2σ Guide

行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の
報酬相場

「一式」に何が含まれるかを分け、公式統計の金額、実費、他士業費用、期限のある手続まで整理します。争いのない書類整理型の相続では行政書士が有力ですが、登記・税務・紛争は別の専門職の領域です。

10.5万円中核2業務の最頻値合計
13万1,474円中核2業務の平均値合計
15〜30万円標準的な一式の目安
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行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の 報酬相場

「一式」に何が含まれるかを分け、公式統計の金額、実費、他士業費用、期限のある手続まで整理します。

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行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の 報酬相場
「一式」に何が含まれるかを分け、公式統計の金額、実費、他士業費用、期限のある手続まで整理します。
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  • 行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の 報酬相場
  • 「一式」に何が含まれるかを分け、公式統計の金額、実費、他士業費用、期限のある手続まで整理します。

POINT 1

  • 行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の報酬相場の全体像
  • まず、行政書士が担当する範囲と、他士業費用を含めた総額を分けて見ます。
  • 争いがなく登記・税務を含めない中核業務は10万円台前半が基礎線
  • 相続手続で使われる「一式」は、法律上の統一名称ではありません。
  • 下の重要ポイントは、公式統計から読み取れる基礎線と、実務でよく問題になる「一式」の幅を短くまとめたものです。

POINT 2

  • 行政書士に相続手続き一式を依頼する前の業務範囲
  • 相続書類に強い専門職ですが、登記・税務・紛争まで単独で完結するわけではありません。
  • 争いがない相続
  • 不動産や税金がある相続
  • 不信感や対立がある相続

POINT 3

  • 公式統計で見る行政書士の相続手続き報酬相場
  • 自由報酬であることを前提に、相続関連業務の平均値と最頻値を読みます。
  • 行政書士の報酬には全国統一料金表はありません。
  • 各行政書士が自由に定めるものとされ、事務所には報酬額を掲示する義務があります。
  • 平均報酬額は高額案件の影響を受け、最頻値は多く見られる価格帯を示すため、両方を並べて読むことが重要です。

POINT 4

  • 行政書士の相続手続き一式は範囲で報酬相場が変わる
  • 最小構成、標準構成、広義の専門職連携型を分けると、比較しやすくなります。
  • 10万円台前半から20万円程度
  • 15万円から30万円前後
  • 行政書士報酬だけでは総額を示せない

POINT 5

  • 行政書士の相続手続き報酬が高くなる要因
  • 1. 相続放棄の検討:自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
  • 2. 相続税申告と納税:相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内が期限です。
  • 3. 相続登記の申請:2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産がある相続では司法書士等との連携と期限管理が重要になりました。

POINT 6

  • 行政書士報酬と実費・他士業費用を分けて考える
  • 報酬、実費、消費税、司法書士・税理士・弁護士費用を分けると総額が見えます。
  • 行政書士に支払う金額には、専門的作業に対する報酬と、手続に必要な外部費用である実費があります。
  • どの列に該当する費用が別建てなのかを確認すると、総支出を把握しやすくなります。
  • 下の重要ポイントでは、何を証明する制度なのか、費用がどこに含まれやすいかを確認します。

POINT 7

  • 行政書士で足りない相続手続きの専門職選択
  • 1. 相続人全員が協力的で争いがない:戸籍、財産資料、遺産分割協議書、金融機関書類の整理が中心です。
  • 2. 不動産、税務、対立、特殊財産があるか確認:登記、税務、紛争、会社価値、境界、知的財産などの有無を分けます。
  • 3. 他士業報酬を別に確認:司法書士、税理士、弁護士、不動産鑑定士などへの引き継ぎを前提にします。
  • 4. 行政書士中心で整理しやすい:書類整理型の相続として、業務範囲と成果物を見積書で確認します。

