2σ Guide

DV被害で
まず相談すべき場所

危険が差し迫っている場面、公的支援につながる場面、保護命令や離婚を見据えて弁護士へ相談する場面を、安全度から整理します。

110番 現在進行の危険
24時間 DV相談+の電話相談
324か所 配偶者暴力相談支援センター
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DV被害で まず相談すべき場所

危険が差し迫っている場面、公的支援につながる場面、保護命令や離婚を見据えて弁護士へ相談する場面を、安全度から整理します。

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DV被害で まず相談すべき場所
危険が差し迫っている場面、公的支援につながる場面、保護命令や離婚を見据えて弁護士へ相談する場面を、安全度から整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • DV被害で まず相談すべき場所
  • 危険が差し迫っている場面、公的支援につながる場面、保護命令や離婚を見据えて弁護士へ相談する場面を、安全度から整理します。

POINT 1

  • DV被害の相談先は危険度から決める
  • 弁護士相談は重要ですが、現在進行の危険がある場面では安全確保を担う機関が先になります。
  • 危険があれば警察・支援機関へ直ちにつながり、可能な限り早期に弁護士相談も並行する
  • 相談先を調べる行為そのものが危険を高める場合があります。
  • DV被害の初動では、緊急対応、公的相談、避難・一時保護、法的手続、医療、子どもの保護が連動します。

POINT 2

  • DV被害で危険が差し迫っている場合の相談先
  • 1. 現在の安全を確認:暴力、監禁、追跡、凶器、子どもへの危険があるかを短く確認します。
  • 2. 危険が続く場合は110番:警察官の臨場と現場での安全確保が必要な局面です。
  • 3. けが・性被害・子どもの危険を伝える:救急、医療、児童相談所、性暴力支援などにつなぐ判断材料になります。
  • 4. 警察署・支援センター・弁護士へ連携:避難、一時保護、保護命令、離婚・子どもの手続へ進みます。

POINT 3

  • DV被害とは何か ― 相談前に押さえる定義
  • 身体的暴力だけでなく、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要、監視も問題になり得ます。
  • 身体的暴力
  • 心理的攻撃・監視
  • 経済的圧迫・性的強要

POINT 4

  • DV被害を受けている場合にまず相談すべき場所の判断表
  • 状況別に、最初の入口と次につながる先を整理します。
  • DV相談では、緊急安全確保を担う機関と、法的代理を担う機関を分けて考えることが重要です。

POINT 5

  • DV被害の相談窓口ごとの機能と限界
  • 警察、公的支援、法的相談、医療・子ども支援の入口を横断して確認します。
  • 配偶者暴力相談支援センターの相談記録
  • 警察相談 #9110が向いている場面
  • 相談窓口は、同じDV被害でも担う役割が異なります。

POINT 6

  • DV被害で弁護士へ相談する前に整理すべきこと
  • 1. 現在の危険度と連絡方法:相手に知られない電話・メール・郵便の方法、避難の有無、子どもの現在地を伝えます。
  • 2. 暴力・脅迫・監視の経過:日時、場所、行為、言葉、けが、相談歴を短く時系列で共有します。
  • 3. 希望する手続と費用の不安:保護命令、離婚、婚姻費用、親権、損害賠償、刑事手続、法テラス利用の希望を確認します。

POINT 7

  • DV被害と保護命令制度 ― 弁護士相談と公的相談が交差する領域
  • 離婚・慰謝料は別手続
  • 保護命令は離婚を成立させる制度でも、慰謝料や養育費を決める制度でもありません。
  • 命令後も安全計画が必要
  • 違反は刑罰の対象となり得ますが、避難先、巡回、緊急時対応、連絡手段の管理は引き続き重要です。

POINT 8

  • DV被害で「まず弁護士」だけでは足りない理由と早期相談の必要性
  • 現場へ駆けつける機能
  • 暴力が現在進行している場合、警察官の臨場や相手の制止が必要になることがあります。
  • 緊急避難・一時保護
  • 避難先や一時保護、生活再建支援は、配偶者暴力相談支援センター等との連携が中心です。

