相続で株式を取得したときに、どの価格を使い、どの資料を集め、どの専門家と確認するとよいかを、上場株式と非上場株式に分けて整理します。
相続で株式を取得したときに、どの価格を使い、どの資料を集め、どの専門家と確認するとよいかを、上場株式と非上場株式に分けて整理します。
相続税の課税価格、会社支配、遺産分割、納税資金が同時に動く領域です。
次の重要ポイントは、株式の相続税評価で最初に押さえたい考え方を整理したものです。評価方式の入口を間違えると税額、遺産分割、納税資金に影響するため、各項目から確認順序と注意点を読み取ってください。
株価、財産状況、債務、株主構成、議決権割合は、原則として被相続人の死亡日時点を基準に確認します。
上場株式は市場価格を基礎にし、取引相場のない株式は株主区分と会社規模に応じて評価します。
次の判断の流れは、株式の相続税評価で最初に確認する順番を表しています。上場性、株主区分、会社規模、特殊な会社該当性を順に見ることが重要で、左右の分岐から必要資料の違いを読み取ってください。
銘柄、株数、種類、名義、口座、株主名簿を確認します。
上場株式か、取引相場のない株式かを分けます。
終値と月平均額を比較します。
同族株主、会社規模、特定会社、種類株式を確認します。
このページは、相続税申告の中心を担う税理士、相続紛争・遺産分割・遺留分・会社支配権問題を扱う弁護士、非上場会社の財務分析に強い公認会計士、不動産を含む純資産評価を支える不動産鑑定士、株式承継後の登記・会社法手続を扱う司法書士、事業承継計画を支援する中小企業診断士、金融機関・信託銀行・ファイナンシャル・プランナーの実務視点を統合することを想定した専門解説です。
ただし、この記事は一般的な情報提供であり、個別案件の税務代理、法律代理、鑑定評価、登記申請代理を行うものではありません。株式の相続税評価は、会社の株主構成、議決権、種類株式、直前期の決算、保有不動産、関連会社、同族関係者の範囲、申告時点の通達改正によって結論が大きく変わります。実際の申告や紛争対応では、相続税に精通した税理士と、必要に応じて弁護士・公認会計士・不動産鑑定士・司法書士等の連携を受ける必要があります。
株式の相続税評価とは、相続または遺贈により取得した株式を、相続税の課税価格に算入するために金銭評価する作業です。相続税では、財産の価額は原則として取得時の時価によります。株式については、上場株式、気配相場等のある株式、取引相場のない株式に大別され、評価方法が大きく異なります。
上場株式は、原則として相続開始日の終値を基準にしつつ、相続開始日の属する月、その前月、その前々月の月平均額との比較により、一定の場合にはより低い月平均額を用います。これに対し、非上場会社の株式、いわゆる取引相場のない株式は、同族株主等が取得するか、配当だけを期待する少数株主等が取得するか、会社規模が大会社・中会社・小会社のどれに当たるか、特定の評価会社に該当するかによって、類似業種比準方式、純資産価額方式、併用方式、配当還元方式などを選択または適用します。
相続人にとって最も危険なのは、「非上場株式は市場で売れないから価値が低い」「少数株主だから必ず配当還元方式でよい」「決算書の純資産だけを見ればよい」といった単純化です。株式の相続税評価は、税務上の評価であると同時に、会社支配、遺産分割、遺留分、事業承継、納税資金、税務調査リスクに直結する高難度領域です。
株式の相続税評価とは、被相続人が死亡時に所有していた株式について、相続税の計算上いくらの財産として扱うかを決める手続です。ここでいう株式には、証券会社口座で保有している上場株式だけでなく、家族会社・同族会社・未上場の事業会社の株式、親族間で保有している自社株、種類株式、外国株式、持株会社株式などが含まれる可能性があります。
相続税は、相続財産の総額から債務等を控除し、基礎控除や各種特例を考慮して計算されます。したがって、株式の評価額が高ければ相続税額が増え、低ければ相続税額が減ります。特に自社株や非上場株式は、売却による換金が容易でないにもかかわらず、高額な相続税評価額が生じることがあります。これが、いわゆる「自社株の相続税問題」です。
株式の相続税評価は、単に税額を計算するためだけの作業ではありません。遺産分割協議では、誰がその株式を取得するのか、株式の評価額をどの程度と見るのかが相続人間の利害対立を生みます。会社経営者の死亡時には、議決権の承継、代表者交代、取引先・金融機関への説明、従業員の雇用維持、後継者への経営権集中などが同時に問題となります。
相続税評価では、原則として被相続人の死亡日、すなわち相続開始日が評価の基準時となります。株価、財産状況、債務、会社の資産負債、株主構成などは、この時点を基準として確認します。
上場株式であれば、相続開始日の市場価格が重要になります。非上場株式であれば、相続開始日時点の株主構成や議決権割合、直前期末の決算、保有資産の状況、会社規模、特定会社該当性などを検討します。相続開始後に会社の業績が悪化した、主要取引先を失った、株式を売却できなかった、といった事情は、相続税評価に直接反映されるとは限りません。