POINT 8

  • 事案別に見る行政書士の相続手続き報酬モデル
  • 公式統計と実務上の業務量を組み合わせ、見積り前の判断材料として整理します。
  • 事案別モデルは、確定額ではなく見積り前の目安です。
  • 自分の相続に近い行を見つけ、見積り項目と照合することが重要です。
  • 行政書士に依頼するメリットと限界も、同じ事案の中で同時に確認する必要があります。

まとめ

  • 行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の 報酬相場
  • 行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の報酬相場の全体像:まず、行政書士が担当する範囲と、他士業費用を含めた総額を分けて見ます。
  • 行政書士に相続手続き一式を依頼する前の業務範囲:相続書類に強い専門職ですが、登記・税務・紛争まで単独で完結するわけではありません。
  • 公式統計で見る行政書士の相続手続き報酬相場:自由報酬であることを前提に、相続関連業務の平均値と最頻値を読みます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の報酬相場の全体像

まず、行政書士が担当する範囲と、他士業費用を含めた総額を分けて見ます。

相続手続で使われる「一式」は、法律上の統一名称ではありません。ある事務所では戸籍収集、相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書作成、預貯金払戻しの書類支援までを指し、別の事務所では不動産の相続登記や相続税申告を含む専門職連携を意味することもあります。

そのため、行政書士の相続手続き報酬相場は、下の比較表のように「行政書士が単独で扱える中核業務」と「司法書士・税理士・弁護士などが加わる総額」を分けて読むことが重要です。列ごとに範囲、目安、考え方を確認すると、見積りの金額が安いのか高いのかを判断しやすくなります。

依頼内容の範囲行政書士報酬の実務的な目安根拠となる考え方
相続人及び相続財産の調査と遺産分割協議書作成を中心とする最小構成約10万円から15万円前後日本行政書士会連合会の報酬額統計における中核2業務の最頻値合計10万5,000円、平均合計13万1,474円を基礎にします。
戸籍収集、相続関係説明図または法定相続情報一覧図の作成支援、金融機関提出書類の補助などを含む標準的な一式約15万円から30万円前後相続人の人数、金融機関数、財産数、戸籍取得の難易度により加算されます。
兄弟姉妹相続、代襲相続、相続人多数、古い戸籍、遠隔地、財産多数、特殊財産がある複雑事案30万円超、場合により50万円以上行政書士報酬は自由化されており、作業量とリスクに応じた個別見積りになります。
不動産の相続登記、相続税申告、紛争対応まで含む広義の専門職連携型行政書士報酬とは別に他士業報酬が発生登記申請代理、税務代理、紛争代理は行政書士の通常業務範囲ではありません。

下の重要ポイントは、公式統計から読み取れる基礎線と、実務でよく問題になる「一式」の幅を短くまとめたものです。金額だけでなく、含まれる成果物と別費用を同時に見ることが、後日の追加請求や期待違いを避けるうえで重要です。

争いがなく登記・税務を含めない中核業務は10万円台前半が基礎線

戸籍収集、法定相続情報一覧図、金融機関対応などを含めた標準的な相続手続き一式では、15万円から30万円前後を第一の目安として、複雑要因があれば個別見積りで確認します。

Section 01

行政書士に相続手続き一式を依頼する前の業務範囲

相続書類に強い専門職ですが、登記・税務・紛争まで単独で完結するわけではありません。

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者で、主に官公署に提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成、その作成に関する相談、一定の提出手続代理などを業務とします。相続分野では、遺産分割協議書、相続人関係説明図、相続関係を整理するための書類、遺言書作成支援などが典型です。

行政書士に向いている相続は、相続人全員が協力的で、遺産分割内容に争いがなく、戸籍・住民票・財産資料・金融機関書類の整理に不安がある場面です。預貯金、自動車、少額の株式、各種届出など、書類整理を中心とする手続が多い場合も候補になります。

