2σ Guide

法テラスを利用できるのに
使わないのは損なのか

使わないことが常に損とは限りません。ただし、費用不安だけで相談や手続を先送りするなら、法テラスを検討しないことが実質的な不利益につながりやすくなります。

30分×3回 同一問題の無料相談
5千〜1万円 月々返済の目安
約2週間 立替審査の目安
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法テラスを利用できるのに 使わないのは損なのか

使わないことが常に損とは限りません。

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法テラスを利用できるのに 使わないのは損なのか
使わないことが常に損とは限りません。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 法テラスを利用できるのに 使わないのは損なのか
  • 使わないことが常に損とは限りません。

POINT 1

  • 法テラスを利用できるのに使わないのは損なのかの全体像
  • 費用だけでなく、時間、弁護士選び、期限、回収後の精算まで含めて判断します。
  • 総負担の見方
  • 費用不足で対応を断念しそう
  • 期限や安全上の緊急性が高い

POINT 2

  • 法テラスと民事法律扶助の仕組み
  • 法テラスは弁護士検索サイトではなく、公的な司法アクセス支援の仕組みです。
  • 情報提供と法律相談は別です
  • 刑事事件は別制度を確認します
  • 法テラスの正式名称は日本司法支援センターです。

POINT 3

  • 法テラスを利用できる条件と審査のポイント
  • 解決見込み
  • 「勝訴の見込みがないとはいえないこと」が必要です。
  • 制度趣旨への適合
  • 報復、嫌がらせ、自己宣伝、権利濫用を主目的とする手続は援助対象になりません。

POINT 4

  • 法テラスの無料相談を使わないのは損になりやすい場面
  • 1. 全体像と緊急性:法律問題かどうか、期限があるか、まず保存すべき証拠は何かを確認します。
  • 2. 証拠と手続:契約書、通知、メール、録音、写真、時系列表などをもとに、交渉、調停、訴訟、書類作成の選択肢を整理します。
  • 3. 依頼先と方針の比較:相談結果を比べ、法テラスの立替審査に進むか、直接依頼や別制度を検討するかを確認します。

POINT 5

  • 法テラスは無料の弁護士依頼制度ではなく費用立替制度
  • 無利息の分割返済や初期費用の平準化が主なメリットです。
  • 法テラスについて最も多い誤解は、利用できれば弁護士費用がすべて無料になるというものです。
  • 無料になるのは所定の条件を満たした法律相談です。
  • 代理援助・書類作成援助では、法テラスが着手金や実費等をいったん支払い、利用者が分割返済するのが原則です。

POINT 6

  • 法テラス利用のデメリットと制約
  • 審査と資料準備
  • 裁判所への回答期限、交渉期限、保全の必要性がある場合、審査待ちが機会損失になる可能性があります。
  • 弁護士の受任可能性
  • 希望する弁護士が法テラスと契約していない、または事件を扱えない場合、立替制度を使えないことがあります。

POINT 7

  • 法テラスでも弁護士選びの余地はあるのか
  • 1. 必要分野と地域を整理:離婚、借金、労働、相続などの分野と、面談しやすい地域を確認します。
  • 2. 候補を探す:弁護士検索、弁護士会、法テラス地方事務所の情報を見ます。
  • 3. 法テラス案件として対応可能か確認:契約弁護士か、当該事件を受任できるか、援助決定前の対応範囲を確認します。
  • 4. 法テラス利用を前提に比較:費用、着手時期、連絡方法、専門経験を確認します。
  • 5. 直接依頼や別制度を比較:費用特約、分割払い、他の相談窓口も検討します。

POINT 8

  • 法テラスを使わない方が合理的になり得る場面
  • 利用できることと、利用すべきことは同じではありません。
  • 法テラスを使わない選択が合理的になる場面もあります。
  • 重要なのは、法テラスを否定することではなく、事件の緊急性、専門性、別の費用補償、費用対効果を比較することです。