もっとも、相続開始日前から既に発生していた事情、たとえば債務超過、重大な訴訟、貸倒れ懸念、保有不動産の価値低下、事業停止状態などは、評価上の検討対象となる可能性があります。相続開始日後に発見された情報でも、それが相続開始日時点の実態を示す資料であれば、評価資料として意味を持つことがあります。
株式の相続税評価では、まず評価対象株式を次のように分類します。
次の一覧は、区分、典型例、評価の基本的な考え方を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 区分 | 典型例 | 評価の基本的な考え方 |
|---|---|---|
| 上場株式 | 証券取引所に上場している株式 | 市場で形成された価格を基礎に評価する |
| 気配相場等のある株式 | 継続的な売買価格や気配値が把握できる一定の株式 | 気配相場等を基礎に評価する |
| 取引相場のない株式 | 非上場会社、同族会社、家族会社、自社株 | 株主の支配力と会社規模に応じて評価する |
一般の相続相談では、上場株式と非上場株式の違いを理解するだけで大きく整理が進みます。上場株式は証券会社の残高証明書、取引所の終値、月平均額などで評価資料を集めやすい。これに対し、非上場株式は、市場価格がないため、会社内部資料、株主名簿、定款、法人税申告書、決算書、勘定科目内訳明細書、固定資産台帳、不動産資料、関係会社資料などが必要になります。
死亡日の終値だけでなく、月平均額との比較で評価額を確認します。
上場株式は、金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格、つまり相続の場合は被相続人の死亡日の終値を基準に評価します。ただし、相続開始日の終値が次の3つの月平均額のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額により評価します。
実務的には、次の4つを比較し、そのうち最も低い価額を用いると理解するとよい。
次の一覧は、比較対象、内容を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 比較対象 | 内容 |
|---|---|
| A | 相続開始日の終値 |
| B | 相続開始日の属する月の終値平均 |
| C | 前月の終値平均 |
| D | 前々月の終値平均 |
この仕組みは、相続開始日だけの一時的な株価上昇によって過大評価されることを避ける機能を持つ。ただし、どの市場の価格を用いるか、相続開始日に取引がない場合、権利落ちや配当落ちがある場合、株式分割・併合がある場合には、通達に従った修正が必要になります。
相続開始日が土日祝日で市場が開いていない場合、相続開始日に終値が存在しません。この場合には、通達上の定めに従い、相続開始日に最も近い日の終値などを確認します。近接する前後の日の価格が問題になるため、証券会社の残高証明書だけでは足りず、取引所公表価格や評価明細書で裏付けることが望ましいです。
上場株式の評価では、次の資料を用意します。
次の一覧は、資料、確認目的を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資料 | 確認目的 |
|---|---|
| 証券会社の残高証明書 | 相続開始日時点の銘柄・株数を確認する |
| 取引報告書・年間取引報告書 | 生前売買、相続開始前後の動きを確認する |
| 配当金通知書 | 未収配当や配当期待の有無を確認する |
| 株式分割・併合等の資料 | 株数と価格修正を確認する |
| 上場株式の評価明細書 | 評価額の計算過程を明確にする |
注意すべきは、上場株式でも相続開始後に売却した価格をそのまま相続税評価額にするわけではないという点です。相続税評価は相続開始日時点の評価であり、相続開始後の売却損益は、原則として別の税務論点になります。
市場価格がないため、支配力、会社規模、資産構成、配当期待を組み合わせて判定します。
取引相場のない株式とは、上場株式や気配相場等のある株式以外の株式をいう。典型的には、家族経営の会社、同族会社、地域の中小企業、資産管理会社、不動産保有会社、持株会社、医療・介護・建設・製造・小売などの未上場会社の株式です。
非上場株式の評価は、相続税実務の中でも特に専門性が高い領域です。理由は、市場価格がないことに加え、株式の価値が会社の財産価値、収益力、株主構成、支配権、配当期待、議決権、種類株式、関係会社、保有不動産、税務上の評価ルールの組み合わせによって決まるからです。
取引相場のない株式の評価方法は、大きく次の2つの軸で決まります。
次の一覧は、軸、検討内容、影響を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 軸 | 検討内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 株主の区分 | 同族株主等か、配当期待にとどまる少数株主等か | 原則的評価方式か配当還元方式かを左右する |