次の比較表は、行政書士だけで進めやすい部分と、別の専門職が中心になりやすい部分を分けたものです。主担当の列を見ることで、見積りに含まれているように見える業務が、本当に行政書士報酬の範囲なのかを確認できます。

論点主担当になりやすい専門職理由
相続人間で争いがある、遺産分割交渉、遺留分、使い込み疑い、調停、審判、訴訟弁護士交渉代理、訴訟代理、法的紛争への対応が中心になります。
不動産の相続登記、名義変更司法書士または弁護士登記申請代理は司法書士の代表的業務です。
相続税申告、税務相談、税務代理、税務調査対応税理士税務代理、税務書類作成、税務相談は税理士業務として整理されています。
公正証書遺言の作成公証人と支援専門職公証人が公正証書として作成し、専門職が文案整理や資料収集を支援することがあります。
境界、分筆、表示登記土地家屋調査士土地の表示、境界、分筆に関する専門職です。
相続不動産の売却宅地建物取引士、不動産仲介業者重要事項説明、媒介、売買契約実務が関係します。

下の3つの項目は、行政書士に相談する場面を整理したものです。どの項目に当てはまるかを見ると、書類整理型の依頼で足りるのか、最初から他士業連携を前提にするのかを判断しやすくなります。

書類整理型

争いがない相続

相続人全員が協力的で、戸籍収集、相続関係図、財産資料、遺産分割協議書を整える必要がある場面です。

連携型

不動産や税金がある相続

行政書士が前提資料を整え、登記は司法書士、税務は税理士へつなぐ設計が現実的です。

切替型

不信感や対立がある相続

客観資料の整理までは行政書士が関与できることがありますが、交渉や調停に進む場合は弁護士の領域です。

Section 02

公式統計で見る行政書士の相続手続き報酬相場

自由報酬であることを前提に、相続関連業務の平均値と最頻値を読みます。

行政書士の報酬には全国統一料金表はありません。各行政書士が自由に定めるものとされ、事務所には報酬額を掲示する義務があります。そのため、同じ「相続手続き一式」という表示でも、戸籍収集、財産調査、金融機関対応、修正回数、実費、消費税、他士業紹介の扱いが異なります。

次の比較表は、令和7年度報酬額統計調査に掲載された相続関連業務のうち、相続手続き一式の見積りに関係しやすい項目をまとめたものです。平均報酬額は高額案件の影響を受け、最頻値は多く見られる価格帯を示すため、両方を並べて読むことが重要です。

業務名回答数平均報酬額最頻値最小値最大値実務上の意味
相続人及び相続財産の調査44361,722円50,000円3,000円1,000,000円戸籍、相続関係、財産資料を整理する前提作業です。
遺産分割協議書の作成70569,752円55,000円1,000円1,000,000円相続人全員の合意内容を文書化する中核業務です。
遺言書の起案及び作成指導45976,855円50,000円3,000円304,400円生前対策として遺言文案の整理、作成指導を行う業務です。
相続分なきことの証明書作成4529,488円10,000円3,800円110,000円特別受益などにより相続分がない旨の書面が問題となる場合です。
相続土地国庫帰属の承認申請9113,111円55,000円10,000円275,000円相続した不要土地を国庫帰属させる制度利用の申請支援です。

中核2業務を合計すると、最小構成の基礎線が見えてきます。下の表では、最頻値ベースと平均値ベースを分け、単純な相続から複雑な相続まで同じ統計項目に含まれ得る点も読み取ります。

推計方法計算金額読み方
最頻値ベース50,000円 + 55,000円105,000円一般的な価格設定に近い基準として使いやすい数字です。
平均値ベース61,722円 + 69,752円131,474円高額案件を含むため、複雑な相続の影響も受けます。

平均値と最頻値には違いがあります。平均値は回答額の合計を回答数で割った数字で、高額案件が含まれると上がりやすく、最頻値は最も多く出現した金額です。最大値が100万円の項目もあるため、相続人の数、財産数、所在、書類取得の難易度、調査範囲を確認する必要があります。