まとめ

  • DV被害で まず相談すべき場所
  • DV被害の相談先は危険度から決める:弁護士相談は重要ですが、現在進行の危険がある場面では安全確保を担う機関が先になります。
  • DV被害で危険が差し迫っている場合の相談先:110番、医療機関、支援機関へつながる局面を先に整理します。
  • DV被害とは何か ― 相談前に押さえる定義:身体的暴力だけでなく、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要、監視も問題になり得ます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

DV被害の相談先は危険度から決める

弁護士相談は重要ですが、現在進行の危険がある場面では安全確保を担う機関が先になります。

今まさに暴力を受けている、加害者が近くにいる、逃げられない、子どもや同居家族に危険がある、刃物・凶器・自殺他害の示唆がある、首を絞められた、監禁されている、追跡されている、住居や職場に押しかけられている場合は、読み進めるより先に110番への通報が優先される対応とされています。

パソコンやスマートフォンの閲覧履歴、通話履歴、位置情報、共有アカウント、紛失防止タグ、GPS機器等を相手に見られるおそれがある場合は、安全な端末、安全な場所、安全な時間を選ぶことが重要です。相談先を調べる行為そのものが危険を高める場合があります。

DV被害の初動では、緊急対応、公的相談、避難・一時保護、法的手続、医療、子どもの保護が連動します。次の重要ポイントは、どの入口を選ぶかを一目で確認するためのものです。読者にとって重要なのは、弁護士か行政かという二択ではなく、危険の差し迫り方に合わせて最初の連絡先を選ぶことです。

危険があれば警察・支援機関へ直ちにつながり、可能な限り早期に弁護士相談も並行する

DV相談は一か所で完結しにくい問題です。安全確保は警察や支援機関、法的代理や手続整理は弁護士というように、役割を分けて考えると次の行動を選びやすくなります。

生命・身体の危険があるときは警察、相談先が分からないときはDV相談ナビまたはDV相談+、避難や一時保護が必要なときは配偶者暴力相談支援センター、法的手続を見据えるときは法テラス・弁護士会・弁護士が主な入口になります。

Section 01

DV被害で危険が差し迫っている場合の相談先

110番、医療機関、支援機関へつながる局面を先に整理します。

DVは、単なる夫婦げんかや交際上の不和ではありません。配偶者、元配偶者、事実婚の相手、生活の本拠を共にする交際相手、恋人など、親密な関係にある者からの暴力・支配・脅迫・監視・性的強要・経済的圧迫等を含む重大な人権侵害であり、行為内容によっては犯罪にもなります。

緊急時は細かい説明を整えるより、現在地、けがの有無、加害者がその場にいるか、凶器の有無、子どもの有無、逃げられる場所、過去にも同様の暴力があったかを可能な範囲で伝えることが重要です。次の判断の流れは、緊急性がある場面でどの順番で安全確保につなげるかを表しています。左から右ではなく上から下へ読み、危険が続く場合は途中で迷わず110番へ戻る点を読み取ってください。

危険が差し迫っているときの行動の順番

現在の安全を確認

暴力、監禁、追跡、凶器、子どもへの危険があるかを短く確認します。

危険が続く場合は110番

警察官の臨場と現場での安全確保が必要な局面です。

けが・性被害・子どもの危険を伝える

救急、医療、児童相談所、性暴力支援などにつなぐ判断材料になります。

警察署・支援センター・弁護士へ連携

避難、一時保護、保護命令、離婚・子どもの手続へ進みます。

110番が優先される典型例

  • 殴られた、蹴られた、首を絞められた、髪をつかまれた。
  • 相手が刃物、工具、火、車、薬物等を使う可能性がある。
  • 「殺す」「子どもを連れていく」「家に火をつける」などの脅しがある。
  • 家から出られない、スマートフォンを取り上げられた、監視されている。
  • 相手が職場、実家、学校、避難先に押しかけている。
  • 子ども、高齢者、障害のある同居人、ペット等に危険が及んでいる。
安全優先資料や荷物を取りに戻ることで危険が高まる場合は、証拠や持ち物よりも退避と通報が優先される対応とされています。
Section 02

DV被害とは何か ― 相談前に押さえる定義

身体的暴力だけでなく、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要、監視も問題になり得ます。

DVは英語のdomestic violenceに由来し、日本では一般に、配偶者や恋人など、親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力を指します。配偶者暴力防止法は、通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、被害者の保護を図る法律です。