| 会社の規模・性質 | 大会社・中会社・小会社・特定の評価会社か | 類似業種比準、純資産、併用、清算分配見込額などを左右する |
この2つを誤ると、評価額は大きく変わります。特に「相続人が取得する株数だけを見る」のは注意が必要です。判定では、取得者本人だけでなく、同族関係者を含めた議決権割合、会社に同族株主がいるか、取得後の議決権の状況、中心的な同族株主の有無などを確認する必要があります。
原則的評価方式とは、会社を大会社・中会社・小会社に区分し、会社の規模に応じて類似業種比準方式、純資産価額方式、両者の併用方式などにより評価する方法です。会社経営を支配しうる同族株主等が取得する株式は、原則としてこの枠組みで評価されます。
大会社は、上場会社に近い規模のため、原則として類似業種比準方式が用いられます。小会社は、個人事業者の財産評価に近い発想から、原則として純資産価額方式が用いられます。中会社は、その中間に位置するため、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式が用いられます。
同族株主以外の少数株主等が取得する株式については、会社支配力が小さく、実質的には配当を期待するにとどまるという考え方から、配当還元方式が適用される場合があります。
配当還元方式は、一般に評価額が低く出やすい方式です。しかし、少数株主だから自動的に配当還元方式になるわけではありません。評価通達上の株主判定は複雑であり、親族、法人、役員、関係会社、議決権の有無、種類株式の内容を含めて判定する必要があります。
非上場株式の評価方式を、計算の考え方と落とし穴に分けて確認します。
類似業種比準方式は、評価対象会社と事業内容が類似する上場会社群の株価を基礎にし、評価会社の配当、利益、純資産の3要素を比較して評価する方法です。
概念式は次のように理解できます。
ここでいう斟酌率は、上場会社と非上場会社の違い、流動性や安全性の差を調整するための係数であり、会社規模によって異なります。現行実務では、大会社、中会社、小会社で異なる斟酌率が用いられます。
類似業種比準方式では、少なくとも次の情報を確認します。
次の一覧は、情報、内容を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 情報 | 内容 |
|---|---|
| 業種目 | 国税庁が公表する類似業種比準価額計算上の業種目に照らして判定する |
| 類似業種の株価 | 国税庁が公表する業種目別株価等を用いる |
| 1株当たり配当金額 | 評価会社の配当実績を確認する |
| 1株当たり利益金額 | 法人税申告書・決算書から確認する |
| 1株当たり簿価純資産価額 | 税務上の資本金等・利益積立金等を確認する |
| 斟酌率 | 会社規模に応じて適用する |
類似業種比準方式では、次の誤りが頻発します。
次の一覧は、誤り、問題点を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 誤り | 問題点 |
|---|---|
| 業種目の判定を単純な登記目的で決める | 実際の取引金額・事業内容に基づく判定が必要になる |
| 非経常的損益をそのまま使う | 評価上の利益金額の調整が必要になる場合がある |
| 関連会社取引を確認しない | 利益・資産の移転により評価が歪む場合がある |
| 配当ゼロなら必ず低評価で安全と考える | 通達改正や総則6項リスク、租税回避スキームへの対応を無視する危険があります |
| 会社規模判定を誤る | 大会社・中会社・小会社の区分で評価額が大きく変動する |
類似業種比準方式は、非上場会社の収益力を反映しやすい一方で、配当政策、役員報酬、内部留保、関係会社取引、会社分割や株式移転などによって数値が変動します。評価額を意図的に圧縮するスキームが問題視されており、近時は国税庁において取引相場のない株式の評価方法の見直しも議論されています。
純資産価額方式は、会社の資産と負債を相続税評価の考え方により洗い替え、相続税評価額による純資産を基礎として1株当たり価額を算出する方法です。
概念式は次のとおりです。
評価差額に対する法人税額等相当額とは、資産を時価評価した場合の評価益に対応する将来税負担を一定割合で控除する考え方です。令和8年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した取引相場のない株式等については、令和8年3月25日付の財産評価基本通達改正により、純資産価額方式における法人税額等相当額の控除割合が38%とされた。相続開始日がそれ以前の案件では適用割合を確認する必要があります。
純資産価額方式では、決算書上の帳簿価額をそのまま使うわけではありません。会社の各資産を、相続税評価のルールに従って評価し直します。