まとめ

  • 法テラスを利用できるのに 使わないのは損なのか
  • 法テラスを利用できるのに使わないのは損なのかの全体像:費用だけでなく、時間、弁護士選び、期限、回収後の精算まで含めて判断します。
  • 法テラスと民事法律扶助の仕組み:法テラスは弁護士検索サイトではなく、公的な司法アクセス支援の仕組みです。
  • 法テラスを利用できる条件と審査のポイント:収入・資産だけでなく、解決見込みと制度趣旨への適合性も確認されます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

法テラスを利用できるのに使わないのは損なのかの全体像

費用だけでなく、時間、弁護士選び、期限、回収後の精算まで含めて判断します。

結論は、法テラスを使わないこと自体が常に損とはいえない一方、弁護士費用を準備できないために相談や手続を先送りするなら、検討しないことが不利益になりやすいというものです。

法テラスの民事法律扶助には、無料法律相談と、弁護士・司法書士費用等の立替制度があります。無料法律相談は原則として1回30分、同一問題につき3回まで利用できます。依頼費用の立替えは無料ではなく、法テラスがいったん支払い、利用者が原則として分割返済する制度です。

損得を考えるときは、名目上の費用差だけでは足りません。次の強調部分は、比較すべき総負担の考え方を示しています。費用不安で何もしない場合のリスクと、法テラスを経由する時間や制約を同じ土俵で見ることが重要です。

総負担の見方

総負担 = 弁護士等に支払う費用 + 申込み・審査の時間と手間 + 期限を逃すリスク + 希望する弁護士との適合性 - 資金繰り改善効果 - 法的リスクを早期に把握できる効果

判断の入口は、法テラスが得か損かを一言で決めることではありません。次の一覧は、利用を検討しやすい場面と、直接依頼や別制度を比較した方がよい場面を並べたものです。自分の状況がどちらに近いかを読み取ると、優先すべき確認事項が見えてきます。

検討価値が高い

費用不足で対応を断念しそう

着手金や実費を一括で準備できず、相談や手続を先送りしている場合は、無利息の立替えにより選択肢を確保できる可能性があります。

比較が必要

期限や安全上の緊急性が高い

裁判所の期限、保全、身の安全、住居の問題などが迫っている場合は、審査完了を待つこと自体が不利益になる可能性があります。

直接依頼も候補

専門性や費用特約を優先できる

特定分野の弁護士へ直ちに依頼したい場合や、弁護士費用特約など別の費用補償を使える場合は、法テラスを使わない判断にも合理性があります。

Section 01

法テラスと民事法律扶助の仕組み

法テラスは弁護士検索サイトではなく、公的な司法アクセス支援の仕組みです。

法テラスの正式名称は日本司法支援センターです。総合法律支援法に基づき、法的トラブルの解決に必要な情報やサービスへアクセスしやすくするために設立されています。このページで主に扱うのは、その中の民事法律扶助です。

民事法律扶助は、相談、代理、書類作成で役割と費用負担が異なります。次の比較表は、各区分が何を支援し、利用者の負担がどのように変わるかを整理しています。無料相談と依頼費用の立替えを混同しないことが、損得判断の出発点です。

区分内容費用負担の基本
法律相談援助弁護士または司法書士による法律相談所定の要件を満たせば無料
代理援助交渉、調停、訴訟等を弁護士・司法書士に依頼する費用の立替え原則として法テラスへ分割返済
書類作成援助裁判所提出書類等の作成費用の立替え原則として法テラスへ分割返済

情報提供と法律相談は別です

法テラスの情報提供は、一般に資力を問わず利用できます。ただし、窓口で制度や相談先を案内してもらうことと、具体的な権利関係や見通しについて法律相談を受けることは別です。個別の判断が必要なときは、弁護士または司法書士への相談につなげる必要があります。

刑事事件は別制度を確認します

一般の民事法律扶助相談は、民事、家事、行政に関する問題を対象とします。刑事事件には国選弁護、当番弁護士など別の制度があります。相談内容が民事法律扶助の対象か、刑事手続上の制度を使うべきかを最初に分けることが大切です。