Section 03

行政書士の相続手続き一式は範囲で報酬相場が変わる

最小構成、標準構成、広義の専門職連携型を分けると、比較しやすくなります。

最小構成の相続手続き一式は、相続人調査、相続財産調査、相続関係図の作成、遺産分割協議書作成、金融機関や保険会社などに提出する書類の案内が中心です。この範囲であれば、公式統計を踏まえて10万円台前半から20万円程度がひとつの実務的レンジになります。

次の一覧は、最小構成で含まれやすい成果物と役割を整理したものです。どの行が見積りに入っているかを確認すると、同じ金額でも内容の厚みが違うことを読み取れます。

業務内容
相続人調査被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍、住民票等を確認し、誰が相続人かを確定します。
相続財産調査預貯金、不動産、株式、保険、債務など、相続財産の資料を整理します。
相続関係図の作成相続人の関係を図表化します。法定相続情報一覧図制度を利用する場合もあります。
遺産分割協議書作成相続人全員の合意内容を、金融機関や登記などで使える形式の文書にします。
提出書類の案内金融機関、保険会社、証券会社などに提出する書類を整理します。

一般の依頼者が期待する一式は、最小構成より広くなることが多く、初回相談、必要書類リスト、戸籍・住民票・戸籍附票等の取得支援、固定資産評価証明書や登記事項証明書の確認、司法書士・税理士・弁護士への引き継ぎ資料作成まで含むことがあります。下の一覧では、範囲の広がりが報酬相場にどう影響するかを確認できます。

最小構成

10万円台前半から20万円程度

相続人調査、財産資料整理、遺産分割協議書作成が中心です。戸籍収集や金融機関対応をどこまで含むかで増減します。

標準構成

15万円から30万円前後

法定相続情報一覧図の作成支援、金融機関提出書類の確認、他士業への引き継ぎ資料まで含むことがあります。

広義の一式

行政書士報酬だけでは総額を示せない

登記、税務、紛争、不動産売却、会社価値、知的財産などがある場合は、複数の専門職報酬や税金が別に発生します。

広義の一式では、窓口が行政書士であっても、実際には複数の専門職が関与します。次の比較表は、どの業務が行政書士報酬に入りやすく、どの業務が別報酬になりやすいかを見分けるためのものです。

含まれ得る業務担当専門職の典型例
遺産分割協議書、相続関係資料、金融機関書類整理行政書士
不動産の相続登記司法書士または弁護士
相続税申告、準確定申告、税務相談税理士
遺産分割交渉、遺留分、使い込み疑い、調停、審判、訴訟弁護士
不動産評価、土地の分筆、境界、表示登記不動産鑑定士、土地家屋調査士
不動産売却、非上場株式、知的財産、遺族年金不動産仲介業者、公認会計士、中小企業診断士、弁理士、社会保険労務士など
Section 04

行政書士の相続手続き報酬が高くなる要因

相続人、戸籍、財産、金融機関、期限の有無が作業量を大きく変えます。

行政書士報酬は、単に遺産額だけで決まるものではありません。下の注意要素の一覧は、作業量や確認先が増えやすい場面を整理したものです。どの要素に当てはまるかを見ると、30万円を超える見積りにも合理性があるのかを読み取りやすくなります。