次の一覧は、資産、評価上の主な確認事項を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資産 | 評価上の主な確認事項 |
|---|---|
| 土地 | 路線価、倍率方式、貸宅地、借地権、貸家建付地、地積、利用状況 |
| 建物 | 固定資産税評価額、賃貸状況、附属設備 |
| 上場株式 | 上場株式の相続税評価ルール |
| 非上場株式 | さらに取引相場のない株式評価を行う必要がある場合がある |
| 預金 | 残高、既経過利息、外貨換算 |
| 売掛金・貸付金 | 回収可能性、貸倒れ、役員貸付金、関係会社貸付金 |
| 棚卸資産 | 陳腐化、不良在庫、評価損の可否 |
| 保険積立金 | 解約返戻金相当額、契約者・被保険者・受取人の確認 |
| 知的財産 | 特許権、商標権、ソフトウェア、営業権の有無 |
純資産価額方式で最も重要なのは、会社が保有する不動産と有価証券です。帳簿上は古い取得価額のままでも、相続税評価上は大きな含み益があることが多くあります。逆に、帳簿上は価値があるように見えても、実際には回収不能の貸付金や陳腐化した在庫がある場合には、評価上の検討が必要になります。
純資産価額方式では、資産だけでなく負債の実在性も確認します。借入金、未払金、未払法人税等、未払賞与、退職給付債務、保証債務、偶発債務、訴訟リスクなどのうち、評価上控除できるものとできないものを慎重に区分します。
特に同族会社では、代表者個人と会社の間に貸付金・借入金が存在することが多くあります。被相続人が会社へ貸していた役員貸付金は、会社側では負債ですが、被相続人側の相続財産としては貸付金債権になります。株式評価だけを見て貸付金を見落とすと、相続財産全体を誤ることになります。
非上場会社が相続開始前3年以内に土地や建物を取得している場合、純資産価額方式において通常の路線価評価等だけでよいかが問題になることがあります。財産評価基本通達には、一定の取得時期の近い土地等・建物等について通常の取引価額を用いる趣旨の規定があり、相続直前に不動産を取得して株式評価を圧縮するような設計には注意が必要です。
この論点は、不動産保有会社、資産管理会社、持株会社で特に重要です。税理士だけでなく、不動産鑑定士、弁護士、公認会計士を交えて、相続開始前後の取得経緯、資金調達、売却予定、グループ内取引を確認することが望ましいです。
中会社では、類似業種比準方式と純資産価額方式を組み合わせる併用方式が用いられます。会社規模が中会社の大・中・小のどこに位置するかにより、類似業種比準価額と純資産価額の比率が異なります。
概念的には、次のような考え方です。
Lの値が大きいほど類似業種比準価額の影響が大きくなり、Lの値が小さいほど純資産価額の影響が大きくなります。国税庁の資料では、中会社の大・中・小について、類似業種比準方式と純資産価額方式の組み合わせ比率が示されています。
併用方式では、類似業種比準価額が低く、純資産価額が高い会社ほど、会社規模区分の違いにより評価額の差が大きくなります。会社規模判定の誤りは税務調査リスクを高めるだけでなく、相続人間の不公平感にも直結します。
配当還元方式は、株主が会社支配を目的とせず、配当を期待するにとどまる場合に、その配当期待を一定利率で還元して株式価値を評価する方法です。
概念式は次のとおりです。
配当還元方式では、一定の下限配当を置く考え方があり、無配会社であっても評価額がゼロになるわけではありません。
配当還元方式は評価額が低くなることが多いため、実務上は次のような場面で争点になりやすくなります。
次の一覧は、場面、争点を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 場面 | 争点 |
|---|---|
| 相続人が少数株式だけを取得する | 同族株主等に該当しないか |
| 議決権制限株式を利用している | 議決権割合の判定と種類株式の実質 |
| 従業員持株会がある | 従業員株主の位置付けと配当還元方式の可否 |
| 親族間で議決権を分散している | 同族関係者を含めた支配力の判定 |
| 組織再編で株主構成を変えた | 評価額圧縮目的と総則6項リスク |
特に、相続直前に議決権を移転したり、無議決権株式を大量に持たせたりして、配当還元方式の適用を作出するような設計は、近時の国税庁資料でも問題意識が示されています。形式上の議決権割合だけでなく、取引の目的、時期、経済合理性、将来の普通株式転換可能性などを含めた総合判断が必要になります。
通常の会社規模判定だけでは足りない論点を確認します。
取引相場のない株式では、通常の大会社・中会社・小会社の枠組みだけでなく、特定の評価会社に該当するかを確認する必要があります。特定の評価会社に該当すると、原則として純資産価額方式や清算分配見込額による評価など、通常とは異なる評価になります。
代表的な特定の評価会社は次のとおりです。
次の一覧は、類型、概要を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 類型 | 概要 |
