業内転勤

海外事業所の職員が日本の事業所へ期間を定めて転勤し、技術・人文知識・国際業務に相当する活動を行う資格です。

転勤

経営・管理

事業の経営または管理に従事する活動です。形式上の役員登記だけでなく、事業実態、事務所、報酬、許認可、財務状況との整合が問題になります。

役員

法律・会計業務、医療、介護、教育、研究

在留資格だけでなく、日本の資格法、学校教育法、医療法、介護保険法、各種業法との交差点で確認します。

資格職

技能

外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機操縦者、貴金属加工職人等、熟練した技能を要する業務です。技能実習とは制度趣旨が異なります。

熟練技能

特定技能

特定産業分野で相当程度または熟練した技能を要する業務に従事します。分野・業務区分・支援計画・所属機関・届出義務まで管理します。

分野管理

技能実習・育成就労

技能実習制度の見直しと育成就労制度への移行では、計画、監理団体、登録支援機関、転籍、経過措置を確認します。

制度移行

次の表は、技術・人文知識・国際業務で特に問題になりやすい場面をまとめたものです。左列のケースは企業で起きやすく、右列では主たる活動・期間・割合・説明可能性をどう見るかを示しています。

問題になりやすい場面確認の視点
専門職として申請したが、実際は単純反復的な現場作業が中心主たる業務が専門知識・技術と結びついているかを確認します
翻訳・通訳として採用したが、レジ、配膳、清掃、倉庫内仕分けが主たる業務外国文化に基づく業務や語学業務が主たる活動かを確認します
総合職採用後、専門知識と関係しない作業だけを長期間担当研修目的、期間、職務割合、専門職配属への接続を文書化します
派遣・請負・委託先で別業務に従事実際の指揮命令先と業務内容を確認します
OJTとして長期間、資格該当性の乏しい業務に従事教育・研修として合理的範囲か、主たる活動が何かを確認します
Section 04

非就労資格と資格外活動許可の業務範囲

留学・家族滞在・短期滞在は、許可条件と時間管理を具体的に見ます。

非就労資格では、資格外活動許可がある場合に限り、条件付きで就労できることがあります。次の比較表は、留学、家族滞在、短期滞在、資格外活動許可の基本をまとめたものです。時間、在籍状況、活動内容、風俗営業等への従事制限を横に見てください。

在留資格・許可基本的な扱い企業が確認すること
留学教育機関で教育を受ける活動が目的で、原則として就労資格ではありません資格外活動許可、週28時間以内、長期休業中1日8時間以内、学校在籍状況、複数勤務先の合算を確認します
家族滞在扶養を受ける配偶者・子の活動が目的で、原則として就労資格ではありません資格外活動許可、時間制限、業務内容、在留期限、扶養関係の変化を確認します
短期滞在観光、親族訪問、短期商用等が目的で、一般的な就労は予定されていません会議、商談、市場調査等と、日本で反復継続して労務提供し報酬を得る活動を区別します
資格外活動許可現在の在留資格に属さない報酬活動等を行うための許可です現在の活動を妨げないこと、活動内容、法令違反や風俗営業等に該当しないことを確認します

次の重要ポイントは、留学生アルバイトで特に誤りやすい時間管理を示しています。数字は自社だけでなく他社勤務も含めて読む必要があり、企業は誓約書、自己申告、シフト管理、定期確認で合理的な管理を行うことが望まれます。

週28時間は自社勤務だけで判断しない

留学生が包括的な資格外活動許可を受けている場合、原則として1週28時間以内、教育機関の長期休業中は1日8時間以内とされています。複数勤務先がある場合は合算管理の説明と確認が重要です。

Section 05

特定活動の就労可能な業務範囲は指定書で確認する

特定活動は在留資格名だけでは判断できず、指定書の文言が中心です。

特定活動は、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うための在留資格です。次の一覧は、指定書で確認すべき項目を整理したものです。どの制限が就労先・業務内容・時間・報酬にかかっているかを読み取ることが重要です。