DVの内容は一つではありません。次の一覧は、身体的な暴力以外にも相談対象になり得る行為を分類したものです。読者にとって重要なのは、「殴られていないから相談できない」と考えず、支配や脅し、生活費や性的な強要も含めて状況を整理することです。

Physical

身体的暴力

殴る、蹴る、首を絞める、物を投げる、監禁する、けがを負わせる行為などです。

Mental

心理的攻撃・監視

大声で怒鳴る、人格を否定する、長時間無視する、行動や服装を監視する、SNSで誹謗中傷する行為などです。

Control

経済的圧迫・性的強要

生活費を渡さない、口座を支配する、性的行為を強要する、避妊に協力しない行為などです。

法律上の対象範囲と日常語のパートナー関係は完全には一致しません。次の比較表は、配偶者暴力防止法との関係と、法律の対象に入らない場合でも相談できる可能性があることを整理しています。列ごとの差を見ることで、保護命令の要件と一般相談の入口を分けて読み取れます。

関係性配偶者暴力防止法との関係相談の考え方
法律婚・事実婚配偶者に含まれる警察、配偶者暴力相談支援センター、保護命令、弁護士相談を検討します。
生活の本拠を共にする交際相手同法の規定が準用され得る同居実態や暴力の継続性を整理し、公的機関や弁護士へ相談します。
元配偶者・元同居交際相手離婚等の前後で暴力が継続する場合に対象となり得る別居後の接近、連絡、追跡、脅迫も含めて記録します。
同居していない交際相手保護命令の対象になるかは個別検討警察、DV相談+、性暴力支援、ストーカー対応、弁護士相談は利用し得ます。

DV被害では、「自分にも悪いところがある」「相談したら大ごとになる」と考えてしまうことがあります。しかし相談は、すぐ離婚する、裁判を起こす、警察沙汰にするという意味ではありません。状況を整理し、安全性を評価し、選択肢を知るための入口です。

Section 03

DV被害を受けている場合にまず相談すべき場所の判断表

状況別に、最初の入口と次につながる先を整理します。

DV相談では、緊急安全確保を担う機関と、法的代理を担う機関を分けて考えることが重要です。次の比較表は、読者の状況ごとに最初の相談先、理由、次に連携しやすい先を示しています。左列で現在の状況を探し、右列で次の連携先まで確認してください。

状況まず相談すべき場所理由次につなぐ先
今まさに危険がある、暴力が続いている、逃げられない110番現場臨場と安全確保が必要警察署、配偶者暴力相談支援センター、医療機関、弁護士
どこに相談すべきか分からないDV相談ナビ #8008、DV相談+ 0120-279-889最寄りの相談機関や24時間相談につながる配偶者暴力相談支援センター、警察、法テラス
家を出たい、一時的に避難したい、同伴児がいる配偶者暴力相談支援センター、女性相談支援センター安全確保、一時保護、生活再建支援につながる福祉事務所、民間シェルター、弁護士
脅迫・つきまとい・監視・押しかけがある警察相談専用電話 #9110、警察署警告、検挙、防犯措置、専門窓口紹介の可能性がある配偶者暴力相談支援センター、弁護士
保護命令を申し立てたい配偶者暴力相談支援センター、警察、弁護士申立前相談、申立書作成、証拠整理が必要地方裁判所、法テラス、弁護士
離婚、別居、親権、養育費、婚姻費用、財産分与を考えている法テラス、弁護士会、弁護士法的手続と交渉・調停・訴訟の見通しが必要家庭裁判所、相手方代理人、支援機関
性的暴力・性被害がある#8891、#8103、警察、医療機関医療、証拠採取、心理支援、法的支援が必要ワンストップ支援センター、弁護士
子どもが暴力を見ている、子どもにも危険がある110番、189、配偶者暴力相談支援センター面前DVは児童虐待に当たるおそれがある児童相談所、学校、弁護士
弁護士費用が不安法テラスDV等被害者法律相談援助等の制度がある弁護士、民事法律扶助、犯罪被害者支援制度
役割分担弁護士は保護命令、離婚、損害賠償、告訴、子どもの問題などで重要ですが、警察のように現場へ駆けつける機関ではなく、一時保護を直接実施する機関でもありません。
Section 04