|---|---|
| 比準要素数1の会社 | 配当・利益・純資産の比準要素のうち一定数がゼロです会社 |
| 3要素すべてがゼロの会社 | 類似業種比準方式が機能しにくい会社 |
| 株式等保有特定会社 | 総資産に占める株式等の割合が高い会社 |
| 土地保有特定会社 | 総資産に占める土地等の割合が高い会社 |
| 開業後3年未満の会社 | 事業実績が十分に蓄積されていない会社 |
| 開業前または休業中の会社 | 通常の収益力評価が困難な会社 |
| 清算中の会社 | 清算分配見込額により評価される会社 |
特定の評価会社判定では、総資産価額に含める資産の範囲、株式等の範囲、新株予約権付社債、土地等の範囲、会社規模、過去の決算数値を精査する必要があります。資産管理会社や持株会社では、特定会社該当性の判断が相続税額を大きく左右します。
非上場会社では、普通株式だけでなく、種類株式が発行されていることがあります。たとえば、議決権制限株式、無議決権株式、配当優先株式、取得請求権付株式、取得条項付株式、拒否権付種類株式などです。
種類株式がある場合、次の資料を確認します。
次の一覧は、資料、確認内容を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資料 | 確認内容 |
|---|---|
| 定款 | 種類株式の内容、議決権、配当、残余財産分配、取得条項 |
| 株主名簿 | 株主別・種類別の株数と議決権 |
| 登記事項証明書 | 発行可能種類株式総数、発行済株式の種類 |
| 株主総会議事録 | 種類株式発行や内容変更の経緯 |
| 株式発行書類 | 発行価額、引受人、払込日、発行目的 |
種類株式は、事業承継や経営権集中のために有用な一方、相続税評価では配当還元方式の適用可否や株式価値の帰属に影響します。議決権を後継者へ集約し、被相続人や他の親族には無議決権株式を持たせる設計では、相続税評価の形式だけでなく、実質的な財産価値、将来転換可能性、租税回避リスクを確認する必要があります。
自己株式についても、発行済株式数からの控除、会社法上の取得手続、みなし配当、譲渡所得、相続後の自己株式取得による納税資金確保など、税務・会社法の複合論点が発生します。相続後に会社が相続人から自己株式を買い取る場合は、相続税の納税資金対策として有用なことがあるが、税務上の特例や手続要件を確認する必要があります。
課税価格と民事上の価額を混同しないことが重要です。
相続税評価額と、遺産分割や遺留分で用いる民事上の価額は、一致するとは限りません。相続税評価は、相続税法と財産評価基本通達に基づく課税上の評価です。一方、遺産分割では、当事者の合意や家庭裁判所の手続において、分割時の時価、鑑定評価、会社価値評価、換価可能性、支配権、流動性などが問題になります。
たとえば、非上場会社の株式について、相続税申告では配当還元方式が適用され低い評価額になったとしても、遺産分割協議で他の相続人が「会社を支配する後継者にとってはもっと価値がある」と主張することがあります。逆に、相続税評価額が高くても、現実には売却できず、配当もないため、代償金支払能力が乏しいと主張されることもある。
紛争対応では、次の区別が重要です。
次の一覧は、場面、評価の目的、主な問題を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 場面 | 評価の目的 | 主な問題 |
|---|---|---|
| 相続税申告 | 課税価格の算定 | 財産評価基本通達に基づく評価 |
| 遺産分割協議 | 遺産をどう分けるか | 合意価額、分割時価、取得者の支払能力 |
| 遺留分侵害額請求 | 遺留分額の計算 | 生前贈与株式、評価時点、会社支配権 |
| 会社法上の株式買取 | 株式の公正価格 | 企業価値評価、DCF、純資産、類似会社比較 |
| 事業承継 | 後継者への支配権移転 | 議決権、税負担、経営安定 |
したがって、相続税申告書上の評価額だけを根拠に、遺産分割や遺留分の主張を完結させるのは注意が必要です。税理士と弁護士が別々に動くのではなく、評価目的を明確にして連携することが望ましいです。
事業会社の株式を後継者が単独取得することは、経営安定の観点から合理的です。しかし、株式評価額が高額であれば、他の相続人は代償金を求めることがあります。後継者に代償金を支払う資金がない場合、遺産分割が難航することがあります。
相続税評価額を基準に代償金を決めるのか、民事上の時価を別途算定するのか、会社の配当可能性や売却可能性をどう見るのか、弁護士と税理士の連携が必要です。
経営者が生前に後継者へ自社株を贈与していた場合、遺留分や特別受益の問題が生じます。贈与時の評価額、相続開始時の評価額、会社価値の増減、後継者の貢献、事業承継税制の利用状況が争点になる可能性があります。