Section 02

法テラスを利用できる条件と審査のポイント

収入・資産だけでなく、解決見込みと制度趣旨への適合性も確認されます。

民事法律扶助の対象は、原則として日本国民および日本に住所を有し適法に在留する外国人です。法人や組合などの団体は原則として対象外です。個人事業や法人代表者個人の問題では、具体的事情により扱いが分かれます。

2026年6月23日時点で公表されている収入と資産の目安は、地域と家族人数で変わります。次の表は、東京都特別区・大阪市等と、それ以外の地域の違いを同じ形式で示しています。自分がどちらの地域基準に近いか、手取り月収と資産の両方を見ることが重要です。

家族人数東京都特別区・大阪市等の手取り月収上記以外の手取り月収資産基準
1人200,200円以下182,000円以下180万円以下
2人276,100円以下251,000円以下250万円以下
3人299,200円以下272,000円以下270万円以下
4人328,900円以下299,000円以下300万円以下

5人以上の世帯では、同居家族が1人増えるごとに、東京都特別区・大阪市等では33,000円、それ以外の地域では30,000円が収入基準に加算されます。資産基準は4人以上で300万円が目安です。賞与を含む手取り年収の12分の1を基本に判定し、原則として本人と配偶者の収入・資産を合算します。離婚事件などで配偶者が相手方の場合は、本人分のみで判断されることがあります。

収入基準を少し超えていても、家賃・住宅ローン、医療費、教育費、職業上やむを得ない支出が考慮される場合があります。次の表は住居費の考慮上限を示します。上限額はそのまま無条件で差し引ける数字ではなく、資料提出と審査で判断される点を読み取ってください。

家族人数一般の上限東京都特別区の上限
1人41,000円53,000円
2人53,000円68,000円
3人66,000円85,000円
4人以上71,000円92,000円

無料相談と依頼費用の立替えでは、資産の見方も異なります。法律相談援助では主として現金・預貯金が確認されますが、代理援助・書類作成援助では有価証券や、自宅・係争物件を除く不動産等も考慮されます。無料相談を受けられたからといって、立替えも当然に認められるわけではありません。

立替制度では、資力基準に加えて2つの実質要件があります。次の一覧は、審査で問題になりやすい観点をまとめたものです。単に収入が基準内かだけではなく、法的手続を進める合理性や制度利用の相当性を読み取る必要があります。

解決見込み

「勝訴の見込みがないとはいえないこと」が必要です。勝訴だけでなく、和解、調停、示談、自己破産の免責など、問題解決へ進む可能性も含めて考えます。

制度趣旨への適合

報復、嫌がらせ、自己宣伝、権利濫用を主目的とする手続は援助対象になりません。請求額や回収可能性との関係で相当性が問われることもあります。

期限を待つ危険

自己判定で基準を満たしていても、審査で認められない場合があります。裁判所や相手方の期限が迫るときは、審査完了まで何もしない対応は避ける必要があります。

Section 03

法テラスの無料相談を使わないのは損になりやすい場面

無料相談は依頼とは別で、法的問題の有無や緊急性を確認する入口になります。

無料法律相談は、弁護士等への依頼費用の立替えよりも、利用の合理性を認めやすい制度です。原則として1回30分、同一問題につき3回までで、別の弁護士・司法書士へ相談することもできます。相談した専門家へ依頼する義務が当然に生じる制度でもありません。

30分は長くないため、相談目的を分けて使うと比較しやすくなります。次の時系列は、3回の相談枠をどのように使うと確認漏れを減らせるかを示しています。順番ごとに聞く内容を変えることで、同じ説明を繰り返すだけで終わることを避けられます。

1回目

全体像と緊急性

法律問題かどうか、期限があるか、まず保存すべき証拠は何かを確認します。

2回目

証拠と手続

契約書、通知、メール、録音、写真、時系列表などをもとに、交渉、調停、訴訟、書類作成の選択肢を整理します。

3回目

依頼先と方針の比較

相談結果を比べ、法テラスの立替審査に進むか、直接依頼や別制度を検討するかを確認します。

無料相談の利用価値が高いのは、法律問題か分からない、弁護士へ依頼すべき規模か判断できない、法的根拠や証拠保存を確認したい、相手方へ連絡する前に注意点を知りたい、といった場面です。