就労可否

就労が認められているか

指定書に就労可能な活動が明記されているかを確認します。

就労先

就労先が限定されているか

指定された機関以外で働けるか、雇用主変更時に手続が必要かを確認します。

業務内容

業務内容が限定されているか

職務記述書と指定書の文言を照合します。

時間・報酬

週当たり時間、報酬、期間の制限があるか

時間管理、契約期間、給与・報酬体系と矛盾しないかを見ます。

制限

風俗営業等への従事制限があるか

業務内容や就業場所が制限に抵触しないかを確認します。

有効性

指定書の有効性と在留期限

指定書、旅券、在留カード、更新予定を合わせて確認します。

重要在留カードに「特定活動」とあるだけで採用可否を決めるのは危険です。ワーキングホリデー、就職活動、内定者、特定研究活動、家事使用人、デジタルノマド関連など、類型ごとに条件が異なります。
Section 06

在留資格と就労可能な業務範囲の判定手順

本人確認から職務記述書、対応関係、証明書、入社後管理まで順に確認します。

外国人を採用・配置・転換する際は、同じ手順で確認することで属人的な判断を減らせます。次の判断の流れは、本人確認から入社後管理までを順番に示しています。分岐では、在留資格分類により追加確認の深さが変わることを読み取ってください。

採用・配置時の判定手順

1 本人確認と在留カード等の確認

在留カード、旅券、指定書、資格外活動許可書を確認し、真正性も見ます

2 在留資格を分類

就労資格、非就労資格、身分・地位系資格、特定活動に分けます

3 職務記述書を作る

配属部署、主たる業務、付随業務、割合、必要な学歴・職歴・資格、指揮命令者、勤務場所を明文化します

4 在留資格との対応関係を検討

技人国、特定技能、資格外活動許可など、それぞれの活動範囲と実務を照合します

5 判断困難な場合の確認

就労資格証明書交付申請や専門家相談を検討します

6 入社後も継続管理

在留期限、配属変更、兼務、副業、出向、M&A、法改正時に再確認します

次の表は、職務記述書に入れるべき項目を整理したものです。職種名だけでは判断できないため、業務割合や指揮命令者、勤務場所、出張・客先常駐の有無まで具体化することが重要です。

項目記載する内容
配属部署・役職どの部署で、どの役割を担うか
主たる業務・付随業務中心となる活動と補助的作業を分けます
業務割合1週間または1か月の業務割合を示します
必要な能力学歴、専攻、職歴、資格、語学能力、使用する専門知識・技術
指揮命令者・勤務場所誰の指示で、どこで働くか
出張・常駐・派遣・請負客先常駐や契約形態の変更可能性を確認します
業務変更の可能性異動・兼務・プロジェクト変更時に再判定できるようにします
Section 07

在留資格と就労可能な業務範囲を誤る企業法務リスク

不法就労助長、届出漏れ、労働法・人権、M&A、IPOのリスクを整理します。

在留資格と就労可能な業務範囲を誤ると、本人の在留問題だけでなく、雇用主、経営者、採用担当者、派遣元・派遣先、業務委託先、グループ会社にも影響します。次の一覧は、企業法務で優先して見るべきリスクを示しています。