相続税申告上は相続開始前の一定期間内の贈与加算や相続時精算課税が問題になり、民事上は遺留分算定の基礎財産や特別受益の持戻しが問題になります。税務と民事で評価時点・評価目的が異なるため、混同しないことが重要です。
古い同族会社では、設立時に親族や従業員の名義を借りて株式を発行した、実際の出資者と株主名簿上の名義人が異なる、株券がない、配当を受け取っていない、という名義株問題が起こります。
名義株があると、相続財産に含めるべき株式数、議決権割合、同族株主判定、事業承継の支配権がすべて変わります。株主名簿だけでなく、設立時資料、払込資料、配当履歴、議事録、税務申告、過去の株式移動資料を確認する必要があります。
10か月の期限を意識し、上場株式と非上場株式で資料を分けて集めます。
相続税の申告は、原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。株式評価、特に非上場株式の評価には時間がかかるため、死亡後すぐに資料収集を開始する必要があります。
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合でも、申告期限は原則として延びない。株式を誰が取得するか未確定であっても、法定相続分等に従った未分割申告を行う必要が生じることがあります。未分割のまま申告すると、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、株式以外の特例にも影響する場合があるため、相続全体の設計が必要です。
非上場株式では、会社側が資料提供に非協力的な場合もある。後継者が会社を支配しており、他の相続人が株式評価資料にアクセスできない場合、弁護士を通じて資料開示を求める、家庭裁判所手続で資料提出を求める、税理士・公認会計士による分析を行うなどの対応が必要になります。
次の一覧は、資料、用途を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資料 | 用途 |
|---|---|
| 被相続人の戸籍関係 | 相続人の確定 |
| 遺言書 | 株式の取得者、遺言執行者の有無 |
| 遺産分割協議書案 | 取得者と取得割合の確認 |
| 相続開始日時点の財産目録 | 株式以外の財産・債務との整合性 |
| 被相続人の所得税資料 | 配当所得、譲渡所得、生前贈与の確認 |
次の一覧は、資料、用途を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資料 | 用途 |
|---|---|
| 証券会社の残高証明書 | 銘柄・株数・口座の確認 |
| 取引履歴 | 相続開始前後の売買確認 |
| 配当金支払通知 | 未収配当の確認 |
| 株式分割・併合資料 | 株数補正 |
| 外国株式の為替資料 | 邦貨換算 |
次の一覧は、資料、用途を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 資料 | 用途 |
|---|---|
| 定款 | 株式の種類、譲渡制限、議決権 |
| 株主名簿 | 株主構成、同族株主判定 |
| 登記事項証明書 | 発行済株式、役員、種類株式 |
| 直前期・直前々期の決算書 | 比準要素、会社規模、純資産 |
| 法人税申告書別表 | 利益金額、資本金等、利益積立金等 |
| 勘定科目内訳明細書 | 貸付金、借入金、売掛金、買掛金、関係会社取引 |
| 固定資産台帳 | 不動産、減価償却資産、取得時期 |
| 不動産資料 | 路線価、固定資産税評価証明書、賃貸借契約書 |
| 保険契約資料 | 解約返戻金、契約者貸付 |
| 関係会社資料 | 子会社株式・関連会社株式の評価 |
| 株主総会議事録 | 配当、増資、自己株式、種類株式 |
| 役員報酬資料 | 利益調整の有無、経営実態 |
| 借入契約書 | 債務、担保、保証の確認 |
株式の相続税評価では、税務調査において次の点が確認されやすい。
次の一覧は、論点、調査上の関心を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 論点 | 調査上の関心 |
|---|---|
| 株式の存在漏れ | 名義株、親族名義、古い株券、持株会 |
| 株数の誤り | 株式分割、併合、増資、自己株式取得 |
| 株主判定の誤り | 同族関係者、議決権割合、中心的同族株主 |
| 会社規模判定の誤り | 総資産、従業員数、取引金額 |
| 特定会社判定漏れ | 株式等保有、土地保有、開業後3年未満、休眠 |
| 不動産評価の誤り | 路線価、貸宅地、貸家建付地、地積、3年以内取得 |
| 関係会社評価漏れ | 子会社・関連会社株式の評価 |
| 貸付金・仮払金の見落とし | 被相続人と会社の債権債務 |
| 租税回避的取引 | 相続直前の組織再編、種類株式、利益操作、資産移転 |