準備事情説明だけで30分が終わらないように、何が起きたか、何を実現したいか、最も知りたいことを1枚程度に整理しておくと、相談の密度が上がります。

一方で、すでに信頼できる弁護士へ依頼している場合、弁護士費用特約等で直ちに専門相談を受けられる場合、期限が極めて近く予約を待てない場合には、法テラスの無料相談を経由しないことにも合理性があります。

Section 04

法テラスは無料の弁護士依頼制度ではなく費用立替制度

無利息の分割返済や初期費用の平準化が主なメリットです。

法テラスについて最も多い誤解は、利用できれば弁護士費用がすべて無料になるというものです。無料になるのは所定の条件を満たした法律相談です。代理援助・書類作成援助では、法テラスが着手金や実費等をいったん支払い、利用者が分割返済するのが原則です。

費用面の特徴は、支払額だけでなく支払時期にも表れます。次の一覧は、法テラス利用と直接依頼で違いが出やすい項目を整理しています。初期費用を下げられる点と、事件終了時の報酬金や回収金からの精算をあわせて読み取る必要があります。

比較項目法テラス利用直接依頼
初回相談料要件を満たせば同一問題3回まで無料事務所により有料・無料
着手時の資金所定費用を法テラスが立替え契約に従い本人が支払うのが基本
分割払い審査で決定し、立替金に利息は付かない事務所との合意による
回収金原則として立替金・報酬金を精算委任契約に従って精算
返済困難時変更、猶予、免除申請の制度あり事務所との協議や契約による

法テラスの案内では、月額5,000円または1万円程度の分割返済が典型例として示されています。実際の月額、立替額、支払方法は審査で決まり、事件終了時には成果に応じた報酬金が決定される場合があります。

費用立替のメリットは複数あります。次の一覧は、資金不足で動けない状態と比べて、どのような実務上の価値があるかを示しています。安く見えるかだけでなく、権利行使へ進めること、生活費への影響を抑えること、返済が困難な場合の調整余地を読み取ってください。

1

初期費用の壁を下げる

着手金や実費を一括で準備できない人でも、交渉、調停、訴訟等へ進みやすくなります。

資金繰り
2

無利息で分割返済できる

一括払いと比べ、当面の生活費への影響を抑えやすくなります。ただし返済義務が消えるわけではありません。

無利息返済管理
3

困窮時の調整制度がある

返済が著しく困難な場合、返済方法の変更、猶予、免除を申請できることがあります。免除は自動ではなく審査が必要です。

猶予免除審査

相手方から慰謝料、未払金、解決金、過払金などを受け取った場合には、原則としてその金銭から報酬金や立替金を精算します。生活費として先に使ってしまったから当然に返済が免除される、という仕組みではありません。

Section 05

法テラス利用のデメリットと制約

審査期間、資料準備、立替対象外費用、返済管理は事前確認が必要です。

立替制度を利用するには、住民票、収入資料、資産資料、事件関係資料、返済口座の資料などを準備します。通常、申込みから決定まで2週間程度と案内されていますが、書類不備、繁忙期、事件内容によって長くなることがあります。

利用前に見るべき制約は、費用額だけではありません。次の一覧は、法テラスを経由することで発生し得る時間・費用・手続上の制約をまとめています。自分の事件でどの項目が結果に影響するかを読み取ってください。

審査と資料準備

裁判所への回答期限、交渉期限、保全の必要性がある場合、審査待ちが機会損失になる可能性があります。

弁護士の受任可能性

希望する弁護士が法テラスと契約していない、または事件を扱えない場合、立替制度を使えないことがあります。

対象外費用

鑑定、翻訳、調査、出張、予納金などで、立替対象や上限に制約が出ることがあります。

回収金の精算

相手方から得た金銭は、原則として報酬金や立替金の精算に充てられます。手元に残る額の確認が必要です。

返済管理

分割払いでも返済義務は残ります。収入減少時は放置せず、返済額変更や猶予を早めに相談することが重要です。

制度基準とのズレ

本人が徹底的に争いたいと考えても、公的制度として費用対効果や解決可能性が審査されます。

「法テラスを使えば事件に必要な費用を一切準備しなくてよい」と考えるのは危険です。何が立替対象になるか、上限を超える可能性があるか、裁判所へ納める費用で本人負担となるものがあるかを確認する必要があります。