相続人の数が多い

戸籍確認、連絡、署名押印、印鑑証明書の取得、協議書の送付、説明文書の作成が増えます。

代襲相続がある

本来相続人になるはずだった人の子が相続人になるなど、相続関係が複雑化し、必要戸籍も増えます。

古い戸籍や遠隔地の戸籍が必要

転籍、婚姻、離婚、養子縁組、改製原戸籍があると、複数の市区町村から取り寄せる必要があります。

財産の種類が多い

不動産、株式、投資信託、生命保険、貸金庫、自動車、事業用資産、農地、知的財産などは確認先が増えます。

金融機関が多い

金融機関ごとに相続手続書類の形式、必要書類、原本還付、代表相続人の指定が異なります。

相続人間に温度差がある

明確な争いまではなくても、連絡、押印、説明、資料確認に時間がかかります。対立が顕在化すると弁護士領域になります。

期限のある手続は、行政書士の報酬だけでなく、依頼先の選び方にも影響します。下の時系列では、期間の順番と担当領域を確認し、急ぎの加算や専門職の切替えが必要になる場面を読み取ります。

原則3か月以内

相続放棄の検討

自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。借金や不明債務がある場合は早期確認が重要です。

10か月以内

相続税申告と納税

相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内が期限です。財産額が基礎控除に近い場合は税理士の関与を早めに検討します。

取得を知った日から3年以内

相続登記の申請

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産がある相続では司法書士等との連携と期限管理が重要になりました。

Section 05

行政書士報酬と実費・他士業費用を分けて考える

報酬、実費、消費税、司法書士・税理士・弁護士費用を分けると総額が見えます。

行政書士に支払う金額には、専門的作業に対する報酬と、手続に必要な外部費用である実費があります。下の表は、見積書で報酬と分けて確認したい実費の代表例です。どの列に該当する費用が別建てなのかを確認すると、総支出を把握しやすくなります。

実費の種類具体例
戸籍関係戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、戸籍附票などの発行手数料。
住民票関係住民票、住民票除票などの発行手数料。
不動産資料登記事項証明書、固定資産評価証明書、名寄帳など。
金融機関資料残高証明書、取引履歴発行手数料など。
郵送費レターパック、書留、返信用封筒、定額小為替関連費用など。
交通費遠隔地の役所、金融機関、依頼者宅への訪問がある場合。

法定相続情報一覧図は、戸籍等に基づき被相続人と相続人の関係を一覧化した図で、複数の金融機関や相続手続で戸籍一式を何度も提出する負担を軽減できる場合があります。下の重要ポイントでは、何を証明する制度なのか、費用がどこに含まれやすいかを確認します。

法定相続情報法定相続情報一覧図は、法定相続人を戸籍に基づいて示すものであり、遺産分割の結果、相続放棄の有無、相続財産の価額を証明するものではありません。作成支援、申出支援、取得後の金融機関利用支援が見積りに含まれるか確認が必要です。

相続税が発生しそうな場合は、行政書士報酬と税理士報酬を分けて見ます。下の計算例は、法定相続人の数によって基礎控除額が変わることを示すもので、財産額がこのラインに近い場合は税理士への相談時期を早める必要があります。

計算式基礎控除額読み方
3,000万円 + 600万円 × 3人4,800万円法定相続人が3人の場合の例です。正味の遺産額が基礎控除額を超える可能性がある場合、税理士報酬が別途必要になることがあります。
Section 06

行政書士で足りない相続手続きの専門職選択

不動産、税務、紛争、特殊財産がある場合は、最初から役割分担を確認します。

不動産がある相続では、2024年4月1日からの相続登記義務化により、司法書士の関与が以前より重要になっています。相続や遺贈で不動産の所有権を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料の対象になり得ます。

下の判断の流れは、行政書士に相談する前後で、どの専門職が中心になりやすいかを確認するためのものです。分岐ごとの色は注意度の違いを示し、上から順に確認すると、行政書士報酬だけで足りる場面と別費用が必要な場面を読み取れます。