DV被害の相談窓口ごとの機能と限界

警察、公的支援、法的相談、医療・子ども支援の入口を横断して確認します。

相談窓口は、同じDV被害でも担う役割が異なります。次の一覧は、主な窓口の番号・役割・向いている場面をまとめたものです。読者にとって重要なのは、一つの窓口でできないことがあっても失敗ではなく、適切な次の窓口へつなぐ設計が必要だと読み取ることです。

110

110番

現在進行の暴力、監禁、凶器、押しかけ、子どもへの危険など、警察官の臨場が必要な場面の入口です。

緊急
8008

DV相談ナビ #8008

どこに相談すればよいか分からない場合に、発信地等に応じて近くの配偶者暴力相談支援センターへつながる全国共通番号です。

公的相談
DV+

DV相談+ 0120-279-889

電話相談は365日・24時間対応と案内されています。チャット相談、外国語チャット、面接や同行支援、安全な居場所の情報につながる場合があります。

24時間
支援

配偶者暴力相談支援センター

相談、カウンセリング、緊急時の安全確保、一時保護、自立生活の情報提供、保護命令制度の情報提供を担う中核機関です。

避難保護命令
8778

女性相談支援センター #8778

困難な問題を抱える女性の相談入口です。DV、生活困窮、性被害、家庭関係、居場所の問題を総合的に相談しやすい窓口です。

生活支援
9110

警察相談専用電話 #9110

110番するほどの緊急性はないものの、脅迫、つきまとい、監視、押しかけ、GPSや紛失防止タグの疑いを警察に相談したい場面で利用します。

警察相談

法テラス

DV等被害者法律相談援助により、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の法律相談につながる場合があります。資産300万円以下の場合は相談無料と案内されています。

費用不安

弁護士会・法律相談センター

全国各地の法律相談センターで地域の弁護士へ相談できます。相談時間はおおむね30分、相談料は地域や内容によって異なります。

法律相談
8891

性暴力ワンストップ支援 #8891

性的暴力が含まれる場合に、医療、証拠採取、心理支援、法律相談等の専門機関と連携する入口になります。

性被害
189

児童相談所虐待対応ダイヤル 189

子どもが暴力を見聞きしている、直接危険がある、連れ去りや学校への押しかけがある場合に、児童相談所へ通告・相談する全国共通番号です。

子ども

配偶者暴力相談支援センターの相談記録

保護命令を検討する場合、申立て前に配偶者暴力相談支援センターまたは警察署へ相談しておくことが関係します。事前相談がない場合には、公証人役場で宣誓供述書を作成し、申立書に添付する必要があると案内されています。

警察相談 #9110 が向いている場面

すぐ警察官に来てもらう状況ではないものの、相手が職場や実家に来る可能性がある、監視していると言われる、SNS・メール・電話・GPS・紛失防止タグ等で監視されている疑いがある場合は、#9110や警察署への相談が考えられます。

Section 05

DV被害で弁護士へ相談する前に整理すべきこと

初回相談の時間を安全に使うため、事実、論点、資料を分けて準備します。

弁護士相談は、DV被害の法的解決において重要です。ただし、初回相談は時間が限られるため、危険を冒さない範囲で情報を整理しておくと、保護命令、離婚、子ども、費用、刑事手続の相談につなげやすくなります。

次の一覧は、弁護士相談前に整理すると役立つ項目を三つに分けたものです。読者にとって重要なのは、資料を完璧に集めることではなく、安全に持ち出せる範囲で「何が起きたか」「何を相談したいか」「何が残っているか」を分けて伝えることです。