不法就労助長リスク

在留期限切れ、留学生の時間超過、技人国の単純作業化、特定技能の分野外業務、指定書未確認、偽造カード未確認が問題になりやすいです。

外国人雇用状況届出

雇入れ・離職時に事業主が届け出る必要があり、未届・虚偽届出は30万円以下の罰金の対象となるとされています。

労働法・人権リスク

外国人であることは労働法の適用を弱めません。契約説明、在留資格更新への不安利用、旅券預かり、不透明な控除、差別的言動に注意します。

M&A・事業承継リスク

対象会社の外国人従業員について、在留資格、期限、届出、実業務、特定技能、技能実習、雇用主変更、PMI後の再配置を確認します。

IPO・内部統制リスク

外国人従業員台帳、在留期限アラート、職務記述書、届出控え、指定書確認記録、社内規程、法改正時の更新記録が確認対象になります。

次の表は、外国人雇用状況届出で実務上押さえるべき点をまとめたものです。届出は単なる行政手続ではなく、外国人雇用管理の基礎データとして読むことが重要です。

項目確認内容
対象者在留資格「外交」「公用」および特別永住者を除く外国人労働者
届出時期雇入れおよび離職の際に届出が必要です
雇用保険被保険者の場合雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内とされています
確認書類在留カードまたは旅券等により、在留資格、期間、届出事項を確認します
違反時届出を怠ったり虚偽の届出を行った場合、30万円以下の罰金の対象とされています
Section 08

在留資格と就労可能な業務範囲を契約・規程に落とす

雇用契約、業務委託、派遣・請負で確認協力と業務範囲を明確にします。

在留資格管理は契約書と社内規程にも反映する必要があります。次の比較表は、契約類型ごとに入れるべき実務項目を整理したものです。雇用か委託か派遣・請負かで責任分界が変わるため、左から契約類型を確認し、右列で実態確認のポイントを読みます。

契約・規程入れるべき事項注意点
雇用契約書・労働条件通知書従事する業務、就業場所、配置転換範囲、在留資格・期限の確認協力、更新・変更への合理的協力、資格外活動許可が必要な副業申告等在留資格が更新できなければ当然解雇といった硬直的条項は、労働契約上の地位や会社側の協力状況を踏まえ慎重に考えます
業務委託契約報酬活動が在留資格上認められるか、フリーランス活動が指定書や資格外活動許可の範囲か、実態が雇用・派遣でないかを確認します雇用ではないから自由に働けるという理解は危険です
派遣契約・業務請負契約在留資格に適合する業務範囲、業務変更時の事前協議、違反時の是正、証跡保存、監査権限を定めます派遣先や発注者が実際に何をさせているかが重要です
外国人雇用管理規程採用時確認、在留期限管理、業務変更時確認、届出、個人情報管理、専門家相談基準を定めます人事担当者の属人的経験に依存させない体制が必要です

次の一覧は、最低限整える社内体制を示しています。各項目は採用時の確認だけでなく、入社後の異動や内部監査までつながるため、順番に制度化することが重要です。

規程

外国人雇用管理規程

採用時確認、期限管理、業務変更時確認、届出、個人情報管理、専門家相談基準を定めます。

職務

職務記述書制度

在留資格判断の基礎となる業務内容を明文化します。

期限

在留期限アラート

満了日の6か月前、3か月前、1か月前等に通知します。

変更

業務変更時の法務確認

異動、兼務、出向、客先常駐、組織再編時に再確認します。

教育

現場責任者教育

現場が勝手に業務を変えないよう、制限を共有します。

情報

個人情報管理

在留カード写し、旅券写し、指定書、許可書等の取得目的、保管、権限、廃棄を定めます。

Section 09

在留資格と就労可能な業務範囲を管理する専門職の役割

経営、法務、人事、現場、専門家、監査が同じ事実を見て判断します。

在留資格と就労可能な業務範囲は、単独部門だけでは管理できません。次の表は、専門職・実務担当ごとの役割を整理したものです。左列で担当を確認し、右列でどの証跡や判断に関与すべきかを読み取ってください。