専門職を選ぶ判断の流れ

相続人全員が協力的で争いがない

戸籍、財産資料、遺産分割協議書、金融機関書類の整理が中心です。

不動産、税務、対立、特殊財産があるか確認

登記、税務、紛争、会社価値、境界、知的財産などの有無を分けます。

ある
他士業報酬を別に確認

司法書士、税理士、弁護士、不動産鑑定士などへの引き継ぎを前提にします。

ない
行政書士中心で整理しやすい

書類整理型の相続として、業務範囲と成果物を見積書で確認します。

専門職の役割は細かく分かれます。下の一覧は、相続で関与し得る主な専門職・機関をまとめたもので、何を誰に確認するかを見誤らないために重要です。

専門職・機関主な役割
行政書士争いのない相続で、相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書、相続関係説明図、法定相続情報一覧図の作成支援、金融機関提出書類の整理を担います。
弁護士相続人間の交渉、遺産分割、遺留分、使い込み疑い、遺言無効、調停、審判、訴訟など紛争性のある相続で中心になります。
司法書士不動産の相続登記、登記用書類、法務局手続、裁判所提出書類作成などで重要です。
税理士相続税申告、財産評価、税務相談、税務代理、税務調査対応を担います。
公証人・遺言執行者・信託銀行等公正証書遺言、遺言内容の実現、遺言信託、相続財産整理などに関与します。
不動産鑑定士・土地家屋調査士・不動産仲介業者不動産価格、境界、分筆、表示登記、相続不動産の売却に関与します。
公認会計士・中小企業診断士・弁理士非上場株式、会社価値、事業承継、特許・商標などの知的財産がある場合に関係します。
社会保険労務士、市区町村、法務局、金融機関、保険会社遺族年金、戸籍・住民票、法定相続情報、預金払戻し、保険金請求などの窓口になります。

相続人どうしでもめている場合、行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の報酬相場だけを調べても足りません。遺産分割協議は相続人全員の合意が必要で、合意できない場合は家庭裁判所の遺産分割調停または審判を利用することがあります。交渉、調停、審判、訴訟は弁護士へ相談する必要があります。

Section 07

事案別に見る行政書士の相続手続き報酬モデル

公式統計と実務上の業務量を組み合わせ、見積り前の判断材料として整理します。

事案別モデルは、確定額ではなく見積り前の目安です。下の比較表では、相続人や財産の状況ごとに、行政書士報酬の範囲、別途必要になりやすい費用、注意点を並べています。自分の相続に近い行を見つけ、見積り項目と照合することが重要です。

事案典型的業務行政書士報酬の目安注意点
預貯金中心、相続人が配偶者と子2人、争いなし戸籍収集支援、相続人調査、財産資料整理、遺産分割協議書作成、金融機関書類確認。12万円から20万円前後金融機関数が多いと加算されます。
自宅不動産と預貯金があり、争いなし行政書士が相続関係資料と協議書を作成し、司法書士が相続登記を担当。12万円から25万円前後司法書士報酬、登録免許税、登記事項証明書、固定資産評価証明書等が別途必要になりやすいです。
相続税が発生しそうな事案行政書士が戸籍と相続関係資料を整理し、税理士が相続税申告を担当。10万円から25万円前後10か月の申告期限を前提に、早期に税理士へ引き継ぎます。
兄弟姉妹相続、甥姪が相続人、戸籍が多い被相続人、父母、兄弟姉妹、代襲相続人の戸籍調査、相続関係図作成、協議書作成。20万円から40万円超相続人の所在確認、連絡、書類回収に時間がかかります。
相続人間に不信感がある客観資料の整理と書類作成が中心。事案整理までなら通常報酬または加算主張対立がある場合は弁護士へ相談する必要があります。

行政書士に依頼するメリットと限界も、同じ事案の中で同時に確認する必要があります。下の一覧は、費用を抑えやすい場面と、専門職の切替えを検討すべき場面を対比したものです。