Facts

事実関係メモ

暴力が始まった時期、直近の日時・場所・内容、けが、診断書、脅しの文言、録音、LINE、経済的支配、性的強要、子どもへの影響、相談歴を整理します。

Issues

法的に聞きたい事項

保護命令、直接会わない別居・離婚交渉、婚姻費用、親権、監護者、面会交流、養育費、財産分与、慰謝料、告訴、在留資格や国際結婚の問題を分けて確認します。

Materials

安全に準備できる資料

本人確認書類、子どもの書類、診断書、写真、相談記録、メッセージ、録音、家計資料、戸籍・住民票、相手方の勤務先や収入情報などです。

相談時間を効率よく使うには、話す順番も重要です。次の時系列は、初回相談で伝える順序を整理したものです。上から下へ進むほど法的手続に近づくため、まず危険度と安全な連絡方法を共有してから、証拠や希望条件へ進む点を読み取ってください。

最初

現在の危険度と連絡方法

相手に知られない電話・メール・郵便の方法、避難の有無、子どもの現在地を伝えます。

次に

暴力・脅迫・監視の経過

日時、場所、行為、言葉、けが、相談歴を短く時系列で共有します。

最後

希望する手続と費用の不安

保護命令、離婚、婚姻費用、親権、損害賠償、刑事手続、法テラス利用の希望を確認します。

危険回避資料を取りに戻ることが危険なら戻らないでください。避難後に弁護士や支援機関と相談し、後から取得できる資料を検討する流れが現実的です。
Section 06

DV被害と保護命令制度 ― 弁護士相談と公的相談が交差する領域

保護命令は強力な制度ですが、離婚や慰謝料を決める制度ではありません。

保護命令は、被害者の申立てにより、裁判所が相手配偶者等に対して、つきまとい等の一定行為を禁止する命令です。違反した場合には刑罰の対象となると説明されています。

次の比較表は、現行制度で整理される主な6類型と期間の考え方を示しています。読者にとって重要なのは、接近禁止だけでなく電話等、子、親族、退去等まで対象が分かれ、命令ごとに使いどころと期間が異なる点です。

類型対象期間・位置づけ
被害者への接近禁止命令被害者へのつきまとい、住居・勤務先付近のはいかい等1年間
被害者への電話等禁止命令電話、メール、SNS等による一定の連絡接近禁止命令に付随
同居の子への接近禁止命令被害者と同居する子への接近接近禁止命令に付随
同居の子への電話等禁止命令子への一定の連絡接近禁止命令に付随
親族等への接近禁止命令親族や支援者等への接近接近禁止命令に付随
退去等命令同居住居からの退去等原則2か月、被害者のみが所有者または賃借人の場合は申立てにより6か月

制度改正により、保護命令の対象や禁止行為は拡充されています。次の時系列は、近年の重要な改正点を示すものです。時期ごとの変化を読むことで、身体的暴力だけでなく脅迫や位置情報取得への対応も相談時に伝えるべき事情だと分かります。

令和6年4月1日

保護命令制度の拡充

身体への暴力や生命・身体への脅迫だけでなく、自由・名誉・財産に対する脅迫を受け、生命または心身に重大な危害を受けるおそれが大きい場合も対象となり得ると説明されています。

令和7年12月30日

紛失防止タグ等への対応

GPS機器等に加え、紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得等も、接近禁止命令等における禁止行為の対象になると説明されています。

保護命令の限界も確認しておく必要があります。次の重要ポイントは、保護命令と同時に検討すべき周辺対応をまとめたものです。読者は、命令だけで安全が完結するのではなく、避難先、警察、学校、住民票、家事手続、相手方代理人との連絡ルートを合わせて考える必要があると読み取ってください。

離婚・慰謝料は別手続

保護命令は離婚を成立させる制度でも、慰謝料や養育費を決める制度でもありません。

命令後も安全計画が必要

違反は刑罰の対象となり得ますが、避難先、巡回、緊急時対応、連絡手段の管理は引き続き重要です。

家事手続との連動

婚姻費用、監護者指定、面会交流制限、離婚調停などを並行して検討することがあります。

Section 07

DV被害で「まず弁護士」だけでは足りない理由と早期相談の必要性

安全確保と法的代理は、同時に必要でも役割が異なります。

弁護士は、依頼者の代理人として交渉、調停、訴訟、保護命令申立て、告訴状作成、被害届・刑事手続の支援、慰謝料請求、離婚条件の整理などを担う専門職です。一方、DVの初動では、弁護士だけでは担えない機能があります。