役割主な担当事項
経営者・取締役外国人雇用方針、コンプライアンス体制、人権方針、リスク許容度の決定
ゼネラルカウンセル・企業内弁護士法的リスク判断、契約・労務・M&A・危機対応との統合
外部弁護士境界事例、行政対応、紛争、不祥事調査、M&Aデューデリジェンス
行政書士在留資格認定、変更、更新、資格外活動、特定技能等の申請実務
社会保険労務士労働条件、労働時間、社会保険、外国人雇用状況届出、就業規則
税理士・公認会計士給与・源泉・国際税務、内部統制、IPO、財務DD
司法書士経営・管理に関係する会社設立、役員変更、商業登記
弁理士・知財法務担当研究開発・技術者・ライセンス・秘密情報管理
法務担当採用・契約・配属変更・取引先管理における法的チェック
人事労務担当在留カード確認、在留期限管理、労働時間管理、届出
コンプライアンス担当社内規程、教育、通報制度、監査、是正措置
内部監査担当台帳、届出、在留期限、業務実態の監査
個人情報保護担当在留カード情報、旅券情報、マイナンバー、本人確認資料の管理
M&A法務担当買収対象会社の外国人雇用DD、PMI後の再配置
現場責任者実際の業務内容、シフト、残業、作業指示の適正化
Section 10

在留資格と就労可能な業務範囲の実務ケース

店舗配属、留学生の複数勤務、特定活動、M&A、経営・管理を事例で確認します。

次の表は、実務で相談が多いケースを、確認ポイントと企業が残すべき証跡に分けたものです。ケース名だけで結論を決めず、期間、割合、指定書、勤務先、契約主体、実態を読むことが重要です。

ケース確認ポイント証跡・運用
技人国の社員を店舗配属したい短期研修か、主たる業務としてレジ・配膳・清掃等を長期間行わせるのかを分けます研修計画、期間、専門職配属への接続、評価方法、職務割合を文書化します
留学生アルバイトが複数社で働いている自社20時間でも他社15時間なら合計35時間となる可能性があります許可条件説明、誓約書、定期申告、シフト調整を行います
特定活動の人を雇いたい在留カードの「特定活動」だけでは就労可否を判断できません指定書を確認し、就労可能な活動、就労先、時間、報酬、制限を記録します
M&Aで外国人従業員を承継する在留資格名だけでなく、実業務、期限、届出、特定技能、技能実習・育成就労、雇用主変更を確認します外国人従業員台帳、届出控え、PMI後の再配置計画を確認します
外国人役員を経営・管理で受け入れる会社設立、資本金、事務所、事業計画、役員報酬、許認可、会計処理、実際の経営関与を確認します登記、事業計画、役員報酬資料、許認可資料、会議体資料を整えます
Section 11

在留資格と就労可能な業務範囲のチェックリスト

採用時、入社後、内部監査で確認項目を分けて運用します。

次の表は、採用時に確認すべき項目を整理したものです。書類確認、職務内容、届出、個人情報管理までを同時に見ることで、入社後のミスマッチを減らせます。

採用時の項目確認内容
在留カード原本顔写真と本人の一致、在留資格、期限、就労制限欄を確認します
旅券・指定書・資格外活動許可必要に応じて旅券、特定活動の指定書、資格外活動許可書を確認します
職務記述書主たる業務、付随業務、割合、必要な知識・技術、勤務場所を明文化します
在留資格との適合性職務内容が在留資格に適合するか検討します
専門家相談・就労資格証明書判断困難な場合に検討します
外国人雇用状況届出手続担当と期限管理を決めます
個人情報保管保管方法、アクセス権限、保管期間、廃棄方法を定めます

次の表は、入社後の継続管理で見る項目です。採用時に問題がなくても、異動、兼務、副業、出向、学校卒業、扶養関係変化で判断が変わるため、イベントごとに再確認します。

入社後の項目確認内容
在留期限アラート満了日をシステムや台帳で管理します
配属変更時再確認在留資格との適合性を再確認するルールを設けます
資格外活動の時間管理留学生・家族滞在者の労働時間を管理します
副業・兼業申告資格外活動許可や業務範囲との関係を確認します
特定技能管理届出、支援、協議会対応、所属機関変更を管理します
派遣・請負・常駐先確認実際の業務内容と指揮命令を確認します
届出控え保管外国人雇用状況届出の控えを保管します
法改正確認制度改正を定期確認し、規程とチェックリストを更新します