注意援助決定前に弁護士が行った業務や、後から追加した手続が当然に立替対象になるとは限りません。緊急対応が必要なときほど、どこから法テラスの対象になるのかを確認してください。
Section 06

法テラスでも弁護士選びの余地はあるのか

契約弁護士かどうか、受任できるか、専門性が合うかを分けて確認します。

法テラス経由でも、弁護士の選択余地はあります。法テラス事務所で相談予約を取る方法のほか、地域によっては契約弁護士・司法書士の事務所へ直接予約する方法があります。自分で見つけた弁護士が法テラス契約弁護士で、事件の受任に同意すれば、立替制度を利用できる場合もあります。

弁護士選びでは、制度利用の有無よりも確認手順が大切です。次の手順は、希望する弁護士と法テラス利用を両立できるかを確認する流れを示しています。上から順番に進めることで、専門性、契約状況、着手時期を混同せずに比較できます。

法テラス利用と弁護士選びの判断の流れ

必要分野と地域を整理

離婚、借金、労働、相続などの分野と、面談しやすい地域を確認します。

候補を探す

弁護士検索、弁護士会、法テラス地方事務所の情報を見ます。

法テラス案件として対応可能か確認

契約弁護士か、当該事件を受任できるか、援助決定前の対応範囲を確認します。

可能
法テラス利用を前提に比較

費用、着手時期、連絡方法、専門経験を確認します。

困難
直接依頼や別制度を比較

費用特約、分割払い、他の相談窓口も検討します。

「法テラスの弁護士は質が低い」という一般化はできません。法テラス案件を担当するのは、法テラスと契約した弁護士・司法書士等です。制度利用の有無だけで、能力、経験、説明の丁寧さ、事件への適合性を一律に評価することはできません。

確認すべきなのは、同種事件の取扱経験、依頼者が目指す解決への理解、不利な点も説明するか、連絡方法と返信の目安、誰が主担当になるか、追加費用や立替対象外費用の説明、方針変更時の説明方法です。

比較同一問題について3回まで無料相談が可能で、別の弁護士等へ相談することもできます。相談ごとに同じ時系列表と主要資料を使い、同じ質問をすると見解を比較しやすくなります。
Section 07

法テラスを使わない方が合理的になり得る場面

利用できることと、利用すべきことは同じではありません。

法テラスを使わない選択が合理的になる場面もあります。重要なのは、法テラスを否定することではなく、事件の緊急性、専門性、別の費用補償、費用対効果を比較することです。

次の比較表は、法テラスを使わない判断が検討される代表的な場面を整理しています。左列の状況に当てはまるほど、審査を待つ不利益や専門家選びの価値が費用差を上回る可能性を読み取る必要があります。

場面使わない判断が合理的になり得る理由確認すべきこと
極めて緊急性が高い審査完了を待つことが不利益になる可能性があります。緊急対応可能な弁護士や関係機関へ直ちにつながれるか
高度な専門性が必要候補弁護士が限られ、希望する弁護士が法テラス案件を扱わないことがあります。専門経験、着手時期、直接依頼の見積り
弁護士費用特約等が使える本人負担を別制度で抑えられる可能性があります。補償対象、上限、弁護士選任方法
自費契約の条件が有利分割、定額制、着手金を抑えた契約などが合う場合があります。着手金、報酬金、実費、追加手続、日当
請求額や回収可能性が低い援助が認められない、または費用が回収額を上回る可能性があります。本人手続、少額訴訟、民事調停、行政・業界ADR
書類作成だけで足りる全面的な代理より、書類作成援助や本人対応が適することがあります。争点の複雑さ、期日対応の可否、相手方との対立度
期限裁判所書類、契約解除通知、強制執行、保全、安全上の問題がある場合は、法テラスの審査が通るまで待つ前提で動くのは危険です。期限と緊急性は相談時に最優先で伝える必要があります。
Section 08