行政書士に依頼するメリット

戸籍や相続関係を体系的に整理し、遺産分割協議書を形式面・実務面から整え、金融機関や保険会社等に提出する書類の不備を減らしやすくなります。

書類整理費用比較

行政書士に依頼する限界

紛争性がある相手方との交渉、相続登記申請代理、相続税申告書作成、税務相談、調停・審判・訴訟は、それぞれ担当専門職の領域です。

別費用切替確認

安い見積りは、相続人が少なく、争いがなく、財産が預貯金だけで少数で、依頼者が戸籍や残高証明書を自分で集める場合には合理性があります。一方、「相続手続き一式」とだけ書かれて業務範囲がない、不動産登記や相続税申告まで含まれるように見えるのに担当専門職や別報酬の記載がない、相続人多数なのに定額が極端に安い場合は、追加料金の確認が重要です。

Section 08

行政書士に相続手続きを依頼する見積書確認

「一式」の言葉をそのまま受け取らず、成果物・実費・別報酬・期限管理を明確にします。

見積書では、金額の総額だけでなく、どの成果物が納品されるか、何人・何件まで基本料金に含まれるか、追加料金がどの時点で発生するかを確認します。下の一覧は、比較時に見るべき15項目です。左列の項目ごとに、右列の理由を照合すると、後日の認識違いを減らしやすくなります。

確認項目確認すべき理由
1. 業務名「一式」の内容が不明確だと比較できません。
2. 成果物遺産分割協議書、相続関係説明図、法定相続情報一覧図、財産目録など、何が納品されるかを確認します。
3. 戸籍収集の範囲依頼者が取得するのか、行政書士が取得支援するのかで費用が変わります。
4. 相続人の人数制限何人まで基本料金に含まれるかを確認します。
5. 金融機関数の上限1行ごとに加算されるかを確認します。
6. 不動産の有無登記は司法書士報酬が別途必要になることが多いです。
7. 相続税の可能性税理士報酬が別途必要になります。
8. 争いが生じた場合の対応弁護士への切替えや紹介の条件を確認します。
9. 実費戸籍、郵送費、証明書、交通費を誰が負担するかを確認します。
10. 消費税税込表示か税抜表示かを確認します。
11. 追加料金修正回数、相続人追加、財産追加、緊急対応の加算を確認します。
12. 他士業報酬司法書士、税理士、弁護士の報酬が含まれるか別かを確認します。
13. 支払時期着手金、中間金、完了金の有無を確認します。
14. 中途解約途中で紛争化した場合の精算ルールを確認します。
15. 個人情報管理戸籍、財産資料、印鑑証明書など重要書類の管理方法を確認します。

依頼手順は、資料整理から契約確認、状況変化への対応まで順に進めると安全です。下の時系列では、各段階で何を確認するかを並べ、行政書士中心で進めるか、他士業へつなぐかを見極める流れを読み取ります。

Step 1

相続の全体像を整理する

被相続人の氏名、死亡日、最後の住所、本籍、相続人候補、主な財産、債務、遺言書の有無、不動産の有無、相続税の可能性を整理します。

Step 2

初回相談で業務範囲を確認する

戸籍、財産調査、協議書、法定相続情報、金融機関、登記、税務、紛争対応を一つずつ確認します。

Step 3

書面の見積りを取る

業務範囲、報酬、実費、消費税、他士業費用、追加料金、納期、中途解約が記載されているかを確認します。

Step 4

契約書と切替条件を確認する

委任契約書または業務委託契約書を確認し、状況が変わった場合に弁護士、税理士、司法書士へ切り替える条件も確認します。

Section 09

行政書士の相続手続き報酬相場FAQ

よくある疑問を、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 行政書士に相続手続き一式を依頼した場合の報酬相場は結局いくらですか。

一般的には、争いがなく、相続登記や相続税申告を含めない行政書士の中核業務であれば、公式統計から見て10万円台前半が基礎線とされています。ただし、戸籍収集、法定相続情報一覧図、金融機関対応、相続人の人数、財産の種類によって結論が変わる可能性があります。具体的な費用は、見積書で業務範囲を整理して確認する必要があります。