次の一覧は、弁護士相談の前後に公的機関や医療機関が必要になる理由をまとめたものです。読者にとって重要なのは、弁護士相談が不要という意味ではなく、現場対応・避難・医療・福祉は別の機関につなぐ必要がある点を読み取ることです。

現場へ駆けつける機能

暴力が現在進行している場合、警察官の臨場や相手の制止が必要になることがあります。

緊急避難・一時保護

避難先や一時保護、生活再建支援は、配偶者暴力相談支援センター等との連携が中心です。

医療的処置

けが、性被害、妊娠や性感染症の不安、診断書は医療機関との連携が必要です。

一方で、弁護士相談を後回しにしすぎることも望ましくありません。次の一覧は、弁護士が早期に関与することで整理しやすくなる事項です。安全計画に法的手続が影響するため、警察・支援機関と並行して相談する意味を確認してください。

Contact

直接連絡しない設計

相手方との連絡ルートを代理人経由にするか、避難先や連絡手段をどう秘匿するかを検討します。

Order

保護命令と証拠整理

申立要件、証拠、申立先、警察や支援センターへの相談歴を確認します。

Family

離婚・子ども・費用

離婚調停、婚姻費用、監護者指定、面会交流、養育費、財産分与の順序を検討します。

実務的な考え方危険があれば警察・支援機関に直ちにつながり、可能な限り早期に弁護士相談も並行する流れが現実的です。
Section 08

DV被害の危険サインと証拠保全の基本

危険度を正しく伝え、安全を損なわない範囲で記録します。

相談先がどこであっても、危険サインは小さく伝えず、具体的に伝えることが重要です。次の一覧は、相談員や弁護士が危険度を判断するうえで重要な事情をまとめています。各項目は優先順位ではなく、どれか一つでもある場合に詳しく伝えるべき情報として読んでください。

生命・身体への危険

首を絞められた、凶器を見せられた、殺害や自殺他害を示唆された事情です。

別居・離婚直後の危険

別居、離婚、交際解消を切り出した直後は、接近や連れ戻しの危険が高まることがあります。

監視・位置情報

スマートフォン、SNS、口座、メール、位置情報、紛失防止タグ等で監視されている疑いです。

子どもや周囲への脅し

子ども、親族、友人、ペットを脅しに使う、学校や実家を把握している事情です。

証拠は、保護命令、離婚、慰謝料請求、刑事手続、親権・監護者の判断等で役立つことがあります。次の比較表は、安全に残せる場合に検討される記録の種類をまとめたものです。読者にとって重要なのは、証拠の多さではなく、危険を高めない方法で日付・内容・相談歴を残すことです。

証拠の種類注意点
身体被害の記録けがの写真、診断書、通院記録、薬の記録医療機関受診と安全な保管方法を相談します。
物的被害の記録壊された物、荒らされた部屋、GPS機器、紛失防止タグ自分だけで機器を調べると危険な場合は警察や支援機関へ相談します。
連絡・監視の記録LINE、メール、SNS、着信履歴、留守電、ログイン通知クラウド同期や共有アカウントから相手に知られる危険を確認します。
相談歴警察、配偶者暴力相談支援センター、医療機関、学校、職場の記録受付番号や担当部署名があれば控えます。
生活・経済の資料通帳、家計、給与、借金、決済履歴、生活費の記録安全に持ち出せる範囲に限ります。

記録メモは、後から読んでも分かる形式にすることが大切です。次の比較表は、短いメモに含める項目を整理したものです。列ごとに「いつ、どこで、何をされたか、誰に相談したか」を分けることで、弁護士や相談員に伝わりやすくなります。

項目書く内容
日時・場所いつ、どこで起きたか。
行為・言葉何をされたか、相手が何と言ったか。
結果けが、恐怖、生活上の支障、子どもの反応。
第三者見ていた人、相談した人、病院、警察。
証拠写真、録音、メッセージ、診断書の有無。
Section 09

DV相談でよくある不安への一般的な回答

個別の結論は事情によって変わるため、一般情報として確認してください。

DVかどうか分からない段階でも相談できますか

一般的には、DVか判然としない段階でも相談窓口の利用対象になり得るとされています。ただし、暴力の内容、同居状況、証拠関係、危険度によって必要な対応は変わる可能性があります。具体的な対応は、安全な方法で支援機関や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