法テラスを使わないと損になりやすい状況別の見方

借金、離婚、労働、少額請求では、費用と緊急性の重みが変わります。

状況によって、法テラスを検討する価値は変わります。次の比較表は、代表的な事件類型ごとに、利用価値が高い点と注意点を整理したものです。自分の問題に近い行で、何を優先して相談すべきかを読み取ってください。

類型利用価値が高い点注意点
借金・自己破産費用不足が債務整理の障害になる場面で、相談や手続へ進みやすくなります。予納金の立替対象には制限があり、免責の見込みも審査されます。
離婚・婚姻費用・養育費生活費、子の監護、住居、財産分与などを初期費用を抑えて相談できます。DV、安全、子の連れ去り、財産処分のおそれがある場合は迅速性が優先です。
未払賃金・解雇雇用契約書、給与明細、勤怠記録などをもとに見通しを確認できます。請求額、会社の支払能力、労働審判・訴訟・交渉の選択で費用対効果が変わります。
少額の金銭請求無料相談で法的根拠と証拠を確認し、本人手続の可否を見極められます。請求額や回収可能性が低いと、援助対象にならない可能性があります。

生活保護を受給している場合でも、立替制度を利用できます。受給中は返済が猶予される扱いがあり、全ての援助事件が終了した後も生活保護を受給している場合には、返済免除を申請できます。ただし、生活保護受給者であることだけで自動的に免除されるわけではありません。

返済免除の判断では、申請時の経済状況、事件の結果、相手方から得た金銭その他の経済的利益等が考慮されます。相手方から金銭等を得た、または得る見込みがある場合、原則としてその25%相当額を償還に充てていないことが不利になると案内されています。

Section 09

法テラス申込みから事件終了までの流れ

相談、資料準備、審査、三者契約、返済、終結審査という順序で進みます。

立替制度は、相談してすぐ依頼が完了する仕組みではありません。次の時系列は、申込みから事件終了までの順序を示しています。各段階で必要になる資料や判断が異なるため、どこで時間がかかるかを読み取ることが重要です。

第1段階

法律相談

法的問題の有無、解決方法、必要な手続、見通し、法テラス利用の適否を確認します。

第2段階

必要資料の準備

住民票、収入資料、資産資料、事件資料、返済口座の資料などをそろえます。

第3段階

審査

援助の可否、着手金・実費等の額、支払方法、月々の返済額が決まります。

第4段階

三者契約と事件着手

利用者、受任する弁護士・司法書士、法テラスの三者間で契約し、事件処理が始まります。

第5段階

分割返済

原則として援助開始後から、法テラスへの分割返済が始まります。

第6段階

事件終了と終結審査

成果、報酬金、残る立替金、返済方法が決まり、回収金があれば精算されます。

30分の相談を有効にするには、資料を多く持ち込むだけでなく、重要度順に整理することが大切です。次の比較表は、相談前にまとめるとよい資料と、何を判断するために必要かを示しています。期限と証拠を先に見せられるようにすることが読み取りの中心です。

準備するもの内容確認できること
1枚の時系列表日付、起きたこと、相手方の発言・対応、証拠争点と期限の整理
希望する結果回収したい金額、契約終了、離婚、生活安定、退去回避、債務整理など法的に目指す着地点
期限の一覧裁判所書類、督促、契約解除通知、回答期限、受領日緊急性と初動の優先度
主要資料契約書、通知、請求書、メール、録音、写真、通帳、封筒法的根拠と証拠の有無

相談で確認すべき質問は、法律上の争点、有利・不利な点、追加証拠、期限までの行動、交渉・調停・訴訟等の選択、法テラス審査の見込み、受任可能性、立替対象外費用、回収金の精算、事件全体のおおよその期間です。