次の表は、内部監査で確認する項目です。台帳と現場実態のずれを見つけることが重要で、左列の項目ごとに証跡と担当部署を確認してください。

内部監査の項目確認内容
外国人従業員台帳実人数と一致しているか
在留期限期限切れの者がいないか
職務内容在留資格と実際の業務が一致しているか
資格外活動時間制限違反がないか
特定活動指定書の確認記録があるか
特定技能分野・業務区分・所属機関が適正か
届出外国人雇用状況届出が期限内に行われているか
現場教育現場責任者が在留資格上の制限を理解しているか
連携法務・人事・現場・コンプライアンスの連携手順があるか
Section 12

在留資格と就労可能な業務範囲のよくある誤解

在留カード、正社員、技人国、資格外活動、特定活動、身分系資格の誤解を整理します。

次の比較表は、在留資格と就労可能な業務範囲で生じやすい誤解を整理したものです。左列は現場で出やすい言い方、右列は企業法務としての確認ポイントです。誤解を社内教育に使い、採用担当と現場責任者の判断をそろえることが重要です。

誤解正しい整理
在留カードがあるから働ける在留カードだけであらゆる就労ができるわけではありません。在留資格、就労制限、資格外活動許可、指定書、業務内容を確認します
正社員なら在留資格上問題ない雇用形態は在留資格の業務範囲を直接決めません。正社員でも在留資格に合わない業務を主として行わせれば問題になり得ます
技術・人文知識・国際業務なら総合職として何でもできる幅広い資格ですが無限定ではありません。専門的知識・技術、外国文化に基づく業務との関連性が必要です
資格外活動許可があれば制限なく働ける時間、活動内容、在籍状況、風俗営業等への従事禁止などの条件があります
特定活動は就労可能な在留資格である特定活動は指定書の内容次第です。就労可能なもの、限定されるもの、就労できないものがあります
身分系資格なら何の確認も不要入管法上の就労制限が少なくても、在留カードの真正性、在留期限、本人確認、労働法、業法、資格法、個人情報管理は確認します
Section 13

在留資格と就労可能な業務範囲のFAQ

個別事案の断定ではなく、一般的な制度説明として整理します。

在留カードを確認すれば採用してよいですか

一般的には、在留カードは重要な確認資料ですが、それだけで就労可能な業務範囲が決まるわけではないとされています。ただし、在留資格、就労制限欄、資格外活動許可、指定書、職務内容、在留期限によって確認内容が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

技術・人文知識・国際業務なら店舗作業もできますか

一般的には、主たる活動が専門的知識・技術や外国文化に基づく業務に該当するかが重要とされています。ただし、短期研修、業務理解のための現場経験、付随業務の範囲、期間、割合、配属計画によって評価が変わる可能性があります。具体的な対応は、職務記述書や研修計画を整理して専門家へ相談する必要があります。

留学生アルバイトは自社だけ週28時間以内なら問題ありませんか

一般的には、留学生の包括的な資格外活動許可では、週28時間以内などの制限が重要とされています。ただし、複数勤務先の時間を合算して考える必要がある場合があり、学校在籍状況や長期休業期間によって管理が変わる可能性があります。具体的な対応は、本人申告やシフト管理を含め専門家へ相談する必要があります。

特定活動の人は採用できますか

一般的には、特定活動は指定書の内容によって就労可否や業務範囲が変わるとされています。ただし、就労先、業務内容、時間、報酬、期間、在留期限の条件によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、指定書を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。

Reference

参考資料

在留資格、資格外活動、外国人雇用状況届出に関する公的資料を整理しています。

公的資料

  • 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
  • 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」
  • 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」
  • 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度」
  • 出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
  • 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
  • 厚生労働省「在留カード等読取アプリケーションの案内」