男性でも相談できますか

一般的には、相手との関係がつらい、何かおかしいと感じる場合は、性別にかかわらず相談できると説明されています。ただし、利用できる支援や避難先は地域や制度によって異なる可能性があります。具体的には、DV相談+、警察、法テラス、弁護士等へ相談する必要があります。

同性カップルでも相談できますか

一般的には、同性カップルでも相談窓口を利用でき、保護命令の対象となった例があると説明されています。ただし、法律上の要件は関係性や同居状況、暴力の継続性によって変わる可能性があります。具体的には、配偶者暴力相談支援センターや弁護士等へ相談する必要があります。

相談すると警察や相手に知られますか

一般的には、公的相談窓口では秘密保持が重視されると説明されています。ただし、生命・身体に重大な危険がある場合、子どもの安全に関わる場合、犯罪被害が現在進行している場合には、関係機関との連携が必要になる可能性があります。具体的には、相談の冒頭で相手に知られたくない事情や安全な連絡方法を伝える必要があります。

弁護士に相談すると離婚を勧められますか

一般的には、弁護士相談は離婚を強制する場ではなく、危険度、生活状況、子どもの状況、証拠、経済状況を踏まえて選択肢を整理する場とされています。ただし、選べる手続や見通しは個別事情で変わる可能性があります。具体的には、希望と不安を整理したうえで弁護士等へ相談する必要があります。

弁護士費用が払えない場合はどう考えますか

一般的には、法テラスのDV等被害者法律相談援助など、費用不安がある人向けの制度が案内されています。ただし、資産、収入、相談内容、制度の対象によって利用条件は変わる可能性があります。具体的には、法テラスや弁護士会に制度利用の可否を確認する必要があります。

外国語で相談したい場合はどうなりますか

一般的には、DV相談+のチャット相談は外国語対応が案内されています。ただし、対応言語や受付時間は時期によって変わる可能性があります。具体的には、安全な端末から最新の受付情報を確認し、在留資格や国際結婚が関係する場合は対応経験のある弁護士等へ相談する必要があります。

相手がスマホを見ている場合はどう相談しますか

一般的には、安全な端末、安全な場所、安全な時間から相談することが重要とされています。ただし、位置情報共有、クラウド同期、家族共有、メール転送、紛失防止タグなどの状況によって危険度は変わる可能性があります。具体的には、警察や支援機関に相談しながら連絡方法を決める必要があります。

Section 10

DV被害の初動チェックリスト

危険、避難、法的手続、子ども、性暴力の有無で確認します。

初動では、すべてを一度に解決しようとすると混乱しやすくなります。次の一覧は、状況別に確認する行動をまとめたものです。読者にとって重要なのは、緊急性があるほど上の項目から着手し、法的手続は安全確保と並行して進める点です。

今すぐ危険がある場合

110番し、可能なら鍵のかかる部屋、外、隣家、店舗、交番等へ移動します。子どもの現在地、けが、凶器、避難希望を伝えます。

緊急

すぐ逃げたい場合

DV相談+、#8008、配偶者暴力相談支援センターに、避難、一時保護、同伴児、持ち物、移動手段を相談します。

避難

法的手続を考え始めた場合

法テラス、弁護士会、DV事件に理解のある弁護士に相談予約し、保護命令や相談歴、証拠、子ども、生活費を整理します。

法律相談

子どもがいる場合

子どもが暴力を見聞きしていることを相談先に伝え、189、警察、支援機関、学校・保育園との情報共有範囲を相談します。

子ども

性暴力がある場合

#8891に相談し、医療的対応、性感染症、妊娠、証拠採取、心理支援、警察相談の希望を早めに整理します。

性被害
Section 11

DV被害で専門機関を横断する相談設計

同じ説明を繰り返す負担を減らすため、役割と次の接続先を確認します。

DV事件では、複数機関に同じ話を繰り返すことが被害者の負担になります。相談のたびに、何をしてくれる機関か、できないことは何か、次にどこへつながるか、相手に知られない連絡方法は何かを確認すると、役割の違いを整理しやすくなります。