Section 10

法テラスを利用するか判断するための比較方法

法テラス、直接依頼、別制度、何もしない場合の総負担を比べます。

実際の比較対象は、法テラスと自費依頼だけではありません。多くの場合、法テラスを利用して対応することと、費用を恐れて対応しないこととの比較になります。未対応のまま期限や証拠を失うリスクも、損得の中に含める必要があります。

損得を見るときは、今すぐ用意しなくて済む金額という初期資金価値、審査待ちで失う可能性がある時間価値、希望する専門家に依頼できるかという専門適合性価値、何もしない場合に請求・住居・家族関係・債務・信用へ生じる未対応リスクを分けて考えると整理しやすくなります。

次の横方向の比較は、法テラスを使わない場合の評価を状況ごとに整理したものです。上にある項目ほど法テラスの検討価値が高く、下に進むほど直接依頼や別制度との比較が重要になる、と読み取ってください。

初期費用不足
見通し確認
生活保護中
弁護士特約あり
期限目前
横方向の長さは法テラスを先に検討する必要性の強弱を表します。個別事情で結論は変わります。

最終判断では、次の7段階を順に確認します。この判断の流れは、緊急性、必要な支援、資力基準、解決見込み、弁護士選び、直接依頼との比較、何もしない場合の損失を並べたものです。途中で緊急性が高いと分かった場合は、審査待ちより初動対応を優先することを読み取ってください。

損失を避けるための判断の流れ

期限または安全上の緊急性を確認

ある場合は、審査完了を待つ前提にせず、弁護士や関係機関へ直ちに連絡します。

必要な支援を分ける

情報、相談、書類作成、代理のどれが必要かを整理します。

資力基準の可能性を確認

収入、賞与、資産、家賃、医療費、教育費を整理します。

解決見込みと制度趣旨を確認

証拠、法的根拠、相手方の資力、請求額、本人の目的を確認します。

希望する弁護士の対応可否を確認

契約弁護士か、法テラス案件として受任できるかを聞きます。

直接依頼の条件も比べる

見積り、着手時期、専門性、費用特約を確認します。

何もしない場合の損失を入れて決める

費用差だけでなく、請求、住居、家族関係、債務、信用への影響も比較します。

制度の社会的意義も押さえておくと、利用への心理的抵抗を下げられます。法テラスの令和6年度資料では、法律相談援助は299,899件、代理援助は102,754件、業務開始以来の累計は法律相談援助が503万件、代理援助が188万件を超えています。利用は例外的なものではなく、司法アクセスを支える公的制度の一部です。

結論法テラスを使わないこと自体が損なのではありません。法テラスを含む現実的な選択肢を比較しないまま、費用への不安だけで法律相談や必要な手続を断念することが損になりやすい、という理解が最も実務的です。
Section 11

法テラスを利用できるのに使わないのは損なのかのFAQ

よくある疑問を一般情報として整理します。個別の見通しは資料と事情で変わります。

Q1.法テラスを利用できるのに使わないのは損なのか

一般的には、常に損とは限りません。ただし、費用を準備できないために相談や法的対応を断念する場合は、法テラスを検討しないことが不利益につながる可能性があります。緊急性、専門性、費用補償、証拠関係によって結論は変わるため、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2.法テラスなら弁護士費用は全部無料ですか

一般的には、無料法律相談と依頼費用の立替えは別です。代理援助・書類作成援助は、原則として分割返済が必要とされ、事件終了時に報酬金が決定される場合もあります。立替額や返済方法は審査で決まるため、具体的には法テラスまたは取扱弁護士等へ確認する必要があります。

Q3.収入基準を満たせば利用は確定しますか

一般的には、収入基準だけで利用が確定するわけではありません。代理援助・書類作成援助では、資力基準に加え、解決見込みや民事法律扶助の趣旨に適することも審査されます。事件内容や証拠関係によって判断が変わるため、資料を整理したうえで相談する必要があります。