特に近年は、評価通達の形式に従っていても、評価通達による評価が著しく不適当とされる場合には、総則6項に基づき個別評価が問題になる可能性がある。相続直前に多額の借入れ、不動産取得、グループ内資産移転、種類株式の設計、株主構成の操作を行った場合は、その経済合理性を説明できる資料を残す必要があります。
株価を下げる制度ではなく、評価後の税負担をどう扱うかを検討します。
非上場株式の相続税評価が高額になる場合、法人版事業承継税制の適用を検討することがあります。この制度は、一定の要件を満たす中小企業の非上場株式について、後継者が相続または贈与により取得した場合に、相続税・贈与税の納税猶予および免除を受けられる制度です。
ただし、事業承継税制は「株価を下げる制度」ではありません。株式の相続税評価は通常どおり行い、その評価に基づく税額について、要件を満たせば納税が猶予されるという構造です。したがって、株式の相続税評価を正確に行うことは、事業承継税制を使う場合でも不可欠です。
特例措置では、特例承継計画の提出、都道府県知事の認定、後継者要件、会社要件、継続届出、年次報告など、多数の要件があります。中小企業庁の現行情報では、特例承継計画の提出期限や事業承継の実行期限が示されているため、適用を検討する場合は最新情報を必ず確認します。
事業承継税制は、税理士だけで完結しないことが多くあります。経営承継円滑化法の認定、認定経営革新等支援機関の関与、株主総会・種類株式・代表者変更・金融機関対応・遺留分対策を含むため、税理士、公認会計士、中小企業診断士、弁護士、司法書士、金融機関が連携する必要があります。
非上場株式の相続で最も深刻なのは、評価額が高いにもかかわらず、株式を売却して納税資金を作れないことです。上場株式であれば売却により納税資金を確保しやすいが、非上場株式では買い手が存在しない、定款で譲渡制限がある、会社支配権を失いたくない、少数株式の買い手がいない、といった問題がある。
納税資金対策としては、次の選択肢がある。
次の一覧は、方法、概要、注意点を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 方法 | 概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| 会社による自己株式取得 | 相続人から会社が株式を買い取る | 会社法手続、みなし配当、税務特例、分配可能額 |
| 他の株主・後継者への売却 | 後継者へ株式を集約する | 譲渡価格、贈与認定、資金調達 |
| 延納 | 相続税を分割納付する | 利子税、担保、許可要件 |
| 物納 | 金銭納付困難時に財産で納付する | 非上場株式は要件が厳しい |
| 生命保険 | 死亡保険金で納税資金を準備 | 契約者・被保険者・受取人、非課税枠 |
| 事業承継税制 | 納税猶予・免除 | 継続要件、取消リスク |
納税資金の不足は、相続開始後に初めて検討しても間に合わないことがあります。経営者が存命中から、株式評価、後継者、議決権、納税資金、遺留分、事業承継税制、生命保険、自己株式取得可能性を一体で設計することが望ましいです。
株式の相続税評価では、次のような専門家の役割分担が重要になります。
次の一覧は、専門家、主な役割を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 専門家 | 主な役割 |
|---|---|
| 税理士 | 相続税申告、株式評価明細書、税務相談、税務調査対応 |
| 弁護士 | 遺産分割、遺留分、株主権、資料開示、調停・審判・訴訟 |
| 公認会計士 | 非上場会社の財務分析、企業価値評価、関係会社分析 |
| 司法書士 | 商業登記、不動産登記、相続登記、裁判所提出書類作成の一部 |
| 行政書士 | 遺産分割協議書など紛争性のない書類作成支援 |
| 不動産鑑定士 | 会社保有不動産の時価評価、遺産分割上の不動産評価 |
| 土地家屋調査士 | 境界、分筆、表示登記、土地の現況確認 |
| 中小企業診断士 | 事業承継計画、経営改善、後継者育成 |
| 弁理士 | 特許・商標等の知的財産の承継手続 |
| FP | 家計、保険、納税資金、老後資金を含む全体設計 |
| 信託銀行 | 遺言信託、遺言執行、金融資産の承継支援 |
| 家庭裁判所関係者 | 遺産分割調停・審判における手続進行、調査、専門的知見の活用 |
争いがある相続では、弁護士が全体の紛争対応を担い、税理士が申告と税務評価を担うのが基本です。不動産や非上場会社の価値が大きい場合には、公認会計士や不動産鑑定士の関与が有効です。
非上場株式がある相続では、相続開始後3か月以内の概算評価が重要です。
次の時系列は、相続開始から申告までの作業順序を表しています。非上場株式の評価は資料収集に時間がかかるため重要で、各時期からいつ何を始めるべきかを読み取ってください。
相続人と遺言の有無を確認します。
上場株式の銘柄、株数、口座状況を確認します。
株主名簿、定款、決算書などを確認します。
申告期限に向けて初期判断を行います。
株式評価、遺産分割、納税資金、申告書作成を進めます。
株式の相続税評価を含む相続実務は、次の順序で進める。