次の比較表は、代表的な推奨ルートを状況別にまとめたものです。読者にとって重要なのは、矢印の順番が固定ではなく、危険が高まればいつでも警察や医療へ戻る必要がある点です。

推奨される連携の順番主な目的
緊急危険型110番 → 警察署 → 配偶者暴力相談支援センター → 医療機関 → 法テラス・弁護士現在進行の危険、けが、避難、保護命令、離婚・子どもの手続へ進みます。
迷い・孤立型DV相談+または#8008 → 配偶者暴力相談支援センター → 必要に応じて警察・法テラスDVか分からない段階でも早めに状況を言語化し、選択肢を狭めないための入口です。
法的手続先行型法テラス・弁護士会・弁護士 → 配偶者暴力相談支援センター・警察 → 地方裁判所・家庭裁判所保護命令、離婚、婚姻費用、監護者指定、慰謝料請求などを検討します。
性暴力併存型#8891 → 医療・心理・法的支援 → 警察・弁護士・DV支援機関医療対応、証拠採取、心理支援、法的支援の時間的優先度を確認します。
子ども保護型110番または189 → 児童相談所・警察 → 配偶者暴力相談支援センター → 弁護士面前DV、直接被害、連れ去り、学校への押しかけの危険に対応します。

機関ごとの役割を理解すると、「どこに相談しても解決しなかった」という感覚を減らしやすくなります。次の重要ポイントは、代表的な役割分担をまとめたものです。読者は、相談先が違っていたのではなく、機関ごとにできることが違う場合があると読み取ってください。

支援センターは避難や制度情報、弁護士は代理や手続、警察は危険防止、家庭裁判所は家事手続を担う

それぞれの役割を分けて考えることで、次にどの機関へつながるべきかを相談の場で確認しやすくなります。

Section 12

DV被害で最初の相談先は安全度で決める

相談は、危険を言語化し、孤立を解き、選択肢を増やすための入口です。

DV被害を受けている場合にまず相談すべき場所は、置かれた危険度によって変わります。次の重要ポイントは、最初の連絡先を短く整理したものです。読者は、自分の状況に最も近い行を選び、安全確保を最優先に次の相談先へつなぐことを確認してください。

今危ないなら110番、迷うなら#8008またはDV相談+、法的手続を考えるなら法テラス・弁護士会・弁護士

性暴力がある場合は#8891、子どもが危ない場合は189または110番も重要な入口です。弁護士相談は重要ですが、今日安全でいられることと並行して考える必要があります。

  • 逃げたい、保護されたい、生活再建したい場合は配偶者暴力相談支援センターにつながります。
  • 脅迫・つきまとい・監視・位置情報取得がある場合は#9110または警察署への相談が考えられます。
  • 保護命令、離婚、婚姻費用、親権、慰謝料、告訴を考える場合は法テラス・弁護士会・弁護士へ相談します。
  • 相談は、離婚、告訴、裁判を直ちに選ぶことではなく、状況を安全に整理する入口です。
Reference

参考資料・公的情報源

制度や相談窓口の説明に用いた公的・中立的な資料名を整理します。

公的機関・司法機関

  • 警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」
  • 警察庁「性犯罪被害相談電話全国共通番号 #8103」
  • 内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは」
  • 内閣府男女共同参画局「配偶者暴力防止法」
  • 内閣府男女共同参画局「DV相談について」
  • 内閣府男女共同参画局「女性相談支援センター」
  • 内閣府男女共同参画局「保護命令」
  • 内閣府「改正配偶者暴力防止法の施行について」
  • 内閣府男女共同参画局「共同参画 2026年1月号 改正配偶者暴力防止法が施行されました」
  • 裁判所「保護命令(DV事件)」
  • 厚生労働省「困難な問題を抱える女性の相談窓口」
  • こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル 189について」

相談制度・支援制度

  • 政府広報オンライン「DV(配偶者や交際相手からの暴力)に悩んでいませんか」
  • 政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話 #9110番へ」
  • 法テラス「DV等被害者法律相談援助」
  • 日本弁護士連合会「法律相談」
  • 横浜市「横浜市DV相談支援センター」
  • 配偶者暴力相談支援センターの役割に関する公的研修資料