Q4.弁護士を選べますか

一般的には、選択の余地はあります。契約弁護士の事務所へ直接相談できる地域があり、自分で見つけた契約弁護士が受任に同意すれば立替制度を利用できる場合があります。ただし、特定の弁護士の受任は保証されず、専門分野、利益相反、業務量などで結論が変わる可能性があります。

Q5.相談した弁護士へ依頼しなければなりませんか

一般的には、その必要はないと案内されています。同一問題3回までの範囲で、別の弁護士・司法書士へ相談することも可能です。ただし、相談回数や同一問題の扱いは制度運用に関わるため、具体的には相談予約時に確認する必要があります。

Q6.審査にはどのくらいかかりますか

一般的には、申込みから決定まで2週間程度と案内されています。ただし、資料不備、事件内容、地域や時期によって長くなる可能性があります。裁判所や相手方の期限がある場合は、相談時に期限を明示し、具体的な対応は弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

Q7.生活保護を受けていれば返済は免除されますか

一般的には、自動的に免除されるわけではありません。受給中は返済が猶予される扱いがあり、事件終了後に免除申請が可能とされていますが、経済状況や事件で得た利益等を踏まえて審査されます。具体的な免除可能性は、法テラスへ確認する必要があります。

Q8.相手方から慰謝料や解決金を受け取ったら全額を受け取れますか

一般的には、回収した金銭から報酬金や立替金等を精算するとされています。本人へ最終的にいくら返還されるかは、事件結果、立替額、報酬金、法テラスの決定で変わります。具体的な手取額は、受任者や法テラスに確認する必要があります。

Q9.法テラスの弁護士は直接依頼する弁護士より質が低いですか

一般的には、制度利用の有無だけで一律に判断できません。担当者の経験、専門性、説明、連絡方法、事件との相性によって評価は変わります。具体的には、同種事件の経験や受任体制を相談時に確認する必要があります。

Q10.刑事事件でも無料相談を利用できますか

一般的には、民事法律扶助の無料相談は民事・家事・行政に関する問題が中心で、刑事事件は別制度の確認が必要とされています。国選弁護や当番弁護士などの制度が関係する可能性があるため、具体的には法テラスや弁護士会等の案内を確認する必要があります。

Q11.自己破産の費用はすべて立て替えてもらえますか

一般的には、すべてとは限りません。自己破産の予納金等には立替対象の制限があり、免責の見込みや財産状況なども確認されます。事件類型と本人の状況に応じて判断が変わるため、具体的には弁護士と法テラスへ確認する必要があります。

Q12.まず何をすればよいですか

一般的には、裁判所や相手方から届いた書類の期限を確認し、時系列表と主要資料を準備して、法テラスまたは法テラス契約弁護士へ相談する流れが考えられます。ただし、期限や安全に関わる事情がある場合は初動が変わる可能性があるため、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

この記事の参考情報源

公的機関や制度運用資料を中心に確認しています。

法令・制度の基本資料

  • e-Gov法令検索「総合法律支援法」
  • 日本司法支援センター「法テラスとは」
  • 日本司法支援センター「民事法律扶助業務」
  • 日本司法支援センター「総合法律支援法について」

利用条件・費用・審査に関する資料

  • 日本司法支援センター「無料法律相談のご利用の流れ」
  • 日本司法支援センター「無料法律相談に関するよくあるご質問」
  • 日本司法支援センター「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
  • 日本司法支援センター「費用の目安」
  • 日本司法支援センター「審査に必要な書類について」
  • 日本司法支援センター「立替制度に関するよくあるご質問」

返済・免除・利用実績に関する資料

  • 日本司法支援センター「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」
  • 日本司法支援センター「日本司法支援センター業務方法書」
  • 日本司法支援センター「法テラスをご利用中の方」
  • 日本司法支援センター「令和6年度 民事法律扶助業務」

相談先・弁護士検索に関する資料

  • 日本弁護士連合会「弁護士検索」
  • 日本弁護士連合会「全国の弁護士会の法律相談センター」
  • 日本司法支援センター「契約弁護士・司法書士名簿に関する案内」