Q2. 「一式」と書かれていれば、不動産登記も含まれますか。

一般的には、不動産の相続登記は司法書士または弁護士が担当する領域とされています。ただし、行政書士が相続関係資料や遺産分割協議書を作成し、司法書士へ引き継ぐ連携はあり得ます。具体的には、司法書士報酬、登録免許税、登記期限の管理が別に記載されているか確認する必要があります。

Q3. 相続税申告も行政書士ができますか。

一般的には、税務相談、相続税申告書作成、税務代理は税理士の領域とされています。行政書士が財産資料を整理することはあっても、相続税の要否や申告内容は財産額、控除、評価方法によって変わる可能性があります。具体的には、税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q4. 相続人の一人が協議に応じない場合、行政書士に頼めば解決できますか。

一般的には、相続人間で争いがある場合、行政書士は客観資料の整理や書類作成に関与できる範囲に限られやすいとされています。交渉、調停、審判、訴訟が必要になるかは、相続人の意向、証拠関係、財産内容によって変わります。具体的な対応方針は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q5. 遺産分割協議書だけ依頼することはできますか。

一般的には、遺産分割協議書だけの作成依頼に対応する事務所もあります。ただし、相続人が確定していること、財産内容が把握されていること、相続人全員の合意があることが前提になりやすく、調査を省くと作り直しのリスクが生じる可能性があります。具体的には、前提資料を整理して専門家へ確認する必要があります。

Q6. 司法書士と行政書士のどちらに相談するのが一般的ですか。

一般的には、不動産があり相続登記が中心なら司法書士、預貯金や各種書類整理が中心で争いがないなら行政書士が候補になるとされています。ただし、登記、税務、金融機関対応が重なる事案では両方が必要になる可能性があります。具体的には、最初の相談時に中心業務と別報酬を確認する必要があります。

Q7. 弁護士に頼むより行政書士の方が安いですか。

一般的には、争いのない書類整理であれば、行政書士への依頼の方が費用を抑えやすい場合があります。ただし、相続人間の対立、遺留分、使い込み疑い、調停などがある場合は、途中で弁護士へ切り替える必要が生じる可能性があります。具体的な依頼先は、紛争性の有無を整理して判断する必要があります。

Q8. 報酬が遺産額に比例する見積りは妥当ですか。

一般的には、財産額が大きいほど確認事項や責任が増える場合があるため、遺産額比例型の報酬体系が用いられることがあります。ただし、比例する理由、最低報酬、上限、含まれる業務、他士業費用との関係によって評価は変わります。具体的には、見積書と契約書で算定方法を確認する必要があります。

Q9. 行政書士に頼めば銀行口座の解約も代行できますか。

一般的には、行政書士が金融機関提出書類の作成支援や手続補助を行うことはあります。ただし、各金融機関の規定、委任状の要否、本人確認、相続人代表者の指定によって扱いが変わる可能性があります。具体的には、金融機関何件まで含むか、窓口対応まで含むかを見積りで確認する必要があります。

Q10. 公正証書遺言の費用も行政書士報酬に含まれますか。

一般的には、行政書士の遺言書作成支援報酬と、公証役場の公証人手数料は別に扱われることが多いとされています。ただし、証人費用、戸籍等の実費、文案作成支援費の扱いは事務所や事案によって異なります。具体的には、費用項目を分けて確認する必要があります。

Reference

参考資料

制度や統計の確認に用いた公的・中立的な資料です。

行政書士・司法書士・税理士の制度資料

  • 日本行政書士会連合会「報酬額の統計」
  • 日本行政書士会連合会「行政書士とは」
  • 日本行政書士会連合会「行政書士の業務」
  • 日本行政書士会連合会「遺言・相続」
  • 日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」
  • 日本司法書士会連合会「相続登記とは?」
  • 日本税理士会連合会「税理士とは」

裁判所・法務局・国税庁の資料

  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
  • 日本弁護士連合会「遺産相続」