次の一覧は、時期、実務を整理したものです。株式の相続税評価で確認漏れを防ぐために重要で、各行から判断対象と確認ポイントの違いを読み取ってください。
| 時期 | 実務 |
|---|---|
| 相続開始直後 | 死亡届、戸籍収集、遺言書確認、相続人調査 |
| 1か月以内 | 証券会社・銀行・会社への照会、残高証明書取得 |
| 2か月以内 | 非上場会社の資料請求、株主名簿・定款・決算書確認 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の検討、概算財産評価 |
| 4から6か月 | 上場株式評価、非上場株式評価、会社保有不動産評価 |
| 6から8か月 | 遺産分割協議、納税資金検討、事業承継税制検討 |
| 8から10か月 | 申告書作成、納税、未分割申告または分割後申告 |
非上場株式がある場合、相続開始後3か月以内に概算評価を行わないと、申告期限までに遺産分割・納税資金・事業承継税制の判断が間に合わないことがあります。資料収集の遅れは、評価誤りや延滞税・加算税のリスクを高める。
株式の相続税評価は、相続財産の中でも特に専門性が高い領域です。上場株式は市場価格を基礎としつつ、月平均額との比較により評価します。非上場株式は、市場価格がないため、株主の支配力、会社規模、会社の資産構成、収益力、特定会社該当性、種類株式、同族関係者の範囲を総合的に検討します。
相続人にとって重要なのは、評価額そのものだけではありません。誰が株式を取得するのか、経営権をどう維持するのか、他の相続人にどう説明するのか、納税資金をどう確保するのか、税務調査で説明できる資料をどう残すのかが同時に問われます。
特に自社株・非上場株式がある相続では、死亡後に初めて資料を集めるのでは遅いことがあります。経営者の生前から、税理士、弁護士、公認会計士、司法書士、不動産鑑定士、中小企業診断士、金融機関が連携し、株式の相続税評価、事業承継、遺留分、納税資金を一体として設計することが、最も実務的で安全な対応です。
このページは、2026年5月19日時点で確認できる公的情報を基礎として作成した一般向け専門解説です。税制、通達、法令、評価明細書、事業承継税制の期限・要件は改正されることがあります。個別案件では、相続開始日、取得者、株式の種類、会社の決算、株主構成、保有資産、遺産分割状況、税務調査リスクにより結論が変わるため、専門家に相談する必要があります。
個別判断ではなく、一般的な制度理解として確認してください。
一般的には、相続税は売却できるかどうかだけでなく、相続開始時に財産的価値があるかどうかを基礎に課税されるとされています。非上場株式は市場で換金しにくい一方、会社の純資産、収益力、支配権、配当可能性などに財産的価値があるため、評価対象になります。ただし、会社の実態や株主区分によって評価は変わる可能性があり、具体的な申告は税理士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、赤字会社であっても評価額がゼロになるとは限らないとされています。利益要素が低くても、土地、有価証券、現預金、関係会社株式などの純資産がある場合、純資産価額方式では高い評価になる可能性があります。債務超過の有無、評価方式、株主区分で結論が変わるため、具体的には資料を整理して税理士等へ確認する必要があります。
一般的には、少数株主というだけで配当還元方式が当然に適用されるわけではないとされています。取得者本人の株数だけでなく、同族関係者を含めた議決権割合、会社に同族株主がいるか、中心的な同族株主の有無などで判断が変わる可能性があります。具体的な判定は、株主名簿や定款などを確認したうえで税理士等へ相談する必要があります。
一般的には、相続税評価額を参考にすることはありますが、遺産分割や遺留分で当然に同じ価額になるとは限らないとされています。民事上は分割時点の価額、取得者の支配権、換価可能性、代償金の支払能力などが問題になります。争いがある場合は、弁護士と税理士などの専門家が評価目的を分けて検討する必要があります。
一般的には、配当政策、役員退職金、組織再編、不動産保有、持株会社化、種類株式、贈与、事業承継税制などが検討対象になることがあります。ただし、相続直前の不自然な取引や租税回避的な設計は、総則6項や否認リスクを招く可能性があります。節税だけでなく、経営承継、遺留分、納税資金、会社法手続を一体で専門家へ相談する必要があります。
一般的には、相続税申告は税理士が中心になることが多いとされています。ただし、相続人間で争いがある、後継者が株式を集中的に取得する、資料開示に応じない相続人がいる、遺留分請求が予想される、会社支配権が問題になる場合は、弁護士の関与が必要になる可能性があります。不動産や関係会社が大きい場合は、公認会計士や不動産鑑定士の関与も検討する必要があります。
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